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公開番号2025006078
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-17
出願番号2023106642
出願日2023-06-29
発明の名称吸着剤再生装置および除去システム
出願人オリオン機械株式会社
代理人個人
主分類B01D 53/04 20060101AFI20250109BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】吸着能力再生処理を単独で実行することができ、かつ再生に要する時間を充分に短縮可能とする。
【解決手段】熱交換器22、吸着塔2a,2bのいずれか、熱交換器24および気液分離槽12をこの順で通過して熱交換器22に再び流入するように水素ガスを送風する送風機11を備え、吸着能力再生処理を開始するときに、熱交換器22を再生対象の吸着塔2bにおける気体入出口に対して接続させ、熱交換器24を吸着塔2bにおける気体入出口に対して接続させ、かつ送風機11を制御して予め規定された「第1の送風能力」で水素ガスを送風させると共に、冷凍サイクル10を制御して熱交換器22における水素ガスの加熱および熱交換器24における水素ガスの冷却を実行させ、吸着能力再生処理の実行中に予め規定された条件が満たされたときに、送風機11を制御して「第1の送風能力」よりも低い予め規定された「第2の送風能力」で水素ガスを送風させる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
気体に含まれている除去対象を吸着塔内の吸着剤に吸着させて当該気体から除去する吸着除去処理を実行可能な除去システムにおける当該吸着剤を加熱再生方式の吸着能力再生処理によって再生可能に構成された吸着剤再生装置であって、
前記吸着能力再生処理を行う前記吸着塔に流入させる前記気体を冷媒との熱交換によって加熱する第1の熱交換器、前記吸着能力再生処理を行う前記吸着塔を通過させられた前記気体を前記冷媒との熱交換によって冷却する第2の熱交換器、前記第2の熱交換器において前記気体と熱交換させられた前記冷媒を前記第1の熱交換器に圧送する圧縮機、および前記第1の熱交換器と前記第2の熱交換器との間に配設された膨張弁を備えた冷凍サイクルと、
前記第2の熱交換器を通過させられた前記気体から前記除去対象を分離させる分離装置と、
前記第1の熱交換器、前記吸着塔、前記第2の熱交換器および前記分離装置をこの順で通過して当該第1の熱交換器に再び流入するように前記気体を送風する第1の送風機と、
気体導入用配管および気体排出用配管のうちのいずれか一方の配管と前記第1の熱交換器とのいずれかを前記吸着塔における一対の気体入出口のうちの一方に対して選択的に接続する第1の流路切替部と、
前記気体導入用配管および前記気体排出用配管のうちの他方の配管と前記第2の熱交換器とのいずれかを前記一対の気体入出口のうちの他方に対して選択的に接続する第2の流路切替部と、
前記冷凍サイクル、前記第1の送風機、前記第1の流路切替部および前記第2の流路切替部の動作を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記吸着能力再生処理を開始するときに、前記第1の流路切替え部を制御して前記第1の熱交換器を前記一対の気体入出口のうちの一方に対して接続させ、前記第2の流路切替え部を制御して前記第2の熱交換器を前記一対の気体入出口のうちの他方に対して接続させ、かつ前記第1の送風機を制御して予め規定された第1の送風能力で前記気体を送風させると共に、前記冷凍サイクルを制御して前記第1の熱交換器における前記気体の加熱および前記第2の熱交換器における当該気体の冷却を実行させ、
前記吸着能力再生処理の実行中に予め規定された第1の条件が満たされたときに、前記第1の送風機を制御して前記第1の送風能力よりも低い予め規定された第2の送風能力で前記気体を送風させる吸着剤再生装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記分離装置を通過させられた前記気体を、前記第1の熱交換器を通過させずに前記吸着塔に流入させるバイパス用配管と、
前記分離装置から前記第1の熱交換器を通過して前記吸着塔に流入する前記気体の第1の流量、および前記分離装置から前記バイパス用配管を通過して前記吸着塔に流入する前記気体の第2の流量を調整する流量調整部とを備え、
前記制御部は、吸着能力再生処理において、当該吸着能力再生処理を終了する予め規定された第2の条件が満たされるまで前記流量調整部に前記第2の流量よりも前記第1の流量の方が多くなるように前記気体の流量を調整させると共に、前記第2の条件が満たされたときに前記流量調整部に前記第1の流量よりも前記第2の流量の方が多くなるように前記気体の流量を調整させる請求項1記載の吸着剤再生装置。
【請求項3】
前記冷凍サイクルは、前記冷媒を凝縮させる凝縮器と、当該凝縮器に大気を送風する第2の送風機とを備え、
前記制御部は、前記第2の条件が満たされたときに、前記第2の送風機を制御して前記大気の送風量を増加させる請求項2記載の吸着剤再生装置。
【請求項4】
前記気体としての水素ガスから前記除去対象としての水分を除去可能に構成された前記除去システムにおける前記吸着剤の吸着能力を再生可能に構成されている請求項1記載の吸着剤再生装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の吸着剤再生装置と前記吸着塔とを備えて前記気体から前記除去対象を除去可能に構成されている除去システム。
【請求項6】
複数の前記吸着塔を備えて当該各吸着塔の一部を対象とする前記吸着除去処理と当該各吸着塔の他の一部を対象とする前記吸着能力再生処理とを実行可能に構成され、
前記制御部は、前記各吸着塔の一部を対象とする前記吸着除去処理と当該各吸着塔の他の一部を対象とする前記吸着能力再生処理とを並行して実行するときに、前記第1の流路切替え部を制御して、当該各吸着塔の一部における前記一対の気体入出口のうちの一方を前記気体導入用配管および前記気体排出用配管のうちのいずれか一方の配管に対して接続させ、かつ当該各吸着塔の他の一部における前記一対の気体入出口のうちの一方に対して前記第1の熱交換器を接続させると共に、前記第2の流路切替え部を制御して、当該各吸着塔の一部における前記一対の気体入出口のうちの他方を前記気体導入用配管および前記気体排出用配管のうちの他方の配管に対して接続させ、かつ当該各吸着塔の他の一部における前記一対の気体入出口のうちの他方に対して前記第2の熱交換器を接続させる請求項5記載の除去システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、気体に含まれている除去対象を吸着塔内の吸着剤に吸着させて除去する吸着除去処理を実行可能な除去システムにおける吸着剤を加熱再生方式の吸着能力再生処理によって再生可能に構成された吸着剤再生装置、並びにそのような吸着剤再生装置を備えて吸着除去処理および吸着能力再生処理を実行可能に構成された除去システムに関するものである。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、水素ガスに含まれている水分を水素ガスから除去するときに、水素ガスを吸着塔に流入させて吸着塔内の吸着剤に水分を吸着させることによってこれを除去する吸着除去処理が広く実施されている。また、このような吸着除去処理に用いられる吸着剤のなかには、吸着能力を復元可能なものが存在し、そのような吸着剤を使用したときには、水分を吸着した吸着剤を加熱して吸着剤から水分を離脱させる加熱再生方式の吸着能力再生処理も広く実施されている。
【0003】
この場合、吸着能力再生処理において過度な加熱によって吸着剤を変質させることなく吸着能力を充分に復元する(吸着剤から水分を充分に離脱させる)には、ある程度長い時間に亘って適度な温度範囲内で吸着剤を加熱し続ける必要がある。このため、吸着能力再生処理に要する時間が長くなっている。また、吸着能力再生処理では、吸着剤を加熱するための熱源として電気ヒータ等が使用されている。このため、加熱のために電気ヒータ等によって消費されるエネルギーの分だけ、水素ガスからの水素の除去に要するコストが高騰している。
【0004】
一方、出願人は、複数の吸着塔およびヒートポンプユニットを備えて吸着除去処理および吸着能力再生処理を実行可能な除去システムを下記の先行出願において開示している。この場合、出願人が開示している除去システムでは、吸着能力再生処理を行う吸着塔に流入させる水素ガス(吸着剤を加熱するための水素ガス)が、ヒートポンプユニットを温熱源として温度上昇させられると共に、吸着剤から離脱させられた水分を含む水素ガスが、ヒートポンプユニットを冷熱源として冷却されて水素ガスから水分が分離される構成が採用されている。また、出願人が開示している除去システムでは、吸着除去処理を行う吸着塔に流入させる水素ガス(水分を含んだ水素ガス)が、ヒートポンプユニットを冷熱源として冷却され、これにより、水素ガスに含まれる水分の一部が吸着除去処理を行う吸着塔に流入させられる前に水素ガスから分離される構成が採用されている。
【0005】
これにより、出願人が開示している除去システムによれば、各吸着塔のうちの一部において吸着除去処理を実行しているときに、他の一部の吸着塔についての吸着能力再生処理を並行して実行して吸着能力を再生することができるため、システム全体として、吸着除去処理を継続して実行することが可能となっている。また、出願人が開示している除去システムによれば、水素ガスに含まれる水分の一部が吸着除去処理を行う吸着塔に流入させられる前に水素ガスから分離されることで、吸着除去処理を行う吸着塔における吸着剤の吸着能力が短時間で低下する事態が回避され、これにより、他の吸着塔についての吸着能力再生処理に必要な充分な時間を確保することが可能となっている。
【0006】
さらに、出願人が開示している除去システムによれば、上記のように、ヒートポンプユニットを温熱源および冷熱源として水素ガスの加熱や冷却を行う構成を採用している。これにより、水素ガスの冷却のための冷熱源(例えば、冷凍サイクル)とは別個に、水素ガスの加熱のための温熱源として電気ヒータを使用する構成と比較して、消費エネルギーを充分に低減することができ、水素ガスからの水素の除去に要するコストを充分に低減することが可能となっている。
【先行出願1】
【0007】
特願2022-025415
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、出願人が開示している除去システムには、以下のような改善すべき課題が存在する。
【0009】
具体的には、出願人が開示している除去システムでは、ヒートポンプユニットを温熱源および冷熱源として使用して水素ガスを加熱したり冷却したりする構成が採用されている。この場合、ヒートポンプユニットでは、冷凍サイクルにおける凝縮器を温熱源とし、かつ蒸発器を冷熱源として使用している。また、凝縮器を温熱源として使用するには、圧縮機において充分な量の冷媒を圧縮する必要があり、そのためには、冷熱源として使用される蒸発器において充分な量の冷媒を気化させる必要がある。つまり、凝縮器における放熱量と蒸発器における吸熱量とを均衡させるのが前提のヒートポンプユニット(冷凍サイクル)を温熱源および冷熱源として使用する構成では、水素ガスの加熱に必要な熱量を蒸発器において吸熱する必要がある。
【0010】
しかしながら、吸着除去処理および吸着能力再生処理を開始した直後においては、吸着能力再生処理を行う吸着塔に流入させる水素ガスの温度が充分に高い温度とはなっていない。このため、この吸着塔を通過させられた水素ガスの温度も低い状態であり、蒸発器から充分な熱量を吸熱するのが困難となっている。この場合、出願人が開示している除去システムでは、前述したように、吸着除去処理を行う吸着塔に流入させる水素ガスを、ヒートポンプユニットを冷熱源として冷却することにより、水素ガスに含まれる水分の一部を吸着塔に流入させる前に水素ガスから分離する構成が採用されている。これにより、処理を開始した直後においても、水素ガスの冷却によって吸熱した熱を蒸発器から吸熱させることができるものの、水素ガスの温度がそれほど高くない環境においては、依然として、蒸発器から充分な熱量を吸熱するのが困難となっている。
(【0011】以降は省略されています)

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