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公開番号2025015102
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-30
出願番号2023118252
出願日2023-07-20
発明の名称気体分離モジュール
出願人日立GEニュークリア・エナジー株式会社
代理人弁理士法人開知
主分類B01D 53/22 20060101AFI20250123BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】高温条件下における耐久性と選択透過性の両立可能な気体分離モジュールを提供する。
【解決手段】気体分離モジュール1は、互いに異なる特性を有し混合気体から特定の気体を分離する第1のフィルタ部材2及び第2のフィルタ部材3と、混合気体が流入する流入口51を有し第1のフィルタ部材2及び第2のフィルタ部材3を収容するハウジング4とを備える。第1のフィルタ部材2は、第2のフィルタ部材3よりも耐熱性に優れた特性を有する。第2のフィルタ部材3は、混合気体から特定の気体を選択的に透過させる選択透過性が第1のフィルタ部材2よりも優れた特性を有する。ハウジング4内において第1のフィルタ部材2が第2のフィルタ部材3よりも流入口51に近い位置に配置され、第2のフィルタ部材3は第1のフィルタ部材2から流出する気体が導入されるように第1のフィルタ部材2の下流側に配置される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
互いに異なる特性を有し、混合気体から特定の気体を分離する第1のフィルタ部材及び第2のフィルタ部材と、
前記混合気体が流入する流入口を有し、前記第1のフィルタ部材及び前記第2のフィルタ部材を収容するハウジングとを備え、
前記第1のフィルタ部材は、前記第2のフィルタ部材よりも耐熱性に優れている特性を有し、
前記第2のフィルタ部材は、前記混合気体から前記特定の気体を選択的に透過させる選択透過性が前記第1のフィルタ部材よりも優れている特性を有し、
前記ハウジング内において、前記第1のフィルタ部材が前記第2のフィルタ部材よりも前記流入口に近い位置に配置され、
前記第2のフィルタ部材は、前記第1のフィルタ部材から流出する気体が導入されるように前記第1のフィルタ部材に対して下流側に配置されている
ことを特徴とする気体分離モジュール。
続きを表示(約 610 文字)【請求項2】
請求項1に記載の気体分離モジュールにおいて、
前記ハウジングは、前記第1のフィルタ部材によって前記混合気体から分離された前記特定の気体を前記ハウジングの外部へ導く開口部を有している
ことを特徴とする気体分離モジュール。
【請求項3】
請求項1に記載の気体分離モジュールにおいて、
前記ハウジングは、前記第1のフィルタ部材によって前記混合気体から分離された前記特定の気体を前記ハウジングの外部へ導くための開口を設けることなく前記第1のフィルタ部材を収容するように構成されている
ことを特徴とする気体分離モジュール。
【請求項4】
請求項1に記載の気体分離モジュールにおいて、
前記第1のフィルタ部材及び前記第2のフィルタ部材はそれぞれ、複数の中空糸膜によって構成され、
前記第1のフィルタ部材は、前記第2のフィルタ部材よりも前記中空糸膜の延在方向の長さが長くなるように構成されている
ことを特徴とする気体分離モジュール。
【請求項5】
請求項1に記載の気体分離モジュールにおいて、
前記第2のフィルタ部材は、0.3ナノメートル以下の動的分子径の気体が透過可能である一方、それよりも大きな動的分子径の気体が透過しない材料により構成されている
ことを特徴とする気体分離モジュール。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、2種類以上の気体を含む混合気体から特定の気体を分離する気体分離モジュールに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
気体分離膜を用いた気体分離は、省エネルギかつコンパクトな装置によって実現できる手法として、石油化学、化学、精密機械、食分野、自動車、原子力、環境分野等、様々な分野に利用が広がっており、その重要性が高まっている。気体分離膜を搭載した気体分離モジュールに分離対象の混合ガスを通すことで、気体分離が行われる。
【0003】
気体分離モジュールとしては、複数の中空糸膜を束ねたフィルタをハウジング内に収容したものが一般的に知られている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1に記載の中空糸膜モジュールは、円筒形状のケース内に複数本の第1中空糸膜及び第2中空糸膜を束にして充填したものである。ケースの両端部において、第1中空糸膜及び第2中空糸膜は中空部のみが開放されるようにポッティング部により固定されている。ケースの側面側の両端には、第1開口部及び第2開口部が設けられている。当該中空糸膜モジュールは、一対の第1配管接続部及び一対の第2配管接続部を有するハウジングに組み付けられて利用される。ハウジングにおける一対の第1配管接続部は、第1中空糸膜及び第2中空糸膜の中空部に通じる流路となる部分であり、一対の第2配管接続部は、ケースの第1開口部及び第2開口を介して第1中空糸膜及び第2中空糸膜の外壁面側に通じる流路となる部分である。
【0004】
このような構成の気体分離モジュールでは、一方の第1配管接続部から第1中空糸膜及び第2中空糸膜の中空部を通り他方の第1配管接続部へ流出する第1経路、及び、一方の第2配管接続部からケースの第1開口部を介して第1中空糸膜及び第2中空糸膜の外壁面側を通りケースの第2開口部を介して他方の第2配管接続部へ流出する第2経路が形成されている。第1経路と第2経路のうち、一方に除湿対象流体(例えば、水蒸気などの湿潤ガスや水)を流し、他方に加湿対象流体(例えば、乾燥気体)を流すことで、第1中空糸膜及び第2中空糸膜による膜分離作用によって一方の経路から他方の経路に水分の透過が行われる。
【0005】
気体分離モジュールに用いられるフィルタとしては、多孔質の無機材料からなる無機膜や緻密な高分子材料からなる高分子膜(有機膜)がある。無機膜においては、材料中に存在する微小な細孔よりも小さいサイズの分子のみが透過することで、気体を分離する。一方、高分子膜においては、気体分子の高分子膜に対する溶解や拡散のしやすさの違いによって気体を分離する。フィルタに求められる性能としては、主に、気体の分離性能(以下、選択透過性と称する)と膜の耐久性が挙げられる。高分子膜は、無機膜と比較して製造が容易でありコストが低いことや、分子設計により特定の気体分子に対して高い選択透過性を発現可能であることなどのメリットがある。特に、高分子膜の中でもポリイミドを素材とした膜(ポリイミド膜)は、熱的に安定し機械的特性に優れた気体分離膜として広く利用されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0006】
気体分離モジュールの中には、高温の水蒸気雰囲気下での使用が想定されるものある。例えば、特許文献2には、80~140℃という高温度条件の水蒸気雰囲気中に使用されることが想定される中空糸膜の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2004-209418号公報
特開2006-255502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1に記載の中空糸膜モジュールを特許文献2に記載のような高温水蒸気の雰囲気下で使用した場合、温度や水蒸気の影響によって膜が劣化して耐久性が低下する懸念がある。特に、中空糸膜モジュールとしてポリイミドを素材とする高分子膜を用いる場合には、当該高分子膜が加水分解することで機械的強度が低下して破損に至り、気体分離の機能を維持することができなくなることが懸念される。
【0009】
このような高温条件下での使用の問題に対して、気体分離膜の密度を高めることで膜の耐久性を向上させようとすると、気体の透過性が低下してしまい、結果として、気体分離膜の選択透過性が損なわれるという別の問題が発生する。つまり、気体分離膜を高温度条件下で使用する場合、耐久性向上のために膜の密度を高めると膜の選択透過性が低下する一方、選択透過性の維持のために膜の密度を通常温度条件下での使用と同様にすると膜の耐久性が低下するというトレードオフの関係にある。
【0010】
本発明は、上記の問題点を解消するためになされたものであり、その目的は、高温条件下における耐久性と選択透過性を両立させることが可能な気体分離モジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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