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公開番号2024129273
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-27
出願番号2023038368
出願日2023-03-13
発明の名称人工皮革およびその製造方法
出願人東レ株式会社
代理人
主分類D06N 3/00 20060101AFI20240919BHJP(繊維または類似のものの処理;洗濯;他に分類されない可とう性材料)
要約【課題】人工皮革において、細かいメランジ効果を発現し、かつ優れた表面の触感と強力、耐摩耗性を有する人工皮革を提供すること。
【解決手段】不織布を構成要素として含む繊維絡合体と、高分子弾性体とを有する人工皮革であって、前記不織布は、単繊維直径が1.0μm以上8.0μm以下の極細繊維(A)と、単繊維直径が10.0μm以上50.0μm以下の繊維(B)とを含み、前記繊維(B)は少なくとも2種の熱可塑性樹脂で構成されてなり、前記人工皮革の少なくとも一方の表面は立毛を有する表面であって、前記人工皮革の断面における極細繊維(A)と繊維(B)とが面積比で(A)/(B)=30/70~70/30の範囲で混在する人工皮革。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
不織布を構成要素として含む繊維絡合体と、高分子弾性体とを有する人工皮革であって、前記不織布は、単繊維直径が1.0μm以上8.0μm以下の極細繊維(A)と単繊維直径が10.0μm以上50.0μm以下の繊維(B)と、を含み、前記繊維(B)は少なくとも2種の熱可塑性樹脂で構成されてなり、前記人工皮革の少なくとも一方の表面は立毛を有する表面であって、前記人工皮革の断面における極細繊維(A)と繊維(B)とが面積比でA/B=30/70~70/30の範囲で混在する人工皮革。
続きを表示(約 900 文字)【請求項2】
前記立毛を有する表面において、繊維(B)の面積被覆率が30%以上70%以下である、請求項1に記載の人工皮革。
【請求項3】
前記立毛を有する表面において、繊維(B)の面積被覆率のCV値が0%以上50%以下である、請求項1または2に記載の人工皮革。
【請求項4】
次の工程[1]~[6]を含む、人工皮革の製造方法。
[1]:3モル%以上15モル%以下である5-ナトリウムスルホイソフタル酸と数平均分子量が500以上3,500以下であるポリアルキレングリコールを共重合した共重合ポリエステルである海成分ポリマーと、島成分ポリマーからなる海島型複合繊維(A)と、3モル%以上15モル%以下である5-ナトリウムスルホイソフタル酸を、共重合した共重合ポリエステルである海成分ポリマーと、島成分ポリマーからなる海島型複合繊維(B)を紡糸する工程、
[2]:前記海島型複合繊維(A)と海島型複合繊維(B)とを質量比で(A)/(B)=30/70~70/30の割合で、混繊し延伸する工程、
[3]:前記海島型複合繊維(A)と海島型複合繊維(B)の混繊繊維で構成されてなる不織布を構成要素として含む海島型複合繊維絡合体を形成する工程、
[4]:単繊維直径が1.0μm以上8.0μm以下の極細繊維(A)と単繊維直径が10.0μm以上50.0μm以下の繊維(B)とを含む不織布を構成要素として含む繊維絡合体を形成する工程、
[5]:前記繊維絡合体に高分子弾性体を付与し、前記人工皮革の断面における極細繊維(A)と繊維(B)とが面積比でA/B=30/70~70/30の範囲で混在する 高分子弾性体付与シートを得る工程、
[6]:前記高分子弾性体付与シートの少なくとも一方の表面に対して起毛処理を行って表面に立毛を形成する工程。
【請求項5】
前記海島型複合繊維(A)の海成分ポリマーは前記ポリアルキレングリコールを0.1質量%以上15質量%以下共重合した共重合ポリエステルである、請求項4に記載の人工皮革の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、細かいメランジ効果を発現し、かつ優れた表面の触感と強力、耐摩耗性を有する人工皮革及びその製法に関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)【0002】
なお、本発明において、「メランジ効果」とは、2色以上の異色調の表面感(霜降り調、メランジ調等と呼ばれる)を伴う特別な視覚的効果を意味する。
【背景技術】
【0003】
主として極細繊維からなる不織布を構成要素として含むスエード調の人工皮革は、良好な外観品位を有することから、自動車内装材、家具、雑貨、衣料用途など幅広い分野で使用されている。
【0004】
その中でも、自動車内装材、家具、衣料用途などの分野では、高級感に加え、嗜好の多様性から、上記のようなメランジ効果を表現できるような人工皮革を有することが、素材バリエーションを増やすことになり、販売戦略上重要であることから、種々の技術が提案されてきた。
【0005】
例えば、特許文献1では、原着極細繊維及び非原着極細繊維からなる不織布と、該不織布に含浸された高分子弾性体からなる人工皮革で、原着極細繊維と非原着極細繊維のうち一方を極細繊維束とし、その重量比率を特定の範囲とした人工皮革が提案されている。そして、この文献では、この人工皮革が、シャープなメランジ効果と良好な表面の風合いを有することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2019-183351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示されるような方法で得られる人工皮革は、極細繊維束からなる繊維ウェブと単繊維分散した極細繊維からなる繊維ウェブを積層した後に絡合処理し混繊するため、かなり丁寧に繊維全体を均一に混繊しないと、細かいメランジ効果を得られないことや、局所的な繊維の偏りが発生しやすく、人工皮革の強度や耐摩耗性にムラが生じてしまうことが課題である。
【0008】
そこで本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、細かいメランジ効果を発現し、かつ優れた表面の触感と強力、耐摩耗性を有する人工皮革を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため本発明は、次の構成を有する。すなわち、
(1)不織布を構成要素として含む繊維絡合体と、高分子弾性体とを有する人工皮革であって、前記不織布は、単繊維直径が1.0μm以上8.0μm以下の極細繊維(A)と、単繊維直径が10.0μm以上50.0μm以下の繊維(B)とを含み、前記繊維(B)は少なくとも2種の熱可塑性樹脂で構成されてなり、前記人工皮革の少なくとも一方の表面は立毛を有する表面であって、前記人工皮革の断面における極細繊維(A)と繊維(B)とが面積比で(A)/(B)=30/70~70/30の範囲で混在する人工皮革。
(2)前記立毛を有する表面において、繊維(B)の面積被覆率が30%以上70%以下である、(1)に記載の人工皮革。
(3)前記立毛を有する表面において、繊維(B)の面積被覆率のCV値が0%以上50%以下である、(1)または(2)に記載の人工皮革。
(4)次の工程[1]~[6]を含む、人工皮革の製造方法。
【0010】
[1]:3モル%以上15モル%以下である5-ナトリウムスルホイソフタル酸と数平均分子量が500以上3,500以下であるポリアルキレングリコールを共重合した共重合ポリエステルである海成分ポリマーと、島成分ポリマーからなる海島型複合繊維(A)と、3モル%以上15モル%以下である5-ナトリウムスルホイソフタル酸を、共重合した共重合ポリエステルである海成分ポリマーと、島成分ポリマーからなる海島型複合繊維(B)を紡糸する工程、
[2]:前記海島型複合繊維(A)と海島型複合繊維(B)とを質量比で(A)/(B)=30/70~70/30の範囲で、混繊し延伸する工程、
[3]:前記海島型複合繊維(A)と海島型複合繊維(B)の混繊繊維で構成されてなる不織布を構成要素として含む海島型複合繊維絡合体を形成する工程、
[4]:単繊維直径が1.0μm以上8.0μm以下の極細繊維(A)と単繊維直径が10.0μm以上50.0μm以下の繊維(B)とを含む不織布を構成要素として含む繊維絡合体を形成する工程、
[5]:前記繊維絡合体に高分子弾性体を付与し、前記人工皮革の断面における極細繊維(A)と繊維(B)とが面積比でA/B=30/70~70/30の範囲で混在する高分子弾性体付与シートを得る工程、
[6]:前記高分子弾性体付与シートの少なくとも一方の表面に対して起毛処理を行って表面に立毛を形成する工程。
(5)前記海島型複合繊維(A)の海成分ポリマーは前記ポリアルキレングリコールを0.1質量%以上15質量%以下共重合した共重合ポリエステルである、(4)に記載の人工皮革の製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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