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公開番号2025083249
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-30
出願番号2023197043
出願日2023-11-20
発明の名称高分子凝集剤及びその製造方法
出願人MTアクアポリマー株式会社
代理人個人
主分類B01D 21/01 20060101AFI20250523BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】重合安定性及び貯蔵安定性が極めて高い次元で両立した油中水型エマルションから成る高分子凝集剤及びその製造方法を提供する。
【解決手段】上記課題は、アクリルアミド及び/又はアクリルアミドと共重合可能な単量体を含む単量体混合物を、HLB値が3.0~5.0の範囲内の界面活性剤〔A〕を少なくとも1種と、HLB値が8.0~15.0の範囲内の界面活性剤〔B〕を少なくとも2種と、を含んで成るHLB値の加重平均が6.0~10.0である界面活性剤の存在下、油中水型エマルション重合して重合体を含む油中水型エマルションを得、次いで前記油中水型エマルションに親水性界面活性剤〔C〕を添加することを特徴とする高分子凝集剤の製造方法により、解決される。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
アクリルアミド及び/又はアクリルアミドと共重合可能な単量体を含む単量体混合物を、
HLB値が3.0~5.0の範囲内の界面活性剤〔A〕を少なくとも1種と、HLB値が8.0~15.0の範囲内の界面活性剤〔B〕を少なくとも2種と、を含んで成るHLB値の加重平均が6.0~10.0である界面活性剤の存在下、油中水型エマルション重合して重合体を含む油中水型エマルションを得、
次いで前記油中水型エマルションに親水性界面活性剤〔C〕を添加することを特徴とする高分子凝集剤の製造方法。
続きを表示(約 960 文字)【請求項2】
前記界面活性剤〔B〕がオレイン酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンモノオレートから選択される少なくとも2種である請求項1に記載の高分子凝集剤の製造方法。
【請求項3】
前記単量体混合物がアクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩、アクリル酸若しくはその塩、又は2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸若しくはその塩の少なくとも1種以上を含んで成る請求項1に記載の高分子凝集剤の製造方法。
【請求項4】
前記単量体混合物が架橋性単量体を含む請求項1に記載の高分子凝集剤の製造方法。
【請求項5】
前記油中水型エマルションにおける水相の質量を油相の質量で除した値であるW/O比が2.0~3.5である請求項1に記載の高分子凝集剤の製造方法。
【請求項6】
前記油中水型エマルションのレーザー回折法により測定される粒子径がメジアン径で0.7~10μmである請求項1に記載の高分子凝集剤の製造方法。
【請求項7】
アクリルアミド及び/又はアクリルアミドと共重合可能な単量体を含む単量体混合物を、
HLB値が3.0~5.0の範囲内の界面活性剤〔A〕を少なくとも1種と、HLB値が8.0~15.0の範囲内の界面活性剤〔B〕を少なくとも2種と、を含んで成るHLB値の加重平均が6.0~10.0である界面活性剤の存在下、油中水型エマルション重合して重合体を含む油中水型エマルションを得、
次いで前記油中水型エマルションに親水性界面活性剤〔C〕を添加して得られることを特徴とする高分子凝集剤。
【請求項8】
アクリルアミド及び/又はアクリルアミドと共重合可能な単量体を構成単位として含む重合体と、
HLB値が3.0~5.0の範囲内の界面活性剤〔A〕を少なくとも1種と、HLB値が8.0~15.0の範囲内の界面活性剤〔B〕を少なくとも2種と、を含んで成るHLB値の加重平均が6.0~10.0である界面活性剤と、
を含む油中水型エマルションと;
親水性界面活性剤〔C〕と;
を含むことを特徴とする高分子凝集剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高分子凝集剤及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、コアギュラムが少なく、且つ貯蔵安定性に優れる油中水型エマルションから成る高分子凝集剤及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
高分子凝集剤は生活排水、産業排水等に含まれる懸濁物を凝集・沈降・分離させることを目的として、また、製紙産業における歩留向上剤や土木建築における混和剤や加泥剤などとして用いられている。高分子凝集剤にはノニオン性、又はアニオン性、カチオン性若しくは両性の種類が存在するが、どの種類の高分子凝集剤を選択するかは被処理水の性状や水処理方法によって異なる。これらのうち、カチオン性を有する高分子凝集剤は、産業排水及び生活排水を活性汚泥処理した後の余剰汚泥をフロック化して脱水するための汚泥脱水剤として用いられたり、製紙産業における歩留向上剤として用いられたりすることが多い。脱水が難しい汚泥に関しては、分岐構造や架橋構造を有するポリマーが用いられる。また、両性の高分子凝集剤は、凝結剤で荷電中和された懸濁粒子を粗大フロック化するために用いられ、脱水や凝集が難しい汚泥にも適用できる。
【0003】
従来、高分子凝集剤の製品形態としては、粉末形態や、ディスパージョンと呼ばれる塩析された重合体粒子の水懸濁物の形態、重合体を含む油中水型エマルションの形態等が知られている。これらのうち、油中水型エマルションは被処理水に対する溶解性が優れ、重合体を短時間で均一に溶解でき、粉塵を発生させないという利点があり、広く利用されている。
【0004】
特許文献1には、少なくともカチオン性単量体を含む単量体混合物を、HLB値が1.5~7.0の範囲内の界面活性剤を少なくとも2種と、HLB値が10~17の範囲内の界面活性剤を少なくとも1種と、を混合してHLB値の加重平均が5.0~9.0の範囲に調整した界面活性剤の存在下でエマルション重合することにより油中水型エマルションを得、次いで前記油中水型エマルションに親水性界面活性剤を添加する高分子凝集剤の製造方法が開示されている。この高分子凝集剤は、コアギュラム量が0.04~0.08質量%であり、沈降分離量が5~19質量%である比較的安定性が高い高分子凝集剤である。
【0005】
特許文献2には、カチオン性単量体を含まず、ノニオン性単量体および/またはアニオン性単量体を含む単量体混合物を、HLB値が1.5~7.0の範囲の界面活性剤を少なくとも2種と、HLB値が10~17の範囲の界面活性剤を少なくとも1種と、を混合して各界面活性剤のHLB値の加重平均で4.0~8.0の範囲になるように調整した界面活性剤の存在下、油中水型エマルション重合して得られる重合体を含む油中水型エマルションを得、次いで前記油中水型エマルションに親水性界面活性剤を添加する高分子凝集剤の製造方法であって、前記ノニオン性単量体が(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、スチレン、アクリロニトリル、及び酢酸ビニルから成る群から選択される少なくとも1種であり、前記アニオン性単量体が(メタ)アクリル酸、ビニルスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、マレイン酸、及びこれらの塩から成る群から選択される少なくとも1種である高分子凝集剤の製造方法が開示されている。この高分子凝集剤は、カチオン性単量体単位を含まず、コアギュラム量が0~0.07質量%であり、沈降分離量が5~19質量%である比較的安定性が高い高分子凝集剤である。特許文献2の実施例2においては、コアギュラム量が0であり重合安定性は極めて高いといえるが、沈降分離量は11質量%であり、貯蔵安定性については未だ改良の余地がある。
【0006】
特許文献3には、少なくともカチオン性単量体と、ラジカル重合性の多官能性の架橋性単量体と、を含む単量体混合物を、HLBが3~7の範囲内の界面活性剤を少なくとも2種類と、HLBが10~17の範囲内の界面活性剤を少なくとも1種と、を含む3種類以上の界面活性剤を混合してHLB値の加重平均が5.0~9.0の範囲になるように調整した界面活性剤の存在下、油中水型エマルション重合して架橋型重合体を得る高分子凝集剤の製造方法が開示されている。この高分子凝集剤は、コアギュラム量や沈降分離量が開示されていないが、界面活性剤の組み合わせが特許文献1に類似しているため、特許文献1と同程度のコアギュラム量や沈降分離量であると推定される。
【0007】
特許文献4には、以下の(1)~(3)の3種類の界面活性剤を用いて水溶性又は親水性単量体を油相中にてエマルション重合した後に、以下の(3)~(5)の3種類の界面活性剤を添加する水溶性又は親水性重合体逆相エマルションの製造方法が開示されている。
(1) HLB3~5のソルビタン脂肪酸エステル
(2) 分子量2000以上の非イオン性油溶性界面活性剤
(3) 分子量2000未満でHLB8~10の非イオン性油溶性界面活性剤
(4) 水溶性のポリオキシエチレンポリオキシプロピレン誘導体
(5) 上記(4)以外のHLB12~14の非イオン性水溶性界面活性剤
上記の製造方法によれば、上記(4)及び(5)の界面活性剤は、エマルション重合時には添加されておらず、エマルション重合が完了した後に、所謂転相剤として添加されている。
【0008】
重合体を含む油中水型エマルションは、界面活性剤を用いて単量体水溶液を炭化水素オイル中に乳化分散させたエマルションを作製し、エマルションの状態で該単量体をラジカル重合することにより得られる。該エマルションは、重合開始前においては単量体水溶液が分散相であるが、重合終了後においては当該単量体が重合されて成る重合体が分散相となる。即ち、重合開始後、分散相の性状(重合度等)が徐々に変化することを特徴とする。従来技術は、このように分散相の性状が連続的に変化する系において、重合安定性や貯蔵安定性を両立することが十分とはいえず、改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特許6324305号公報
特許6423700号公報
特許6486006号公報
特許2745642号公報
【非特許文献】
【0010】
全訂版新・界面活性剤入門(1996年、三洋化成工業株式会社発行、藤本武彦著、197-198頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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