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公開番号
2024129176
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-27
出願番号
2023038200
出願日
2023-03-13
発明の名称
人工皮革およびその製造方法
出願人
東レ株式会社
代理人
主分類
D06N
3/00 20060101AFI20240919BHJP(繊維または類似のものの処理;洗濯;他に分類されない可とう性材料)
要約
【課題】 極細繊維からなる不織布を構成要素として含む繊維絡合体と高分子弾性体を含む人工皮革において、均一な発色性を有し、軽量かつ耐光性に優れる人工皮革およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】 平均単繊維直径が1.0μm以上10.0μm以下の極細繊維からなる不織布を構成要素として含む繊維絡合体と、高分子弾性体とを含む人工皮革であって、下記の要件(1)~(4)を満たす人工皮革。
要件(1):前記極細繊維はポリオレフィン樹脂を主成分とする
要件(2):前記極細繊維は黒色顔料を含み、その含有量が0.5~2.0%である
要件(3):前記黒色顔料の平均粒子径が0.05μm以上0.20μm以下である
要件(4):前記極細繊維に含まれる黒色顔料の平均粒子径の変動係数(CV)が50%以下である
【選択図】 なし
特許請求の範囲
【請求項1】
平均単繊維直径が1.0μm以上10.0μm以下の極細繊維からなる不織布を構成要素として含む繊維絡合体と、高分子弾性体を含む人工皮革であって、下記の要件(1)~(4)を満たす人工皮革。
要件(1):前記極細繊維はポリオレフィン樹脂を主成分とする
要件(2):前記極細繊維は黒色顔料を含み、その含有量が極細繊維の質量に対して0.5質量%以上2.0質量%以下である
要件(3):前記黒色顔料の平均粒子径が0.05μm以上0.20μm以下である
要件(4):前記極細繊維に含まれる黒色顔料の平均粒子径の変動係数(CV)が50%以下である
続きを表示(約 410 文字)
【請求項2】
前記ポリオレフィン樹脂がポリプロピレンである、請求項1に記載の人工皮革。
【請求項3】
前記黒色顔料がカーボンブラックである、請求項1または2に記載の人工皮革。
【請求項4】
前記人工皮革の立毛長さが200μm以上500μm以下である、請求項1または2に記載の人工皮革。
【請求項5】
下記(1)~(3)の工程を含む、請求項1または2に記載の人工皮革の製造方法。
工程(1):島成分として黒色顔料を0.5質量%以上2.0質量%以下含有しているポリオレフィン樹脂を用い、海成分としてアルカリ易溶解性ポリマーを用いた海島複合繊維からなる不織布を構成要素として含む繊維絡合体を形成する工程
工程(2):前記繊維絡合体から平均単繊維直径が1.0μm以上10.0μm以下の極細繊維を発現させる工程
工程(3):高分子弾性体を付与する工程
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、人工皮革およびその製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,600 文字)
【背景技術】
【0002】
主として極細繊維からなる繊維絡合体と高分子弾性体とからなる天然皮革調の人工皮革は、耐久性の高さや品質の均一性等の天然皮革対比で優れた特徴を有している。そのため、衣料用素材としてのみならず、車両内装材、インテリアや靴等様々な分野で使用される。その中でも、鞄等の用途で主に屋外で使用される場合は優れた発色性かつ実使用に耐えうる高い耐光性が求められる。
【0003】
しかしながら、極細繊維において、その繊維径を小さくするにつれて極細繊維の比表面積が大きくなっていくため、濃色への染色は難しく発色性に劣ることが知られている。これに対して、濃色の色彩を出すために染料の濃度を上げて染色することが試みられることもあるが、その場合、染料使用量が多くなることでコストが高くなるとともに、人工皮革の耐光堅牢度や摩擦堅牢度等の堅牢性が低下してしまう。そこで、濃色で均一な発色性と染色堅牢性を両立するため、極細繊維にカーボンブラック等の顔料を添加する方法、いわゆる原着繊維を使用する方法が提案されている(特許文献1~4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-84334号公報
特開2006-37254号公報
特開2004-143654号公報
国際公開第2020/129741号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1~4に開示された技術においては、染料に比べ耐光性に優れる顔料を用いることで、耐光性の低下を抑えながら濃色化を達成することが可能である。しかしながら、極細繊維に含まれる顔料の凝集度合いによって、表面色相に色ムラができる場合があり、また、鞄等の用途で用いられる際には均一な発色性や耐光性のみならず、軽量であることが求められるところ、特許文献1~4に開示された技術においては極細繊維にポリエステル樹脂を用いており、比重が大きくなるという課題がある。
【0006】
そこで本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、極細繊維からなる不織布を構成要素として含む繊維絡合体と高分子弾性体とを含む人工皮革において、均一な発色性を有し、軽量かつ耐光性に優れる人工皮革およびその製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意検討を重ねた結果、平均粒子径とその変動係数を制限した黒色顔料を含むポリオレフィン樹脂を主成分とする極細繊維からなる不織布を構成要素として含む繊維絡合体に、高分子弾性体を付与することで、均一な発色性を持ち、耐光性に優れ、軽量である人工皮革とすることが可能であることを見出し、本発明に至った。
【0008】
本発明は、これら知見に基づいて完成に至ったものであり、本発明によれば、以下の発明が提供される。
【0009】
[1]平均単繊維直径が1.0μm以上10.0μm以下の極細繊維からなる不織布を構成要素として含む繊維絡合体と、高分子弾性体とを含む人工皮革であって、下記の要件(1)~(4)を満たす人工皮革。
【0010】
要件(1):前記極細繊維はポリオレフィン樹脂を主成分とする
要件(2):前記極細繊維は黒色顔料を含み、その含有量が極細繊維の質量に対して0.5質量%以上2.0質量%以下である
要件(3):前記黒色顔料の平均粒子径が0.05μm以上0.20μm以下である
要件(4):前記極細繊維に含まれる黒色顔料の平均粒子径の変動係数(CV)が50%以下である
(【0011】以降は省略されています)
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