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公開番号2024141435
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023053088
出願日2023-03-29
発明の名称ポリエステルモノフィラメント
出願人東レ株式会社
代理人
主分類D01F 8/14 20060101AFI20241003BHJP(天然または人造の糸または繊維;紡績)
要約【課題】高強度・高モジュラスで、繊維径均一性に優れ、スクリーン紗の染色工程を不要とし、ハレーション防止できる高精細スクリーン印刷用途に好適なモノフィラメントを提供する。
【解決手段】糸全体に対し、有機系の着色剤を0.01~0.1wt%、無機系の非白色着色剤を0.1~0.5wt%を含み、波長250nm~450nmの光に対する平均反射率が15%以下であり、繊度が13.0dtex以下かつ強度が6.0cN/dtex以上であることを特徴とするポリエステルモノフィラメント。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
有機系の着色剤を0.01~0.1wt%、無機系の非白色着色剤を0.1~0.5wt%を含み、波長250nm~450nmの光に対する平均反射率が15%以下であり、繊度が3.0~13.0dtexかつ強度が6.5~9.0cN/dtexであることを特徴とするポリエステルモノフィラメント。
続きを表示(約 570 文字)【請求項2】
芯鞘いずれの成分もポリエステルからなる芯鞘複合モノフィラメントであって、芯成分に有機系の着色剤を0.01~0.1wt%と、無機系の非白色着色剤を0.1~0.5wt%とを含み、鞘成分には無機系の非白色着色剤を含まず、波長250nm~450nmの光に対する平均反射率が15%以下であり、繊度が3.0~13.0dtexかつ強度が6.5~9.0cN/dtexであることを特徴とする芯鞘複合ポリエステルモノフィラメント。
【請求項3】
請求項1もしくは2に記載のポリエステルモノフィラメントであって、繊維長手方向100万m中に存在する、繊維直径に対して110%以上の繊維径を有する節について、式(1)で表される節の直径の増加率の総和Z(%)が<30,000未満であるポリエステルモノフィラメント。
TIFF
2024141435000008.tif
18
148
【請求項4】
請求項1もしくは2のいずれかに記載のポリエステルモノフィラメントにおいて、下記A~C項を満足することを特徴とするポリエステルモノフィラメント。
A.繊度が3.0~8.0dtex
B.強度が7.0~9.0cN/dtex
C.10%モジュラスが5.0~8.5cN/dtex

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はスクリーン印刷用ポリエステルモノフィラメントに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
スクリーン印刷用織物としては、従来はシルクなどの天然繊維やステンレスなどの無機繊維からなるメッシュ織物、すなわちスクリーン紗が広く使用されてきた。近年は、柔軟性や耐久性、コストパフォーマンスに優れる合繊メッシュが好んで使用され、なかでもポリエステルモノフィラメントを製織して得られるスクリーン紗は寸法安定性に優れるなどスクリーン印刷用途の適性が高く、広く普及している。近年急成長を続けるエレクトロニクス分野においては、家電や携帯電話、パソコン向けなどの電子機器類の回路パターン印刷精度が厳格化され、より高精細なパターン印刷が求められているが、高精細なパターン印刷を得るためには、高強度、高モジュラスで繊維長手方向の繊維径、すなわち繊維径均一性に優れたポリエステルモノフィラメントが要求されている。
【0003】
一般的なスクリーン紗を用いた製版工程は、モノフィラメントを用いたスクリーン紗を版枠に紗張り固定し、精錬してモノフィラメントに付着している油剤等の不要物を除去後、紫外線硬化性樹脂を塗布・乾燥した後、印刷したいパターン図柄を黒色で描いたポジフィルムとスクリーン紗に密着させた状態で、波長250~450nmの紫外線を照射して露光させる。この際、ポジフィルムの図柄部分と重複した紫外線硬化性樹脂は固化せず、他部分は紫外線硬化性樹脂が紫外線に露光して光化学反応により固化するため、露光後の版を水洗することで、ポジフィルムの図柄部分の紫外線硬化性樹脂が洗い流され、印刷ネガとなる。
【0004】
スクリーン印刷において、より精密・精細な印刷を行うためには、いかにポジフィルムのパターン図柄通りに紫外線硬化性樹脂を固化させるかが重要な課題となる。例えば、スクリーン紗の紫外線反射率が高いと、スクリーン紗表面で紫外線が乱反射し露光不要な図柄部分まで感光させてしまう、いわゆるハレーションが発生するため、印刷精度が著しく低下する。紫外線の乱反射を防ぐ方法として、モノフィラメントでスクリーン紗を製織した後に、染色を施す方法が採用されているが、染色工程が加わる事で製造コスト増や、染色加工時の原糸の強度低下といったデメリットがある。この染色工程を廃止すべく、製糸工程段階で着色剤を混合したスクリーン紗用モノフィラメントに関する検討が種々行われており、特許文献1や2には、ポリエステルモノフィラメントに有機系の着色剤を含有させる発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2020-90758号公報
WO2005/118927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
スクリーン紗の染色工程を無くすためには、製糸工程で着色剤を混合して溶融紡糸し、原着糸を得る必要がある。着色剤には有機系の着色剤と無機系の着色剤があるが、有機系の着色剤の方が発色性に優れるため、特許文献1、2ではいずれも有機系の着色剤を用いた原着糸が提案されている。しかしながら、有機系の着色剤は、溶融紡糸工程でポリマ配管内に長時間滞留すると、着色剤の熱劣化によってゲル化物が発生する問題がある。ゲル化物は糸の延伸を阻害するため、ゲル化物含有部で局所的な繊維径の膨らみ(以下、節)が発生する。節は糸の繊維径均一性を損なわせ、スクリーン紗として使用する際、印刷欠点を誘発するため、極力排除することが必要である。一方、無機系の着色剤は、有機系の着色剤対比、熱によるゲル化が発生し難いものの、発色性に劣り、ハレーションを防止させるだけの必要な発色性を出す事が困難である。また、発色を高めようと多量の着色剤を含有させた場合、溶融紡糸時のポリマ吐出不良や糸物性の低下を招く課題が残存していた。
【0007】
本発明は、高強度・高モジュラスで、繊維径均一性に優れ、スクリーン紗の染色工程を不要とし、ハレーションを防止する優れた発色性を有する高精細スクリーン印刷用途に好適なスクリーン紗用のモノフィラメントを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため本発明は以下の構成を有する。すなわち、有機系の着色剤を0.01~0.1wt%、白色着色剤を除く無機系の着色剤を0.1~0.5wt%を含み、波長250nm~450nmの光に対する平均反射率が15%以下であり、繊度が13.0dtex以下かつ強度が6.0cN/dtex以上であることを特徴とするポリエステルモノフィラメントである。また、芯鞘いずれの成分もポリエステルからなる芯鞘複合モノフィラメントであって、芯成分に有機系の着色剤を0.01~0.1wt%と、無機系の非白色着色剤を0.1~0.5wt%とを含み、鞘成分には無機系の非白色着色剤を含まず、波長250nm~450nmの光に対する平均反射率が15%以下であり、繊度が3.0~13.0dtexかつ強度が6.5~9.0cN/dtexであることを特徴とする芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントである。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、高強度・高モジュラスで、繊維径均一性に優れ、スクリーン紗の染色工程を不要とし、ハレーションを防止する発色性を有する高精細スクリーン印刷用途に好適なスクリーン紗を得ることができるポリエステルモノフィラメントを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
繊維径測定装置で得られた繊維径を連続的にチャートとして示した概略図である(横軸は時間、縦軸は繊維径)。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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