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公開番号
2024139909
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-10
出願番号
2023050852
出願日
2023-03-28
発明の名称
炭素繊維シートの製造方法
出願人
東レ株式会社
代理人
主分類
D04H
1/4242 20120101AFI20241003BHJP(組みひも;レース編み;メリヤス編成;縁とり;不織布)
要約
【課題】炭素繊維シートの製造方法における熱処理工程において、炭素繊維シート前駆体を複数枚重ねた状態で連続的に熱処理する場合であっても、酸素を炉内に持ち込む量を低減することができる炭素繊維シートの製造方法を提供する。
【解決手段】炭素繊維または炭素繊維前駆体繊維、および炭化可能な樹脂結着剤を含有する炭素繊維シート前駆体を、複数枚積層した状態で熱処理炉を連続的に走行させて不活性雰囲気下、400℃以上で熱処理し、炭素繊維シートとする熱処理工程と、前記熱処理工程の前に、積層した複数枚の前記炭素繊維シート前駆体の層間に存在する酸素量を低減する操作を行う酸素量低減工程を有する、炭素繊維シートの製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
炭素繊維または炭素繊維前駆体繊維、および炭化可能な樹脂結着剤を含有する炭素繊維シート前駆体を、複数枚積層した状態で熱処理炉を連続的に走行させて不活性雰囲気下、400℃以上で熱処理し、炭素繊維シートとする熱処理工程と、前記熱処理工程の前に、積層した複数枚の前記炭素繊維シート前駆体の層間に存在する酸素量を低減する操作を行う酸素量低減工程を有する、炭素繊維シートの製造方法。
続きを表示(約 870 文字)
【請求項2】
前記酸素量低減工程を、前記熱処理炉入り口より300mm上流の位置から熱処理炉内の温度が400℃になる位置の間で行う請求項1に記載の炭素繊維シートの製造方法。
【請求項3】
前記熱処理工程での、酸素量が120ppm以下である請求項1に記載の炭素繊維シートの製造方法。
【請求項4】
前記酸素量を低減する操作として、複数枚の炭素繊維シート前駆体の層間に生じた隙間を圧潰することで層間に存在する酸素を層間から押し出す操作を行う請求項1に記載の炭素繊維シートの製造方法。
【請求項5】
前記複数枚の炭素繊維シート前駆体の層間に生じた隙間を圧潰することで層間に存在する酸素を層間から押し出す操作として、積層した複数枚の前記炭素繊維シート前駆体の最上面に錘を配置する操作、積層した複数枚の前記炭素繊維シート前駆体の片面または両面から不活性ガスを吹き付けて層間の隙間を減ずる操作、および積層した複数枚の前記炭素繊維シート前駆体の片面または両面からガイド部材を押し付ける操作からなる群のうち、少なくとも一つの操作を行う請求項4に記載の炭素繊維シートの製造方法。
【請求項6】
前記酸素量を低減する操作として、層間に存在する酸素を不活性ガスで置換する操作を行う請求項1に記載の炭素繊維シートの製造方法。
【請求項7】
前記層間に存在する酸素を不活性ガスで置換する操作として、前記炭素繊維シート前駆体の片面または幅方向端部から不活性ガスを吹き付ける操作を行う請求項6に記載の炭素繊維シートの製造方法。
【請求項8】
前記酸素量低減工程において、不活性ガスを吹き付けている側の面または端部とは反対側の面または端部から、さらに気体を吸引する操作を行う請求項7に記載の炭素繊維シートの製造方法。
【請求項9】
前記酸素量を低減する操作として、不活性ガス雰囲気下で前記炭素繊維シートを複数枚積層する請求項1に記載の炭素繊維シートの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池におけるガス拡散体として好ましく用いられる炭素繊維シートの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
燃料電池において発電反応が起こる膜電極接合体を構成するガス拡散体としては、炭素短繊維を樹脂炭化物で結着したカーボンペーパー、炭素繊維を交絡させて形成した炭素繊維不織布、炭素繊維織物等の炭素繊維シートが用いられている。このような炭素繊維シートは、製造過程において高温の熱処理炉で熱処理する工程を有するが、生産量を増加させるために熱処理炉の数を増やすと設備の導入や運転にかかる費用が高くなり、製造コスト上昇に直結する。
【0003】
このような問題に対し、特許文献1では炭素繊維シート前駆体を複数枚重ねて幅方向端部を接合一体化し、複数枚の炭素繊維シート前駆体を同時に熱処理した後に、接合一体化された端部を切り落とし、複数枚に分割して炭素繊維シートを製造する方法が提案されている。
【0004】
また、特許文献2では、幅方向端部を接合せずに複数枚重ねた状態で炭素繊維シート前駆体を熱処理し、炭素繊維シートを製造する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2015-071508号公開
特開2020-133006号公開
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1、2に記載の方法のように炭素繊維シートを複数枚重ねた状態で熱処理炉内を搬送した場合では、シート層間に炉外から持ち込んだ酸素が多く存在した状態となるため、連続搬送することで熱処理炉内に酸素を持ち込み、熱処理炉内の酸素濃度が上昇してしまう。
【0007】
熱処理炉内の酸素濃度が上昇すると炉材の酸化減耗が加速し、熱処理炉のメンテナンス頻度が高くなるうえに、炭素繊維シートの酸化反応が局所的に過剰となる部分が発生するため品質バラツキへの影響が懸念される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明は、以下の通りである。
(1)炭素繊維または炭素繊維前駆体繊維、および炭化可能な樹脂結着剤を含有する炭素繊維シート前駆体を、複数枚積層した状態で熱処理炉を連続的に走行させて不活性雰囲気下、400℃以上で熱処理し、炭素繊維シートとする熱処理工程と、前記熱処理工程の前に、積層した複数枚の前記炭素繊維シート前駆体の層間に存在する酸素量を低減する操作を行う酸素量低減工程を有する、炭素繊維シートの製造方法。
(2)前記酸素量低減工程を、前記熱処理炉入り口より300mm上流の位置から熱処理炉内の温度が400℃になる位置の間で行う(1)に記載の炭素繊維シートの製造方法。
(3)前記熱処理工程での、酸素量が120ppm以下である(1)または(2)に記載の炭素繊維シートの製造方法。
(4)前記酸素量を低減する操作として、複数枚の炭素繊維シート前駆体の層間に生じた隙間を圧潰することで層間に存在する酸素を層間から押し出す操作を行う(1)~(3)のいずれかに記載の炭素繊維シートの製造方法。
(5)前記複数枚の炭素繊維シート前駆体の層間に生じた隙間を圧潰することで層間に存在する酸素を層間から押し出す操作として、積層した複数枚の前記炭素繊維シート前駆体の最上面に錘を配置する操作、積層した複数枚の前記炭素繊維シート前駆体の片面または両面から不活性ガスを吹き付けて層間の隙間を減ずる操作、および積層した複数枚の前記炭素繊維シート前駆体の片面または両面からガイド部材を押し付ける操作からなる群のうち、少なくとも一つの操作を行う(4)に記載の炭素繊維シートの製造方法。
(6)前記酸素量を低減する操作として、層間に存在する酸素を不活性ガスで置換する操作を行う(1)~(5)のいずれかに記載の炭素繊維シートの製造方法。
(7)前記層間に存在する酸素を不活性ガスで置換する操作として、前記炭素繊維シート前駆体の片面または幅方向端部から不活性ガスを吹き付ける操作を行う(6)に記載の炭素繊維シートの製造方法。
(8)前記酸素量低減工程において、不活性ガスを吹き付けている側の面または端部とは反対側の面または端部から、さらに気体を吸引する操作を行う(7)に記載の炭素繊維シートの製造方法。
(9)前記酸素量を低減する操作として、不活性ガス雰囲気下で前記炭素繊維シートを複数枚積層する(1)~(8)のいずれかに記載の炭素繊維シートの製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、炭素繊維シートを複数枚積層した状態で熱処理炉を連続的に走行させた場合においても、積層した複数枚の層間に存在する酸素によって熱処理炉内の酸素濃度が上昇することを抑制することができ、熱処理炉の炉材の酸化減耗の抑制によって、熱処理炉のメンテナンス頻度を低下させるうえに、炭素繊維シートの酸化反応が過剰になることを防止することによって、品質影響を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
炭素繊維シート前駆体の最上面に錘を配置する操作を行う、炭素繊維シートの製造工程の断面模式図の例である。
炭素繊維シート前駆体の両面から酸素を含まない気体を吹き付けて層間の隙間を減ずる操作を行う、炭素繊維シートの製造工程の断面模式図の例である。
炭素繊維シート前駆体の片面からガイド部材を押し当てる操作を行う、炭素繊維シートの製造工程の断面模式図の例である。
炭素繊維シート前駆体の幅方向端部から不活性ガスを吹き付ける操作を行う、炭素繊維シートの製造工程の上面模式図の例である。
不活性ガス雰囲気下で炭素繊維シート前駆体を複数枚積層する操作を行う、炭素繊維シートの製造工程の断面模式図の例である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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