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公開番号
2025007450
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-17
出願番号
2023108858
出願日
2023-06-30
発明の名称
多孔性中空糸膜
出願人
旭化成株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
B01D
69/08 20060101AFI20250109BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】耐擦過性だけでなく透水性能にも優れ、さらに機械的な強度にも優れる多孔性中空糸膜を提供することを目的とする。
【解決手段】上記課題を解決するべく、本発明は、熱可塑性樹脂からなる、略円筒状の多孔性中空糸膜1であって、外周部と内周部に、中空糸膜の長手方向に連続して延在した複数の凹凸3、4を有し、該凹凸は、中空糸膜の円周方向に沿って凹部と凸部が交互に形成されていることを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
熱可塑性樹脂からなる、略円筒状の多孔性中空糸膜であって、
外周部と内周部に、中空糸膜の長手方向に連続して延在した複数の凹凸を有し、該凹凸は、中空糸膜の円周方向に沿って凹部と凸部が交互に形成されていることを特徴とする、多孔性中空糸膜。
続きを表示(約 780 文字)
【請求項2】
前記外周部の凹部の頂点と中空糸膜の中心を結ぶ線上に、前記内周部の凸部頂点が存在することを特徴とする、請求項1に記載の多孔性中空糸膜。
【請求項3】
前記外周部の凹凸高さと、前記内周部の凹凸高さとの比率(外周部の凹凸高さ/内周部の凹凸高さ)が、1.0以上20以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の多孔性中空糸膜。
【請求項4】
前記内周部の凹部の内径/2と、前記内周部の凹凸高さとの比率(凹部の内径/凹凸高さ×100%)が1.0~33%であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の多孔性中空糸膜。
【請求項5】
前記内周部の凹凸高さが1~110μmであり、前記外周部の凹凸高さが1~320μmであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の多孔性中空糸膜。
【請求項6】
前記外周部の凹凸の幅が1~500μmであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の多孔性中空糸膜。
【請求項7】
前記内周部の凹凸の幅が1~500μmであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の多孔性中空糸膜。
【請求項8】
前記内周部の凹部の表面開孔率を、前記内周部の凸部の表面開孔率で除した値が1.01~2.00であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の多孔性中空糸膜。
【請求項9】
前記外周部及び前記内周部は、中空糸膜の円周方向における凹凸の条数が1~200であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の多孔性中空糸膜。
【請求項10】
前記熱可塑性樹脂が、主成分としてフッ素樹脂若しくはポリオレフィン樹脂を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の多孔性中空糸膜。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔性中空糸膜に関する。本発明は、具体的には、外周部と内周部に凹凸を有する多孔性中空糸膜に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、限外ろ過膜、精密ろ過膜などの多孔膜は、電着塗料の回収、超純水からの微粒子除去、パイロジェンフリー水の製造、酵素の濃縮、発酵液の除菌・清澄化、上水・下水・排水処理など、幅広い分野で用いられている。特に多孔性中空糸膜は、単位体積あたりの膜充填密度が高く、処理装置をコンパクト化できることなどから、広く用いられている。
【0003】
多孔性中空糸膜を用いて、各種被処理液をろ過する場合、該被処理液に含まれる無機物及び/又は有機物の一部が、膜細孔内もしくは膜表面に吸着、閉塞又は堆積する、いわゆるファウリングにより透水性能が低下することが大きな問題である。
【0004】
この様なファウリング現象を抑制する方法として、特許文献1には、中空糸膜収納容器に空気を導入して容器内の液体を振動させ、中空糸膜表面に付着した微粒子を除去する物理的な洗浄方法(いわゆるエアスクラビング)が開示されている。この特許文献1のケーシングタイプのモジュールに限らず、例えばMBR(膜分離活性汚泥法)で良く用いられるような非ケーシングタイプ(浸漬タイプ)のモジュールにおいても、モジュールの下部からエアーを導入してファウリングを抑制する方法が一般的に用いられている。しかしながらこの方法は、膜のファウリングを効果的に抑制できる反面、膜同士が接触することにより膜外表面の細孔が閉塞する現象、いわゆる「擦過」が進行し易く、その結果、長期的な運転においては膜の透水性能が低下してしまう問題があった。
【0005】
このエアスクラビングの効果をより高めるために、形状を工夫した膜も開示されている。特許文献2には、中空糸に蛇行形状のクリンプを付与して中空糸同士の接触による膜面積の減少や液の滞留による処理性能の低下を抑制する膜が開示されている。
【0006】
特許文献3には、外表面側に凹凸を有する膜が開示され、擦過が抑制できることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開昭60-19002号公報
特開昭57-194007号公報
国際公開第2010/063772号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献2及び3に開示されている膜では、エアスクラビング効果の向上や擦過の抑止に関して、十分な効果が得られるとは言い難かった。
【0009】
特許文献2に開示されている形状では、中空糸長手方向でのクリンプの周期が数mm~数十mmと長いため、膜面全体に亘って液体の流れをコントロールすることができず、その結果、ファウリングに斑が生じ、十分に効果を得ることができないという問題があった。
さらに、膜同士が接触する角度が変わる、あるいはエアスクラビングにより膜が曲がって接触することもあるため、擦過を抑止する効果は小さく、透水性能の低下を十分に抑えることができないという問題もあった。
【0010】
また、特許文献3に開示されている膜についても、擦過は抑制されるものの中空糸の内表面側は従来と同じ凹凸を有しない膜であり実液の透水性能という意味では十分ではなかった。
また、外圧濾過を想定しており内圧濾過時は透水性能の向上は期待できないため、さらなる改善が望まれていた。
(【0011】以降は省略されています)
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