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公開番号
2025105312
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-10
出願番号
2023223777
出願日
2023-12-29
発明の名称
金属管コイルを用いた高効率マイクロ波照射用の精密温度制御装置
出願人
個人
代理人
主分類
B01J
19/12 20060101AFI20250703BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】マイクロ波加熱装置で化学反応を行う際、溶媒の沸点以下の条件で一定温度に制御して反応あるいは培養させるための温度制御装置を提供する。
【解決手段】庫内にマイクロ波を照射し負荷体を加熱するマルチモードの装置において、装置内に容器を入れて溶媒の沸点以下の条件で反応を行う際、マイクロ波を透過する材質でできた容器の外側に金属管をコイル状に巻き、金属管内に所望の温度を維持・制御にするのに適当な冷媒や熱媒を流せるようにした精密温度制御装置である。コイルを巻いていない反応容器と比べ、同等以上にマイクロ波の照射効率を向上させ、様々な形状や小型から大型までの容器に対応させる。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
マイクロ波を照射して負荷体を加熱するマルチモードのマイクロ波加熱装置において、当該装置の庫内にマイクロ波を透過する反応容器の外側に沿って金属管をコイル状に巻き付けた装置を入れ、冷媒あるいは熱媒の導入/排出のために用いる金属管を、マルチモードのマイクロ波装置の横壁あるいは上部に設けた筒穴を通し、この金属管あるいはコイルの両末端部から本体にアースを取り、容器に巻いたコイルの両末端と金属を介してこの金属管と接続して、この反応容器に巻いた金属管コイルに冷媒あるいは熱媒を流せるようにした構造であることを特徴とする装置であり、マイクロ波を透過する反応容器として、ビーカー型、三角フラスコ型、丸底フラスコ型、そして、径が細い試験管型と、多様な種類の反応容器の形状に対応できることを特徴とし、コイルを巻いていない反応容器と比較して同等以上の照射効率が得られる、即ち、マイクロ波の吸収が向上することを特徴とする装置であり、更に、この装置の金属管コイルに通す冷媒あるいは熱媒が、マイクロ波の吸収の有無を問わず、所望の温度条件にするのに適切な種々の冷媒を選ぶことのできることを特徴とする金属管コイルを用いた高効率マイクロ波照射用の精密温度制御装置である。
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【請求項2】
反応容器本体がマイクロ波を透過する材質からなり、この反応器の外側に沿って金属管のコイルを巻いた請求項1の金属管コイルを用いた高効率マイクロ波照射用の精密温度制御装置において、金属管の材質は銅、SUS、アルミ等一般的に金属管として用いられるものが使用できる。金属管コイルの管の管径は2mm以上、コイルは2巻より多く巻き、コイルとコイルの間の間隔が4mm以上であることを特徴とし、冷媒あるいは熱媒の導入/排出のために用いる金属管のそれぞれ、あるいは、コイルの両末端部のそれぞれから、本体アースを2か所以上取り、金属管とコイル部を、金属を介して接続することを特徴とする。この金属を介する接続には金属フェルールによる継手だけでなく、流す冷媒あるいは熱媒に耐える樹脂製等のチューブで冷媒液あるいは熱媒液が漏洩しないように接続した上で、導入/排出の金属管とコイル末端部を金属線、あるいは金属板等で連結しても良い。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ波を照射して負荷体を加熱するマルチモードのマイクロ波加熱装置において、マイクロ波を透過する反応容器の外側に沿って金属管をコイル状に直接巻き付け、この金属管コイルに冷媒あるいは熱媒を流せるようにして、外部コイルの温度制御器とすることを特徴とする金属管コイルを用いた高効率マイクロ波照射用の精密温度制御装置に関するものである。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
マイクロ波加熱装置で化学反応を行う際、温度制御装置がない場合は溶媒の沸点まで上昇させて、還流をかけながら反応させることになる。溶媒の沸点以下の条件で一定温度に制御して反応あるいは培養させるときは何らかの温度制御装置で冷却させる必要がある。
【0003】
マイクロ波照射を用いた有機反応が、通常の加熱装置の反応に比べて反応速度が上がったり、反応収率を向上させたりすることは、これまで多くの研究がなされ、その機構に関する論文が出されてきている。産業的にマイクロ波照射を用いた反応が一部で実用化される事例が出ている。また、培養においても、マイクロ波照射を用いて培養すると培地中の菌の量が通常の培養に比べて増加することや、菌の増加速度が速くなるということも報告されており(非特許文献1)、マイクロ波照射を用いた培養も、今後、産業面での利用も考えられる。しかし、多くの事例が50℃以下での定温条件で制御してマイクロ波を照射しながら培養させる必要があるため、マイクロ波照射を用いた培養に関する研究例が有機反応に比べて少なくなっている。空冷等の技術での実施例はあるが、大型化の技術が難しく、まだ、実用化された事例はない。
【0004】
マイクロ波照射を用いた反応、あるいは培養において、反応器を冷却させる技術として、第1に空冷させる方法がある(非特許文献2)が、空冷の冷却効率が低い為、数百℃という高温では有効であるが、低温での反応ではマイクロ波出力を低く調整する、マイクロ波を間欠照射する、容量を小さくする、などの対応が必要で、反応器の容量が大きくなると、例えば、水を溶媒とするときには100℃未満の条件では適用が難しくなる。空冷の場合に液化炭酸ガスを用いて50℃以下の条件で制御する技術もある(特許文献1)。この場合も試験管レベルの容量では有効であるが、大きな反応容器で対応する、あるいはマイクロ波照射の出力を大きくするときには、冷媒である液化炭酸ガスの使用量が増大することになり、合理的ではない。第2に反応器を2重のジャケット方式で冷却する方法もある(特許文献2)。しかし、これらの方法では冷媒がマイクロ波を吸収すると、マイクロ波により冷媒が加熱されるために、マイクロ波の吸収が少なく、非極性の灯油やヘキサン等の冷媒を使う必要がある。灯油やヘキサン等は熱容量が小さく、冷却効率が悪い。また、灯油やヘキサン等の冷媒を使う際には漏洩等の安全面で問題があり、小規模な実験室レベルの実験では適用できるが、大型化の装置では安全対策が困難となる場合がある。特にマイクロ波照射を用いた培養装置では、マイクロ波を透過するガラスや樹脂製の装置が必要であり、劣化や振動による割れなどにより漏洩の可能性があるため、特に大型化する際には安全面の問題が大きい。第3に冷却コイルを用いた方法がある。しかし、マイクロ波照射でのアーク発生等のトラブルを懸念して、マイクロ波装置内に金属性のコイルを入れるという発想はこれまでなく(非特許文献3)、やはりガラス、あるいは樹脂製の管を用いたコイルに冷媒を流すことが採用されてきた(特許文献2)。この場合、先のジャケット方式と同じく使用する冷媒は、ヘキサンや灯油等のマイクロ波を吸収しない非極性の冷媒を用いる必要があり、更に、コイルではジャケットに比べて冷却効率が落ちるため、更に冷媒の温度を下げ、冷媒流量を上げるなどの対応が必要である。また、コイル式においても、ジャケット式と同様に、漏洩の危険があり安全面での問題が大きい。コイルでは樹脂製のチューブを用いることで、割れ等の心配は小さくなるが、伝熱効率が悪くなる為、更に冷媒の温度を下げる必要が出てくる。
【0005】
その他に、大型化の反応器では外部ジャケット式の一般的な化学反応器の気相部に導波管を接続して、そこからマイクロ波を照射する方式もある(特許文献3)。この場合には、冷媒液に制限はなく自由に温度条件を設定できる。しかし、マイクロ波の導波管を反応器に直接接続するため、それに対応する大きさの反応器でなくてはならず、特にラボ実験レベルなどの小規模の反応器には適応が難しい場合がある。
【0006】
また、外部循環冷却方式をとる技術もある、庫内の反応器の液の一部をチューブで庫外に取り出して、外部に備えた温度制御装置でチューブを冷却して庫内の装置に戻すことができる。しかし、特に培養装置では雑菌の混入を防ぐために、毎回、加熱蒸気等で装置を滅菌する必要があり、その滅菌操作が煩雑になるという課題がある。この滅菌操作を簡便に行えるというのも、大型化するときの大きな課題である。
【0007】
また、沸点の高い反応溶媒の場合では、高温を維持する際には放熱が大きくなるので、この放熱量を極力抑えるためには、断熱を強化し、その厚みを増すなどの対策を行うことが必要である。しかし、断熱の厚みを増すとどうしてもマイクロ波の照射効率が落ちてくることが懸念として出てくる。このため、反応容器の外側にジャケットやコイルでマイクロ波を通す適当な温度の熱媒を導入して、熱を遮断する方法が考えられる。
【0008】
しかし、この場合も冷却する場合と同様にマイクロ波を吸収しない熱媒を用いるが、ジャケットやコイルもマイクロ波を吸収しないガラス等を用いる必要があり、劣化や振動等の衝撃による割れ等の心配があり、高熱の熱媒の漏洩の危険性は、冷媒を用いる時よりも更に高くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特願2010-034070「簡易冷却式マイクロ波化学反応装置」コーナン電子(株)
特願2006-513675「冷却式マイクロ波化学反応装置」(独)産業技術総合研究所、四国計測工業(株)
特願2006-512547「マイクロ波を応用した化学反応装置」三光化学工業(株)、四国計測工業(株) JP4145335B2 「マイクロ波を応用した化学反応装置」四国計測工業(株)
【非特許文献】
【0010】
マイクロ波照射下での微生物の滅菌と培養,「マイクロ波化学プロセス技術II」第4章.マイクロ波化学のバイオテクノロジーへの応用,p184, CMC出版(2013年)
Biotag社技術資料「“冷却しながら加熱”または”強化型マイクロウェーブ反応”」
JEMEA Bulletin Vol.5 No.1 (2020.2),「化学反応に特化したマイクロ波装置」第12回JEMEAシンポジウム 2018年度ショートコース 四国計測工業(株)
【発明の概要】
(【0011】以降は省略されています)
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