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公開番号2025008568
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-20
出願番号2023110830
出願日2023-07-05
発明の名称酸性ガス分離回収システムおよび酸性ガス分離回収方法
出願人川崎重工業株式会社
代理人個人,個人
主分類B01D 53/56 20060101AFI20250109BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】本開示は、ニトロソアミンの地上への拡散量を抑制でき、環境面において好適である二酸化炭素を分離回収可能な酸性ガス分離回収システムおよび方法を提供する。
【解決手段】酸性ガス分離回収システムは、排ガス中のNOxを除去するNOx除去設備と、前記NOx除去設備のガス流れの後流側に設置されており、かつ、多孔質基材にアミンを担持させた固体吸収材を用いて前記NOx除去設備から供給される処理対象ガス中に含有される二酸化炭素を吸着および脱着する二酸化炭素分離回収設備と、を備え、前記NOx除去設備から前記二酸化炭素分離回収設備へ供給される前記処理対象ガス中のNOx濃度は、63.7ppm以下である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
排ガス中のNOxを除去するNOx除去設備と、
前記NOx除去設備のガス流れの後流側に設置されており、かつ、多孔質基材にアミンを担持させた固体吸収材を用いて前記NOx除去設備から供給される処理対象ガス中に含有される二酸化炭素を吸着および脱着する二酸化炭素分離回収設備と、を備え、
前記NOx除去設備から前記二酸化炭素分離回収設備へ供給される前記処理対象ガス中のNOx濃度は、63.7ppm以下である、酸性ガス分離回収システム。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記NOx除去設備は、多孔質基材にアミンを担持させた固体吸収材を用いて前記排ガス中のNOxを除去する、請求項1に記載の酸性ガス分離回収システム。
【請求項3】
前記NOx除去設備で用いられる前記固体吸収材は、前記二酸化炭素分離回収設備において二酸化炭素を吸着および脱着するために用いられた固体吸収材を含む、請求項2に記載の酸性ガス分離回収システム。
【請求項4】
排ガス中のNOxを除去することと、
多孔質基材にアミンを担持させた固体吸収材を用いて、NOx除去後の処理対象ガス中に含有される二酸化炭素を吸着および脱着し、二酸化炭素を分離回収することと、を含み、
前記NOx除去後の処理対象ガス中のNOx濃度が、63.7ppm以下である、酸性ガス分離回収方法。
【請求項5】
NOxの除去では、多孔質基材にアミンを担持させた固体吸収材を用いて前記排ガス中のNOxを除去する、請求項4に記載の酸性ガス分離回収方法。
【請求項6】
NOxの除去で用いられる前記固体吸収材は、前記二酸化炭素を分離回収する際において、二酸化炭素を吸着および脱着するために用いられた固体吸収材を含む、請求項5に記載の酸性ガス分離回収方法。
【請求項7】
排ガス中のNOxを除去するNOx除去設備と、
前記NOx除去設備のガス流れの後流側に設置されており、かつ、多孔質基材にアミンを担持させた固体吸収材を用いて前記NOx除去設備から供給される処理対象ガス中に含有される二酸化炭素を吸着および脱着する二酸化炭素分離回収設備と、を備え、
前記NOx除去設備から前記二酸化炭素分離回収設備へ供給される前記処理対象ガス中のNOx濃度は、前記二酸化炭素分離回収設備から排出される排出ガスの拡散後のニトロソアミンの最大着地濃度が予め設定された規制値以下となる値を維持できる濃度以下に設定されている、酸性ガス分離回収システム。
【請求項8】
前記処理対象ガス中のNOx濃度は、前記排出ガスの拡散後のニトロソアミンの最大着地濃度が前記二酸化炭素分離回収設備の運転時間が8000時間となるまで1μg/m

以下を維持できる濃度以下に設定されている、請求項7に記載の酸性ガス分離回収システム。
【請求項9】
排ガス中のNOxを除去することと、
多孔質基材にアミンを担持させた固体吸収材を用いて、NOx除去後の処理対象ガス中に含有される二酸化炭素を吸着および脱着し、二酸化炭素を分離回収することと、を含み、
前記NOx除去後の処理対象ガス中のNOx濃度は、前記二酸化炭素の分離回収後に排出される排出ガスの拡散後のニトロソアミンの最大着地濃度が予め設定された規制値以下となる値を維持できる濃度以下に設定されている、酸性ガス分離回収方法。
【請求項10】
前記処理対象ガス中のNOx濃度は、前記排出ガスの拡散後のニトロソアミンの最大着地濃度が、二酸化炭素を分離回収する合計時間が8000時間となるまで1μg/m

以下を維持できる濃度以下に設定されている、請求項9に記載の酸性ガス分離回収方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、多孔質基材にアミンを担持させた固体吸収材を用いる酸性ガス分離回収システムおよび酸性ガス分離回収方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
火力発電所、製鉄所の高炉、ボイラー等の燃焼設備からの排ガスからの酸性ガス、特に二酸化炭素の分離回収は、地球温暖化対策として重要な技術である。そのため、現在、排ガス中に含有される二酸化炭素を吸収するアミン吸収液法が実用化されている。近年、さらなる次世代の技術として、多孔質基材にアミンを担持させた固体吸収材(アミン溶液が多孔質基材の細孔表面に塗布された固体吸収材、以下単に「固体吸収材」とも称する)を用いた二酸化炭素分離回収プロセスが注目されている。固体吸収材を用いた二酸化炭素分離回収プロセスによると、低温の排熱(各種製造業、発電所等から不可避的に生じる100℃以下の一般的には有効に利用できない低温の熱エネルギー等)を用いて二酸化炭素を脱着させることができる。そのため、低コストかつ省エネルギーで二酸化炭素を効率よく分離回収することができる。
【0003】
一方、一般的に、燃焼設備からの排ガスは、排出基準を満たすように、NOx(窒素酸化物)、SOx(硫黄酸化物)、HCl等の酸性ガス濃度を基準値以下まで除去した後、大気放出され得る。例えば、環境省によると、廃棄物焼却炉(排ガス量が4万Nm

/h以上の焼却炉)から排出されるNOxの排出基準値は、250ppmに設定されている。また、石炭燃焼ボイラー(20万m

N以上のボイラー)のNOxの排出基準値は、200ppm~250ppmに設定されている。このように、NOxの排出濃度は、概ね100ppmを超える値が許容されている。
【0004】
NOxは、アミンと反応することによって発がん性の高い物質であるニトロソアミンを生成することが知られている(非特許文献1参照)。日本ではニトロソアミンの曝露濃度に関する規制は策定されていないが、例えば、ドイツではニトロソアミンの作業環境における曝露濃度の規制は既に設けられている。ドイツでのニトロソアミンの作業環境における曝露濃度の上限は、1μg/m

とされている。そのため、将来的に日本においても環境面への配慮から曝露濃度が規制されることが当然想定される。
【0005】
ここで、アミン吸収液法によって排ガス中の二酸化炭素を吸収する場合、溶媒である多量の水へ排ガス中のNOxが吸収され、強酸(硝酸および亜硝酸)が生じ、当該強酸が二酸化炭素(弱酸)よりも優先的にアミンと反応する。その結果、吸収液中のアミンが酸化し、生成したニトロソアミンが吸収液中に溶け込んでしまう。その後、生成したニトロソアミンは、設備の運転中に発生するミストに帯同したり、または吸収液から揮発することによって、容易に系外に排出され、最終的に周囲の環境を汚染するおそれがある。
【0006】
特許文献1には、二酸化炭素吸収液(アミン吸収液)の劣化の抑制のために、二酸化炭素回収装置の前処理装置として脱硝装置等をさらに設置した排ガス処理装置が開示されている。このような排ガス処理装置によると、アミン吸収液の劣化の抑制だけでなく、ニトロソアミンの系外への排出も抑制できることが想定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2013-121562号公報
【非特許文献】
【0008】
青山充教、“N-ニトロソアミン(TRGS 552による規制とその対応)”、日本ゴム協会誌、第83巻、第8号、2010年、p.25~28
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
固体吸収材を用いた二酸化炭素分離回収プロセスでは、固体吸収材自体が有する含水量が少ない。そのため、前述したようなアミン吸収液法と同様のメカニズムによって、強酸(硝酸および亜硝酸)が生じるか否か、さらには強酸との反応によりニトロソアミンが発生するか否かを予測することは困難である。また、現在までに、固体吸収材を用いた二酸化炭素分離回収プロセスにおいて、排出されたガス中にニトロソアミンが検出されたとの報告もない。
【0010】
後の実施例で詳細に述べるが、本発明者らが固体吸収材を用いた二酸化炭素分離回収設備から排出される排出ガスを調べたところ、2種類のニトロソアミンが不明確なメカニズムによって生成されていることが分かった。
(【0011】以降は省略されています)

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