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公開番号
2025023458
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-17
出願番号
2023127582
出願日
2023-08-04
発明の名称
ポリエステルフィルムおよびその製造方法
出願人
東レ株式会社
代理人
主分類
B32B
27/36 20060101AFI20250207BHJP(積層体)
要約
【課題】 本発明は、フィルム製造工程中においてフィルムからのテレフタル酸揮発量を軽減することで、微小なテレフタル酸付着欠点を防止し、高品質かつ生産性に優れたポリエステルフィルムおよびその製造方法を提供することをその課題とする。
【解決手段】 ポリエステル樹脂を主成分とする基材層を有し、厚さが1μm以上であり、以下の(1)~(5)を全て満たし、かつポリエステル樹脂を主成分とする層をS
1
層としたときに、前記基材層の少なくとも一方の最表層が前記S
1
層であることを特徴とする、ポリエステルフィルム。
15ppm≦リン元素含有量(質量基準)≦80ppm (1)
4ppm≦ナトリウム元素含有量(質量基準)≦40ppm (2)
5ppm≦マンガン元素含有量(質量基準)≦40ppm (3)
アンチモン元素含有量(質量基準)≦5ppm (4)
14ppm≦金属元素含有量(質量基準)≦100ppm (5)
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ポリエステル樹脂を主成分とする基材層を有し、
厚さが1μm以上であり、以下の(1)~(5)を全て満たし、かつポリエステル樹脂を主成分とする層をS
1
層としたときに、前記基材層の少なくとも一方の最表層が前記S
1
層であることを特徴とする、ポリエステルフィルム。
15ppm≦リン元素含有量(質量基準)≦80ppm (1)
4ppm≦ナトリウム元素含有量(質量基準)≦40ppm (2)
5ppm≦マンガン元素含有量(質量基準)≦40ppm (3)
アンチモン元素含有量(質量基準)≦5ppm (4)
14ppm≦金属元素含有量(質量基準)≦100ppm (5)
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
前記S
1
層が以下(6)を満たす、請求項1に記載のポリエステルフィルム。
5ppm≦ゲルマニウム元素含有量(質量基準)≦80ppm (6)
【請求項3】
前記リン元素の少なくとも一部が、リン酸およびリン酸ナトリウムに由来する、請求項1または2に記載のポリエステルフィルム。
【請求項4】
前記基材層が、前記S
1
層、前記S
1
層と反対側の最表面に位置する層(S
2
層)を有し、前記S
2
層が、前記(1)~(5)を全て満たす、請求項1または2に記載のポリエステルフィルム。
【請求項5】
前記基材層が、前記S
1
層、前記S
1
層と反対側の最表面に位置する層(S
2
層)、及び前記S
1
層と前記S
2
層の間に位置する1層以上の層(I層)からなる、請求項1または2に記載のポリエステルフィルム。
【請求項6】
前記I層の少なくとも1層中に、ポリエステル樹脂を主成分とする回収原料を含有する、請求項5に記載のポリエステルフィルム。
【請求項7】
前記回収原料が自己回収原料を含む、請求項6に記載のポリエステルフィルム。
【請求項8】
前記基材層の少なくとも一方の表面上に機能層を有する、請求項1または2に記載のポリエステルフィルム。
【請求項9】
請求項1または2に記載のポリエステルフィルムを製造する、ポリエステルフィルムの製造方法であって、テレフタル酸揮発量(T)が100ppm未満であるポリエステル樹脂を用いて前記S
1
層を形成する、ポリエステフィルムの製造方法。
ただし、前記テレフタル酸揮発量(T)は、温度290℃で20分間熱処理した際に揮発するテレフタル酸量(質量基準)である。
【請求項10】
請求項5に記載のポリエステルフィルムを製造する、ポリエステルフィルムの製造方法であって、下記(7)~(9)を全て満たすポリエステル樹脂を用いて、前記S
1
層、前記S
2
層、及び前記I層を形成する、ポリエステルフィルムの製造方法。
Ts
1
<Ti (7)
Ts
2
<Ti (8)
Ti≦350ppm (9)
Ts
1
:前記S
1
層を構成するポリエステル樹脂のテレフタル酸揮発量(T)
Ts
2
:前記S
2
層を構成するポリエステル樹脂のテレフタル酸揮発量(T)
Ti:前記I層を構成するポリエステル樹脂のテレフタル酸揮発量(T)
ただし、前記テレフタル酸揮発量(T)は、温度290℃で20分間熱処理した際に揮発するテレフタル酸量(質量基準)であり、前記I層が複数層からなる場合は、それらの加重平均値としてテレフタル酸揮発量(T)を算出する。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエステル樹脂からの揮発成分が凝縮・落下することによる微小な付着欠点が少なく、高品質なポリエステルフィルムおよびその製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
ポリエステルフィルムは機械特性、熱特性、耐薬品性、電気特性、成形性に優れ、様々な用途に用いられている。ポリエステルフィルムの中でも、ポリエチレンテレフタレート(以降PETと記すことがある。)フィルムは、透明性や加工性に優れていることから、特に電子部品やディスプレイ材料を製造する際に使用する工程フィルムとして好適に用いられている。
【0003】
一般に他の部材・製品を製造するための工程材料としてポリエステルフィルムが使用される場合は、その表面上に各種溶融樹脂や樹脂を含む溶液等の材料を積層し、その後の工程にてポリエステルフィルム上に積層した樹脂を固化する等、構造を安定化させた後にポリエステルフィルムを剥離する方法が広く用いられている。当該方法において、ポリエステルフィルムは支持体としての役割と共に、その表面形状を材料表面に転写させ安定な表面状態を形成する役割も果たしている。
【0004】
また、ポリエステルフィルムは、その優れた寸法安定性、耐溶剤性、表面均一性により、各種ディスプレイ用の光学補償フィルムや、積層セラミックコンデンサー(MLCC)に使用されるサブミクロンオーダーの薄膜絶縁層形成用といった非常に高度な品質管理を要求される製品向けの離型フィルム等にも好適に使用されている。特に、これらの用途では、ディスプレイの高精細化やMLCCの小型化・高信頼性への要求が近年ますます強くなってきており、無欠陥フィルムの提供を強く望まれている。特にポリエステルフィルム上に形成される部材表面に致命的な欠陥を誘発しうる、ポリエステルフィルム表面に付着している微小付着異物の改善が喫緊の課題として強く求められている。
【0005】
ポリエステルフィルム表面に付着する異物として最も大きな課題となるのは、ポリエステルフィルムを製造する工程で揮発したテレフタル酸成分が再凝縮し、微小な異物として付着するテレフタル酸欠点である。特にオーブンでの熱結晶化工程にて揮発し、オーブン内壁等での再凝縮を経てフィルム上に付着する欠陥が問題となっている。揮発したテレフタル酸はオーブンのエア循環系を介してあらゆる箇所に付着するため、該欠陥はオーブン内の清掃での完全除去が難しく、その改善は大きな課題となっている。
【0006】
さらに環境負荷低減に対する要求の高まりから、消費エネルギーやCO
2
の発生量を低減するために、フィルムから再生されたリサイクル原料を活用することも必要となってきている。特に工程用フィルムでは、フィルムが最終製品には残らず、製品の製造工程の初期段階で剥離され、フィルムに対する加工度も低い傾向があり、比較的リサイクルしやすい状態で廃棄されることが多い。よって、工程用フィルムに対しては、再利用による環境負荷低減が特に強く求められている。一方で、再利用原料は熱履歴を多く受けていることから、付着テレフタル酸欠点も発生しやすく、環境低減と高品質を両立するフィルムへの期待が高まっている。
【0007】
これら上記の課題に対して、以下の文献に示されるような検討がされてきている。例えば、特許文献1、2では、特定のリン、硫黄元素からなるイオン化合物を添加することで、線状オリゴマーを削減する技術が開示されている。特許文献3では、特定の触媒を用いて、かつ重合完了後に失活処理を施す方法や、共重合成分としてイソフタル酸を含有させる方法が開示されている。特許文献4では、特定のイオン液体を添加することで、テレフタル酸を含む線状オリゴマーを樹脂中に溶解させ、揮発を防止する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2023-15002号公報
特開2022-89784号公報
国際公開第2018/092414号
国際公開第2016/177084号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1、2に記載の方法では、発生するテレフタル酸量を低減する効果はあるが、上記用途で求められるような高度な品質要求水準には達することが不可能であった。特許文献3に記載の方法は、添加したイオン液体が、テレフタル酸を含む線状オリゴマーを溶解することで、揮発量の抑制を可能とする技術であるが、その効果は十分でなく、所望の品質要求水準を達成することはできなかった。また、特許文献4では、特にイソフタル酸を共重合した場合に、テレフタル酸の発生を効果的に抑止可能であるが、イソフタル酸を共重合すると耐熱性や耐薬品性が悪化するため、工程用フィルムとして必要な特性が阻害される問題があった。また、押出工程でのダイライン抑止には効果を発揮するが、その後の熱結晶工程で揮発するテレフタル酸成分を低減する効果は十分ではなかった。さらに、固有粘度(IV)も高く、高品質な工程用フィルムに必要な高精度濾過を実施することが困難となり、フィルム内部異物を除去できず、内部欠陥が増加すること等も問題であった。
【0010】
本発明は、これらの課題を解決し、フィルム製造工程中においてフィルムからのテレフタル酸揮発量を軽減することで、微小なテレフタル酸付着欠点を防止し、高品質かつ生産性に優れたポリエステルフィルムおよびその製造方法を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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