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公開番号2025042597
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-27
出願番号2024153904
出願日2024-09-06
発明の名称ポリウレタンを含む回収布帛のポリウレタン含有量を低減する方法
出願人東レ株式会社
代理人
主分類B29B 17/02 20060101AFI20250319BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】回収布帛中のポリウレタン含有量を十分低減し、ケミカルリサイクル前後で同品質なポリマー材料の創出が可能となる技術を提供すること。
【解決手段】ポリウレタンの含有量が0.3重量%以上15.0重量%以下の範囲である回収布帛を150℃以上205℃以下のエチレングリコールに5分以上90分未満接触させて回収布帛のポリウレタン含有量を低減する方法によって解決される。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリウレタンの含有量が0.3重量%以上15.0重量%以下の範囲である回収布帛を150℃以上205℃以下のエチレングリコールに5分以上90分未満接触させて回収布帛のポリウレタン含有量を低減する方法。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
ポリウレタンの含有量が0.3重量%以上90.0重量%以下の範囲である回収布帛をアミド系溶剤に接触させポリウレタンの含有量を0.3重量%以上15.0重量%以下の範囲にしたのちエチレングリコールに接触させる、請求項1に記載の回収布帛のポリウレタン含有量を低減する方法。
【請求項3】
回収布帛のアミド系溶剤への接触において、分光光度計で400~800nmの範囲に観測される着色成分由来ピーク面積を10%以上95%以下の範囲に低減させたのち、アミド系溶剤接触後の布帛を150℃以上205℃以下のエチレングリコールに5分以上90分未満接触させて着色成分由来ピークの面積を50%以上100%以下の範囲に低減させる、請求項2に記載の回収布帛のポリウレタン含有量を低減する方法。
【請求項4】
回収布帛が10.0重量%以上99.7重量%以下のポリエステル繊維を含む請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
回収布帛をエチレングリコールに接触させるにおいて、195℃以上205℃以下のエチレングリコール蒸気と150℃以上195℃以下のエチレングリコール液体に同時かつ連続的に5分以上90分未満接触させることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
請求項4に記載の方法で得たポリエステルを含む布帛からビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレートを得る方法であって、以下の工程(1)~(4)からなる方法。
(1)布帛にエチレングリコールを加えて解重合し、ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレートを含むエチレングリコール溶液とする工程。
(2)前記(1)の工程で得られた解重合後のビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレートを含むエチレングリコール溶液からエチレングリコールを0重量%以上5重量%以下の範囲となるまで除去してビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレートを回収する工程。
(3)前記(2)の工程で回収したビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレートを70℃以上100℃以下の熱水に溶解させ、熱時濾過する工程。
(4)前記(3)の工程で得られた濾過溶液を30℃以下まで冷却してビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレートを晶析させ回収する工程。
【請求項7】
工程(4)を実施する前に以下の工程(5)を実施する請求項6に記載のビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレートを得る方法。
(5)晶析前のビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレートが熱水へ溶解した状態において活性炭処理および/またはイオン交換処理を行う工程。
【請求項8】
工程(1)と(2)の間に以下の工程(6)を実施する請求項6に記載のビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレートを得る方法。
(6)前記(1)の工程で得られた解重合後のビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレートを含むエチレングリコール溶液を解重合反応容器の下部から90重量%以上99重量%以下の範囲で抜き出して前記(2)に移行する工程。
【請求項9】
請求項6に記載の方法で得た精製ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレートから重縮合工程を経て、再生ポリエステル樹脂を得る方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法で得た再生ポリエステル樹脂から溶融紡糸する工程を経て、再生ポリエステル繊維を得る方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリウレタンを含む回収布帛のポリウレタン含有量を低減する方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
現代の経済社会は大量生産、大量消費、大量廃棄型の社会システムで維持されてきたが、天然資源の枯渇や資源採取に伴う自然破壊、温室効果ガス排出による温暖化現象や海面上昇等の環境に対する様々な悪影響が確認されてきた。そのため、限りある資源を効率良く利用して持続ある成長を続けていくため、廃棄物の発生を極力抑え、発生した廃棄物は環境に負荷を与えないように再利用や再資源化する循環型社会システムの構築が必要不可欠となってきている。
【0003】
循環型社会システムの実現には、サーマルリサイクルやマテリアルリサイクル、ケミカルリサイクルといったリサイクルシステムの構築が必要であり、中でも、廃プラスチックを原料モノマー単位まで分解・精製し、得られたモノマーから廃棄前と同品質なプラスチック材料を再生するケミカルリサイクル技術に注目が集まっている。
【0004】
安価で衣料品として好適な物性を示すポリエステル繊維についてもケミカルリサイクルによる再生が期待されており、これまで加水分解やグリコール分解によって原料モノマー単位まで再生する技術の適用が検討されてきた。しかしながら、ポリエステル衣料を含む回収廃衣料にはポリウレタンが混繊・混紡された製品が含まれることがあり、ポリウレタンが混入したポリエステル繊維から加水分解やグリコール分解によって原料モノマーを得ようとすると、ポリウレタン由来の分解物が混入して廃棄前と同品質なポリエステル樹脂へ再生できないという大きな問題を抱えていた。
【0005】
そこで特許文献1では、ポリウレタンが混入したポリエステル繊維をグリコール分解する前に、アミド系溶剤に浸漬してポリウレタンを溶解させ布帛中から抽出除去する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2023-064037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1の方法では、ポリウレタンを分解することなく抽出回収でき、ポリウレタンの再利用が可能である。しかし、抽出処理後の布帛からポリウレタンを含むアミド系溶剤を完全に固液分離することは難しく、ポリウレタンを含むアミド系溶剤が付着した回収ポリエステルを水洗・乾燥してアミド系溶剤を完全に除去することになるが、その際にポリウレタンが析出しポリエステルに再付着する課題を有している。ポリウレタンが再付着したポリエステルをケミカルリサイクルすると、得られるポリエステルモノマー中にポリウレタン由来のポリエーテル分解物やキノンイミド系化合物が混入して黄色あるいは茶褐色を呈し再生ポリエステルは低品質となる。
【0008】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決して回収布帛中のポリウレタン含有量を十分低減し、ケミカルリサイクル前後で同品質なポリマー材料の創出が可能となる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は、本発明であるポリウレタンの含有量が0.3重量%以上15.0重量%以下の範囲である回収布帛を150℃以上205℃以下のエチレングリコールに5分以上90分未満接触させて回収布帛のポリウレタン含有量を0.3%未満に低減する方法によって解決される。
【0010】
なお、本発明に用いる回収布帛は10.0重量%以上99.8重量%以下のポリエステル繊維を含むものであることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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