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公開番号
2025001677
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-09
出願番号
2021194827
出願日
2021-11-30
発明の名称
ガス製造装置
出願人
積水化学工業株式会社
代理人
弁理士法人IPX
主分類
B01D
53/62 20060101AFI20241226BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】二酸化炭素を含む酸化ガスと還元物質を含む還元ガスとを使用して、効率よく炭素有価物を生成し得るガス製造装置を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様によれば、ガス製造装置が提供される。このガス製造装置は、複数の反応器を有する。各反応器は、還元剤を収容し、二酸化炭素を含む酸化ガスと還元物質を含む還元ガスとを切り換えて供給可能に構成される。還元剤は、二酸化炭素を還元することにより炭素有価物を生成する金属単体および金属酸化物の少なくとも一方を含み、二酸化炭素との接触により酸化状態とされた後、還元物質との接触により還元される。各反応器を通過した酸化ガスおよび還元ガスの少なくとも一方の一部または全部を、再度、同一の反応器の上流側に返還するように構成される。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
ガス製造装置であって、
複数の反応器を有し、
各前記反応器は、還元剤を収容し、二酸化炭素を含む酸化ガスと還元物質を含む還元ガスとを切り換えて供給可能に構成され、
前記還元剤は、前記二酸化炭素を還元することにより炭素有価物を生成する金属単体および金属酸化物の少なくとも一方を含み、前記二酸化炭素との接触により酸化状態とされた後、前記還元物質との接触により還元され、
各前記反応器を通過した前記酸化ガスおよび前記還元ガスの少なくとも一方の一部または全部を、再度、同一の前記反応器の上流側に返還するように構成される、ガス製造装置。
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【請求項2】
請求項1に記載のガス製造装置において、
さらに、分離部を有し、
前記分離部は、各前記反応器に接続され、前記反応器を通過したガスに含まれる前記還元剤との反応による生成物を分離するように構成される、ガス製造装置。
【請求項3】
請求項2に記載のガス製造装置において、
前記分離部は、前記生成物を冷却により凝縮する凝縮器を備える、ガス製造装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載のガス製造装置において、
前記分離部は、前記生成物の分子の通過を許容し、それ以外の分子の通過を阻止する分離膜を備える、ガス製造装置。
【請求項5】
請求項2~請求項4のいずれか1項に記載のガス製造装置において、
前記分離部は、前記生成物を物理的または化学的に捕捉する捕捉材を備える、ガス製造装置。
【請求項6】
請求項2~請求項5のいずれか1項に記載のガス製造装置において、
さらに、熱交換器を有し、
前記熱交換器は、前記反応器と前記分離部との間に接続され、前記分離部で分離され、前記反応器の上流側に返還される分離ガスと、前記反応器を通過したガスとの間で熱交換するように構成される、ガス製造装置。
【請求項7】
請求項2~請求項6のいずれか1項に記載のガス製造装置において、
さらに、ベント部を有し、
前記ベント部は、前記分離部で分離され、前記反応器の上流側に返還される分離ガスの一部を排気するように構成される、ガス製造装置。
【請求項8】
請求項1~請求項7のいずれか1項に記載のガス製造装置において、
前記反応器と、前記酸化ガスまたは前記還元ガスを返還する上流側の箇所との間に、少なくとも1つの前記反応器が設けられている、ガス製造装置。
【請求項9】
請求項8に記載のガス製造装置において、
さらに、隣り合う前記反応器同士の間に接続された分離部を有し、
前記分離部は、各前記反応器を通過した前記酸化ガスまたは前記還元ガスに含まれる前記還元剤との反応による生成物を分離することにより、前記還元剤との未反応の前記二酸化炭素または前記還元物質の純度が高まった分離ガスの一部または全部を前記反応器の上流側に返還するように構成される、ガス製造装置。
【請求項10】
請求項1~請求項9のいずれか1項に記載のガス製造装置において、
前記反応器を通過した前記酸化ガスを返還せず、前記反応器を通過した前記還元ガスを返還するように構成される、ガス製造装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス製造装置に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、温室効果ガスの一種である二酸化炭素(CO
2
)は、その大気中の濃度が上昇を続けている。大気中の二酸化炭素の濃度の上昇は、地球温暖化を助長する。したがって、大気中に放出される二酸化炭素を回収することは重要であり、さらに回収した二酸化炭素を炭素有価物に変換して再利用できれば、炭素循環社会を実現することができる。
また、地球規模の施策としても、気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書にもあるように、地球温暖化の原因となる二酸化炭素について、先進国における削減率を、1990年を基準として各国別に定め、共同で約束期間内に削減目標値を達成することが定められている。
【0003】
その削減目標を達成するため、製鉄所、精錬所または火力発電所から発生した二酸化炭素を含む排気ガスも対象となっており、これらの業界における二酸化炭素の削減に関して、様々な技術改良が行われている。かかる技術の一例としては、CO
2
回収・貯留(CCS)が挙げられる。しかしながら、この技術では、貯留という物理的な限界があり、根本的な解決策とはなっていない。
例えば、特許文献1には、ケミカルルーピング型反応装置を備える二酸化炭素還元システムが開示されている。このケミカルルーピング型反応装置は、金属酸化物触媒が充填された2つの反応器を有しており、一方の反応器にて二酸化炭素を一酸化炭素に還元する第1の反応と、他方の反応器にて水素を水に酸化する第2の反応とを行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2019/163968号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、工業的により効率よく二酸化炭素から一酸化炭素(炭素有価物)を製造するには、更なる改良の余地が残されている。
本発明では上記事情に鑑み、二酸化炭素を含む酸化ガスと還元物質を含む還元ガスとを使用して、効率よく炭素有価物を生成し得るガス製造装置を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、ガス製造装置が提供される。このガス製造装置は、複数の反応器を有する。各反応器は、還元剤を収容し、二酸化炭素を含む酸化ガスと還元物質を含む還元ガスとを切り換えて供給可能に構成される。還元剤は、二酸化炭素を還元することにより炭素有価物を生成する金属単体および金属酸化物の少なくとも一方を含み、二酸化炭素との接触により酸化状態とされた後、還元物質との接触により還元される。各反応器を通過した酸化ガスおよび還元ガスの少なくとも一方の一部または全部を、再度、同一の反応器の上流側に返還するように構成される。
【0007】
かかる態様によれば、二酸化炭素を含む酸化ガスと還元物質を含む還元ガスとを使用して、効率よく炭素有価物を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明のガス製造装置を使用したガス製造システムの全体構成を示す概略図である。
第1実施形態の反応部の構成を示す概略図である。
第2実施形態の反応部の構成を示す概略図である。
第3実施形態の反応部の構成を示す概略図である。
第4実施形態の反応部の構成を示す概略図である。
第5実施形態の反応部の構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明のガス製造装置について、添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
まず、ガス製造システムの全体構成について説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明のガス製造装置を使用したガス製造システムの全体構成を示す概略図である。図2は、第1実施形態の反応部の構成を示す概略図である。
図1に示すガス製造システム100は、二酸化炭素を含む排ガス(酸化ガス)を生成する炉20と、接続部2を介して炉20に接続されたガス製造装置1とを備えている。
なお、本明細書中では、ガスの流れ方向に対して上流側を単に「上流側」、下流側を単に「下流側」とも記載する。
【0010】
炉20としては、特に限定されないが、例えば、製鉄所、精錬所または火力発電所に付属する炉であり、好ましくは燃焼炉、高炉、転炉等が挙げられる。炉20では、内容物の燃焼、溶融、精錬等の際に、排ガスが生成(発生)する。
ゴミ焼却場にける燃焼炉(焼却炉)の場合、内容物(廃棄物)としては、例えば、プラスチック廃棄物、生ゴミ、都市廃棄物(MSW)、廃棄タイヤ、バイオマス廃棄物、家庭ゴミ(布団、紙類)、建築部材等が挙げられる。なお、これらの廃棄物は、1種を単独で含んでいても、2種以上を含んでいてもよい。
(【0011】以降は省略されています)
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