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公開番号
2025006139
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-17
出願番号
2023106749
出願日
2023-06-29
発明の名称
ろ過膜及びその製造方法
出願人
株式会社クラレ
代理人
個人
,
個人
主分類
B01D
71/82 20060101AFI20250109BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】優れた耐ファウリング性を有するろ過膜を提供することを目的とする。
【解決手段】水処理用のろ過膜であって、少なくとも処理水に接触する膜表面に、カチオン性を有する親水性高分子とアニオン性を有する親水性高分子との混合物の架橋体を含む被膜を有する、ろ過膜の提供。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
水処理用のろ過膜であって、
少なくとも処理水に接触する膜表面に、カチオン性を有する親水性高分子とアニオン性を有する親水性高分子との混合物の架橋体を含む被膜を有する、ろ過膜。
続きを表示(約 750 文字)
【請求項2】
前記カチオン性を有する親水性高分子は分子鎖中にカチオン基を有する単量体単位を含有し、前記カチオン基を有する単量体単位の含有量が、前記カチオン性を有する親水性高分子を構成する単量体単位の総数(100モル%)に対して0.1モル%以上であり、
前記アニオン性を有する親水性高分子は分子鎖中にアニオン基を有する単量体単位を含有し、前記アニオン基を有する単量体単位の含有量が、前記アニオン性を有する親水性高分子を構成する単量体単位の総数(100モル%)に対して0.1モル%以上である、請求項1に記載のろ過膜。
【請求項3】
前記カチオン性を有する親水性高分子がカチオン変性ポリビニルアルコールであり、
前記アニオン性を有する親水性高分子がアニオン変性ポリビニルアルコールである、請求項1に記載のろ過膜。
【請求項4】
前記被膜を有する膜表面のゼータ電位が-5mV以上、15mV以下である、請求項1に記載のろ過膜。
【請求項5】
前記混合物における、前記カチオン性を有する親水性高分子と前記アニオン性を有する親水性高分子との比率が質量比で、2:98~98:2である、請求項1に記載のろ過膜。
【請求項6】
カチオン性を有する親水性高分子とアニオン性を有する親水性高分子との混合物を含む被膜溶液を調製する調製工程と、
前記被膜溶液に、水処理用のろ過膜の、少なくとも処理水が接触する膜表面を接触させて、前記膜表面に被膜を形成する被膜形成工程と、
前記被膜形成工程の後に前記カチオン性を有する親水性高分子と前記アニオン性を有する親水性高分子との混合物を架橋させる架橋工程とを含む、ろ過膜の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ろ過膜及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
ろ過膜を用いた分離技術は、装置の小型化等の利点があるため、様々な分野、例えば、浄水処理、飲料水製造、工業用水製造及び廃水処理等の水処理分野、食品工業分野、医薬品製造分野等で広く用いられている。
【0003】
ろ過膜を用いた分離技術では、ろ過膜の表面に粒子やタンパク質などの有機物が付着することで膜ファウリングと呼ばれるろ過能力の低下現象が発生する。膜ろ過は、化学薬品を用いた化学洗浄、エアや水を用いた物理洗浄などを定期的に繰り返すことで、膜ファウリングの発生を抑制しながら運転されている。しかし、膜ろ過運転にかかる化学洗浄や物理洗浄のコストは大きく、膜ファウリングを根本的に抑制するような、粒子やタンパク質が付着しにくい、耐ファウリング性の高いろ過膜が求められている。
【0004】
このようなろ過膜の耐ファウリング性については、これまで様々な検討がなされている。具体的には、耐ファウリング性能を高めるには、膜の親水性を高めることが好ましいと言われており、例えば、親水性樹脂で膜を被覆し、膜の親水性を高めることが検討されている。例えば、特許文献1には、ポリビニルアルコール系樹脂で被覆された多孔質中空糸ろ過膜が開示されている。
【0005】
また、近年は、双性イオン(Zwitter ion)構造を有する高分子材料を用いることによって膜の耐ファウリング性をさらに高めることができることが述べられている。例えば、非特許文献1では、バイオミメティクスの視点から、細胞膜における双性イオン構造を模倣して、膜表面に水分子による水和構造を形成することによって、粒子やタンパク質などの有機物付着を抑制でき、耐ファウリング性を向上させることができると述べられている。また、非特許文献2には、ポリサルホン膜の膜表面をグラフト重合法で双性イオンを有するポリマーで被覆すると、タンパク質などの付着量が減少し、耐ファウリング性が向上することが述べられている。さらに、特許文献2では、ろ過膜の材料として、フッ化ビニリデンポリマーと、双性イオン性部位とを含む組成物と、その組成物を用いた多孔質膜が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2015/008668号
特表2023-506230号公報
【非特許文献】
【0007】
Acta Biomaterialia, 2016年8月, Vol.40, p.142-152
Journal of Membrane Science, 2013年11月1日, Vol.446, p.79-91
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載されている技術(親水性の高分子材料でろ過膜の膜表面を被覆する技術)は、多く実用化されており、これらの工業量産化は簡単であり、既存のろ過膜にも適用可能で技術の適用範囲が広い。しかしながら、特許文献1では上述したような双性イオン構造を有する高分子材料を用いるという視点では議論されておらず、双性イオンでろ過膜の膜表面を被覆することができれば、耐ファウリング性をさらに高めることができると考えられる。
【0009】
一方で、上述した非特許文献1、2には、ろ過膜表面を双性イオンで被覆することによって耐ファウリング性が向上することが開示されているが、これらの文献の膜表面の被覆方法は、グラフト重合法など実験室レベルの高度制御が必要な、多段階の特殊な重合手法が必要であり、工業化や量産化が困難であるという課題がある。そのため、双性イオンにて膜表面を被覆したろ過膜を社会実装することは難しい。
【0010】
特許文献2では、これらの双性イオンによる効果を社会実装するための工業量産化への取り組みが行われている。しかしながら、ろ過膜の材料である組成物内に双性イオンを有することにより、ろ過膜形成時の化学強度や物理強度、高分子の結晶性低下を招く懸念があるため、実用性があるろ過膜を製造することは困難である。また、特許文献2のような組成物は、組成物の製造コストが高くなることが予測され、ろ過膜への社会実装は製造コストの面でも不利である。さらに、市販のろ過膜や既に製造されたろ過膜の膜表面を被覆するというような視点の技術でないため、技術としての汎用性が非常に低い点も課題である。
(【0011】以降は省略されています)
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