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公開番号2025092094
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-19
出願番号2023207749
出願日2023-12-08
発明の名称二酸化炭素回収装置
出願人株式会社アイシン
代理人弁理士法人プロスペック特許事務所
主分類B01D 53/14 20060101AFI20250612BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】動作開始時における二酸化炭素の吸収の効率を高めることができる二酸化炭素回収装置を提供する。
【解決手段】二酸化炭素回収装置10aは、第二溶液ポンプおよび中間溶液ポンプを制御することにより各段の二酸化炭素吸収室に供給することにより、対象ガス源から供給される対象ガスに含まれる二酸化炭素を二酸化炭素吸収溶液に吸収させる二酸化炭素吸収動作を実行するように構成される制御装置22を備え、制御装置22は、二酸化炭素吸収動作の開始前に、各段の気液接触部を二酸化炭素吸収溶液に浸漬することにより、各段の気液接触部に二酸化炭素吸収溶液を浸透させる溶液浸透動作を実行する。
【選択図】図3


特許請求の範囲【請求項1】
ガス源において発生したガスに含まれる二酸化炭素を二酸化炭素吸収溶液に吸収させることにより前記ガスから二酸化炭素を回収するように構成される二酸化炭素回収装置であって、
内部に二酸化炭素吸収室が設けられる二酸化炭素吸収塔と、
前記二酸化炭素吸収室の内部に回転可能に配置され、前記ガスが通過可能でかつ前記二酸化炭素吸収溶液が浸透可能に構成された気液接触部が設けられる回転体と、
前記二酸化炭素吸収室に前記二酸化炭素吸収溶液を供給するように構成される二酸化炭素吸収溶液供給部と、
前記二酸化炭素吸収溶液供給部を制御して前記二酸化炭素吸収溶液を前記二酸化炭素吸収室に供給することにより、前記ガス源から前記二酸化炭素吸収室に供給される前記ガスに含まれる二酸化炭素を前記二酸化炭素吸収溶液に吸収させる二酸化炭素吸収動作を実行するように構成される制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記二酸化炭素吸収動作の開始前に、前記気液接触部を前記二酸化炭素吸収溶液に浸漬することにより、前記気液接触部に前記二酸化炭素吸収溶液を浸透させる溶液浸透動作を実行する、二酸化炭素回収装置。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
請求項1に記載の二酸化炭素回収装置であって、
前記溶液浸透動作は、前記気液接触部の全体が浸漬する液面高さになるように前記二酸化炭素吸収室に前記二酸化炭素吸収溶液を供給する動作を含む、二酸化炭素回収装置。
【請求項3】
請求項1に記載の二酸化炭素回収装置であって、
上側から前記気液接触部を挿抜可能に構成されるとともに、前記二酸化炭素吸収室を上下方向に移動することにより第一位置と前記第一位置よりも下方の第二位置とに移動可能に配置され、前記第一位置に位置する場合に前記気液接触部を内部に収容するとともに前記二酸化炭素吸収溶液を貯留可能で、前記第二位置に位置する場合に前記気液接触部よりも下方に位置するとともに前記二酸化炭素吸収溶液が貯留されないように構成される容器と、
前記制御装置の制御により前記容器を前記第一位置と前記第二位置とに移動させるように構成される容器昇降機構と、を備え、
前記溶液浸透動作は、前記容器が前記第一位置に位置する状態で前記容器に前記二酸化炭素吸収溶液を貯留する動作を含む、二酸化炭素回収装置。
【請求項4】
請求項3に記載の二酸化炭素回収装置であって、
前記容器の底部には、前記二酸化炭素吸収溶液が流通可能な開口部が設けられ、
前記容器は、前記第一位置に位置する場合に前記気液接触部により前記開口部が塞がれることにより前記二酸化炭素吸収溶液を貯留可能であり、前記第二位置に位置する場合に前記気液接触部が前記底部から離間することにより前記容器の内部に存在する前記二酸化炭素吸収溶液が前記開口部を通じて流下するように構成される、二酸化炭素回収装置。
【請求項5】
請求項1に記載の二酸化炭素回収装置であって、
前記気液接触部を上下方向に移動可能な気液接触部昇降機構を備え、
前記溶液浸透動作は、前記二酸化炭素吸収室に前記二酸化炭素吸収溶液を供給することにより前記二酸化炭素吸収室の下部に前記二酸化炭素吸収溶液を貯留する動作と、前記気液接触部を下降させることにより、前記二酸化炭素吸収室の下部に貯留された前記二酸化炭素吸収溶液に前記気液接触部の全体を浸漬させる動作と、を含む、二酸化炭素回収装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の二酸化炭素回収装置であって、
前記二酸化炭素吸収塔は、複数の前記二酸化炭素吸収室を備え、前記ガス源から送給される前記ガスが複数の前記二酸化炭素吸収室を一方向に通過し、前記二酸化炭素吸収溶液が複数の前記二酸化炭素吸収室を前記一方向とは逆方向に通過しながら複数の前記二酸化炭素吸収室のそれぞれにて前記ガスに接触することによって前記ガスに含まれる二酸化炭素を吸収するように、複数の前記二酸化炭素吸収室が互いに直列に接続される多段式であり、
前記制御装置は、前記溶液浸透動作において、前記一方向の最も下流側に位置する前記二酸化炭素吸収室から前記一方向の上流側の前記二酸化炭素吸収室に向かって順に前記二酸化炭素吸収溶液を貯留する、二酸化炭素回収装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素回収装置に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示される二酸化炭素回収装置は、半径方向に流体が通過可能に構成される略円筒状の気液接触部(特許文献1においては回転ドラムと記される)と、気液接触部の内周面に向けて二酸化炭素吸収溶液を噴出可能に構成されるノズルとを備える。そして、この二酸化炭素回収装置は、ノズルから気液接触部の内周面に向けて噴射された二酸化炭素吸収溶液が気液接触部の回転の遠心力によって気液接触部の内周側から外周側に移動するように構成される。このため、気液接触部の半径方向外側から内側に向けてガス(特許文献1においてはエンジンの排気ガス)が流されると、気液接触部においてガスと二酸化炭素吸収溶液とが向流接触し、ガスに含まれる二酸化炭素が二酸化炭素吸収溶液に吸収される。
【0003】
ところで、このような二酸化炭素回収装置において二酸化炭素の吸収効率(流入したガスに含まれる二酸化炭素の量に対する二酸化炭素吸収溶液が吸収した二酸化炭素の量を示す比)は、気液接触部におけるガスと二酸化炭素との気液接触の面積の影響を受ける。このため、二酸化炭素の吸収効率を高めるためには、気液接触部に二酸化炭素吸収溶液が保持される状態(具体的には、気液接触部の表面の広い範囲に二酸化炭素吸収溶液の膜が形成される状態)に維持されることが求められる。しかしながら、二酸化炭素回収装置の動作開始時においては、気液接触部への二酸化炭素吸収溶液の供給が開始され、気液接触部の表面の広い範囲に二酸化炭素吸収溶液の膜が形成されるまでの間、二酸化炭素の吸収効率が低い状態になる。なお、特許文献1には、気液接触部(回転ドラム)に二酸化炭素吸収溶液を保持させるための構成(換言すると、気液接触部の表面に二酸化炭素吸収溶液の膜を形成するための構成)は開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開昭61-278336号公報
【発明の概要】
【0005】
(発明が解決しようとする課題)
上記実情に鑑み、本発明の目的の1つは、気液接触部に二酸化炭素吸収溶液が保持される状態(具体的には、気液接触部の表面の広い範囲に二酸化炭素吸収溶液の膜が形成される状態)でガスから二酸化炭素を吸収する動作を開始できる二酸化炭素回収装置を提供することである。
【0006】
(課題を解決するための手段)
前記目的を達成するため、本発明に係る二酸化炭素回収装置は、
ガス源において発生したガスに含まれる二酸化炭素を二酸化炭素吸収溶液に吸収させることにより前記ガスから二酸化炭素を回収するように構成される二酸化炭素回収装置であって、
内部に二酸化炭素吸収室が設けられる二酸化炭素吸収塔と、
前記二酸化炭素吸収室の内部に回転可能に配置され、前記ガスが通過可能でかつ前記二酸化炭素吸収溶液が浸透可能に構成された気液接触部が設けられる回転体と、
前記二酸化炭素吸収室に前記二酸化炭素吸収溶液を供給するように構成される二酸化炭素吸収溶液供給部と、
前記二酸化炭素吸収溶液供給部を制御することにより前記二酸化炭素吸収室に供給することにより、前記ガス源から供給される前記ガスに含まれる二酸化炭素を前記二酸化炭素吸収溶液に吸収させる二酸化炭素吸収動作を実行するように構成される制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記二酸化炭素吸収動作の開始前に、前記気液接触部を前記二酸化炭素吸収溶液に浸漬することにより、前記気液接触部に前記二酸化炭素吸収溶液を浸透させる溶液浸透動作を実行する。
【0007】
本発明に係る二酸化炭素回収装置は、対象ガスから二酸化炭素を吸収する二酸化炭素吸収動作の開始前に、あらかじめ気液接触部に二酸化炭素吸収溶液を浸透させておく。このような構成によれば、二酸化炭素吸収動作の開始直後に二酸化炭素の吸収効率が低下することを防止または抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、第一実施形態に係る二酸化炭素回収装置の構成を示す模式図である。
図2は、第一実施形態に係る二酸化炭素回収装置の二酸化炭素吸収塔の構成を示す断面模式図である。
図3は、第一実施形態に係る二酸化炭素回収装置の溶液浸透動作の処理を示すフローチャートである。
図4Aは、第一実施形態に係る二酸化炭素回収装置の排出動作の処理を示すフローチャートである。
図4Bは、第一実施形態に係る二酸化炭素回収装置の排出動作の処理を示すフローチャートである。
図5は、第二実施形態に係る二酸化炭素回収装置の構成を示す模式図である。
図6Aは、第二実施形態に係る二酸化炭素回収装置の二酸化炭素吸収塔の構成および動作を示す断面模式図である。
図6Bは、第二実施形態に係る二酸化炭素回収装置の二酸化炭素吸収塔の構成および動作を示す断面模式図である。
図7は、第二実施形態に係る二酸化炭素回収装置の溶液浸透動作の処理を示すフローチャートである。
図8Aは、第二実施形態に係る二酸化炭素回収装置の排出動作の処理を示すフローチャートである。
図8Bは、第二実施形態に係る二酸化炭素回収装置の排出動作の処理を示すフローチャートである。
図9は、第二実施形態に係る二酸化炭素回収装置の溶液浸透動作の処理を示すフローチャートである。
図10は、第三実施形態に係る二酸化炭素回収装置の構成を示す模式図である。
図11Aは、第三実施形態に係る二酸化炭素回収装置の二酸化炭素吸収塔の構成および動作を示す断面模式図である。
図11Bは、第三実施形態に係る二酸化炭素回収装置の二酸化炭素吸収塔の構成および動作を示す断面模式図である。
図12は、第三実施形態に係る二酸化炭素回収装置の溶液浸透動作の処理を示すフローチャートである。
図13Aは、第三実施形態に係る二酸化炭素回収装置の排出動作の処理を示すフローチャートである。
図13Bは、第三実施形態に係る二酸化炭素回収装置の排出動作の処理を示すフローチャートである。
図14は、変形例に係る二酸化炭素吸収塔の構成および動作を示す断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について説明する。以下の説明では、二酸化炭素回収装置を「回収装置」と略し、二酸化炭素吸収塔を「吸収塔」と略し、二酸化炭素放散塔(「二酸化炭素再生塔」と称されることもある)を「放散塔」と略し、二酸化炭素吸収溶液を「溶液」と略すことがある。また、回収装置による二酸化炭素の回収の対象であるガス(すなわち、二酸化炭素を含有するガス)を「対象ガス」と記すことがある。また、以下の説明では、対象ガス、二酸化炭素および溶液の「流量」は、特段の記載がない限り単位時間当たりの流量を意味する。
【0010】
対象ガス源90には、二酸化炭素を含有するガスを発生する装置または設備が適用される。例えば、対象ガス源90として、化石燃料の燃焼熱を利用する(すなわち、化石燃料を燃料とする)金属溶解炉および浸炭炉などが適用できる。この場合、化石燃料の燃焼排ガスが対象ガスである。また、溶液には、アミン水溶液など、従来公知の各種の二酸化炭素吸収溶液が適用される。
(【0011】以降は省略されています)

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