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公開番号2024148464
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-18
出願番号2023061629
出願日2023-04-05
発明の名称二酸化炭素回収装置、及び二酸化炭素回収方法
出願人東邦瓦斯株式会社
代理人弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
主分類B01D 53/14 20060101AFI20241010BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】より純度の高い二酸化炭素を、効率良く回収することが可能な二酸化炭素回収装置を提供する。
【解決手段】二酸化炭素回収装置1は、二酸化炭素を含む被分離ガスを、気液接触により吸収液に吸収させる吸収塔10と、吸収液に吸収した二酸化炭素を放散させる再生塔40とを備え、放散した二酸化炭素を回収する。二酸化炭素回収装置1では、被分離ガスは、二酸化炭素と共に不要ガスを混在してなる混合ガスであり、被分離ガスを吸収した状態にある吸収処理後の吸収液から、混在している不要ガスを、選択的に除去して排気する不要ガス除去処理部20を備え、不要ガス除去処理部20は、吸収塔10と再生塔40の上流部とを第1供給管L11で繋いだ第1流路に、吸収処理後の吸収液を収容可能な内部空間20Sと連通可能な態様で設けられ、内部空間20Sの雰囲気を減圧可能な第1真空ポンプ31と、減圧する圧力を調整可能な圧力調整手段34と、を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
二酸化炭素を含む被分離ガスを、気液接触により吸収液に吸収させる吸収塔と、該吸収液に吸収した該二酸化炭素を放散させる再生塔とを備え、放散した該二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収装置において、
前記被分離ガスは、二酸化炭素と共に不要ガスを混在してなる混合ガスであり、
前記被分離ガスを吸収した状態にある吸収処理後の前記吸収液から、混在している前記不要ガスを、選択的に除去して排気する不要ガス除去手段を備え、
前記不要ガス除去手段は、前記吸収塔と前記再生塔の上流部とを第1管で繋いで形成された第1流路に、前記吸収処理後の吸収液を収容可能な内部空間と連通可能な態様で設けられ、前記内部空間の雰囲気を減圧可能な第1吸引手段と、減圧する圧力を調整可能な圧力調整手段と、を有すること、
を特徴とする二酸化炭素回収装置。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
請求項1に記載する二酸化炭素回収装置において、
前記不要ガスは、少なくとも窒素、酸素を主成分に含んだ気体であり、
前記第1吸引手段は、前記被分離ガスに占める二酸化炭素の分圧の上限より高い圧力帯域内とする負圧下に、前記内部空間の雰囲気を吸引可能な吸引能力を有すること、
を特徴とする二酸化炭素回収装置。
【請求項3】
請求項2に記載する二酸化炭素回収装置において、
前記不要ガス除去手段は、前記被分離ガスに含む窒素成分及び酸素成分を、除去前後比による割合で99%以上除去するものであること、
を特徴とする二酸化炭素回収装置。
【請求項4】
請求項2に記載する二酸化炭素回収装置において、
前記被分離ガスが大気である場合、前記第1吸引手段の前記吸引能力は、前記内部空間の雰囲気を、下限値0.04kPaとし、かつ上限値1.20kPaとした範囲内の圧力下に吸引できること、
を特徴とする二酸化炭素回収装置。
【請求項5】
請求項2に記載する二酸化炭素回収装置において、
前記被分離ガスが燃焼ガスを含む場合、前記第1吸引手段の前記吸引能力は、前記内部空間の雰囲気を、下限値2kPa以上、かつ上限値66kPaより小さい圧力の範囲内に吸引できること、
を特徴とする二酸化炭素回収装置。
【請求項6】
請求項1に記載する二酸化炭素回収装置において、
前記不要ガス除去手段では、前記第1吸引手段による吸引を伴って、前記不要ガスの排気を行う排気管路に、二酸化炭素の濃度を計測可能な濃度計を備えていること、
を特徴とする二酸化炭素回収装置。
【請求項7】
請求項1に記載する二酸化炭素回収装置において、
前記再生塔の上流側には、流通する前記吸収処理後の吸収液の圧力を計測可能な圧力計を備えていること、
を特徴とする二酸化炭素回収装置。
【請求項8】
請求項1に記載する二酸化炭素回収装置において、
前記第1管の前記第1流路には、前記吸収処理後の吸収液の流れを制御可能な流量制御弁が配設されていること、
を特徴とする二酸化炭素回収装置。
【請求項9】
請求項1に記載する二酸化炭素回収装置において、
前記不要ガス除去手段は、前記第1吸引手段の吸引で排気される前記不要ガスの流れを制御する不要ガス排気制御手段を有していること、
を特徴とする二酸化炭素回収装置。
【請求項10】
請求項1に記載する二酸化炭素回収装置において、
前記不要ガス除去手段は、前記内部空間に対し、前記吸収塔から前記吸収処理後の吸収液を流入させる第1流入部と、前記再生塔へと前記吸収処理後の吸収液を流出させる第1流出部を有し、
前記第1流路のうち、前記第1流入部と、前記第1流出部より下流側にある前記再生塔の前記上流部との間には、前記内部空間に収容した前記吸収処理後の吸収液に対し、前記第1流入部から前記再生塔の前記上流部側への流れを規制する流通規制部が設けられていること、
を特徴とする二酸化炭素回収装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、燃焼排ガス、大気等、被分離ガスに含有する二酸化炭素を、混在する不要ガスと分離して回収する二酸化炭素回収装置、及び二酸化炭素回収方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年、気候変動問題が喫緊の課題となっている。そのような中、二酸化炭素の大気放散を回避するために、大気、または工場や発電所での燃焼排ガス等、二酸化炭素を含有するガス(被分離ガス)から、二酸化炭素を分離、回収するための技術が求められている。
【0003】
加えて、我が国では、溶接に用いる炭酸ガスや、物流に用いるドライアイス等、二酸化炭素の需要が増加している。この需要の増加に対して、供給が追い付いていない背景のもと、我が国における二酸化炭素の輸入量は、年々増加する傾向にある。しかし、二酸化炭素をドライアイスとして輸入する場合には、輸送中に一部が融けてしまう等、ロスが大きい。このような中、被分離ガスに含有される二酸化炭素を活用すべく、高純度の二酸化炭素を回収することが可能な装置が求められている。
【0004】
被分離ガスから高純度の二酸化炭素を回収する装置としては、特許文献1に開示されるような、二酸化炭素を含有する被分離ガスと二酸化炭素を吸収する吸収液とを気液接触させて、吸収液に二酸化炭素を吸収させる吸収塔と、二酸化炭素を吸収した吸収液(リッチ液)から、二酸化炭素を水蒸気とともに放散する再生塔と、を備える二酸化炭素回収装置が知られている。
【0005】
再生塔においては、二酸化炭素を吸収した吸収液を、二酸化炭素吸収反応の平衡温度まで加熱することで、二酸化炭素と水蒸気の放散が行われる。この加熱のための消費エネルギー量を抑えるため、特許文献1では、再生塔を減圧することで、二酸化炭素を吸収した吸収液の平衡温度をより低温化でき、省エネルギー化を図っている。
【0006】
しかし、特許文献1に開示された二酸化炭素回収装置は、再生塔を減圧するために、真空ポンプを用いており、この真空ポンプを動作するためには、多大な電力が必要である。このため、電力コストの増加や、発電のための新たな二酸化炭素の発生が懸念される。よって、電力コストの増加や、発電のための新たな二酸化炭素の発生を抑えるため、さらなる省エネルギー化を達成することができる二酸化炭素回収装置が求められていた。
【0007】
このような背景の下、本出願人は、特願2022-518051に開示した二酸化炭素回収装置を提案している。この二酸化炭素回収装置では、被分離ガスから二酸化炭素を分離し放散する分離装置と、二酸化炭素を昇華して固化させる二酸化炭素昇華器とが、直列に接続されている。分離装置は、例えば、吸収塔と再生塔を備えており、吸収塔で分離された二酸化炭素は、再生塔から放散され、二酸化炭素昇華器まで流れる。二酸化炭素昇華器に達した二酸化炭素は、冷熱を有する流体を利用した冷媒により、冷却され昇華して固化する。そして、二酸化炭素が昇華により固化されて生じたドライアイスを、昇華して気化させる等して回収することで、炭酸ガス等として活用することができる。
【0008】
上記の二酸化炭素昇華器は、二酸化炭素を昇華(固化)することで減圧され、負圧状態となる。二酸化炭素昇華器が負圧状態になることで、再生塔から放散された二酸化炭素の吸引が行われる。この吸引により、再生塔から二酸化炭素昇華器までの、二酸化炭素の流れが生じ、二酸化炭素昇華器において、二酸化炭素の昇華(固化)が促進されるのである。つまり、二酸化炭素の吸引は、冷熱を有する流体を利用して行われるものであるため、吸引のためのポンプ等が必要なく、省エネルギー化を達成することができる。そして、省エネルギー化により、電力コストの増大や、発電のための新たな二酸化炭素の発生を抑えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2005-270814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
吸収塔は、被分離ガスと吸収液とを気液接触させて、吸収液に二酸化炭素を吸収させるものであるところ、被分離ガス中には、二酸化炭素の他、窒素や酸素も含まれているため、気液接触する過程で、窒素や酸素が、微量ながら吸収液に溶け込んでしまう。そのような窒素や酸素が溶け込んだ吸収液(リッチ液)によって、再生塔で二酸化炭素の放散を行うと、二酸化炭素だけでなく、窒素や酸素も合わせて放散される。
(【0011】以降は省略されています)

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