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公開番号2025009946
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-20
出願番号2024101466
出願日2024-06-24
発明の名称半透膜エレメントおよび溶媒駆動モジュール
出願人株式会社アシュマラボラトリーズ
代理人個人
主分類B01D 63/08 20060101AFI20250109BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】FO法による溶液処理において、半透膜を介して対象溶液から駆動溶液中に引き出した溶媒を駆動溶液から容易に分離することができる半透膜エレメントおよび溶媒駆動モジュールを提供すること。
【解決手段】本発明の一態様は、半透膜を介して対象溶液に含まれる溶媒を圧力によって押し出すための半透膜エレメントであって、少なくとも一部に第1半透膜を有する半透膜部材と、半透膜部材に対して一体的に接続配置または分離配置され、少なくとも一部に弾性膜を有する弾性部材と、を備えた、半透膜エレメントである。また、本発明の他の一態様は、駆動溶液を収容し、密閉可能に設けられる駆動溶液室と、駆動溶液室に接続され、一方側で対象溶液と接し、他方側で駆動溶液と接する第2半透膜と、駆動溶液室に接続される上記の半透膜エレメントと、を備え、半透膜エレメントの第1半透膜は一方側で駆動溶液と接する、溶媒駆動モジュールである。
【選択図】図1A
特許請求の範囲【請求項1】
半透膜を介して対象溶液に含まれる溶媒を圧力によって押し出すための半透膜エレメントであって、
少なくとも一部に第1半透膜を有する半透膜部材と、
前記半透膜部材に対して一体的に接続配置または分離配置され、少なくとも一部に弾性膜を有する弾性部材と、
を備えた、半透膜エレメント。
続きを表示(約 530 文字)【請求項2】
前記第1半透膜は、1種類または2種類以上の層構成を有し、かつ、浸透圧差による正浸透現象が発現しない浸透限界以上の膜厚を有する、請求項1記載の半透膜エレメント。
【請求項3】
前記弾性膜は、ゴム弾性を有する材料によって形成された、請求項1記載の半透膜エレメント。
【請求項4】
半透膜を介して対象溶液に含まれる溶媒を浸透圧差によって引き出す機能を備えた溶媒駆動モジュールであって、
駆動溶液を収容し、密閉可能に設けられる駆動溶液室と、
前記駆動溶液室に接続され、一方側で前記対象溶液と接し、他方側で前記駆動溶液と接する第2半透膜と、
前記駆動溶液室に接続される請求項1から3のいずれか1項に記載の半透膜エレメントと、
を備え、
前記半透膜エレメントの前記第1半透膜は前記第2半透膜と対向し、前記第2半透膜と対向する側で前記駆動溶液と接する、溶媒駆動モジュール。
【請求項5】
前記第2半透膜と前記駆動溶液室との間、および前記駆動溶液室と前記半透膜エレメントとの間に各部を着脱可能に接続するためのフランジが設けられた、請求項4記載の溶媒駆動モジュール。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、溶液処理に用いられる半透膜エレメントおよび溶媒駆動モジュールに関し、例えば、海水を淡水化する際に用いられる半透膜エレメントおよび溶媒駆動モジュールに関するものである。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化、人口増加にともなう水需要の高まりから海水淡水化技術を用いた水の生産が急拡大している。現在実用化されている海水淡水化技術には、大別すると、熱を利用する蒸発法と、半透膜を利用する逆浸透(RO:Reverse Osmosis)法との2つの方式がある。これらのうち、エネルギー効率の点から、後者のRO法が主流となっている。
【0003】
RO法では、浸透圧差以上の高圧で、正浸透とは逆向きに強制的に水を押し出すため多くの外部エネルギーが必要となる。そこで、より省エネルギーとなる方式として、浸透圧差に基づいた自発的な水の移動現象を利用する正浸透(FO:Forward Osmosis)法が注目されている。
【0004】
FO法の典型的な例は、半透膜を介して海水から淡水を引き出す駆動媒体に駆動溶液と呼ばれる液体を使用している。ここで、上述したように、FO法は浸透圧差に基づいた自発的な水の移動現象であるが、FO法において「駆動溶液」と呼ばれる理由は、あたかも、駆動溶液が海水から水を引き出しているように見えるためである。
【0005】
図11は、従来の駆動溶液を用いた淡水化システムの概略構成図である。
図11に示す淡水化システムにおいて、駆動溶液810には海水L1に対して浸透圧が十分高くなるように設計された高濃度の溶質粒子(駆動微粒子)を含む溶媒が使用されている。この駆動溶液810で満たされた溶媒駆動モジュール800aには処理槽815が接続される。そして、この処理槽815に、前処理槽816でゴミ、夾雑物等の不要物が除去された海水L1がポンプ817aによって供給されると、海水L1と駆動溶液810との浸透圧差によって、半透膜820を介して海水側(低浸透圧側)から駆動溶液810側(高浸透圧側)に水が移動(浸透)する。
【0006】
この浸透水(処理水L2)は駆動溶液810に吸収されるため、淡水として水を利用するためには、別途、駆動溶液分離/調整槽819を設置し、駆動溶液810から処理水L2(淡水)を分離して処理水保管タンク818に収容される。一方、分離後の駆動溶液810は濃度調整後、ポンプ817bによって循環、再使用される。分離方法として、分離膜と組みわせ、熱、圧力、電気・磁気等の外部エネルギーを利用する種々の方法が提案されている(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。
【0007】
また、最近、駆動溶液から浸透水を分離する際に、駆動溶液が収容されている駆動溶液タンクの内圧上昇を利用して加圧濾過することにより、外部エネルギーを不要とするFO法が提案されている。(非特許文献2)。
【0008】
図12は、従来の駆動溶液を用いた内圧利用の淡水化システムの概略構成図である。
図12に示す淡水化システムにおいて、高分子のポリスチレンスルホン酸塩(PSS:Polystyrene sulfonate)を駆動微粒子に用いた水溶液が駆動溶液810として使用されている。この駆動溶液810で満たされた溶媒駆動モジュール800bには処理槽815が接続される。そして、この処理槽815に、前処理槽816でゴミ、夾雑物等の不要物が除去された海水L1がポンプ817aによって供給されると、海水L1と駆動溶液810との浸透圧差に基づき、半透膜820を介して海水側(低浸透圧側)から駆動溶液810側(高浸透圧側)に水が移動(浸透)する。ここまでは、上記図11に示した従来の淡水化システムと同様であるが、本システムでは駆動溶液から淡水を分離する際に外部エネルギーが不要となる点が異なっている。
【0009】
すなわち、図12に示す淡水化システムでは、半透膜820を介して処理槽815側から駆動溶液810側に移動した浸透水の増加により駆動溶液タンク830の内圧が高まり、その内圧上昇により駆動溶液タンク830に接続された分離膜840で、駆動溶液が加圧濾過され、駆動溶液810から処理水L2(淡水)が分離され処理水保管タンク818に収容される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2016-087494号公報
【非特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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