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公開番号
2024127807
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-20
出願番号
2024028293
出願日
2024-02-28
発明の名称
積層フィルム、光学フィルタ
出願人
東レ株式会社
代理人
主分類
B32B
7/023 20190101AFI20240912BHJP(積層体)
要約
【課題】 本発明の課題は、高精度な反射波長選択性を備える積層フィルムを提供することである。
【解決手段】 2種類の層を交互に51層以上有する積層フィルムであり、波長300~2000nmの範囲に反射、透過、応答帯域を有し、最も反射帯域の広い波長の短波長端と長波長端をλ1、λ2、短波長端、長波長端の波長分解能をΔg1、Δg2としたときに一定の関係式を満たし、面内屈折率の高い樹脂Aが主成分である層をA層、低い樹脂Bが主成分である層をB層としたときにA、B層の層対の光学層厚みを参照波長λ0で除した層対の波数が0.4×λ1/λ0~0.6×λ2/λ0の範囲Xを含み、範囲Xにて、波数が0.5以上の層対数、0.5未満の層対数をL1、L2としたとき、範囲Xの積層構造が一定の関係式を満たす、積層フィルム。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
互いに異なる2種類の熱可塑性樹脂層を交互に51層以上積層した構造を有する積層フィルムであって、
波長300nm~2000nmの範囲に、反射率が80%以上である反射帯域と、反射率が20%未満である透過帯域を有し、
前記反射帯域と前記透過帯域の間に応答帯域を有し、
最も反射帯域の広い波長における短波長端と長波長端をそれぞれλ1、λ2、短波長端の波長分解能をΔg1、長波長端の波長分解能をΔg2としたときに、式(1)によって表される参照波長λ0を用いた下記式(2)、式(3)の少なくとも一つを満たし、
かつ異なる2種類の熱可塑性樹脂層のうち、面内屈折率の高い熱可塑性樹脂Aを主成分とする熱可塑性樹脂層をA層、面内屈折率の低い熱可塑性樹脂Bを主成分とする熱可塑性樹脂層をB層としたときに、隣接するA層とB層からなる層対の光学層厚みを参照波長λ0で割ることにより求められる層対の波数が0.4×λ1/λ0以上0.6×λ2/λ0以下の範囲(範囲X)を少なくとも含み、
前記範囲Xにおいて、波数が0.5以上である層対の数をL1、波数が0.5未満である層対の数をL2としたときに、前記範囲Xにおける積層構造が下記式(4)を満たすことを特徴とする積層フィルム。
式(1): λ0=2×λ1×λ2/(λ1+λ2)
式(2): 0.1×λ0/((λ1-0.1)×λ1)≦Δg1≦30×λ0/((λ1-30)×λ1)
式(3): 0.1×λ0/((λ2-0.1)×λ2)≦Δg2≦30×λ0/((λ2-30)×λ2)
式(4): 0.900≦L1/L2≦1.100
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記層対の波数が、一方の表面側から反対表面側に向かうにつれて徐々に変化する傾斜部分(傾斜部分Y)を含み、かつ前記傾斜部分Yにおいて下記条件(A)、条件(B)の少なくとも一つを満たすことを特徴とする、請求項1に記載の積層フィルム。
条件(A): 0.4×λ1/λ0以上0.6×λ1/λ0以下の範囲に極値を1つ以上3つ以下有し、かつその極値に前記傾斜部分Yにおける波数の最小値を含む。
条件(B): 0.4×λ2/λ0以上0.6×λ2/λ0以下の範囲に極値を1つ以上3つ以下有し、かつその極値に前記傾斜部分Yにおける波数の最大値を含む。
【請求項3】
下記条件(C)、条件(D)の少なくとも一つを満たすことを特徴とする、請求項2に記載の積層フィルム。
条件(C): 0.4×λ1/λ0以上0.6×λ1/λ0以下の範囲に、前記傾斜部分Yにおける最小値との波数の差が0.03以下となる連続した層対の群に含まれる層対の数が、1つの群につき20個以上60個以下である。
条件(D): 0.4×λ2/λ0以上0.6×λ2/λ0以下の範囲に、前記傾斜部分Yにおける最大値との波数の差が0.03以下となる連続した層対の群に含まれる層対の数が、1つの群につき20個以上60個以下である。
【請求項4】
前記傾斜部分Yに含まれる各層対の波数と移動平均値との差を、端点を除き一方の表面側から反対表面側に至るまでプロットした残差分布に対し、1周期の離散フーリエ変換(DFT)を適用することにより求められるピーク強度の最大値が1.0×10
-5
以上1.0×10
-2
以下であることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の積層フィルム。
【請求項5】
前記範囲Xに含まれる層対における前記A層と前記B層の光学層厚みの差の絶対値が0.05×λ0以下であることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の積層フィルム。
【請求項6】
熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bの少なくとも一方の主成分がポリエステルであることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の積層フィルム。
【請求項7】
請求項1~3のいずれかに記載の積層フィルムを用いてなることを特徴とする、光学フィルタ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ある特定の波長の光を選択的に反射するのに好適な積層フィルム、および当該積層フィルムを用いた光学フィルタに関する。
続きを表示(約 3,700 文字)
【背景技術】
【0002】
溶融製膜法によって異なる複数の熱可塑性樹脂を交互に積層した積層フィルムは、積層する樹脂の屈折率と層厚みを制御することで、干渉反射により様々な波長の光を選択的に反射することができる。このような積層フィルムは、特に、光学フィルタとして、車載用途、ディスプレイ用途など、様々な光学用途に用いられている。例えば、近赤外線や赤外線を反射する積層フィルムを自動車や住宅のガラスなどに貼ることによって、熱源として働く赤外線を反射し、冷房効果を上げることが可能である。
【0003】
光学フィルタに用いられる積層フィルムにおいては、所望の反射帯域の末端においてシャープな反射率の勾配を示し、かつ反射帯域における均一な反射性能を示す、波長選択性を有することが重要である。
【0004】
高い波長選択性を有する積層フィルムを得る方法としては、光学層厚みが少なくとも40層以上にわたり実質的に一定となる積層構造を有する積層フィルムとする方法が知られている(特許文献1、2)。このような積層構造により形成される分光スペクトルは、高反射率かつシャープな勾配を有する。所望の反射帯域末端にその分光スペクトルが位置するよう層厚みを設計することにより、特許文献3に開示されるような、当該積層構造を持たない層厚みで設計された場合に比べて、所望の反射帯域末端のシャープ性に優れた積層フィルムを得ることができる。特許文献1や2に開示されたフィルムは、所望の反射帯域に対して反射率が飽和状態にあり、かつシャープ化させたい反射帯域の末端が可視光域に位置する場合には、高い波長選択性を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
米国特許第6157490号公報
特表2022-500693号公報
特開2023-177790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、近赤外帯域を所望の反射帯域とした積層フィルムを製造する際に、光学層厚みが少なくとも40層以上にわたり実質的に一定となる積層構造を除いた部分の層厚み設計と、所望の反射帯域の波長範囲などの条件によっては、所望の反射帯域の末端がシャープ化されないことが判明した。さらに、特許文献1や2に開示されたフィルムの設計は、反射率が飽和しない場合、反射帯域における反射の不均一化が生じるために光学フィルタとして要求される波長選択性を得られなくなる課題がある。
【0007】
本発明の課題は、上記問題を解決し、光学フィルタに要求される高精度な反射波長選択性を実現することが可能な積層フィルムを提供することにある。すなわち、所望の反射帯域の末端においてシャープな反射率の勾配を示し、かつ反射帯域における反射の均一性に優れた積層フィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の構成よりなる。
【0009】
互いに異なる2種類の熱可塑性樹脂層を交互に51層以上積層した構造を有する積層フィルムであって、波長300nm~2000nmの範囲に、反射率が80%以上である反射帯域と、反射率が20%未満である透過帯域を有し、前記反射帯域と前記透過帯域の間に応答帯域を有し、最も反射帯域の広い波長における短波長端と長波長端をそれぞれλ1、λ2、短波長端の波長分解能をΔg1、長波長端の波長分解能をΔg2としたときに、式(1)によって表される参照波長λ0を用いた下記式(2)、式(3)の少なくとも一つを満たし、かつ異なる2種類の熱可塑性樹脂層をA層、B層としたときに、隣接するA層とB層からなる層対の光学層厚みを参照波長λ0で割ることにより求められる層対の波数が0.4×λ1/λ0以上0.6×λ2/λ0以下の範囲(範囲X)を少なくとも含み、前記範囲Xにおいて、波数が0.5以上である層対の数をL1、波数が0.5未満である層対の数をL2としたときに、前記範囲Xにおける積層構造が下記式(4)を満たすことを特徴とする積層フィルム。
式(1): λ0=2×λ1×λ2/(λ1+λ2)
式(2): 0.1×λ0/((λ1-0.1)×λ1)≦Δg1≦30×λ0/((λ1-30)×λ1)
式(3): 0.1×λ0/((λ2-0.1)×λ2)≦Δg2≦30×λ0/((λ2-30)×λ2)
式(4): 0.900≦L1/L2≦1.100
また、本発明の積層フィルムは以下の態様とすることもでき、さらにこれを用いて光学フィルタとすることもできる。
[1]互いに異なる2種類の熱可塑性樹脂層を交互に51層以上積層した構造を有する積層フィルムであって、波長300nm~2000nmの範囲に、反射率が80%以上である反射帯域と、反射率が20%未満である透過帯域を有し、前記反射帯域と前記透過帯域の間に応答帯域を有し、最も反射帯域の広い波長における短波長端と長波長端をそれぞれλ1、λ2、短波長端の波長分解能をΔg1、長波長端の波長分解能をΔg2としたときに、式(1)によって表される参照波長λ0を用いた下記式(2)、式(3)の少なくとも一つを満たし、かつ異なる2種類の熱可塑性樹脂層のうち、面内屈折率の高い熱可塑性樹脂Aを主成分とする熱可塑性樹脂層をA層、面内屈折率の低い熱可塑性樹脂Bを主成分とする熱可塑性樹脂層をB層としたときに、隣接するA層とB層からなる層対の光学層厚みを参照波長λ0で割ることにより求められる層対の波数が0.4×λ1/λ0以上0.6×λ2/λ0以下の範囲(範囲X)を少なくとも含み、前記範囲Xにおいて、波数が0.5以上である層対の数をL1、波数が0.5未満である層対の数をL2としたときに、前記範囲Xにおける積層構造が下記式(4)を満たすことを特徴とする積層フィルム。
式(1): λ0=2×λ1×λ2/(λ1+λ2)
式(2): 0.1×λ0/((λ1-0.1)×λ1)≦Δg1≦30×λ0/((λ1-30)×λ1)
式(3): 0.1×λ0/((λ2-0.1)×λ2)≦Δg2≦30×λ0/((λ2-30)×λ2)
式(4): 0.900≦L1/L2≦1.100
[2] 前記層対の波数が、一方の表面側から反対表面側に向かうにつれて徐々に変化する傾斜部分(傾斜部分Y)を含み、かつ前記傾斜部分Yにおいて下記条件(A)、条件(B)の少なくとも一つを満たすことを特徴とする、[1]に記載の積層フィルム。
条件(A): 0.4×λ1/λ0以上0.6×λ1/λ0以下の範囲に極値を1つ以上3つ以下有し、かつその極値に前記傾斜部分Yにおける波数の最小値を含む。
条件(B): 0.4×λ2/λ0以上0.6×λ2/λ0以下の範囲に極値を1つ以上3つ以下有し、かつその極値に前記傾斜部分Yにおける波数の最大値を含む。
[3] 下記条件(C)、条件(D)の少なくとも一つを満たすことを特徴とする、[2]に記載の積層フィルム。
条件(C): 0.4×λ1/λ0以上0.6×λ1/λ0以下の範囲に、前記傾斜部分Yにおける最小値との波数の差が0.03以下となる連続した層対の群に含まれる層対の数が、1つの群につき20個以上60個以下である。
条件(D): 0.4×λ2/λ0以上0.6×λ2/λ0以下の範囲に、前記傾斜部分Yにおける最大値との波数の差が0.03以下となる連続した層対の群に含まれる層対の数が、1つの群につき20個以上60個以下である。
[4] 前記傾斜部分Yに含まれる各層対の波数と移動平均値との差を、端点を除き一方の表面側から反対表面側に至るまでプロットした残差分布に対し、1周期の離散フーリエ変換(DFT)を適用することにより求められるピーク強度の最大値が1.0×10
-5
以上1.0×10
-2
以下であることを特徴とする、[1]~[3]のいずれかに記載の積層フィルム。
[5] 前記範囲Xに含まれる層対における前記A層と前記B層の光学層厚みの差の絶対値が0.05×λ0以下であることを特徴とする、[1]~[4]のいずれかに記載の積層フィルム。
[6] 熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bの少なくとも一方の主成分がポリエステルであることを特徴とする、[1]~[5]のいずれかに記載の積層フィルム。
[7] [1]~[6]のいずれかに記載の積層フィルムを用いてなることを特徴とする、光学フィルタ。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、反射の波長選択性に優れた積層フィルム、および当該積層フィルムを用いた光学フィルタを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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