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公開番号2025013010
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-24
出願番号2023116261
出願日2023-07-14
発明の名称メディアレス型分散装置用の分散ロータ
出願人淺田鉄工株式会社
代理人弁理士法人タス・マイスター
主分類B01F 27/271 20220101AFI20250117BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】メディアを利用することなしにステータ内に引き込んだ分散対象物を効率よく剪断および分散することが可能なメディアレス型分散装置用の分散ロータを提供する。
【解決手段】 分散ロータ1は、分散対象物の貯留された有底筒状の槽内に懸垂保持されたリング状の天板および底板を有する筒状のステータに収納され、天板および底板の各中央に形成された開口を貫通する回転軸に固定され、回転軸の回転に伴って槽内の分散対象物をステータ内に引き込んでステータの筒壁部に形成された貫通孔またはスリットから分散対象物を排出させる。すなわち、分散ロータ1は、円盤状であり、天板および底板と対向する各面に回転軸側から外周に向けて放射状に形成された複数の溝5を有する。溝5は、回転軸側から外周に向かうにつれて断面が小さくなっている。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
分散対象物の貯留された有底筒状の槽内に懸垂保持されたリング状の天板および底板を有する筒状本体からなるステータに収納され、前記天板および前記底板の各中央に形成された開口を貫通する回転軸に固定され、前記回転軸の回転に伴って前記槽内の前記分散対象物を前記ステータ内に引き込んで前記ステータの前記筒状本体に形成された貫通孔またはスリットを通して前記分散対象物を前記ステータ外に排出させるメディアレス型分散装置用の分散ロータであって、
前記分散ロータは、円盤状であり、前記天板および前記底板と対向する各面に前記回転軸側から外周に向けて放射状に形成された複数の溝を有し、
前記溝は、前記回転軸側から外周に向かうにつれて断面が小さい
ことを特徴とするメディアレス型分散装置用の分散ロータ。
続きを表示(約 610 文字)【請求項2】
前記複数の溝は、前記回転軸の軸心側から平面視で当該溝の出口と前記分散ロータの中心とを結ぶ直線を基準に当該溝の出口の周辺を2つの領域に分けた場合に、進行方向側に位置する領域を前領域、残りの領域を後領域と規定したときに、入口から入った前記分散対象物を前記溝の出口から前記後領域へ向けて送り出す
ことを特徴とする請求項1に記載のメディアレス型分散装置用の分散ロータ。
【請求項3】
前記分散ロータは、隣り合う前記溝の間に扇状の凸部を有し、前記分散ロータを前記回転軸の軸心側から平面視したときに前記扇状の凸部の表面積が、前記溝の開口面積よりも大きい
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のメディアレス型分散装置用の分散ロータ。
【請求項4】
前記分散ロータは、その回転に伴って前記回転軸に沿って引き込む前記分散対象物を受ける、前記回転軸の周りに形成されたリング状溝を有し、
前記リング状溝は、その外縁を前記複数の溝と連通している
ことを特徴とする請求項1に記載のメディアレス型分散装置用の分散ロータ。
【請求項5】
前記分散ロータは、前記回転軸と直交する側から正面視したときに前記回転軸側から外周に向けて先細り傾斜したテーパ状である
ことを特徴とする請求項1に記載のメディアレス型分散装置用の分散ロータ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、塗料、インキ、レジストインキ、封止材(LED、半導体などに使用する接着剤)、ハンダペースト、リチウムイオン電池の活物質ペースト、医薬品および化粧品などの分散対象物を製造する過程において、分散対象物を分散装置の槽に貯留し、分散および剪断するためのバッチ式のメディアレス型分散装置に用いるメディアレス型分散装置用の分散ロータに関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
化粧品、医薬品などの乳化製品、懸濁製品を製造するタービン・ステータ型の撹拌装置が知られている。撹拌装置は、容器内において高速で回転するタービンと当該タービンを取り囲むステータとから構成されている。タービンは、放射状に複数の溝部を有する環状のインペラ部と、インペラ部の中央開口において当該インペラ部の内壁と連結し、かつ、回転軸の下端に位置する4枚の羽根部を有するインデューサ部とから構成されている。ステータは、円筒状であり、その外周に複数の貫通孔が形成されている。この構成により撹拌装置は、タービンの回転に伴うインデューサ部の吸引力によって、ステータの下端開口部からインペラ部に処理対象物を流入させ、ステータ内で回転する当該インペラ部の外周とステータの本体部の内壁との間のクリアランス内で処理対象物を剪断している(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-189749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年において、低粘度の分散対象物からリチウムイオン電池の活物質ペーストのような高粘度までの幅広い特性の分散対象物を製造している。しかしながら、特定の分散対象物は、異なる装置を利用して分散対象物の粒径を段階的に小さくする必要がある。例えば、バッチ式の撹拌機によって分散対象物を大まかに撹拌するプレミキシング処理、メディア型分散装置による前分散処理、分散対象物を供給および排出循環させる連続式のメディア型分散装置による本分散処理を行っている。このような場合、次のような不都合が生じている。バッチ式および連続式の異なるタイプのメディア型分散装置を利用する場合、工程ごとに分散対象物を各装置の槽または容器に移し替える必要がある。また、各工程で利用した槽などは、利用後に洗浄する必要ある。洗浄の際にはメディアが残留しないよう丁寧に洗浄する必要がある。そこで、メディア型分散装置を利用した処理を減らすことが望まれている。
【0005】
しかしながら、メディアレス型分散装置は、メディア型分散装置に比べて剪断能力および分散能力が低いため、全ての種類の分散対象物の処理に利用できないといった問題がある。すなわち、引用文献1の撹拌装置は、回転時のインデューサ部による吸引力によってインペラ部に流入した対象物を当該インペラ部の外周とステータの内壁のクリアランス部だけでしか剪断することができないので、分散対象物を予め決めた粒径まで微小化することができないといった不都合が生じている。
【0006】
本発明は、このような課題を解決すべくなされたものであり、メディアを利用することなしに分散対象物を予め決めた粒径まで微小化を可能とするメディアレス型分散装置用の分散ロータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下のようなメディアレス型分散装置用の分散ロータを提供する。
【0008】
分散対象物の貯留された有底筒状の槽内に懸垂保持されたリング状の天板および底板を有する筒状本体からなるステータに収納され、前記天板および前記底板の各中央に形成された開口を貫通する回転軸に固定され、前記回転軸の回転に伴って前記槽内の前記分散対象物を前記ステータ内に引き込んで前記ステータの前記筒状本体に形成された貫通孔またはスリットを通して前記分散対象物を前記ステータ外に排出させるメディアレス型分散装置用の分散ロータであって、
前記分散ロータは、円盤状であり、前記天板および前記底板と対向する各面に前記回転軸側から外周に向けて放射状に形成された複数の溝を有し、
前記溝は、前記回転軸側から外周に向かうにつれて断面が小さい
ことを特徴とするメディアレス型分散装置用の分散ロータ。
【0009】
上記の本発明の分散ロータにおいて、放射状に形成される複数の溝とは、平面視で、分散ロータの中心から半径方向に真直ぐに延びる直線状をなす複数の溝に限定されるものではなく、曲線状であってもよい。曲線状は、例えば、後述する弓状のように1つの屈曲を有する形状であってもよく、複数の屈曲を有する形状であってもよい。ただし、分散対象物が溝の入口から出口まで流れる過程において分散対象物の流れを妨げる、または減速させる程度に、平面視形状が屈折若しくは屈曲した溝、または、流れ方向に沿って断面が変形した溝は、ここでいう放射状に形成される溝に該当しない。屈折は、折れ曲がり部分である。例えば、溝が平面視で「く」の字形状を有し、屈折部分で分散対象物の流れが妨げられる、または減速する場合には、「く」の字形状の溝は、放射状に形成される溝に該当しない。屈曲は、折れ曲がらずに曲がっている部分である。屈曲は、屈折よりも、分散対象物の流れを妨げ難い、または減速させ難いが、屈曲の程度によっては、分散対象物の流れを妨げる、または減速させてしまう。そのような屈曲部分を有する溝は、放射状に形成される溝に該当しない。変形は、例えば、溝の途中に形成される凸部による断面の変化である。放射状に形成された溝は、例えば、分散対象物が、分散ロータの回転中に溝の入口から入り、上流から下流に向けて流れる過程で衝突部などに衝突して減速することなく分散ロータの外縁の出口から送り出される形状であればよい。それ故に、溝の入口から入った分散対象物を出口から送り出すまでに分散対象物の流れを妨げる又は減速させる構造を有さない。
【0010】
また、本発明の分散ロータは、分散対象物の衝突に起因する減速とは別に減速を招く出口からの分散対象物の侵入を抑制するように出口が後向きであることが好ましい。すなわち、図1に示すように、矢印Rで示す方向に回転する分散ロータ1のある一つの溝5に着目すると、溝5は半径に沿って真っすぐに延びているので、出口は真横を向いている。したがって、分散ロータ1の回転時に出口からの分散対象物の侵入が抑制されるので、溝5を流れる分散対象物を減速させることがない。そこで、この溝5を基準に出口から分散対象物が侵入しない位置を次のように設定している。
(【0011】以降は省略されています)

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