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公開番号2024132976
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-01
出願番号2024037768
出願日2024-03-12
発明の名称織編物及び衣服
出願人東レ株式会社
代理人
主分類D04B 1/16 20060101AFI20240920BHJP(組みひも;レース編み;メリヤス編成;縁とり;不織布)
要約【課題】速乾性に優れ、湿潤時に生地の形態が変化することで乾燥時よりも湿潤時の方が通気性を向上できるとともに、湿潤状態から乾燥状態へ戻った際の寸法変化率が小さい生地を提供すること。
【解決手段】2種類以上の糸を使用した織編物であって、前記糸のうち少なくとも1種類の糸は偏心芯鞘型のポリアミド複合繊維であり、前記織編物における前記ポリアミド複合繊維の質量割合が10%~60%であり、前記ポリアミド複合繊維の伸縮伸長率が3.0%以上であり、前記ポリアミド複合繊維において、芯成分を構成するポリアミドAがポリエーテルアミド、ポリエーテルエステルアミド及びポリビニルピロリドンからなる群より選ばれる少なくとも一種を合計で20質量%以上含み、鞘成分を構成するポリアミドBがナイロン6、ナイロン66、ナイロン4、ナイロン610、ナイロン410等からなる群より選ばれる少なくとも一種を合計で50質量%以上含む織編物。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
2種類以上の糸を使用した織編物であって、前記糸のうち少なくとも1種類の糸は偏心芯鞘型のポリアミド複合繊維であり、前記織編物における前記ポリアミド複合繊維の質量割合が10%~60%であり、前記ポリアミド複合繊維のJIS L 1013:2021「化学繊維フィラメント糸試験方法」8.11項に記載のC法で測定したときの伸縮伸長率が3.0%以上であり、前記ポリアミド複合繊維において、芯成分を構成するポリアミドAがポリエーテルアミド、ポリエーテルエステルアミド及びポリビニルピロリドンからなる群より選ばれる少なくとも一種を合計で20質量%以上含み、鞘成分を構成するポリアミドBがナイロン6、ナイロン66、ナイロン4、ナイロン610、ナイロン410、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン56、ナイロン510及びナイロン1010からなる群より選ばれる少なくとも一種を合計で50質量%以上含む織編物。
続きを表示(約 750 文字)【請求項2】
前記ポリアミド複合繊維の断面において、鞘成分の最小厚み(S)と繊維直径(D)との比(S/D)が0.01~0.10である請求項1に記載の織編物。
【請求項3】
前記ポリアミド複合繊維において、芯成分を構成するポリアミドAがポリエーテルアミドを20質量%以上含み、鞘成分を構成するポリアミドBがナイロン6を50質量%以上含む請求項1又は2に記載の織編物。
【請求項4】
JIS L 1096:2010「織物及び編物の生地試験方法」8.26項に記載のA法(フラジール形法:差圧125Pa)に準じて測定した際の湿潤時の通気性が、乾燥時の通気性よりも高い請求項1又は2に記載の織編物。
【請求項5】
目付が70~300g/m

であり、乾燥時の厚みが0.3~1.0mmである請求項1又は2に記載の織編物。
【請求項6】
一層構造の編物であり、前記編物の編組織において、
前記ポリアミド複合繊維を連続して3コース以上、前記ポリアミド複合繊維とは異なる糸を連続して2~5コース有し、それらが経方向に交互に繰り返され、かつ、
前記ポリアミド複合繊維の全ウェールが天竺組織であり、前記ポリアミド複合繊維とは異なる糸の2~10ウェールがウェルト組織、4~10ウェールが天竺組織である請求項1又は2に記載の織編物。
【請求項7】
表面と裏面からなる二層構造であり、前記表面または前記裏面のいずれか一方にのみ前記ポリアミド複合繊維を含む請求項1又は2に記載の織編物。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の織編物を、上衣若しくは下衣の全て、または一部に含む衣服。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、形態が変化することで高機能性を有することができる織編物及び衣服に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
綿などの天然繊維やウールなどに代表される獣毛などは、温度や湿度の変化にてその繊維の形態、例えば捲縮率が変化することが従来からよく知られており、これらの特徴を模倣し、さらに快適性を追求しようとした合成繊維または生地の検討が行われている。
【0003】
例えば高膨潤性成分と低膨潤性成分とが平行配列構造に接合された複合繊維であって、吸水することでクリンプが消失し織目または編目の空間部が開くことにより通気性を向上させることが検討されており(例えば特許文献1)、ポリエステル成分とポリアミド成分がサイドバイサイド型または偏心芯鞘構造に複合された繊維に仮撚加工を施して、乾湿の捲縮率の差で編目を膨らませてムレ感を抑制する検討がなされている(例えば特許文献2)。また、乾湿によってトルク指数が異なるセルロース系紡績糸と長繊維を交互に編成した編地であって、湿潤時に残留トルクが発現しやすくなり、編目の角度が変化、つまりは広くなることで通気性を向上させる試みがなされている(例えば特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2005-23431号公報
国際公開第2006/025610号
特開2013-96031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1や特許文献2のように、編目や編目の空壁を拡大させる生地では極端な変化はなく、編目を任意的に大きく拡大した一般的なメッシュ素材と同等またはそれ以下であり、快適性を向上させる効果としては不十分である。特許文献3も編目角度の変化では一般的なメッシュ素材よりも編目開口部が小さく、改善の余地があった。
【0006】
また、特許文献1から3においてはいずれもムレ感を抑制する効果に言及しているが、繊維に吸収された水分の速乾性に関する記載はなく、衣料用途においてはベタツキによる不快感を抑制するには不十分であると言える。
【0007】
さらに、特許文献1から3においては吸水することで編目の空間部が開く、編目を膨らませると記載されていることから、生地の寸法が変化すると考えられるが、特許文献1、特許文献3においては、湿潤状態から乾燥状態へ戻った際に、元の寸法にもどるかどうかに関する記載はなく、寸法の安定性において課題がある可能性がある。
【0008】
本発明は、速乾性に優れ、湿潤時に生地の形態が変化することで乾燥時よりも湿潤時の方が通気性を向上できるとともに、湿潤状態から乾燥状態へ戻った際の寸法変化率が小さい生地を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記課題を解決するために、以下の構成よりなる。
【0010】
(1)2種類以上の糸を使用した織編物であって、前記糸のうち少なくとも1種類の糸は偏心芯鞘型のポリアミド複合繊維であり、前記織編物における前記ポリアミド複合繊維の質量割合が10%~60%であり、前記ポリアミド複合繊維のJIS L 1013:2021「化学繊維フィラメント糸試験方法」8.11項に記載のC法で測定したときの伸縮伸長率が3.0%以上であり、前記ポリアミド複合繊維において、芯成分を構成するポリアミドAがポリエーテルアミド、ポリエーテルエステルアミド及びポリビニルピロリドンからなる群より選ばれる少なくとも一種を合計で20質量%以上含み、鞘成分を構成するポリアミドBがナイロン6、ナイロン66、ナイロン4、ナイロン610、ナイロン410、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン56、ナイロン510及びナイロン1010からなる群より選ばれる少なくとも一種を合計で50質量%以上含む織編物。
(【0011】以降は省略されています)

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