TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025082766
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-29
出願番号2023196317
出願日2023-11-18
発明の名称油脂抽出蒸留設備
出願人株式会社宮富士工業,株式会社建
代理人個人
主分類B01D 3/40 20060101AFI20250522BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】蒸発缶の配管構造を改善するだけで蒸発缶での消費エネルギーを大幅に削減することができる油脂抽出蒸留設備を提供する。
【解決手段】本発明の油脂抽出蒸留設備は、ミセラを受給しノルマルヘキサンを蒸発させてミセラを濃縮する第2蒸発缶22を備え、第2蒸発缶22は、外部から流入するミセラをフラッシュ蒸気によって予熱する予熱部22Aと、予熱部22Aの下流側に接続され且つ予熱部22Aから流入するミセラを飽和水蒸気によって加熱する加熱部22Bとを有し、予熱部22A内でミセラから気化するノルマルヘキサンガスを予熱部22Aから外部へ排出する第1ガス排出管22Cを予熱部22Aの下流端部に設けると共に、予熱部22Aから流入するミセラに含まれるノルマルヘキサンガスを外部へ排出する第2ガス排出管22Fを加熱部22Bの上流端部に設けたことを特徴とする。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
油脂抽出液を受給しその抽出溶剤を蒸発させて上記油脂抽出液を濃縮する少なくとも一つの蒸発缶を備えた油脂抽出蒸発設備であって、上記少なくとも一つの蒸発缶は、外部から流入する上記油脂抽出液をフラッシュ蒸気によって予熱する予熱部と、上記予熱部の下流側に接続され且つ上記予熱部から流入する上記油脂抽出液を飽和水蒸気によって加熱する加熱部とを有し、上記予熱部内で上記油脂抽出液から気化する気化溶剤を上記予熱部から外部へ排出する第1ガス排出管を上記予熱部の下流端部に設けると共に、上記予熱部から流入する上記油脂抽出液に含まれる上記気化溶剤を外部へ排出する第2ガス排出管を上記加熱部の上流端部に設けたことを特徴とする油脂抽出蒸留設備。
続きを表示(約 330 文字)【請求項2】
上記少なくとも一つの蒸発缶は、上流側に配置された第1蒸発缶と、下流側に配置された第2蒸発缶と、を有し、上記第2蒸発缶が上記予熱部、上記加熱部及び上記1、第2ガス排出管を有することを特徴とする請求項1に記載の油脂抽出蒸留設備。
【請求項3】
上記予熱部の下流端の内部に上記気化溶剤を塞き止める第1堰板を設けると共に、上記加熱部の上流端の内部に上記気化溶剤を塞き止める第2堰板を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の油脂抽出蒸留設備。
【請求項4】
上記第1。第2ガス排出管それぞれに上記油脂抽出液の漏れを防止する第1、第2漏れ防止部材を設けたことを特徴とする請求項3に記載の油脂抽出蒸留設備。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、油脂原料を溶剤抽出した後の抽出溶液に含まれる溶剤を蒸発除去する蒸発缶を備えた油脂抽出蒸留設備に関し、更に詳しくは、蒸発缶でのエネルギー消費を削減することができる油脂抽出蒸留設備に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
植物油の製造では、菜種、とうもろこし胚芽あるいは大豆等の植物油原料から菜種油、とうもろこし油あるいは大豆油などの油脂を採油する。採油方法としては、圧搾法、溶剤抽出法及び圧油法がある。菜種、とうもろこし胚芽等のように油脂成分が多い植物油原料では、原料を圧搾して油脂成分を搾り出す圧搾法が採用されている。大豆等のように油脂成分が20%に満たない油脂成分の少ない植物油原料では、加熱などの前処理後押し潰してフレーク状にした植物油原料(以下、「フレーク」と称す。)から油脂成分を、例えばノルマルヘキサン等の溶剤を用いて抽出する溶剤抽出法が採用されている。また。菜種、とうもろこし胚芽等の圧搾後の搾り粕にも油脂成分が10数%程度残留しているため、ノルマルヘキサンを用いて搾り粕から油脂成分を抽出する、圧搾法と抽出法を組み合わせた圧抽法が採用されている。溶剤抽出法や圧抽法ではフレークや搾り粕(以下、「油粕」と称す。)から油脂成分を抽出した後、ミセラを例えば350~240torrほどの減圧下で加熱して抽出溶剤であるノルマルヘキサンを蒸発、除去して油脂を回収する油脂抽出蒸留設備が用いられる。
【0003】
例えば図4に示す油脂抽出蒸留設備は、本出願人が特許文献1において提案したものである。この油脂抽出蒸留設備は、同図に示すように、種子内の油脂成分を溶剤抽出して油脂抽出液(以下、「ミセラ」と称す。)を生成する抽出部10と、抽出部10から供給されるミセラを蒸発、蒸留する蒸発蒸留部20と、を備えて構成されている。
【0004】
抽出部10は、図4に示すように、ノルマルヘキサンを用いて種子内の油脂成分を抽出する抽出機11と、その上流側、下流側それぞれに付設された第1、第2搬送機11A、11Bと、抽出機11内で搬送される油粕にノルマルヘキサンを供給する溶剤ポンプ12と、抽出機11から排出されるミセラを一時的に貯留するミセラタンク13と、抽出機11からの油粕中に残存するノルマルヘキサンをノルマルヘキサンガスとして除去する脱溶剤機15と、を備えている。
【0005】
脱溶剤機15は、抽出後の油粕を収納する本体と、本体の上端中央に形成された筒状の上部空間と、本体の下側に本体より小径に形成されたトースト部と、を有している。脱溶剤機15の上部と下部にはそれぞれ第3、第4搬送機15A、15Bが付設されている。
【0006】
また、脱溶剤機15の上部空間内にはエリミネータ16が設置され、このエリミネータ16が本体内の油粕から上昇する水蒸気の一部を水滴として除去すると共に油粕の微粉の多くを遮って油粕に戻すようにしている。以下では油粕から吹き上がる水蒸気とノルマルヘキサンガスからなる混合ガスを複合ガスとして説明する。
【0007】
脱溶剤機15の上部空間には図4に示すように噴霧ヘッド17が配置され、この噴霧ヘッド17にはフラッシュタンク17Aが接続されている。フラッシュタンク17A内では例えば100℃以上のフラッシュ蒸気が上部空間内に噴霧される。このフラッシュ蒸気は上部空間内で複合ガスに混入し、フラッシュ蒸気が露点に達しその一部が湯気になり、この湯気が上部空間内で浮遊する微粉を捕捉してエリミネータ16を介して元の油粕に戻すと共に油粕に適度の加湿を行う。大部分のフラッシュ蒸気は上部空間内で複合ガスに混入し、油粕から上昇する時の温度、例えば74℃を維持したまま蒸発蒸留部20の第1蒸発缶21へ供給される。
【0008】
第1蒸発缶21では脱溶剤機15からの複合ガスの潜熱によってミセラタンク13からのミセラを加熱して濃縮する。脱溶剤機15では複合ガスがフラッシュ蒸気の混入により本体部の油粕から上昇した時の温度(例えば74℃)を維持したまま第1蒸発缶21へ供給される。従って、第1蒸発缶21は予定通りミセラを加熱することができ、第1蒸発缶21の後工程では余分なエネルギーを消費することがない。第1蒸発缶21内でミセラから蒸発するノルマルヘキサンガスは第1コンデンサ24において冷却された後、溶剤セパレータ25で溶剤として回収される。
【0009】
また、第2蒸発缶22は、図4に示すように、予熱部22Aと加熱部22Bからなり、予熱部22A、加熱部22Bによって第1蒸発缶21からのミセラを効率良く加熱し、省エネルギーを図るようにしてある。即ち、予熱部22Aが加熱部22Bの上流側に位置し、互いに配管で接続されている。そして、後述するように、予熱部22Aにおいてミセラを予熱して生成するノルマルヘキサンガスからなる気泡を予めガス排出管22Cから放出し、加熱部22Bではノルマルヘキサンガスの気泡を含まない濃度の高いミセラを効率良く加熱するようにしている。
【0010】
このような対策により、予熱部22A内で気化したノルマルヘキサンガスはガス排出管22Cから排出され、加熱部22Bへはミセラ濃度84%まで濃縮されたノルマルヘキサンガスを含まないミセラが流入する。加熱部22Bへ流入するミセラの気泡の様子は覗き窓22Dから確認することができる。加熱部22B内ではミセラが水蒸気配管から供給される飽和水蒸気を熱源として加熱されて例えば濃度96%のミセラを生成し、油脂塔23へ供給される。この時、加熱部22Bでは濃度の高いミセラを飽和水蒸気によって熱効率良く加熱することができる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

個人
撹拌羽根
1か月前
東レ株式会社
複合半透膜
15日前
東ソー株式会社
ケトン捕捉剤
21日前
株式会社西部技研
ガス吸着装置
9日前
株式会社源兵衛
液状廃棄物処理具
2日前
ホーコス株式会社
微粒子捕集装置
1か月前
東レ株式会社
濾過方法
28日前
東レ株式会社
濾過方法および濾過装置
9日前
日本化薬株式会社
プロピレン製造用触媒
1か月前
株式会社村田製作所
触媒装置
4日前
ワシノ機器株式会社
複式ストレーナ
29日前
株式会社LIXIL
液体供給システム
17日前
株式会社トクヤマ
加熱装置及び表面処理装置
17日前
水ing株式会社
スカム防止装置
3日前
株式会社GSユアサメンブレン
ろ過装置
2日前
個人
流体混合装置
17日前
大日本印刷株式会社
攪拌スタンド
8日前
東ソー株式会社
消臭性組成物及び脱臭フィルター
今日
株式会社神戸製鋼所
混練装置
14日前
株式会社アピステ
オイルミスト除去装置
4日前
株式会社大真空
二酸化炭素回収システム
18日前
CKD株式会社
二酸化炭素回収システム
18日前
株式会社大真空
二酸化炭素回収システム
18日前
株式会社大真空
二酸化炭素捕集モジュール
1か月前
オリオン機械株式会社
圧縮空気除湿装置システム
9日前
トヨタバッテリー株式会社
混練機、及び混練方法
1日前
オリオン機械株式会社
圧縮空気除湿装置システム
9日前
株式会社宮富士工業
油脂抽出蒸留設備
1日前
カナデビア株式会社
生成装置
21日前
株式会社HELIX
分解処理装置
10日前
株式会社HELIX
分解処理装置
10日前
株式会社HELIX
分解処理装置
10日前
ダイニチ工業株式会社
エアフィルタ清掃装置、および空調装置
28日前
オリオン機械株式会社
除去装置および燃料供給システム
1か月前
ダイニチ工業株式会社
エアフィルタ清掃装置、および空調装置
28日前
ダイニチ工業株式会社
エアフィルタ清掃装置、および空調装置
28日前
続きを見る