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公開番号
2025006527
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-17
出願番号
2023107368
出願日
2023-06-29
発明の名称
窒素ガス分離方法及び窒素ガス分離装置
出願人
株式会社クラレ
代理人
個人
,
個人
主分類
B01D
53/047 20060101AFI20250109BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】PSA方式の分離装置の準備運転に要する時間を短縮する。
【解決手段】分離装置1は、吸着塔1A,1Bと、製品槽2と、開閉機構10が設けられ製品槽2に溜められた製品ガスを需要側に供給する製品ガスラインL10と、製品ガスラインL10から分岐する分岐ラインL11と、各吸着塔において、吸着工程、均圧工程、脱着工程、均圧工程を繰り返し行うための運転制御を行う制御部20と、を備える。開閉機構10が閉じられた状態で吸着塔1A,1Bにおいて原料ガスから窒素ガスを分離する工程を行って製品槽2内の窒素ガスの濃度を所定濃度に到達させる準備運転において、分岐ラインL11は、定常運転時に吸着塔1A,1Bから流出するガスの流量よりも小さな流量のガスが吸着塔1A,1Bから流出するように製品槽2内のガスを放出させる。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
吸着剤が充填された2基以上の吸着塔と、製品槽と、を有する窒素ガス分離装置を用い、前記窒素ガス分離装置に窒素ガスと酸素ガスを含む原料ガスを加圧下で供給し、各吸着塔が吸着工程、均圧工程、脱着工程、均圧工程を繰り返すことによって得られた窒素ガスを所定濃度の製品ガスとして製品槽に溜める窒素ガス分離方法であって、
前記窒素ガス分離装置の立ち上げ時において、吸着塔において原料ガスから窒素ガスを分離しつつ製品槽からガスを放出して、製品槽内の窒素ガスの濃度を所定濃度に到達させる準備運転を行い、
前記準備運転では、前記製品槽の製品ガスを需要側に供給する定常運転時に吸着塔から流出させるガス流量よりも小さな流量でガスを吸着塔から流出させる、窒素ガス分離方法。
続きを表示(約 920 文字)
【請求項2】
前記準備運転では、定常運転時に吸着塔から流出させるガス流量の10%~90%の流量でガスを吸着塔から流出させる、請求項1に記載の窒素ガス分離方法。
【請求項3】
前記準備運転では、前記製品槽から需要側に製品ガスを供給する製品ガスラインから分岐する分岐ラインを通じて、定常運転時に前記製品ガスラインを通して需要側に供給される製品ガスの流量よりも小さな流量のガスを前記製品槽から放出する、請求項1又は2に記載の窒素ガス分離方法。
【請求項4】
それぞれ吸着剤が充填された2基以上の吸着塔であって、窒素ガスと酸素ガスを含む原料ガスが加圧下で供給され、当該原料ガスから窒素ガスを分離する吸着塔と、
吸着塔から流出した窒素ガスを所定濃度の製品ガスとして溜める製品槽と、
開閉機構が設けられる一方で、前記製品槽に溜められた製品ガスを需要側に供給する製品ガスラインと、
前記製品ガスラインにおける前記開閉機構よりも上流側の部位から分岐する分岐ラインと、
各吸着塔において、吸着工程、均圧工程、脱着工程、均圧工程を繰り返し行うための運転制御を行う制御部と、
を備え、
前記開閉機構によって前記製品ガスラインが閉じられた状態で吸着塔において原料ガスから窒素ガスを分離する工程を行って前記製品槽内の窒素ガスの濃度を所定濃度に到達させる準備運転において、前記分岐ラインは、前記製品槽の製品ガスを需要側に供給する定常運転時に吸着塔から流出するガスの流量よりも小さな流量のガスが吸着塔から流出するように、前記製品槽内のガスを放出させる、窒素ガス分離装置。
【請求項5】
前記分岐ラインは、前記定常運転時に吸着塔から流出させるガス流量の10%~90%の流量でガスを吸着塔から流出させる、請求項4に記載の窒素ガス分離装置。
【請求項6】
前記分岐ラインは、前記準備運転において、前記定常運転時に前記製品ガスラインを通して需要側に供給される製品ガスの流量よりも小さな流量で前記製品槽内のガスを放出する、請求項4又は5に記載の窒素ガス分離装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、窒素ガス分離方法及び窒素ガス分離装置に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、窒素ガスは金属の熱処理、半導体の製造、化学プラントの防爆シール等に用いる工業用ガスから食品保存用の充填ガスに至るまで多岐にわたる分野で使用されている。窒素ガスの製造方法としては、吸着剤を充填した吸着塔に原料ガスである高圧の空気を送入し、前記吸着剤に酸素ガスを吸着させて窒素ガスを製品ガスとして分離するいわゆる圧力変動吸着(Pressure Swing Adsorption:PSA)式の製造方法が用いられている。このようなPSA方式による窒素ガス分離方法を適用した装置としては、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。
【0003】
このようなPSA方式の分離装置では、特許文献1に開示されているように、装置の運転開始時においては吸着塔から流出するガスの窒素濃度が所定の値に達しないため、窒素濃度が所定の値に達するまで製品槽内のガスを大気中に排出するようにしている。そして、所定の純度に達したことが確認されると製品槽内のガスの排出を止めて製品ガスとして需要先に供給するようにしている。しかしこの方法では、要求される窒素ガス純度が高くなると、所定の純度に到達するまでの時間がより長くなるため、分離装置の運転開始時に行う準備運転に要する時間の短縮が求められている。
【0004】
そこで、特許文献1では、運転開始時において、吸着塔と製品槽との間を閉止した状態で吸着・再生を所定サイクル繰り返すことにより、吸着塔内の圧力を高くし、それによって吸着塔から流出する窒素ガス濃度をより早く上昇させている。一方、特許文献2には、定常運転の前に行う浄化運転において、吸着塔から流出させたガスを、製品槽を経由しないバイパス路を通して製品ガス供給路に導入し、このガスの少なくとも一部を環流路を通して吸着塔の出口側に還流させる方法が開示されている。この方法では、製品槽内のガス純度を低下させないようにするとともに、吸着塔からのガス濃度が所定の濃度になると製品槽にガスを導入するように切り替えを行うことにより、製品槽内のガス純度を早く上昇させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特公平6-93967号公報
特許第6231363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1及び2に開示された窒素ガス分離方法では、窒素濃度が所定の値に達するまでの準備運転において、吸着塔からのガスを製品槽に流入させないようにしており、また、製品槽内のガスが大気中に排出されるものでもない。すなわち、これらの方法は、運転開始時における製品槽内のガスの窒素ガス濃度が所定の濃度に維持されていることを前提と行われていると言える。しかし、実際の使用時においては、分離装置の運転開始時において、製品槽内のガスの窒素ガス濃度が所定の濃度に維持されているとは限らないため、特許文献1及び2に開示された方法以外の準備運転を行いつつ、準備運転に要する時間を短縮することも要望されているところである。
【0007】
そこで、本発明は、前記従来技術を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、PSA方式の分離装置の準備運転に要する時間を短縮することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するため、本発明は、吸着剤が充填された2基以上の吸着塔と、製品槽と、を有する窒素ガス分離装置を用い、前記窒素ガス分離装置に窒素ガスと酸素ガスを含む原料ガスを加圧下で供給し、各吸着塔が吸着工程、均圧工程、脱着工程、均圧工程を繰り返すことによって得られた窒素ガスを所定濃度の製品ガスとして製品槽に溜める窒素ガス分離方法であって、前記窒素ガス分離装置の立ち上げ時において、吸着塔において原料ガスから窒素ガスを分離しつつ製品槽からガスを放出して、製品槽内の窒素ガスの濃度を所定濃度に到達させる準備運転を行い、前記準備運転では、前記製品槽の製品ガスを需要側に供給する定常運転時に吸着塔から流出させるガス流量よりも小さな流量でガスを吸着塔から流出させる、窒素ガス分離方法である。
【0009】
本発明に係る窒素ガス分離方法では、定常運転を行う前に準備運転を行う。この準備運転では、吸着塔において原料ガスから窒素ガスを分離しつつ製品槽内のガスを排出する運転を行うが、この準備運転において、吸着塔から流出させるガスの流量を、定常運転時に吸着塔から流出させるガス流量よりも小さくする。このため、準備運転中においては、原料ガスが吸着塔を通過する速度が遅くなる(吸着塔を通過する時間が長くなる)ため、吸着塔から流出するガスの窒素ガス濃度をより高くすることができる。したがって、窒素純度のより高いガスが製品槽に供給されることになるため、吸着塔から流出させるガスの流量を低減させたとしても、製品槽内の窒素ガス濃度が所定濃度に到達するまでの準備運転に要する時間(立ち上がり時間)を結果的に短縮できる。しかも、準備運転においては、製品槽のガスが製品槽から放出されるため、仮に窒素ガス濃度の低いガスが製品槽内に残っていたとしても、そのような低純度のガスが製品槽内に残ることが抑制される。
【0010】
前記準備運転では、定常運転時に吸着塔から流出させるガス流量の10%~90%の流量でガスを吸着塔から流出させてもよい。
(【0011】以降は省略されています)
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