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公開番号
2024138805
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-09
出願番号
2023049501
出願日
2023-03-27
発明の名称
海苔網
出願人
東レ株式会社
代理人
主分類
A01G
33/02 20060101AFI20241002BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約
【課題】良好な力学特性に加えて、優れた海苔胞子の付着性と魚類等による食害抑制性能を両立する海苔網を提供する。
【解決手段】繊維表面に凸部を有し繊維表面の算術平均粗さが1μm以上10μm未満であり、繊維表層より深度5μm以内に空孔が少なくとも存在しており、空孔の平均円相当径が5nm以上80nm以下、空孔率が2%以上15%以下である、ポリエステル繊維を少なくとも一部に用いてなる、海苔網。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
繊維表面に凸部を有し繊維表面の算術平均粗さが1μm以上10μm未満であり、繊維表層より深度5μm以内に空孔が少なくとも存在しており、空孔の平均円相当径が5nm以上80nm以下、空孔率が2%以上15%以下である、ポリエステル繊維を少なくとも一部に用いてなる、海苔網。
続きを表示(約 86 文字)
【請求項2】
溶出処理により、繊維表面に有する凸部を溶出させることなくポリエステル繊維中に空孔形成を行うことを特徴とする請求項1に記載の海苔網の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、海苔網に関するものである。
続きを表示(約 1,400 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、海苔網は海苔の採苗性、成育性に優れていることからビニロン繊維が主に使用されている。ビニロン繊維が海苔の採苗性、成育性に優れる理由の一つとしては、繊維表面に微細な凹凸を有していることから、海苔胞子を付着しやすいことが挙げられる。しかし、良質な海苔を得るには、海苔成育時に適度な乾燥が必要である。具体的には、潮の干満差の小さい海域での養殖では干潮時に海苔網を乾燥させる必要があるが、ビニロン繊維は短時間で乾燥しにくいため、海苔の成育に悪影響を与え、結果、良質な海苔を採取することが難しい。
【0003】
また、ビニロン繊維は乾燥状態では優れた繊維物性を有しているものの、海水に浸漬された状態においては繊維強度が低下するため、網地の強力が低下し、破網しやすくなる。
【0004】
これらの点を改良すべく、乾燥しやすく、優れた力学特性を有したポリエステル繊維を用いた海苔網の検討が行われている。
【0005】
例えば、ビニロン繊維とポリエステル繊維の混撚糸を使用することにより、ビニロン繊維を単独で使用するよりも、乾燥しやすく、力学特性に優れた海苔網が得られることが提案されている(特許文献1)。
【0006】
また、ポリエステル樹脂中に発泡剤を混合し、発泡により繊維の表面に凸部を形成することで、海苔網として使用した際の海苔胞子の付着性を向上させる技術が提案されている(特許文献2)。
【0007】
さらに、ポリエステル樹脂中にポリオキシルアルキレン化合物を混合することにより、海苔網の親水性を高めるとともに、製造工程中や使用中において、ポリオキシアルキレン化合物が繊維外に自然溶出する際に、繊維表面に凹部が形成され、海苔網として使用した際の海苔胞子の付着性を向上させる技術が提案されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開平04-335835号公報
特開2004-019013号公報
特開昭56-061930号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1には、ビニロン繊維の海水浸漬時の強度低下を補うべく、ビニロン繊維に対して力学特性に優れたポリエステル繊維を混撚する旨が記載されており、この結果、ビニロン繊維を単独で編網した海苔網よりも網地の破網やしなりの少ない海苔網が得られる旨が記載されている。しかしながら、疎水性であるポリエステル繊維と親水性のビニロン繊維を混撚した場合には、海苔網内で水分率差が生じ、海苔胞子の付着率にムラが生じることから、良質の海苔を得ることができなくなるという課題がある。
【0010】
また、特許文献2で提案された技術では、ポリエステル樹脂中に発泡剤を混練することにより、繊維の表面に発泡による凸部を形成することで、海苔胞子の付着性を向上させることができる。しかしながら、発泡剤により繊維表面に形成される凸部のサイズはコントロールが難しいため、繊維軸方向で凸部のサイズにムラが生じ、海苔網内での海苔の成育状態に班が生じるという課題がある。
(【0011】以降は省略されています)
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