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公開番号
2024143999
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-11
出願番号
2023139593
出願日
2023-08-30
発明の名称
サイジング剤塗布炭素繊維束
出願人
東レ株式会社
代理人
主分類
D01F
9/22 20060101AFI20241003BHJP(天然または人造の糸または繊維;紡績)
要約
【課題】平面性や樹脂含浸性に優れたコンポジットを得るのに有利なテープ形状でありながら、コンポジットのクラック耐性を高められるサイジング剤塗布炭素繊維束を提供する。
【解決手段】テープ形状を有しており、以下の(i)または(ii)を満たすサイジング剤塗布炭素繊維束。
(i)繊維軸のゆらぎ幅の平均値が2.5μm以上である単繊維で構成される。
(ii)テープ形状のエッジ部における、最大凹凸高さの平均値が0.40~2.00mmである。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
テープ形状を有しており、以下の(i)または(ii)を満たすサイジング剤塗布炭素繊維束。
(i)繊維軸のゆらぎ幅の平均値が2.5μm以上である単繊維で構成される。
(ii)テープ形状のエッジ部における、最大凹凸高さの平均値が0.40~2.00mmである。
続きを表示(約 350 文字)
【請求項2】
総繊度が6,500d以上である請求項1に記載のサイジング剤塗布炭素繊維束。
【請求項3】
サイジング剤塗布炭素繊維束全体を100質量%としたときのサイジング剤付着量が0.05~6.00質量%である請求項1または2に記載のサイジング剤塗布炭素繊維束。
【請求項4】
ポリアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束を耐炎化処理した後、予備炭素化処理を順に行い、撚りが入った糸束を炭素化工程に通過させ、得られた炭素繊維束を解撚してからサイジング剤を付着させた後に、熱固定するサイジング剤塗布炭素繊維束の製造方法。
【請求項5】
前記炭素化工程の直前に撚りを加えることを特徴とする、請求項4に記載のサイジング剤塗布炭素繊維束の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面性や樹脂含浸性に優れたコンポジットを得るのに有利なテープ形状でありながら、コンポジットのクラック耐性を高められるサイジング剤塗布炭素繊維束に関するものである。
続きを表示(約 1,400 文字)
【背景技術】
【0002】
炭素繊維は、軽量でありながら、強度および弾性率に優れるため、種々のマトリクス樹脂と組み合わせた複合材料として、航空機部材、宇宙機部材、自動車部材、船舶部材、土木建築材およびスポーツ用品等の多くの分野に用いられている。炭素繊維は極細の繊維からなるため、複合材料への加工時に取り扱い性に優れ、ローラーへの毛羽の巻き付きや破断を低減することが重要である。そのため炭素繊維束にはサイジング剤が塗布されることで取り扱い性の向上や耐擦過性の向上による毛羽発生の抑制が図られている。(特許文献1および2)。
【0003】
また、炭素繊維に撚り形状を付与することでサイジング剤を塗布する前の炭素繊維束そのものに収束性を付与する例も知られている。例えば特許文献3や4では、炭素化処理する前に繊維束に撚りをかけた状態とすることで、炭素化処理後の炭素繊維束に収束性を付与する技術が提案されている。
【0004】
一方、撚りを付与すると、糸束内部への浸透性が低く、マトリクス樹脂の含浸性が低下する。そのため、サイジング剤を塗布する前後に糸束の撚りを除去して、マトリクス樹脂の含浸性やコンポジット成形時の拡がり性を高める手法が知られている。(特許文献5)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
米国特許第3957716号明細書
特開昭57-171767号公報
特開昭51-105419号公報
特開2019-151956号公報
特開昭50-138197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、背景技術には次のような課題がある。
【0007】
特許文献1,2によれば、炭素繊維束の取り扱い性や耐擦過性の向上は認められるものの、サイジング剤を塗布する前の炭化炉前後のローラー擦過に対して何ら効果は示さない。
【0008】
また、特許文献3,4によれば、得られた炭素繊維束の収束性は高いものの、マトリクス樹脂の含浸性や成形時の拡がり性について言及されていない。
【0009】
特許文献5によれば、サイジング剤を塗布する前後に撚りを除去することで、擦過による工程毛羽を抑制しつつ、マトリクス樹脂の含浸性や成形時の拡がり性を高めているものの、炭素繊維束の形状について何ら規定されておらず、その効果は不十分であった。
【0010】
すなわち、背景技術として、撚りやサイジング剤を塗布することで工程毛羽を抑制しつつ、解撚工程を加えることで、マトリクス樹脂の含浸性や成形時の拡がり性を高める提案はあったが、得られたサイジング剤塗布炭素繊維束自体の特徴について規定されておらず、フィラメント数の多い炭素繊維束など、多様な種類の炭素繊維束について十分な効果を与えるものではなかった。そこで、本発明が解決しようとする課題は、平面性や樹脂含浸性に優れたコンポジットを得るのに有利なテープ形状でありながら、コンポジットのクラック耐性を高められるサイジング剤塗布炭素繊維束を得ることである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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