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公開番号
2025024261
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-20
出願番号
2023128238
出願日
2023-08-07
発明の名称
多重管式反応容器
出願人
JFEエンジニアリング株式会社
代理人
個人
主分類
B01J
8/06 20060101AFI20250213BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】冷却効率に優れ、充填される触媒の交換が容易でかつ効率的に行うことができる多重管式反応容器を得る。
【解決手段】本発明に係る多重管式反応容器1は、内部に冷却流体が通流すると共に外周面に触媒9が設けられた触媒付き内側冷却管3と、該触媒付き内側冷却管3が抜き差し可能に挿入されて、内部に反応ガスが通流する反応ガス通流管5と、反応ガス通流管5の外周に設けられると共に冷却流体が通流して反応ガス通流管5の外周面を冷却する外側冷却容器7と、を備え、触媒9は、前記冷却流体の通流方向で複数に分割されて設けられ、個別に交換可能になっている。
【選択図】 図1
特許請求の範囲
【請求項1】
内部に冷却流体が通流すると共に外周面に触媒が設けられた触媒付き内側冷却管と、該触媒付き内側冷却管が抜き差し可能に挿入されて、内部に反応ガスが通流する反応ガス通流管と、該反応ガス通流管の外周に設けられると共に冷却流体が通流して前記反応ガス通流管の外周面を冷却する外側冷却容器と、を備え、
前記触媒は、前記冷却流体の通流方向で複数に分割されて設けられ、個別に交換可能になっていることを特徴とする多重管式反応容器。
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【請求項2】
前記触媒付き内側冷却管は、金属製の冷却管本体の外周に多孔質触媒層が固着されたものであり、前記冷却管本体が軸方向で分離可能に連結されていることを特徴とする請求項1記載の多重管式反応容器。
【請求項3】
前記多孔質触媒層は、中間層を介して前記冷却管本体の外周に固着されたものであり、前記中間層は前記多孔質触媒層と前記冷却管本体との熱膨張率の差を緩和する機能を有することを特徴とする請求項2に記載の多重管式反応容器。
【請求項4】
前記反応ガス通流管の内面に近接配置されて前記多孔質触媒層が前記反応ガス通流管の内面に当接するのを防止すると共に、前記反応ガスの流れに対して抵抗となるバッフル板を備えたことを特徴とする請求項2又は3に記載の多重管式反応容器。
【請求項5】
前記触媒付き内側冷却管は、触媒を入れた複数のかご部材が冷却管本体の外周に設けられたものであることを特徴とする請求項1に記載の多重管式反応容器。
【請求項6】
前記かご部材は、前記冷却管本体から個別に取外し可能になっていることを特徴とする請求項5に記載の多重管式反応容器。
【請求項7】
前記かご部材は、前記冷却管本体に固定され、前記冷却管本体が軸方向で分離可能に連結されていることを特徴とする請求項5に記載の多重管式反応容器。
【請求項8】
前記かご部材は、触媒を出し入れするための開閉扉を有していることを特徴とする請求項5に記載の多重管式反応容器。
【請求項9】
複数に分割された前記触媒のうち少なくとも一つの触媒の温度を検知する触媒層温度検知部と、該触媒層温度検知部で検知された検知情報を入力して、検知情報に基づく現在の触媒温度と触媒が劣化していないときの無劣化触媒温度とを比較する触媒温度比較部と、該触媒温度比較部の比較結果に基づいて各触媒の交換の要否を判断する触媒交換判断部と、該触媒交換判断部によって要交換と判断されたときにその旨を報知する報知部と、を備えたことを特徴とする請求項1、2、3、5、6、7、8のいずれか一項に記載の多重管式反応容器。
【請求項10】
前記触媒層温度検知部は、複数に分割された前記触媒の各触媒の温度を検知するものとし、
前記反応ガス通流管に供給される反応ガスの温度、圧力、流量、濃度を検知する供給反応ガス性状検知部と、
前記反応ガス通流管から排出される反応ガスの温度、圧力、流量、濃度を検知する排出反応ガス性状検知部と、
前記反応ガス通流管の壁面温度を検知する壁面温度検知部と、
前記反応ガス通流管材・触媒の物性データベースと、
前記温度検知部、前記供給反応ガス性状検知部、前記排出反応ガス性状検知部、前記壁面温度検知部、及び前記物性データベースに基づいて前記各触媒の劣化していない状態における無劣化触媒温度を推定する触媒層温度分布推定部と、をさらに備え、
前記触媒温度比較部は、前記触媒層温度推定部によって推定された無劣化触媒温度と前記触媒層温度検知部で検知された温度とを比較することを特徴とする請求項9に記載の多重管式反応容器。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
反応ガスが通流すると共に触媒が設けられた触媒付き反応ガス通流管を備えた反応容器に関し、特に反応容器が多重管になっている多重管式反応容器に関する。
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【背景技術】
【0002】
触媒反応は多くの場合発熱反応であり、反応器スケールが大きくなると触媒充填層内の異常発熱による反応の暴走や触媒・設備の損傷が懸念されるため、冷却機構が重要である。
例えば、特許文献1では、触媒充填層内に冷媒が流れる伝熱管を設置して充填層から冷却する、という手法が開示されている。
【0003】
また、触媒反応は、原料に含まれる不純物による被毒や生成物の触媒表面への付着などにより徐々に触媒の活性が低下してくる。このため、反応器に充填した触媒は定期的に交換されるのが一般的である。
【0004】
触媒の交換方法として、例えば特許文献2では、二重管先端部を切断開口して真空ポンプホースを入れて充填材を吸い出し、再充填後溶接して閉じる、という手法が開示されている。
また、特許文献3では、触媒が充填された管に流体を送って充填物を押し流す、という手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2003-229147号公報
特開平10-328555号公報
特開昭60-71036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
冷却機構に関し、特許文献1の方法では、充填層内の伝熱管に近い領域の冷却効率は良いが、充填容器壁面近傍など伝熱管から離れた領域は冷却効率が悪いという問題がある。
【0007】
また、触媒の交換に関し、特許文献2の方法では、触媒を吸い出す真空ポンプ動力がかかる。また、触媒を吸い上げているため、重力の影響で触媒が落下することもあり、全てを回収するのは難しいという問題がある。
また、特許文献2では、触媒の回収に先立って容器を切断して開放し、充填後には切断部分を溶接して閉じるという作業が必要であり、労力やコストがかかるという問題もある。
【0008】
また、特許文献3の方法では、流体を送るための動力がかかるという問題がある。また、充填物を押し流す場合、容器形状によっては充填材が構造的にトラップされ、全量を回収できないという問題もある。
【0009】
触媒の活性低下は、一般的に反応ガスの流れにおける上流側に存在するものから進行していく。このため、触媒全体の収率が低下しても下流側の触媒はそれほど劣化していないことがある。
しかし、上記の引用文献に開示されたものはいずれも触媒の交換時には触媒全量を交換している。このため、それほど劣化していない(=交換寿命に達していない)触媒も交換対象にしており、触媒の効率的な活用という点で十分でないという課題がある。
【0010】
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、冷却効率に優れ、充填される触媒の交換が容易でかつ効率的に行うことができる多重管式反応容器を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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