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公開番号2024141230
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023052754
出願日2023-03-29
発明の名称選択結合性物質固定化担体
出願人東レ株式会社
代理人
主分類G01N 33/543 20060101AFI20241003BHJP(測定;試験)
要約【課題】同一担体上に複数の反応領域を有する選択結合性物質固定化担体において、反応領域間の検出シグナルのバラツキを抑えて、測定結果を安定させること。
【解決手段】選択結合性物質を固定化する段階で生ずる、担体表面のN-ヒドロキシコハク酸イミドエステルの残存量を抑えた、選択結合性物質固定化担体。具体的には、ポリメタクリル酸メチルエステル(PMMA)からなる担体表面を飛行時間型二次イオン質量分析(TOF-SIMS)法により分析したときの、C4H5O2 -(m/z 85.04)のピークに対するC4H4NO2 -(m/z 98.24)のピークの強度比率が0.02以下、またはC4H5O2 -(m/z 85.04)のピークに対するC4H4NO3 -(m/z 114.02)のピークの強度比率が0.005以下の担体。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
その表面の固定化領域に選択結合性物質が固定化された担体であって、同一担体上に複数の反応領域が存在し、該担体がポリメタクリル酸メチルエステルから成り、該選択結合性物質がN-ヒドロキシコハク酸イミドエステルを形成する工程を含む方法で該固定化領域に固定化されており、該担体の選択結合性物質が固定化されていない領域表面における飛行時間型二次イオン質量分析(TOF-SIMS)法の陰イオン解析において、C






(m/z 85.04)のピークに対するC



NO


(m/z 98.24)のピークの強度比率が0.02以下であることまたはC






(m/z 85.04)のピークに対するC



NO


(m/z 114.02)のピークの強度比率が0.005以下であることを特徴とする、担体。
続きを表示(約 160 文字)【請求項2】
選択結合性物質が担体に、アミノ酸、ペプチドまたはそれらの誘導体を介して固定化された、請求項1に記載の担体。
【請求項3】
選択結合性物質が核酸である、請求項1または2に記載の担体。
【請求項4】
検出対象がマイクロRNAである、請求項1~3のいずかれに記載の担体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、測定対象物質と選択的に結合する物質を固定化した担体に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
選択結合性物質固定化担体とは、測定対象物質と選択的に結合する核酸、タンパク質などの物質(本明細書において「選択結合性物質」という。)を担体の表面に固定化させたものであって、当該選択的結合されたものを蛍光などにより測定対象物質を検出し、また、その強度変化やパターンから分子識別や診断を行うことができるものである。
【0003】
選択結合性物質を担体に固定化する方法としては、担体表面に化学的に結合させる方法が主に用いられる。例えば、担体の表面にあらかじめカルボキシ基を生成させた担体を用いて、担体上のカルボキシ基と選択結合性物質のアミノ基とを縮合反応させてアミド結合を形成することにより、選択結合性物質を担体表面に直接固定化することができる。
【0004】
一方、選択結合性物質を担体表面に直接固定化する方法以外に、リンカーとなる分子を介して固定化する方法も知られている。例えば、特許文献1には、アミノ酸およびペプチドをリンカーとしてDNAを担体表面に固定化する方法が記載されており、リンカーを介して固定化することで、測定対象物質を反応させた際の検出シグナルの向上といった効果を得ることができる。
【0005】
また、測定効率を向上させる目的で、同一担体上に複数の反応領域を設置することで、測定対象物質を含む複数の検体を同時に測定可能な選択結合性物質固定化担体も開発されている。例えば、特許文献2には同一担体上に12および24か所の反応領域を有する選択結合性物質固定化担体が記載されている。同一担体上に複数の反応領域を設置する場合、担体上の反応領域の位置によって測定結果に差が生じないよう反応領域間の検出シグナルのバラツキを抑えることが重要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2006-208012号公報
国際公開第2015/147004号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者らは、後述する比較例1に示すとおり、24か所の反応領域を有する担体に、検出シグナルの向上を目的に、特許文献1に記載の方法でペプチドからなるリンカーを介してDNAを固定化した。得られたDNA固定化担体について、測定対象物質であるマイクロRNAを含む検体とのハイブリダイゼーション反応により得られる検出シグナルの反応領域間のバラツキを、変動係数(CV)を指標に評価した結果、CVが5%を超えており、バラツキが大きいことが明らかとなった。つまり、複数の反応領域を有する担体に選択結合性物質を固定した場合、得られる測定対象物質の検出シグナルに反応領域間でバラツキがあり、測定結果に差が生じることが明らかとなった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭意検討した結果、反応領域間で検出シグナルがバラつく原因が、担体表面に残存するN-ヒドロキシコハク酸イミドエステル(以下、NHSエステル)にあることを、飛行時間型二次イオン質量分析(TOF-SIMS)法による分析により明らかとした。そして、担体表面のNHSエステルの残存量を抑えることで、反応領域間の検出シグナルのバラツキが抑えられることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
すなわち、本発明は、以下(1)~(4)の態様で構成される。
(1)その表面の固定化領域に選択結合性物質が固定化された担体であって、同一担体上に複数の反応領域が存在し、該担体がポリメタクリル酸メチルエステルから成り、該選択結合性物質がN-ヒドロキシコハク酸イミドエステルを形成する工程を含む方法で該固定化領域に固定化されており、該担体の選択結合性物質が固定化されていない領域表面における飛行時間型二次イオン質量分析(TOF-SIMS)法の陰イオン解析において、C






(m/z 85.04)のピークに対するC



NO


(m/z 98.24)のピークの強度比率が0.02以下であることまたはC






(m/z 85.04)のピークに対するC



NO


(m/z 114.02)のピークの強度比率が0.005以下であることを特徴とする、担体。
(2)選択結合性物質が担体に、アミノ酸、ペプチドまたはそれらの誘導体を介して固定化された、請求項1に記載の担体。
(3)選択結合性物質が核酸である、請求項1または2に記載の担体。
(4)検出対象がマイクロRNAである、請求項1~3のいずかれに記載の担体。
【発明の効果】
【0010】
本発明のDNA固定化担体を用いて検体に含まれる測定対象物質を検出することで、検出シグナルの反応領域間のバラツキを低減して測定を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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