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公開番号2025032966
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-12
出願番号2024104663
出願日2024-06-28
発明の名称二軸配向ポリプロピレンフィルムおよび離型用フィルム
出願人東レ株式会社
代理人
主分類B29C 55/12 20060101AFI20250305BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】 本発明は、従来ポリプロピレンフィルムでは離型フィルムとして使用することが不可能であった高温環境下においても、離型フィルムとして好適に使用可能なポリプロピレンフィルムを提供することを課題とする。
【解決手段】 山部の実体積Vmpが0.0015ml/m2以上0.0050ml/m2以下であり、谷部の空隙容積Vvvが0.0050ml/m2以上0.0100ml/m2以下であり、かつ山頂点密度Spdが20/mm2以上120/mm2以下である表面をA面としたときに、両面が前記A面である二軸配向ポリプロピレンフィルム。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
山部の実体積Vmpが0.0015ml/m

以上0.0050ml/m

以下であり、谷部の空隙容積Vvvが0.0050ml/m

以上0.0100ml/m

以下であり、かつ山頂点密度Spdが20/mm

以上120/mm

以下である表面をA面としたときに、両面が前記A面であることを特徴とする、二軸配向ポリプロピレンフィルム。
続きを表示(約 510 文字)【請求項2】
両面の5点山領域高さS5pが30nm以上700nm以下であり、かつ主配向直交方向の破断強度が100MPa以上200MPa以下であることを特徴とする、請求項1に記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
【請求項3】
主配向直交方向の熱収縮応力の立ち上がり温度が140℃以上160℃以下であり、かつ主配向直交方向の160℃での熱収縮応力値が0.5MPa以上1.0MPa以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
【請求項4】
主配向方向の熱収縮応力の立ち上がり温度が150℃以上170℃以下であり、かつ主配向方向の160℃での熱収縮応力値が1.0MPa以上、3.0MPa以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
【請求項5】
少なくとも2層以上の積層構成を有する、請求項1または2に記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
【請求項6】
請求項1または2に記載の二軸配向ポリプロピレンフィルムを用いてなり、かつ少なくとも2層以上の積層構成を有する、離型用フィルム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、離型性と耐熱性に優れた二軸配向ポリプロピレンフィルム、およびこれを用いた離型フィルムに関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
ポリプロピレンフィルムは、透明性、機械特性、電気特性等の種々の特性に優れるため、包装用途、離型用途、テープ用途、ケーブルラッピングやコンデンサをはじめとする電気用途等の様々な用途に用いられている。特に、表面の剥離特性や機械特性に優れることから、プラスチック製品や建材や光学部材など、様々な部材を保護する離型用フィルムや工程フィルムとして好適に用いられる。
【0003】
離型フィルムの用途としては、塗工物および溶融製膜時の支持体やプレス成型時のスペーサーなどが挙げられる。離型フィルムへの要求特性は、その使用用途によって適宜設定されるが、材料の高性能化や生産性向上に伴い加熱工程やプレス成型時の温度が年々上昇傾向であることから、離型性と耐熱性の両立が重要となってきている。
【0004】
従来150℃を超える温度域では、耐熱性に優れるポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどが使用される場合があったが、離型性が乏しく、要求特性を満足できない場合があった。一方で、従来のポリプロピレンフィルムは、離型性は高いものの、120℃以上130℃以下から大きく熱収縮し始めるとともに、融点近傍の160℃では融解し始めて融着することで離型性が大きく低下するため、高温での乾燥や成型が必要な熱可塑性樹脂組成物や熱硬化性樹脂組成物などからなる相手部材の品位を損なうことが問題となる。そのため、150℃以上、特に160℃以上の高温下ではポリプロピレンフィルムを離型フィルムとして使用することは非常に困難であった。
【0005】
上記の状況の中、従来の離型性向上、すなわち緻密粗面化する手段の例として、例えば特許文献1には、分岐鎖状ポリプロピレン樹脂を添加することにより、微細突起を形成する方法が記載されている。一方で従来の耐熱性向上の手段の例として、例えば特許文献2には、ポリプロピレン原料の分子量を低くすることで、熱収縮率を低くする方法が記載されている。また、特許文献3には、弛緩処理での熱処理温度を高くして分子配向を緩和させることで、熱収縮率を低くする方法が記載されている。離型性と耐熱性を両立する手段の例として、例えば特許文献4には、高結晶性ポリプロピレン樹脂を用いたポリプロピレンフィルムにシリコーン樹脂を塗布する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2019-172973号公報
特開2014-051657号公報
国際公開第2020/196602号
特開2023-95426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら前述の特許文献1に記載の方法では、得られるポリプロピレンフィルムの高温での収縮性が大きいことが課題となる。また、特許文献2、3に記載の方法では、得られるポリプロピレンフィルムの剛性や延伸安定性が低いことが課題となる。特許文献4に記載の方法で得られるシリコーン樹脂積層離型フィルムは、低分子シリコーン樹脂を相手部材に転写させることで、悪影響を及ぼすことが課題となる。
【0008】
そこで本発明の課題は上記の問題点を解決することにある。すなわち、従来ポリプロピレンフィルムでは離型フィルムとして使用することが不可能であった高温環境下においても優れた離型性を発揮し、離型フィルムとして好適に使用可能な二軸配向ポリプロピレンフィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムは以下の構成よりなる。すなわち本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムは、山部の実体積Vmpが0.0015ml/m

以上0.0050ml/m

以下であり、谷部の空隙容積Vvvが0.0050ml/m

以上0.0100ml/m

以下であり、かつ山頂点密度Spdが20/mm

以上120/mm

以下である表面をA面としたときに、両面が前記A面であることを特徴とする、二軸配向ポリプロピレンフィルムである。
(1) 山部の実体積Vmpが0.0015ml/m

以上0.0050ml/m

以下であり、谷部の空隙容積Vvvが0.0050ml/m

以上0.0100ml/m

以下であり、かつ山頂点密度Spdが20/mm

以上120/mm

以下である表面をA面としたときに、両面が前記A面であることを特徴とする、二軸配向ポリプロピレンフィルム。
(2) 両面の5点山領域高さS5pが30nm以上700nm以下であり、かつ主配向直交方向の破断強度が100MPa以上200MPa以下であることを特徴とする、(1)に記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
(3) 主配向直交方向の熱収縮応力の立ち上がり温度が140℃以上160℃以下であり、かつ主配向直交方向の160℃での熱収縮応力値が0.5MPa以上1.0MPa以下であることを特徴とする、(1)または(2)に記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
(4) 主配向方向の熱収縮応力の立ち上がり温度が150℃以上170℃以下であり、かつ主配向方向の160℃での熱収縮応力値が1.0MPa以上、3.0MPa以下であることを特徴とする、(1)から(3)のいずれかに記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
(5) 少なくとも2層以上の積層構成を有する、請求項1または2に記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
(6) (1)から(5)のいずれかに記載の二軸配向ポリプロピレンフィルムを用いてなり、かつ少なくとも2層以上の積層構成を有する、離型用フィルム。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、従来のポリプロピレンフィルムでは離型フィルムとして使用することが不可能であった高温環境下においても優れた離型性を発揮し、離型フィルムとして好適に使用可能な二軸配向ポリプロピレンフィルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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