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公開番号2025033609
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-13
出願番号2023139443
出願日2023-08-30
発明の名称ガス分離システム
出願人株式会社日立製作所
代理人ポレール弁理士法人
主分類B01D 53/22 20060101AFI20250306BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】低い装置コストで需要家に水素ガスを供給できるガス分離システムを提供する。
【解決手段】本発明によるガス分離システムは、ガス分離装置5とガス分離システム管理部11を備える。ガス分離装置5は、混合ガス4を取得するガス取得部7と、水素分離膜を用いて混合ガス4から需要家6が利用するガスとパイプライン1への返送ガスとを分離するガス分離部8と、ガス分離部8が分離した需要家6が利用するガスを需要家6へ供給するガス供給部9と、返送ガスを排出するガス排出部10と、ガスの物理量を計測する計測器12とを備える。ガス分離システム管理部11は、需要家6についての情報を保存しており、需要家6が利用するガスの種類と用途に応じて出力項目が設定されている。出力項目は、ガス分離装置5が出力するガスの物理量である。計測器12は、需要家6が利用するガスの種類と用途に応じて、設置位置と計測する出力項目が異なる。
【選択図】図1A
特許請求の範囲【請求項1】
複数のガス分離装置と、
複数の前記ガス分離装置に接続されたガス分離システム管理部と、
を備え、
前記ガス分離装置のそれぞれは、
水素ガスを含む混合ガスが流れるパイプラインから前記混合ガスを取得する配管であるガス取得部と、
水素ガスを透過させる分離膜を備え、前記分離膜を用いて前記混合ガスから需要家が利用するガスと前記パイプラインに返送するガスとを分離するガス分離部と、
前記ガス分離部が前記混合ガスから分離して得た前記需要家が利用するガスを、前記需要家へ供給する配管であるガス供給部と、
前記ガス分離部が前記混合ガスから分離して得た前記パイプラインに返送するガスを排出する配管であるガス排出部と、
前記ガス取得部と前記ガス供給部と前記ガス排出部の少なくとも1つの配管に設置され、設置された配管を流れるガスの物理量を計測する計測器と、
を備え、
前記ガス分離システム管理部は、前記需要家についての情報を保存しており、前記需要家が利用するガスの種類と用途に応じて出力項目が設定されており、
前記出力項目は、前記ガス分離装置が出力するガスの物理量であり、
前記計測器は、前記需要家が利用するガスの種類と用途に応じて、設置位置と計測する前記出力項目が異なる、
ことを特徴とするガス分離システム。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記ガス分離部は、前記分離膜を透過した水素ガスが存在する透過部と、前記分離膜を透過しないガスが存在する非透過部を備え、
前記混合ガスは、天然ガスを含み、
天然ガスを利用する前記需要家に対しては、
前記出力項目が熱量であり、
前記ガス供給部は、前記非透過部に接続されており、
前記ガス排出部は、前記透過部に接続されており、
前記計測器は、熱量計であり、前記ガス供給部に設置されている、
請求項1に記載のガス分離システム。
【請求項3】
前記ガス分離部は、前記分離膜を透過した水素ガスが存在する透過部と、前記分離膜を透過しないガスが存在する非透過部を備え、
前記混合ガスを利用する前記需要家に対しては、
前記出力項目が熱量であり、
前記ガス供給部と前記ガス排出部の一方は、前記透過部に接続されており、他方は、前記非透過部に接続されており、
前記計測器は、熱量計であり、前記ガス供給部と前記ガス排出部と前記ガス取得部に設置されている、
請求項1に記載のガス分離システム。
【請求項4】
前記ガス分離部は、前記分離膜を透過した水素ガスが存在する透過部と、前記分離膜を透過しないガスが存在する非透過部を備え、
水素ガスを利用する前記需要家に対しては、
前記出力項目が密度または二酸化炭素濃度であり、
前記ガス供給部は、前記透過部に接続されており、
前記ガス排出部は、前記非透過部に接続されており、
前記計測器は、密度計または二酸化炭素濃度計であり、前記ガス供給部に設置されている、
請求項1に記載のガス分離システム。
【請求項5】
前記ガス分離システム管理部は、表示装置を備え、前記計測器が計測した、前記ガス供給部を流れるガスの密度または二酸化炭素濃度を用いて、前記ガス供給部を流れる水素の濃度を算出し、算出した水素の濃度を前記表示装置に表示する、
請求項1に記載のガス分離システム。
【請求項6】
前記ガス分離装置のそれぞれは、制御部を備え、
前記制御部は、前記計測器が計測した前記出力項目の値が、前記需要家の要求仕様を上回る場合には、前記需要家へ供給するガスの水素濃度が上がるように、ガスの圧力または流量を変化させて前記分離膜を透過する水素ガスの量を増やす、
請求項4に記載のガス分離システム。
【請求項7】
前記ガス分離装置のそれぞれは、制御部を備え、
前記ガス取得部は、熱量計、密度計、または二酸化炭素濃度計を前記計測器として備え、
前記制御部は、前記出力項目の値が規定の値になるように、前記ガス取得部を流れるガス、前記ガス供給部を流れるガス、及び前記ガス排出部を流れるガスのうち、1つ以上のガスの流量または圧力を変化させ、
前記制御部は、流量または圧力を変化させるガスの単位時間当たりの変化の大きさを、前記ガス取得部に設置された前記計測器の計測値の単位時間当たりの変化の大きさを基に設定する、
請求項1に記載のガス分離システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水素を含む混合ガスから水素を分離するガス分離システムに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
環境省において、令和元年に「再エネ電解水素の製造及び水素混合ガスの供給利用実証事業」が開始された(https://www.env.go.jp/press/106873.html)。この事業では、風力発電の電力を用いた水の電気分解により水素を製造し、この水素と都市ガス相当の模擬ガスを混合して水素混合ガスを製造し、製造した混合ガスをガス配管によって利用場所に供給する。混合ガスは、給湯器やガスコンロなどでそのまま利用される。
【0003】
天然ガスまたは都市ガスの既存グリッド(導管ネットワーク)へ水素を注入し、天然ガスと水素の混合ガスまたは都市ガスと水素の混合ガスをグリッドで供給すると、グリッドには、従来の天然ガスまたは都市ガスの需要家に加えて、混合ガスを直接利用する需要家(混合ガス需要家)が接続される。また、水素ガスを利用する水素需要家がグリッドに接続し、混合ガスから水素ガスを使用することも想定される。
【0004】
混合ガスから水素ガスを分離し、水素ガスを供給する装置の例は、特許文献1に記載されている。特許文献1には、導管ネットワーク内の1以上の箇所において都市ガス中の水素ガスを分離した後に、分離後の都市ガスの少なくとも一部を導管ネットワークに戻入することで、都市ガス中の水素ガスを分離して、直接、燃料電池等の水素ガスを燃料とする設備に供給する装置が記載されている。この装置では、分離後のガスを導管ネットワークに戻入することにより、従来の都市ガス燃焼機器を利用する需要家についても従来システムを変更することなく対応できる。水素ガスを分離する際には、分離後のガスのウオッベ指数(WI)と燃焼速度指数(CP)が、それぞれ所定の範囲内の値になるように制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2002-213695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
既存のガスグリッドを用いて混合ガス(例えば、天然ガスと水素の混合ガス)を天然ガス需要家と混合ガス需要家と水素需要家のそれぞれに供給する際には、それぞれの要求仕様に合わせてガスの成分濃度や発熱量(熱量)を調整する必要がある。それぞれの需要家の要求仕様に合わせてガスを提供するためには、混合ガスに含まれる水素の濃度、共存物質(混合ガスに含まれる水素以外の物質)の濃度、及びガスの熱量や密度などの値を計測する計測器が必要であるが、このような計測器、特に水素濃度計は高額である。それぞれの需要家は、このような計測器を有するガス分離装置を備える必要があり、高い装置コストが負担となる。このため、計測器の数が少なく、装置コストを低減することできるガス分離装置が望まれている。
【0007】
本発明の目的は、低い装置コストで需要家に水素ガスを供給できるガス分離システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によるガス分離システムは、複数のガス分離装置と、複数の前記ガス分離装置に接続されたガス分離システム管理部とを備える。前記ガス分離装置のそれぞれは、水素ガスを含む混合ガスが流れるパイプラインから前記混合ガスを取得する配管であるガス取得部と、水素ガスを透過させる分離膜を備え、前記分離膜を用いて前記混合ガスから需要家が利用するガスと前記パイプラインに返送するガスとを分離するガス分離部と、前記ガス分離部が前記混合ガスから分離して得た前記需要家が利用するガスを、前記需要家へ供給する配管であるガス供給部と、前記ガス分離部が前記混合ガスから分離して得た前記パイプラインに返送するガスを排出する配管であるガス排出部と、前記ガス取得部と前記ガス供給部と前記ガス排出部の少なくとも1つの配管に設置され、設置された配管を流れるガスの物理量を計測する計測器とを備える。前記ガス分離システム管理部は、前記需要家についての情報を保存しており、前記需要家が利用するガスの種類と用途に応じて出力項目が設定されている。前記出力項目は、前記ガス分離装置が出力するガスの物理量である。前記計測器は、前記需要家が利用するガスの種類と用途に応じて、設置位置と計測する前記出力項目が異なる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、低い装置コストで需要家に水素ガスを供給できるガス分離システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の実施例1によるガス分離システムと、本実施例によるガス分離システムによってガスが供給される需要家を示す図である。
ガス分離装置の構成を模式的に示す図である。
ガス分離装置の、需要家に応じた構成の例を示す説明図である。
混合ガスを2段の分離膜で分離するシミュレーションの結果の例を示す図である。
需要家が所有する表示装置に表示される画面の例を示す図である。
本発明の実施例5によるガス分離システムが備える表示装置が表示する管理画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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