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公開番号2025069543
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-01
出願番号2023179329
出願日2023-10-18
発明の名称二酸化炭素回収装置
出願人株式会社タクマ,国立大学法人九州大学
代理人個人
主分類B01D 53/14 20060101AFI20250423BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】メンテナンスのコストや手間を低減することができるとともに、二酸化炭素を回収するために必要なエネルギーを抑えることができる二酸化炭素回収装置を提供する。
【解決手段】二酸化炭素を吸収した吸収液を加熱手段7によって加熱することにより、吸収液から二酸化炭素を放散させて回収する二酸化炭素回収装置1Aであって、加熱手段7は、吸収液と熱媒体との間で熱交換する熱交換装置(ヒートポンプ)20を含み、吸収液は、80~100℃で二酸化炭素を放散する吸収液であり、熱媒体は、臨界温度が二酸化炭素の放散温度+10℃以上の単一の熱媒体であるものとする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
二酸化炭素を吸収した吸収液を加熱手段によって加熱することにより、前記吸収液から前記二酸化炭素を放散させて回収する二酸化炭素回収装置であって、
前記加熱手段は、前記吸収液と熱媒体との間で熱交換する熱交換装置を含み、
前記吸収液は、80~100℃で前記二酸化炭素を放散する吸収液であり、
前記熱媒体は、臨界温度が前記二酸化炭素の放散温度+10℃以上の単一の熱媒体である二酸化炭素回収装置。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記吸収液は、アミン液である請求項1に記載の二酸化炭素回収装置。
【請求項3】
前記臨界温度が、110℃以上である請求項1に記載の二酸化炭素回収装置。
【請求項4】
前記熱媒体として炭化水素を含まない熱媒体が用いられる請求項1に記載の二酸化炭素回収装置。
【請求項5】
前記熱媒体は、R1224yd(Z)、R1233zd(E)、R1234ze(Z)、R1336mzz(Z)、R245fa、アンモニア及び水からなる群より選択される少なくとも一つである請求項4に記載の二酸化炭素回収装置。
【請求項6】
前記加熱手段は、前記熱交換装置によって加熱された前記吸収液をさらに加熱するリボイラをさらに含む請求項1~5の何れか一項に記載の二酸化炭素回収装置。
【請求項7】
前記熱交換装置は、圧縮機、凝縮器、膨張弁及び蒸発器を含むヒートポンプである請求項1~5の何れか一項に記載の二酸化炭素回収装置。
【請求項8】
前記吸収液を収容する吸収塔と、
前記吸収液を再生する再生塔と、
前記吸収液を前記吸収塔から前記再生塔へと送給するための第一吸収液供給管と、
再生された前記吸収液を前記再生塔から前記吸収塔へと送給するための第二吸収液供給管と、
前記第一吸収液供給管を流れる前記吸収液と、前記第二吸収液供給管を流れる再生された前記吸収液との間で熱交換を行わせる熱交換器と、
前記第一吸収液供給管における前記熱交換器と前記再生塔との間の位置に介設される凝縮器と、
を備える請求項7に記載の二酸化炭素回収装置。
【請求項9】
前記吸収液を収容する吸収塔と、
前記吸収液を再生する再生塔と、
前記吸収液を前記吸収塔から前記再生塔へと送給するための第一吸収液供給管と、
再生された前記吸収液を前記再生塔から前記吸収塔へと送給するための第二吸収液供給管と、
前記第一吸収液供給管を流れる前記吸収液と、前記第二吸収液供給管を流れる再生された前記吸収液との間で熱交換を行わせる熱交換器と、
前記第二吸収液供給管における前記熱交換器と前記吸収塔との間の位置に介設される蒸発器と、
を備える請求項7に記載の二酸化炭素回収装置。
【請求項10】
前記吸収液を再生する再生塔と、
前記再生塔から抜き出された再生後の前記吸収液の一部を当該再生塔に還流させるための還流管と、
を備え、
前記還流管に前記凝縮器が介設されるとともに、前記凝縮器に対し吸収液流れ下流側に位置するようにリボイラが前記還流管に介設される請求項7に記載の二酸化炭素回収装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素を吸収した吸収液を加熱手段によって加熱することにより、吸収液から二酸化炭素を放散させて回収する二酸化炭素回収装置に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
二酸化炭素の回収方法として、例えば、アルカリ性化合物による反応吸収を利用する化学吸収法が知られている。化学吸収法において、ガスに含まれる二酸化炭素とアミン系の吸収液とを吸収塔で接触させ、二酸化炭素を吸収した吸収液を吸収塔から再生塔へと送り、再生塔で吸収液から二酸化炭素を放散させて回収する二酸化炭素回収装置が知られている(例えば、特許文献1及び2を参照)。
【0003】
特許文献1には、スチームを熱源とするリボイラを再生塔に付設し、再生塔の下部に貯留されている吸収液をリボイラで加熱することによって吸収液から二酸化炭素を放散させることが開示されている。
【0004】
特許文献2には、吸収液として、IPAEの水溶液又はIPAEとTMDAHとの混合水溶液を用い、吸収液に吸収させた二酸化炭素の分離回収プロセスにおいて、ヒートポンプを用いることが開示されている。ヒートポンプの熱媒体としては、20mol%のn-ブタンと80mol%のn-ペンタンとを混合した混合熱媒体が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平11-267442号公報
特開2015-131735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の二酸化炭素回収装置において、二酸化炭素の放散は、スチームを熱源とするリボイラによる加熱によって行われるため、スチームを発生させるのに要する熱エネルギー、吸収液の温度上昇に要する熱エネルギー、吸収液から二酸化炭素を放散させるのに要する熱エネルギー、吸収液の水分蒸発による熱損失を補うための熱エネルギー等が必要である。従って、吸収した二酸化炭素の放散に要するエネルギーが大きく、エネルギーコストが嵩む。
【0007】
特許文献2に記載の二酸化炭素回収装置において、混合熱媒体は、沸点が異なるn-ブタンとn-ペンタンとを混合した混合熱媒体であり、混合熱媒体が機器から漏れた場合、低沸点の熱媒体の方が抜けやすいので,機器内の混合熱媒体組成比が変化する。機器内に残っている混合熱媒体の組成比は簡易的な方法では確認が難しいので、混合熱媒体を追加充填すると、本来の組成比とは変わってしまう可能性が高い。組成比が変わると、露点・沸点も変わるため、設計通りの性能が出ない原因となる。そのため、混合熱媒体が機器から漏れて減った場合には、全ての混合熱媒体を抜いてから再充填が必要となり、メンテナンスのコストや手間が大きく増加してしまう。さらに、混合熱媒体の場合、相変化伝熱において濃度勾配による物質移動の抵抗が生じるため、一般的には伝熱性能が低下する傾向にあり、エネルギー効率が低下してしまう虞がある。
【0008】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、メンテナンスのコストや手間を低減することができるとともに、二酸化炭素を回収するために必要なエネルギーを抑えることができる二酸化炭素回収装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための本発明に係る二酸化炭素回収装置の特徴構成は、
二酸化炭素を吸収した吸収液を加熱手段によって加熱することにより、前記吸収液から前記二酸化炭素を放散させて回収する二酸化炭素回収装置であって、
前記加熱手段は、前記吸収液と熱媒体との間で熱交換する熱交換装置を含み、
前記吸収液は、80~100℃で前記二酸化炭素を放散する吸収液であり、
前記熱媒体は、臨界温度が前記二酸化炭素の放散温度+10℃以上の単一の熱媒体であることにある。
【0010】
本構成の二酸化炭素回収装置によれば、比較的低温の80~100℃で二酸化炭素を放散する吸収液が用いられ、当該吸収液が熱交換装置での熱媒体との熱交換によって加熱される。ここで用いられる熱媒体は、臨界温度が二酸化炭素の放散温度+10℃以上の熱媒体である。このように、熱媒体の臨界温度が二酸化炭素の放散温度よりも高く、しかも放散温度と臨界温度との間に十分な温度差(+10℃以上)があるため、吸収液を熱媒体との熱交換で放散温度にまで効率よく加熱することができる。その結果、特許文献1のように、スチームを熱源とするリボイラによる加熱によって二酸化炭素を放散させるものと比べて、低いエネルギーで二酸化炭素を放散させて回収することができる。また、ここで用いられる熱媒体は、特許文献2のような、沸点が異なる2種類の熱媒体を混合した混合熱媒体ではなく、単一の熱媒体である。このため、熱媒体が機器から漏れたとしても、機器内の熱媒体組成比が変化することはなく、熱媒体が機器から漏れて減った場合には、必要な分だけ追加充填すればよく、混合熱媒体の場合と比べて、メンテナンスのコストや手間を低減することができる。また、混合熱媒体の場合のような相変化伝熱において濃度勾配による物質移動の抵抗が生じることがないため、伝熱性能が低下することはなく、エネルギー効率の低下を未然に防ぐことができる。以上より、メンテナンスのコストや手間を低減することができるとともに、二酸化炭素を回収するために必要なエネルギーを抑えることができるという効果を奏する。
(【0011】以降は省略されています)

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