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公開番号
2025070658
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-02
出願番号
2023181144
出願日
2023-10-20
発明の名称
洗浄装置、排水処理システム、洗浄方法
出願人
東洋紡エムシー株式会社
代理人
主分類
B01D
65/06 20060101AFI20250424BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】排水処理装置に備えられたろ過膜を、効率よく効果的にコストを抑制して洗浄する洗浄装置を提供する。
【解決手段】
本発明の洗浄装置は、排水処理装置に備えられたろ過膜を洗浄する装置であり、殺菌剤を前記ろ過膜の透過側に注入する殺菌剤注入部と、前記殺菌剤を前記ろ過膜から回収する殺菌剤回収部と、クオラムセンシング阻害剤を前記ろ過膜の透過側に注入する阻害剤注入部と、前記クオラムセンシング阻害剤を当該ろ過膜より回収する阻害剤回収部と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
排水処理装置に備えられたろ過膜を洗浄する洗浄装置であり、
殺菌剤を前記ろ過膜の透過側に注入する殺菌剤注入部と、
前記殺菌剤を前記ろ過膜から回収する殺菌剤回収部と、
クオラムセンシング阻害剤を前記ろ過膜の透過側に注入する阻害剤注入部と、
前記クオラムセンシング阻害剤を前記ろ過膜より回収する阻害剤回収部と、を備えた洗浄装置。
続きを表示(約 830 文字)
【請求項2】
前記クオラムセンシング阻害剤は、ホモセリン誘導体に対して阻害効果を有する薬剤である請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項3】
前記クオラムセンシング阻害剤は、少なくとも、バニリン、けい皮酸、カフェ酸、クロロゲン酸、フェルラ酸のいずれか1つを含む溶液である請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項4】
前記クオラムセンシング阻害剤は、バニリンを0.01~20.00wt%含有する溶液である請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項5】
前記殺菌剤は、少なくとも、次亜塩素酸ナトリウム、シュウ酸、塩酸、クエン酸、オゾンのいずれか1つを含む溶液である請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項6】
前記排水処理装置は、膜分離活性汚泥法による排水処理を行う装置である請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1に記載の洗浄装置と、前記排水処理装置とを備えた排水処理システム。
【請求項8】
排水処理装置に備えられたろ過膜を洗浄する洗浄方法であり、
殺菌剤を前記ろ過膜の透過側に注入する殺菌剤注入工程と、
前記殺菌剤を前記ろ過膜から回収する殺菌剤回収工程と、
前記殺菌剤回収工程後に、クオラムセンシング阻害剤を前記ろ過膜の透過側に注入する阻害剤注入工程と、
前記クオラムセンシング阻害剤を前記ろ過膜より回収する阻害剤回収工程と、を含む洗浄方法。
【請求項9】
前記ろ過膜の透過側と供給側との圧力差を示す膜間差圧値(TMP:Trans Membrane Pressure)を測定する差圧測定工程を含み、
前記差圧測定工程にて、前記膜間差圧値が所定値を超えたことを検知した後、前記殺菌剤注入工程、前記殺菌剤回収工程、前記阻害剤注入工程、及び前記阻害剤回収工程を実施する、請求項8の洗浄方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水処理装置に備えられたろ過膜を洗浄する洗浄装置、それを有する排水処理システム、洗浄方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)
【背景技術】
【0002】
膜分離活性汚泥法(MBR:Membrane Bio Reactor)は、排水処理にろ過膜を用いた処理方法である。従来の処理方法の一つである標準活性汚泥法と比較して、清澄な処理水が得られることや省スペースでの設置が可能であることから、導入が進められている。MBRで用いられるろ過膜は、0.1~0.3μm程度の細孔を有しており、ろ過膜の透過側から処理水(透過水)を吸引、すなわち膜ろ過吸引することにより、処理水と汚泥成分・代謝物の分離を行う。しかし、膜ろ過吸引により、汚泥成分が膜表面や膜細孔内部に付着して、目詰まり(ファウリング)が進行する。そのため、運転維持管理方法として、曝気洗浄、薬品洗浄、スポンジ洗浄が行われる。
【0003】
曝気洗浄は、常時、膜ろ過吸引の運転時に行われ、ろ過膜の下部から曝気を行うことで、代謝物の堆積を防止している。ただ、一定期間経過すると曝気洗浄では除去が困難な代謝物が堆積し、バイオフィルムが形成される。
【0004】
バイオフィルムが形成されると、ろ過膜の透過側から殺菌効果を有する薬剤(殺菌剤)を注入して、バイオフィルム除去を目的とした薬品洗浄を行う。一般的に使用される殺菌剤として、次亜塩素酸ナトリウム水溶液、シュウ酸、クエン酸、塩酸、オゾン水等が挙げられる。殺菌剤の使用は、比較的低コストでバイオフィルム除去が可能であるため有効な手段である一方、洗浄回数を重ねるにつれて、薬品洗浄効果が発現しにくくなる。
【0005】
薬品洗浄効果が発現しなくなった際には、排水処理運転を維持するために、ろ過膜を反応槽から引き上げて、ろ過膜表面をスポンジで擦るスポンジ洗浄を実施してバイオフィルムの除去を行う必要がある。スポンジ洗浄はバイオフィルムの物理的な破壊であるため、ファウリング解消に効果的である反面、多大な洗浄工数・洗浄コストを要することが課題としてある。
【0006】
以上の背景より、薬品洗浄に工夫を施し薬品洗浄効果を高めて、スポンジ洗浄の回数頻度を下げることが膜ろ過運転コストの抑制を実現する上で重要である。そのため、効率的な薬品の洗浄方法に関してこれまで検討がされている。
【0007】
その一つとして、高い酸化力や殺菌力の洗浄液を利用して膜表面に堆積した代謝物の不活化を行いファウリング防止する方法がある(特許文献1)。この方法では、一段階目に次亜塩素酸ナトリウム水溶液洗浄を行い、二段階目にオゾン水等の酸化力がより高い溶液での洗浄を行うというものである。
【0008】
一方、近年、殺菌剤を用いた洗浄を行うことで代謝物集積を促すシグナル物質であるホモセリン誘導体が放出されることが報告されている(非特許文献1)。汚泥中の代謝物は、シグナル物質を介して菌密度を感知、産生をコントロールしていると言われている。これはクオラムセンシング機構と呼ばれており、膜表面に堆積した代謝物に対しても同様の機構でバイオフィルム形成が行われる。そのため、洗浄液の高い酸化力を利用してバイオフィルム除去時を行うことで、ホモセリン誘導体等のシグナル物質の産生につながり、ろ過膜の膜目詰まりを加速させる要因となり得る。
【0009】
このことから、殺菌剤の使用時に、放出されるシグナル物質をより高い酸化力を有する薬剤を使用して除去を行う手法ではなく、クオラムセンシング機構を阻害する効果を発現する薬剤(以下、クオラムセンシング阻害剤、又は阻害剤と称する)を利用する手法が有効と示唆される。
【0010】
そこで、阻害剤を反応槽のろ過膜の供給側に添加して、ろ過膜表面のバイオフィルム形成を抑制するという方法がある(非特許文献2)。活性汚泥に阻害剤の一つであるバニリンを添加することで、代謝物特性を変化させて膜目詰まり頻度低減に成功している。
(【0011】以降は省略されています)
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