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公開番号2025007978
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-20
出願番号2023109760
出願日2023-07-04
発明の名称弁装置
出願人川崎重工業株式会社
代理人弁理士法人有古特許事務所
主分類F15B 11/00 20060101AFI20250109BHJP(流体圧アクチュエータ;水力学または空気力学一般)
要約【課題】建設機械の複数の油圧アクチュエータに給排される作動油の流れを制御する弁装置において、作動油の流れの安定化を向上させる。
【解決手段】一実施形態に係る弁装置は、ブームシリンダを含む複数の油圧アクチュエータに給排される作動油の流れを制御する建設機械用の弁装置であって、互いに軸方向に離間する第1スプールおよび第2スプールと、第1スプールおよび第2スプールが挿入されるブームシリンダ用スプール穴を含む複数のスプール穴と、第1ポンプ通路、第2ポンプ通路、第1タンク通路、第2タンク通路、ロッド側通路、ヘッド側通路を有するハウジングとを備え、第1スプールの1つの小径部の周りの環状空間は、第1スプールが少なくとも第1中立位置にある場合に第1タンク通路と連通し、第2スプールの1つの小径部の周りの環状空間は、第2スプールが少なくとも第2中立位置にある場合に第2タンク通路と連通する。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
ブームシリンダを含む複数の油圧アクチュエータに給排される作動油の流れを制御する建設機械用の弁装置であって、
互いに軸方向に離間する第1スプールおよび第2スプールと、
前記第1スプールおよび第2スプールが挿入されるブームシリンダ用スプール穴を含む複数のスプール穴と、前記ブームシリンダ用スプール穴に接続される第1ポンプ通路、第2ポンプ通路、第1タンク通路および第2タンク通路と、前記ブームシリンダ用スプール穴に接続され、且つ、前記ブームシリンダのロッド側室に接続されるロッド側通路と、前記ブームシリンダ用スプール穴に接続され、且つ、前記ブームシリンダのヘッド側室に接続されるヘッド側通路と、前記ブームシリンダ用スプール穴の両側に位置する第1パイロット室および第2パイロット室と、を有するハウジングと、を備え、
前記ブームシリンダ用スプール穴における前記第1スプールと前記第2スプールの間の部分が第3パイロット室を構成し、
前記第1タンク通路および前記第2タンク通路のそれぞれは、前記複数のスプール穴と交差しており、
前記第1スプールは、前記第1パイロット室と前記第3パイロット室との圧力差に応じて、前記ロッド側通路を前記第1ポンプ通路および前記第1タンク通路の双方から遮断する第1中立位置と、前記ロッド側通路を前記第1ポンプ通路と前記第1タンク通路とのいずれかと連通させる第1ブーム駆動位置との間で移動し、
前記第2スプールは、前記第2パイロット室と前記第3パイロット室との圧力差に応じて、前記ヘッド側通路を前記第2ポンプ通路および前記第2タンク通路の双方から遮断する第2中立位置と、前記ヘッド側通路を前記第2ポンプ通路と前記第2タンク通路とのいずれかと連通させる第2ブーム駆動位置との間で移動し、
前記第1スプールおよび前記第2スプールの各スプールは、前記軸方向に間隔をあけて並ぶ3つ以上のランド部と、隣接する前記ランド部を連結する2つ以上の小径部と、を含み、
前記第1スプールの前記2つ以上の小径部のうちの1つの前記小径部の周りの環状空間は、前記第1スプールが少なくとも前記第1中立位置にある場合に前記第1タンク通路と連通し、
前記第2スプールの前記2つ以上の小径部のうちの1つの前記小径部の周りの環状空間は、前記第2スプールが少なくとも前記第2中立位置にある場合に前記第2タンク通路と連通する、弁装置。
続きを表示(約 2,200 文字)【請求項2】
前記第1スプールの前記3つ以上のランド部は、
前記ロッド側通路と前記第1ポンプ通路との間を開閉する第1内側ランド部と、
前記ロッド側通路と前記第1タンク通路との間を開閉する第1中間ランド部と、
前記第1タンク通路を第1パイロット室から遮断する第1外側ランド部と、を含み、
前記第1スプールの前記2つ以上の小径部は、
前記第1内側ランド部と前記第1中間ランド部とを連結する第1内側小径部と、
前記第1外側ランド部と前記第1中間ランド部とを連結する第1外側小径部と、を含み、
前記第2スプールの前記3つ以上のランド部は、
前記第2ポンプ通路を第3パイロット室から遮断する第2内側ランド部と、
前記ヘッド側通路と前記第2ポンプ通路との間を開閉し、且つ、前記ヘッド側通路と前記第2タンク通路との間を開閉する第2中間ランド部と、
前記第2タンク通路を第2パイロット室から遮断する第2外側ランド部と、を含み、
前記第2スプールの前記2つ以上の小径部は、
前記第2内側ランド部と前記第2中間ランド部とを連結する第2内側小径部と、
前記第2外側ランド部と前記第2中間ランド部とを連結する第2外側小径部と、を含む、請求項1に記載の弁装置。
【請求項3】
前記第1スプールが少なくとも前記第1中立位置にある場合に、前記第1内側ランド部は、前記ロッド側通路と前記第1ポンプ通路との間を遮断し、且つ、前記第1中間ランド部は、前記ロッド側通路と前記第1タンク通路との間を遮断し、
前記第2スプールが少なくとも前記第2中立位置にある場合に、前記第2中間ランド部は、前記ヘッド側通路と前記第2ポンプ通路との間を遮断し、且つ、前記ヘッド側通路と前記第2タンク通路との間を遮断する、請求項2に記載の弁装置。
【請求項4】
前記第1内側ランド部は、前記第1内側ランド部の外周面における前記第1内側小径部側の端部において周方向に間隔をあけて並ぶ、前記ロッド側通路と前記第1ポンプ通路とを連通させるための複数の第1ノッチを有し、
前記第1中間ランド部は、前記第1中間ランド部の外周面における前記第1内側小径部側の端部において周方向に間隔をあけて並ぶ、前記ロッド側通路と前記第1タンク通路とを連通させるための複数の第2ノッチを有し、
前記第2中間ランド部は、前記第2中間ランド部の外周面における前記第2内側小径部側の端部において周方向に間隔をあけて並ぶ、前記ヘッド側通路と前記第2ポンプ通路とを連通させるための複数の第3ノッチを有する、請求項2または3に記載の弁装置。
【請求項5】
前記第2中間ランド部は、前記第2中間ランド部の外周面における前記第2外側小径部側の端部において周方向に間隔をあけて並ぶ、前記ヘッド側通路と前記第2タンク通路とを連通させるための複数の第4ノッチを有し、
前記複数の第4ノッチの数は、前記複数の第3ノッチの数より多い、請求項4に記載の弁装置。
【請求項6】
前記複数の第1ノッチの少なくとも1つのノッチは、前記第1内側小径部が接続される前記第1内側ランド部の端面から離れるほど深さを小さくするテーパを有する、請求項4に記載の弁装置。
【請求項7】
前記第2外側ランド部は、前記第2スプールが前記第2中立位置にある場合に前記第2パイロット室から前記第2タンク通路を遮断し、前記第2スプールが前記第2パイロット室から離れる方向に前記第2中立位置から所定距離以上移動した場合に前記第2パイロット室と前記第2タンク通路とを連通させるエア抜き通路を有する、請求項2または3に記載の弁装置。
【請求項8】
前記第1スプールは、前記第1内側ランド部の外周面上における、前記ブームシリンダ用スプール穴と前記第1ポンプ通路との接続箇所より前記第3パイロット室側に位置する部分から、前記第1外側小径部に至る第1リーク用通路を有し、
前記第2スプールは、前記第2内側ランド部の外周面上における、前記ブームシリンダ用スプール穴と前記第2ポンプ通路との接続箇所より前記第3パイロット室側に位置する部分から、前記第2外側小径部に至る第2リーク用通路を有する、請求項2または3に記載の弁装置。
【請求項9】
前記第1内側ランド部の外周面には、第1リーク用溝があり、
前記第1リーク用通路は、前記第1リーク用溝に配置された第1入口ポートと、前記第1外側小径部に配置された第1出口ポートと、を含み、
前記第2内側ランド部の外周面には、第2リーク用溝があり、
前記第2リーク用通路は、前記第2リーク用溝に配置された第2入口ポートと、前記第2外側小径部に配置された第2出口ポートと、を含む、請求項8に記載の弁装置。
【請求項10】
前記第1スプールおよび前記第2スプールの少なくとも1つのスプールは、前記少なくとも1つのスプールが有する前記小径部の外周面に、前記少なくとも1つのスプールを識別するための識別マークを有する、請求項2または3に記載の弁装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、建設機械が備える複数の油圧アクチュエータに給排される作動油の流れを制御する弁装置に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ポンプ通路、第1給排通路、第2給排通路およびタンク通路を有するとともに、内部に第1パイロット室、第2パイロット室および第3パイロット室が形成されたハウジングと、互いに独立した第1スプールおよび第2スプールを含む弁装置が開示されている。なお、弁装置は、特許文献1では「方向・流量制御弁」と呼ばれている。この弁装置では、第1スプールと第2スプールとが互いに独立しているため、第1パイロット室と第3パイロット室との圧力差に応じて第1スプールを移動させることができるとともに、第2パイロット室と第3パイロット室との圧力差に応じて第2スプールを移動させることができる。これにより、液圧アクチュエータがどちらの方向に作動するときでも、メータイン側またはメータアウト側で独立メータリング制御を可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開2022/080311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
油圧ショベルや油圧クレーンなどの建設機械は、複数の油圧アクチュエータを備える。特許文献1の弁装置を、建設機械の複数の油圧アクチュエータを個別に動かすべく弁装置に適用する場合、作動油の流れを安定化させる観点から改善の余地がある。
【0005】
そこで、本開示は、建設機械の複数の油圧アクチュエータに給排される作動油の流れを制御する弁装置において、作動油の流れの安定化を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る弁装置は、ブームシリンダを含む複数の油圧アクチュエータに給排される作動油の流れを制御する建設機械用の弁装置であって、互いに軸方向に離間する第1スプールおよび第2スプールと、前記第1スプールおよび第2スプールが挿入されるブームシリンダ用スプール穴を含む複数のスプール穴と、前記ブームシリンダ用スプール穴に接続される第1ポンプ通路、第2ポンプ通路、第1タンク通路および第2タンク通路と、前記ブームシリンダ用スプール穴に接続され、且つ、前記ブームシリンダのロッド側室に接続されるロッド側通路と、前記ブームシリンダ用スプール穴に接続され、且つ、前記ブームシリンダのヘッド側室に接続されるヘッド側通路と、前記ブームシリンダ用スプール穴の両側に位置する第1パイロット室および第2パイロット室と、を有するハウジングと、を備え、前記ブームシリンダ用スプール穴における前記第1スプールと前記第2スプールの間の部分が第3パイロット室を構成し、前記第1タンク通路および前記第2タンク通路のそれぞれは、前記複数のスプール穴と交差しており、前記第1スプールは、前記第1パイロット室と前記第3パイロット室との圧力差に応じて、前記ロッド側通路を前記第1ポンプ通路および前記第1タンク通路の双方から遮断する第1中立位置と、前記ロッド側通路を前記第1ポンプ通路と前記第1タンク通路とのいずれかと連通させる第1ブーム駆動位置との間で移動し、前記第2スプールは、前記第2パイロット室と前記第3パイロット室との圧力差に応じて、前記ヘッド側通路を前記第2ポンプ通路および前記第2タンク通路の双方から遮断する第2中立位置と、前記ヘッド側通路を前記第2ポンプ通路と前記第2タンク通路とのいずれかと連通させる第2ブーム駆動位置との間で移動し、前記第1スプールおよび前記第2スプールの各スプールは、前記軸方向に間隔をあけて並ぶ3つ以上のランド部と、隣接する前記ランド部を連結する2つ以上の小径部と、を含み、前記第1スプールの前記2つ以上の小径部のうちの1つの前記小径部の周りの環状空間は、前記第1スプールが少なくとも前記第1中立位置にある場合に前記第1タンク通路と連通し、前記第2スプールの前記2つ以上の小径部のうちの1つの前記小径部の周りの環状空間は、前記第2スプールが少なくとも前記第2中立位置にある場合に前記第2タンク通路と連通する。
【0007】
本開示の別の態様に係る弁装置は、ブームシリンダを含む複数の油圧アクチュエータに給排される作動油の流れを制御する建設機械用の弁装置であって、互いに軸方向に離間する第1スプールおよび第2スプールと、前記第1スプールおよび第2スプールが挿入されるブームシリンダ用スプール穴を含む複数のスプール穴と、前記ブームシリンダ用スプール穴に接続される第1ポンプ通路、第2ポンプ通路、第1タンク通路および第2タンク通路と、前記ブームシリンダ用スプール穴に接続され、且つ、前記ブームシリンダのロッド側室に接続されるロッド側通路と、前記ブームシリンダ用スプール穴に接続され、且つ、前記ブームシリンダのヘッド側室に接続されるヘッド側通路と、前記ブームシリンダ用スプール穴の両側に位置する第1パイロット室および第2パイロット室と、を有するハウジングと、を備え、前記ブームシリンダ用スプール穴における前記第1スプールと前記第2スプールの間の部分が第3パイロット室を構成し、前記第1スプールは、前記ロッド側通路と前記第1ポンプ通路との間を開閉する第1ポンプ側ランド部と、前記ロッド側通路と前記第1タンク通路との間を開閉する第1タンク側ランド部と、前記第1ポンプ側ランド部と前記第1タンク側ランド部とを連結する第1小径部と、を含み、前記第2スプールは、前記第2ポンプ通路を第3パイロット室から遮断する第2内側ランド部と、前記ヘッド側通路と前記第2ポンプ通路との間を開閉し、且つ、前記ヘッド側通路と前記第2タンク通路との間を開閉する第2中間ランド部と、前記第2タンク通路を第2パイロット室から遮断する第2外側ランド部と、前記第2内側ランド部と前記第2中間ランド部とを連結する第2内側小径部と、前記第2外側ランド部と前記第2中間ランド部とを連結する第2外側小径部と、を含み、前記第1ポンプ側ランド部は、前記第1ポンプ側ランド部の外周面における前記第1小径部側の端部において周方向に間隔をあけて並ぶ、前記ロッド側通路と前記第1ポンプ通路とを連通させるための複数の第1ノッチを有し、前記複数の第1ノッチの少なくとも1つのノッチは、前記第1小径部が接続される前記第1ポンプ側ランド部の端面から離れるほど深さを小さくするテーパを有する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、建設機械の複数の油圧アクチュエータに給排される作動油の流れを制御する弁装置において、作動油の流れの安定化を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
一実施形態に係る弁装置が搭載される油圧ショベルの側面図である。
弁装置を含む油圧回路の一部を示す図である。
弁装置の上面図である。
図3のIV-IV線に沿った断面図である。
弁装置における離間型スプールがブーム下げ位置にある状態を説明する図である。
弁装置における離間型スプールがブーム上げ位置にある状態を説明する図である。
軸方向に平行な面で切断した離間型スプールの側面断面図である。
ブーム下げ時のスプールのストローク量とメータイン流路の開口面積との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して実施形態に係る弁装置について説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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