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公開番号2024167469
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-04
出願番号2023083567
出願日2023-05-22
発明の名称泡消火薬剤用消泡剤
出願人松本油脂製薬株式会社
代理人
主分類B01D 19/04 20060101AFI20241127BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】長期保管後も高い消泡性を発揮できる、泡消火薬剤用消泡剤を提供する。
【解決手段】消泡成分(A)及び化合物(B)を含む泡消火薬剤用消泡剤であって、前記化合物(B)が、キレート剤(B1)及びpH緩衝剤(B2)から選ばれる少なくとも1種であり、前記消泡剤の不揮発分に占める消泡成分(A)の重量割合が1~98重量%である、泡消火薬剤用消泡剤。前記キレート剤(B1)が3級アミン系キレート剤を含み、前記pH緩衝剤(B2)が、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、有機カルボン酸塩、エチドロン酸塩、リン酸塩、第一リン酸塩、第二リン酸塩及び第三リン酸塩から選ばれる少なくとも1種を含むと好ましい。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
消泡成分(A)及び化合物(B)を含む泡消火薬剤用消泡剤であって、
前記化合物(B)が、キレート剤(B1)及びpH緩衝剤(B2)から選ばれる少なくとも1種であり、
前記消泡剤の不揮発分に占める消泡成分(A)の重量割合が1~98重量%である、泡消火薬剤用消泡剤。
続きを表示(約 860 文字)【請求項2】
前記キレート剤(B1)が3級アミン系キレート剤を含み、
前記pH緩衝剤(B2)が、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、有機カルボン酸塩、エチドロン酸塩、リン酸塩、第一リン酸塩、第二リン酸塩及び第三リン酸塩から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1に記載の泡消火薬剤用消泡剤。
【請求項3】
前記3級アミン系キレート剤がエチレンジアミン四酢酸塩、2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン塩、ニトロ三酢酸塩及びジエチレントリアミン塩から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項2に記載の泡消火薬剤用消泡剤。
【請求項4】
前記キレート剤(B1)がアルカリ金属塩であり、
前記pH緩衝剤(B2)がアルカリ金属塩、アンモニウム塩及びアミン塩から選ばれる少なくとも1種である、請求項1~3のいずれかに記載の泡消火薬剤用消泡剤。
【請求項5】
前記キレート剤(B1)がナトリウム塩及びカリウム塩から選ばれる少なくとも1種であり、
前記pH緩衝剤(B2)がリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、ジエタノールアミン塩及びトリエタノールアミン塩から選ばれる少なくとも1種である、請求項1~3のいずれかに記載の泡消火薬剤用消泡剤。
【請求項6】
前記消泡成分(A)が、無機成分(A1)、シリコーン成分(A2)及び金属石鹸(A3)から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1~3のいずれかに記載の泡消火薬剤用消泡剤。
【請求項7】
界面活性剤(C)をさらに含む、請求項1~3のいずれかに記載の泡消火薬剤用消泡剤。
【請求項8】
前記消泡剤の不揮発分に占める前記化合物(B)及び前記界面活性剤(C)の合計の重量割合が、2~99重量%である、請求項7に記載の泡消火薬剤用消泡剤。
【請求項9】
フッ素系泡消火薬剤用又はたん白系泡消火薬剤用である、請求項1~3のいずれかに記載の泡消火薬剤用消泡剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、泡消火薬剤用消泡剤に関するものである。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
泡消火設備は、定期的に放出点検が実施されている。この点検では、放出された泡の状態を確認する必要があるため、実際に泡を放出して点検することが義務付けられている。
泡消火設備で放出された消火用泡は、自然状態では消泡し難く、泡の回収処理に時間がかかり、非常に効率が悪いという問題があった。
【0003】
そこで、定期点検時に、泡消火設備で消火薬剤を放出した際に、オイル系やシリコーン系の液体、あるいは消泡性を有する粉末剤などを含む消泡剤を用いて消泡処理する技術(特許文献1及び2)などがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開昭61-97009号公報
特開平6-154513号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の粉末消泡剤は、倍率20倍以下の低発泡の消火用泡では、泡径が小さく、泡膜を安定化している疎水基と親水基の分子構造が密集していることから、消泡剤が泡膜に侵入し難く、消泡効果が十分でなかった。また、特許文献2の消泡剤では、経時的に消泡効果が低下し、長期間保管後のものでは十分な消泡性が発揮されない場合があった。
本発明は、長期保管後も高い消泡性を発揮できる、泡消火薬剤用消泡剤である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定の消泡成分を特定量と、キレート剤及びpH緩衝剤から選ばれる特定の化合物とを含む泡消火薬剤用消泡剤であれば、上記課題を解決することができることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明の泡消火薬剤用消泡剤は、以下の<1>~<9>の態様を含むものである。
<1> 消泡成分(A)及び化合物(B)を含む泡消火薬剤用消泡剤であって、前記化合物(B)が、キレート剤(B1)及びpH緩衝剤(B2)から選ばれる少なくとも1種であり、前記消泡剤の不揮発分に占める消泡成分(A)の重量割合が1~98重量%である、泡消火薬剤用消泡剤。
<2> 前記キレート剤(B1)が3級アミン系キレート剤を含み、前記pH緩衝剤(B2)が、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、有機カルボン酸塩、エチドロン酸塩、リン酸塩、第一リン酸塩、第二リン酸塩及び第三リン酸塩から選ばれる少なくとも1種を含む、<1>に記載の泡消火薬剤用消泡剤。
<3> 前記3級アミン系キレート剤がエチレンジアミン四酢酸塩、2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン塩、ニトロ三酢酸塩及びジエチレントリアミン塩から選ばれる少なくとも1種を含む、<2>に記載の泡消火薬剤用消泡剤。
<4> 前記キレート剤(B1)がアルカリ金属塩であり、前記pH緩衝剤(B2)がアルカリ金属塩、アンモニウム塩及びアミン塩から選ばれる少なくとも1種である、<1>~<3>のいずれかに記載の泡消火薬剤用消泡剤。
<5> 前記キレート剤(B1)がナトリウム塩及びカリウム塩から選ばれる少なくとも1種であり、前記pH緩衝剤(B2)がリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、ジエタノールアミン塩及びトリエタノールアミン塩から選ばれる少なくとも1種である、<1>~<4>のいずれかに記載の泡消火薬剤用消泡剤。
<6> 前記消泡成分(A)が、無機成分(A1)、シリコーン成分(A2)及び金属石鹸(A3)から選ばれる少なくとも1種を含む、<1>~<5>のいずれかに記載の泡消火薬剤用消泡剤。
<7> 界面活性剤(C)をさらに含む、<1>~<6>のいずれかに記載の泡消火薬剤用消泡剤。
<8> 前記消泡剤の不揮発分に占める前記化合物(B)及び前記界面活性剤(C)の合計の重量割合が、2~99重量%である、<7>に記載の泡消火薬剤用消泡剤。
<9> フッ素系泡消火薬剤用又はたん白系泡消火薬剤用である、<1>~<8>のいずれかに記載の泡消火薬剤用消泡剤。
【発明の効果】
【0008】
本発明の泡消火薬剤用消泡剤は、長期保管後も高い消泡性を発揮できる。
本発明の泡消火薬剤用消泡剤は、強固な泡消火薬剤に対しても噴霧や混合により迅速に消泡でき、泡の回収が容易となる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、泡消火薬剤用消泡剤(以下、単に消泡剤ということがある)の各成分について説明する。
〔消泡成分(A)〕
消泡成分(A)は、泡消火薬剤用消泡剤に含有され、文字通り泡を消す役割を果たすものであれば特に限定はない。消泡成分(A)は、25℃において固状、液状を問わない。
消泡成分(A)は、消泡効果の観点から無機成分(A1)、シリコーン成分(A2)及び金属石鹸(A3)から選ばれる少なくとも1種を含むと好ましく無機成分(A1)を含むとより好ましい。
【0010】
無機成分(A1)としては、粒子状物質であれば、特に限定されるものではないが、二酸化ケイ素(シリカ)、二酸化チタン、酸化アルミニウム、ヒュームドTiO

、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム及びこれらの混合物等が挙げられ、1種又は2種以上使用されてもよい。これらの中でも消泡性の点でシリカ及び二酸化チタンが特に好ましい。
シリカのBET法による表面積の下限は、50m

/g以上が好ましく、100m

/g以上がより好ましく、200m

/g以上がさらに好ましい。一方、該表面積の上限は1000m

/g以下が好ましく、900m

/g以下がより好ましく、800m

/g以下がさらに好ましい。
シリカは公知の方法、例えば、ハロゲン化珪素の熱分解法、珪酸金属塩、例えば珪酸ナトリウムの分解沈殿法、及び、ゲル形成法等により製造することができる。
消泡成分(A)に使用するシリカとしては、消泡性の点でヒュ-ムドシリカ、沈殿シリカ及びゲル形成シリカが特に好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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