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公開番号
2024178581
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-25
出願番号
2023096823
出願日
2023-06-13
発明の名称
分離材および分離材の製造方法
出願人
三菱ケミカル株式会社
代理人
主分類
B01J
20/285 20060101AFI20241218BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】本発明の課題は、タンパク質のような大きい分子の分離精製においても、近年要
求されている高度な分離精製能を満たす、水に不溶の多孔性粒子である担体に共重合体を
共有結合させたイオン交換分離材及びその応用技術を提供することにある。
【解決手段】共重合体が担体に結合してなる分離材であって、前記共重合体が特定の式(
1)で表される単量体に由来する構造単位、及び、特定の式(2)で表される単量体に由
来する構造単位を含み、前記共重合体の数平均分子量が10,000以上1,000,0
00以下である、分離材。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
共重合体が担体に結合してなる分離材であって、
前記共重合体が下記式(1)で表される単量体に由来する構造単位、及び、下記式(2
)で表される単量体に由来する構造単位を含み、
前記共重合体の数平均分子量が10,000以上1,000,000以下である、分離
材。
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2024178581000007.tif
31
65
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2024178581000008.tif
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(式(1)中、R
1
は-NR
3
-R
4
-R
5
又は-O-R
4
-R
5
を表す。R
2
は水素原
子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。R
3
は水素原子又は炭素数1以上4以下
のアルキル基を表す。R
4
は脂肪族環を含む炭素数1以上6以下のアルキレン基、又は、
炭素数1以上6以下の直鎖もしくは分岐のアルキレン基を表す。R
5
は-SO
3
Mを表す
。Mは水素原子、Na又はKを表す。
式(2)中、R
6
は-NR
8
-R
9
又は-O-R
9
を表す。R
7
は水素原子又は炭素数
1以上4以下のアルキル基を表す。R
8
は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基
を表す。R
9
は炭素数1以上4以下の直鎖もしくは分岐のアルキル基、アルコキシメチル
基又はヒドロキシアルキル基を表す。)
続きを表示(約 1,500 文字)
【請求項2】
前記共重合体が上記式(1)で表される単量体に由来する構造単位を、構造単位全体の
35mol%以上65mol%以下の範囲で含む、請求項1に記載の分離材。
【請求項3】
上記式(1)で表される単量体が、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン
酸、アクリル酸-3-スルホプロピル酸、メタクリル酸-3-スルホプロピル酸、及び、
その塩から選ばれる1種以上である、請求項1に記載の分離材。
【請求項4】
上記式(2)で表される単量体が、N-ヒドロキシエチルアクリルアミドである、請求
項1に記載の分離材。
【請求項5】
前記担体に結合したイオン交換基の交換容量が2.5×10
-2
mmol/mL-R以
上1.2×10
-1
mmol/mL-R以下である、請求項1に記載の分離材。
【請求項6】
前記担体が下記式(3)で表される単量体に由来する構造単位、及び、下記式(4)で
表される単量体に由来する構造単位を含む、請求項1に記載の分離材。
TIFF
2024178581000009.tif
30
68
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2024178581000010.tif
33
105
(式(3)中、R
11
は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。R
10
は
-O-R
12
-R
13
を表す。R
12
は脂肪族環を含む炭素数1以上6以下の直鎖もしく
は分岐のアルキレン基、又は、炭素数1以上6以下の直鎖もくしは分岐のアルキレン基を
表す。R
13
はアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、グリシジル基又は
エポキシ基を表す。
式(4)中、R
14
は炭素数1以上6以下の直鎖もしくは分岐のアルキレン基を表す。
R
15
は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)
【請求項7】
共重合体が担体に結合してなる分離材の製造方法であって、
前記担体の存在下で、上記式(1)で表される単量体、上記式(2)で表される単量体
、及び、連鎖移動剤を含み、上記式(1)で表される単量体と上記式(2)で表される単
量体の合計(100mol%)に対して、上記式(1)で表される単量体を35mol%
以上65mol%以下の範囲で含む単量体組成物を重合する、分離材の製造方法。
【請求項8】
前記連鎖移動剤の単量体組成物中の含有率が、上記式(1)で表される単量体と上記式
(2)で表される単量体の合計(100mol%)に対して、0.4mol%以上2.0
mol%以下である、請求項7に記載の分離材の製造方法。
【請求項9】
上記式(1)で表される単量体が、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン
酸、アクリル酸-3-スルホプロピル酸、メタクリル酸-3-スルホプロピル酸、及び、
その塩から選ばれる1種以上である、請求項7に記載の分離材の製造方法。
【請求項10】
上記式(2)で表される単量体が、N-ヒドロキシエチルアクリルアミドである、請求
項7に記載の分離材の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、水に不溶の多孔性粒子である担体に共重合体を共有結合させた分離材、及び
、その製造方法、当該分離材を用いたタンパク質等の生体高分子の分離方法、並びにクロ
マトグラフィー用カラムに関する。
続きを表示(約 3,300 文字)
【背景技術】
【0002】
タンパク質等の生体高分子の研究・開発において、それらの吸着・分離・精製にはクロ
マトグラフィーが多く用いられている。
液体クロマトグラフィー用分離材に用いられる担体としては、シリカゲル、ヒドロキシ
アパタイト等の無機系担体、アガロース、デキストラン、セルロース、キトサン等の天然
高分子系担体、及び、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル等の合成高分子系
担体が知られている。これらの担体はそのままで、又は多様な分離モードでの使用を可能
とするために必要に応じて各種官能基を付与して用いられる。
また、近年ではタンパク質の分離精製において、分離精製能の更なる向上が望まれてい
る。
【0003】
例えば、特許文献1には、多孔質架橋粒子に高分子を共有結合にて固定化した分離材が
開示されており、本技術に拠れば特定の比表面積を有することで、吸着量が大きく強度面
で優れ、動的吸着容量の向上したイオン交換分離材が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2018-155745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1で開示されている分離材は、吸着量及び強度は十分であった。しかしながら
近年要求されている分離精製能としては不十分であった。
【0006】
本発明は、このような課題を鑑みてなされたものであり、タンパク質のような大きい分
子においても分離精製能が向上したイオン交換分離材及びその応用技術に関するものであ
る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは鋭意研究を行なった結果、担体に固定化する共重合体の分子量を調整する
ことにより、分離材の分離精製能が向上することを見出し、本発明に至った。
【0008】
即ち、本発明の要旨は以下のとおりである。
[1] 共重合体が担体に結合してなる分離材であって、
前記共重合体が下記式(1)で表される単量体に由来する構造単位、及び、下記式(2
)で表される単量体に由来する構造単位を含み、
前記共重合体の数平均分子量が10,000以上1,000,000以下である、分離
材。
TIFF
2024178581000001.tif
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64
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2024178581000002.tif
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(式(1)中、R
1
は-NR
3
-R
4
-R
5
又は-O-R
4
-R
5
を表す。R
2
は水素原
子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。R
3
は水素原子又は炭素数1以上4以下
のアルキル基を表す。R
4
は脂肪族環を含む炭素数1以上6以下のアルキレン基、又は、
炭素数1以上6以下の直鎖もしくは分岐のアルキレン基を表す。R
5
は-SO
3
Mを表す
。Mは水素原子、Na又はKを表す。
式(2)中、R
6
は-NR
8
-R
9
又は-O-R
9
を表す。R
7
は水素原子又は炭素数
1以上4以下のアルキル基を表す。R
8
は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基
を表す。R
9
は炭素数1以上4以下の直鎖もしくは分岐のアルキル基、アルコキシメチル
基又はヒドロキシアルキル基を表す。)
[2] 前記共重合体が上記式(1)で表される単量体に由来する構造単位を、構造単位
全体の35mol%以上65mol%以下の範囲で含む、[1]に記載の分離材。
[3] 上記式(1)で表される単量体が、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンス
ルホン酸、アクリル酸-3-スルホプロピル酸、メタクリル酸-3-スルホプロピル酸、
及び、その塩から選ばれる1種以上である、[1]又は[2]に記載の分離材。
[4] 上記式(2)で表される単量体が、N-ヒドロキシエチルアクリルアミドである
、[1]~[3]のいずれかに記載の分離材。
[5] 前記担体に結合したイオン交換基の交換容量が2.5×10
-2
mmol/mL
-R以上1.2×10
-1
mmol/mL-R以下である、[1]~[4]のいずれかに
記載の分離材。
[6] 前記担体が下記式(3)で表される単量体に由来する構造単位、及び、下記式(
4)で表される単量体に由来する構造単位を含む、[1]~[5]のいずれかに記載の分
離材。
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2024178581000004.tif
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【0009】
[7] 共重合体が担体に結合してなる分離材の製造方法であって、
前記担体の存在下で、上記式(1)で表される単量体、上記式(2)で表される単量体
、及び、連鎖移動剤を含み、上記式(1)で表される単量体と上記式(2)で表される単
量体の合計(100mol%)に対して、上記式(1)で表される単量体を35mol%
以上65mol%以下の範囲で含む単量体組成物を重合する、分離材の製造方法。
[8] 前記連鎖移動剤の単量体組成物中の含有率が、上記式(1)で表される単量体と
上記式(2)で表される単量体の合計(100mol%)に対して、0.4mol%以上
2.0mol%以下である、[7]に記載の分離材の製造方法。
[9] 上記式(1)で表される単量体が、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンス
ルホン酸、アクリル酸-3-スルホプロピル酸、メタクリル酸-3-スルホプロピル酸、
及び、その塩から選ばれる1種以上である、[7]又は[8]に記載の分離材の製造方法
。
[10] 上記式(2)で表される単量体が、N-ヒドロキシエチルアクリルアミドであ
る、[7]~[9]のいずれかに記載の分離材の製造方法。
[11] 前記連鎖移動剤がチオール基を有する、[7]~[10]のいずれかに記載の
分離材の製造方法。
【0010】
[12] [1]1に記載の分離材を用いる精製工程を含む、抗体製造方法。
[13] 以下の工程(a)及び(b)を含むことを特徴とする、標的分子の分離方法;
工程(a):標的分子を含む溶液を[1]に記載の分離材に接触させ、標的分子を分離材
に吸着させる工程、
工程(b):工程(a)で処理した分離材から標的分子を溶離する工程。
[14] 標的分子が、モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体、あるいはこれらの
化学変性物である、[13]に記載の標的分子の分離方法。
[15] [1]に記載の分離材を含み、少なくとも1つの容器を備えるクロマトグラフ
ィー用カラム。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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