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公開番号
2024148463
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-18
出願番号
2023061628
出願日
2023-04-05
発明の名称
二酸化炭素回収装置および二酸化炭素回収方法
出願人
東邦瓦斯株式会社
,
日揮株式会社
代理人
弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
主分類
B01D
53/62 20060101AFI20241010BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】より効率良く二酸化炭素を回収することが可能な二酸化炭素回収装置を提供すること。
【解決手段】二酸化炭素を含有する被分離ガスから二酸化炭素を分離し、放散する分離装置60と、分離装置60から放散された二酸化炭素を昇華(固化)させる二酸化炭素昇華器5Aと、が直列に接続されていること、二酸化炭素昇華器5Aには、冷熱を有する流体を冷媒とする冷媒回路12Aが接続されていること、二酸化炭素昇華器5Aに、二酸化炭素昇華器5Aの内部の気体を、二酸化炭素昇華器5Aの外部に排出する真空ポンプ71が接続されていること。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
二酸化炭素を含有する被分離ガスから前記二酸化炭素を分離し、放散する分離装置を備える二酸化炭素回収装置において、
前記被分離ガスが供給される上流側から順に、前記分離装置と、前記分離装置から放散された二酸化炭素を昇華(固化)させる二酸化炭素昇華器と、が直列に接続されていること、
前記二酸化炭素昇華器には、冷熱を有する流体を冷媒とする冷媒回路が接続されていること、
前記二酸化炭素昇華器に、前記二酸化炭素昇華器の内部の気体を、前記二酸化炭素昇華器の外部に排出する排気装置が接続されていること、
を特徴とする二酸化炭素回収装置。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の二酸化炭素回収装置において、
前記被分離ガスは、燃焼排ガスまたは大気または大気で希釈された燃焼排ガスであり、少なくとも窒素を含有していること、
を特徴とする二酸化炭素回収装置。
【請求項3】
請求項1に記載の二酸化炭素回収装置において、
前記被分離ガスは、バイオガスであり、少なくともメタン等炭化水素を含有していること、
を特徴とする二酸化炭素回収装置。
【請求項4】
請求項2に記載の二酸化炭素回収装置において、
前記被分離ガスは、燃焼排ガスであること、
前記排気装置は、少なくとも、前記分離装置から放散される二酸化炭素の量の100分の2以上の気体量を排気可能な排気容量を備えること、
を特徴とする二酸化炭素回収装置。
【請求項5】
請求項4に記載の二酸化炭素回収装置において、
前記排気装置は、少なくとも、前記分離装置から放散される二酸化炭素の量の100分の3以上の気体量を排気可能な排気容量を備えること、
を特徴とする二酸化炭素回収装置。
【請求項6】
請求項2に記載の二酸化炭素回収装置において、
前記被分離ガスは、大気または大気で希釈された燃焼排ガスであること、
前記排気装置は、少なくとも、前記分離装置から放散される二酸化炭素の量の1000分の1以上の気体量を排気可能な排気容量を備えること、
を特徴とする二酸化炭素回収装置。
【請求項7】
請求項6に記載の二酸化炭素回収装置において、
前記排気装置は、少なくとも、前記分離装置から放散される二酸化炭素の量の500分の1以上の気体量を排気可能な排気容量を備えること、
を特徴とする二酸化炭素回収装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1つに記載の二酸化炭素回収装置において、
前記排気装置により前記二酸化炭素昇華器から排出される気体すなわち排出気体の二酸化炭素の濃度を計測する濃度計を備えること、
を特徴とする二酸化炭素回収装置。
【請求項9】
請求項8に記載の二酸化炭素回収装置において、
前記分離装置に、2基以上の前記二酸化炭素昇華器が並列に接続されていること、
前記分離装置と2基以上の前記二酸化炭素昇華器との間には、2基以上の前記二酸化炭素昇華器のうちから、昇華(固化)を行う任意の一基を選択し、前記分離装置において分離された二酸化炭素を流入させる第1切替手段を備えること、
を特徴とする二酸化炭素回収装置。
【請求項10】
請求項8に記載の二酸化炭素回収装置において、
前記排気装置に、前記二酸化炭素昇華器から排出した気体を、前記二酸化炭素昇華器に還流する還流ラインが接続されていること、
を特徴とする二酸化炭素回収装置。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素を含有する被分離ガスから二酸化炭素を分離する分離装置を備える二酸化炭素回収装置および二酸化炭素回収方法に関するものである。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、気候変動問題が喫緊の課題となっている。そのような中、二酸化炭素の大気放散を回避するために、大気、または、工場や発電所の燃焼排ガスなどの二酸化炭素を含有するガス(被分離ガス)から、二酸化炭素を分離、回収するための技術が求められている。
【0003】
加えて、我が国では、溶接に用いる炭酸ガスや、物流に用いるドライアイス等、二酸化炭素の需要が増加している。この需要の増加に対して、供給が追い付いていない背景のもと、我が国における二酸化炭素の輸入量は年々増加する傾向にある。しかし、二酸化炭素をドライアイスとして輸入する場合には、輸送中に一部が溶けてしまうなど、ロスが大きい。
このような中、被分離ガスに含有される二酸化炭素を活用すべく、高純度の二酸化炭素を回収することが可能な装置が求められている。
【0004】
被分離ガスから高純度の二酸化炭素を回収する装置としては、特許文献1に開示されるような、二酸化炭素を含有する被分離ガスと二酸化炭素を吸収する吸収液とを気液接触させて、吸収液に二酸化炭素を吸収させる吸収塔と、二酸化炭素を吸収した吸収液(リッチ液)から、二酸化炭素を水蒸気とともに放散する再生塔と、を備える二酸化炭素回収装置が知られている。
【0005】
再生塔においては、二酸化炭素を吸収した吸収液を沸騰温度まで加熱することで、二酸化炭素と水蒸気の放散が行われる。この加熱のための消費エネルギー量を抑えるため、特許文献1では、再生塔を減圧することで、二酸化炭素を吸収した吸収液の沸騰温度を下げ、省エネルギー化を図っている。
【0006】
しかし、特許文献1に開示される二酸化炭素回収装置は、再生塔を減圧するために、真空ポンプを用いており、この真空ポンプを動作するためには、多大な電力が必要である。このため、電力コストの増加や、発電のための新たな二酸化炭素の発生が懸念される。よって、電力コストの増加や、発電のための新たな二酸化炭素の発生を抑えるため、さらなる省エネルギー化を達成することができる二酸化炭素回収装置が求められていた。
【0007】
そのような中、出願人は、特願2022-518051に開示される二酸化炭素回収装置を提案している。該二酸化炭素回収装置は、被分離ガスから二酸化炭素を分離し放散する分離装置と、二酸化炭素を昇華(固化)させる二酸化炭素昇華器と、が直列に接続されている。分離装置は、例えば、吸収塔と再生塔とを備えており、吸収塔で分離された二酸化炭素は、再生塔から放散され、二酸化炭素昇華器まで流れる。二酸化炭素昇華器に達した二酸化炭素は、冷熱を有する流体を利用した冷媒により冷却され、昇華(固化)される。そして、二酸化炭素が昇華(固化)されて生じたドライアイスを、昇華(気化)するなどして回収することで、炭酸ガス等として活用することができる。
【0008】
上記の二酸化炭素昇華器は、二酸化炭素が昇華(固化)されることで減圧され、負圧状態となる。二酸化炭素昇華器が負圧状態になることで、再生塔から放散された二酸化炭素の吸引が行われる。この吸引により、再生塔から二酸化炭素昇華器までの、二酸化炭素の流れが生じ、二酸化炭素昇華器における二酸化炭素の昇華(固化)が促進されるのである。つまり、二酸化炭素の吸引は、冷熱を有する流体を利用して行われるものであるため、吸引のためのポンプ等が必要なく、省エネルギー化を達成することができる。そして、省エネルギー化により、電力コストの増大や、発電のための新たな二酸化炭素の発生を抑えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2005-270814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
吸収塔は、被分離ガスと吸収液とを気液接触させて、吸収液に二酸化炭素を吸収させるものであるところ、被分離ガス中には、二酸化炭素の他、窒素や酸素(以下、窒素等)も含まれているため、気液接触する過程で、吸収液に窒素等が微量ながら溶け込んでしまう。そのような窒素等が溶け込んだ吸収液(リッチ液)によって、再生塔で二酸化炭素の放散を行うと、二酸化炭素だけでなく、窒素等も合わせて放散される。
(【0011】以降は省略されています)
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