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公開番号2024177710
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-24
出願番号2023095994
出願日2023-06-12
発明の名称剛性可変索状体
出願人国立大学法人東北大学
代理人個人
主分類F15B 15/10 20060101AFI20241217BHJP(流体圧アクチュエータ;水力学または空気力学一般)
要約【課題】高剛性状態のときの剛性をより高めることができ、長尺化および細径化が可能で、内部空間を確保することができる剛性可変索状体を提供する。
【解決手段】索状体本体11が、細長い管状で可撓性を有し、内部に中空の圧力室26を有している。2つ以上の軸方向紐体12が、それぞれ索状体本体11の外側面に沿って、索状体本体11の伸張方向に伸びるよう配置されている。周方向紐体13が、索状体本体11の外側面に沿って、索状体本体11の周方向に巻くよう配置され、各軸方向紐体12と交差する位置で、各軸方向紐体12に1周または複数周巻き付けられている。圧力室26の圧力を上げたとき、索状体本体11がその伸長方向に対して垂直方向に膨張して周方向紐体13に押し付けられ、それにより周方向紐体13が各軸方向紐体12を締め付けて固定するよう構成されている。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
細長い管状で可撓性を有し、内部に伸張方向に沿って設けられた中空の圧力室を有し、前記圧力室の圧力を上げたとき、伸長方向に対して垂直方向に膨張可能に設けられた索状体本体と、
2つ以上から成り、それぞれ前記索状体本体の外側面に沿って、前記索状体本体の伸張方向に伸びるよう配置された軸方向紐体と、
前記索状体本体の一方の端部から他方の端部にかけて、前記索状体本体の外側面に沿って、前記索状体本体の周方向に巻くよう配置され、各軸方向紐体と交差する位置で、各軸方向紐体に1周または複数周巻き付けられた周方向紐体とを有し、
各軸方向紐体は、それぞれ一端が前記索状体本体の一方の端部または他方の端部に固定され、前記索状体本体が撓んだとき、その前記索状体本体の形状に沿うよう、他端が前記索状体本体の伸張方向に沿って相対的にスライド可能に設けられ、
前記圧力室の圧力を上げたとき、前記索状体本体がその伸長方向に対して垂直方向に膨張して前記周方向紐体に押し付けられ、それにより前記周方向紐体が各軸方向紐体と交差する位置で、各軸方向紐体を締め付けて固定するよう構成されていることを
特徴とする剛性可変索状体。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記軸方向紐体は、3つ以上から成り、隣り合う軸方向紐体との間隔が、前記索状体本体の中心軸周りに180度より小さい間隔で配置されていることを特徴とする請求項1記載の剛性可変索状体。
【請求項3】
各軸方向紐体は、2つを1組として2組以上から成り、各組は、2つの軸方向紐体が並んで配置され、一方の軸方向紐体の一端が前記索状体本体の一方の端部に固定され、他方の軸方向紐体の一端が前記索状体本体の他方の端部に固定され、
前記周方向紐体は、各軸方向紐体の各組と交差する位置で、各組の2つの軸方向紐体を束ねるよう、その2つの軸方向紐体に1周または複数周巻き付けられていることを
特徴とする請求項1記載の剛性可変索状体。
【請求項4】
各軸方向紐体は、3組以上から成り、その各組は、隣り合う組との間隔が、前記索状体本体の中心軸周りに180度より小さい間隔で配置されていることを特徴とする請求項3記載の剛性可変索状体。
【請求項5】
前記索状体本体の一方の端部に設けられた複数の滑車を有し、
各軸方向紐体は、4組以上の偶数の組から成り、各組が前記索状体本体の中心軸周りに等角度間隔で配置され、
各滑車は、前記索状体本体の中心軸を挟んで反対側に配置された2つの各軸方向紐体の組の組合せに対応して設けられ、
各組合せの2つの組にそれぞれ含まれる2つの軸方向紐体のうち、前記索状体本体の他方の端部に固定された軸方向紐体が、一方の端部で互いに接続されて1本の紐から成っており、その紐が対応する滑車に巻き掛けられてスライド可能に構成されていることを
特徴とする請求項3または4記載の剛性可変索状体。
【請求項6】
前記周方向紐体は、前記索状体本体の一方の端部から他方の端部にかけて、前記索状体本体の外側面に螺旋状に複数回巻き付けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の剛性可変索状体。
【請求項7】
前記周方向紐体は3つ以上から成り、前記索状体本体の一方の端部から他方の端部にかけて間隔をあけて配置され、それぞれ前記索状体本体の外側面に円環状に1周巻き付けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の剛性可変索状体。
【請求項8】
前記周方向紐体は、各軸方向紐体と交差する位置で、前記索状体本体に巻き付いた外周部分よりも各軸方向紐体が内側になるよう、各軸方向紐体に巻き付けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の剛性可変索状体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、剛性可変索状体に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
索状体は、狭隘環境や障害物の多い環境など、アクセスが困難な生体や自然環境、人工環境での作業に適した構造を有しているため、例えば、管腔の処置治療を行う内視鏡や、配管の点検を行う工業用のビデオスコープなど、様々な工業的用途で使用されている。
【0003】
索状体は、可動範囲を拡大したり、環境への追従性を高めたり、接触時の損傷を防止したりするために、柔軟性を高めることが有効である。一方で、柔軟性を高めることにより、外力に抗する力が低下するため、先端への力の伝達性や位置精度が低下したり、自重によるたわみ量が増加したりするという問題もある。そこで、索状体の剛性を可変にすることにより、状況に応じて、柔軟な低剛性の状態および高剛性の状態の性質を生かすことができるため、これまで適用できなかった用途にも利用可能になることが期待される。
【0004】
従来、外力を与えたときに変形しやすい柔軟な状態と、接触時に外部に力を伝えることが可能な高剛性の状態とを切り替える機構を利用した索状体として、例えば、数珠を通るワイヤに張力を加えることにより接触力を高め、摩擦により剛性を高めるもの(例えば、特許文献1、非特許文献1または2参照)や、粉体の入った袋内を吸引して負圧を与えることにより、粉体同士の接触圧を高めてジャミング転移現象を起こし、その摩擦力により剛性を高めるもの(例えば、非特許文献3または4参照)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2019-202376号公報
【非特許文献】
【0006】
Amir Degani and Howie Choset, “Highly Articulated Robotic Probe for Minimally Invasive Surgery”, IEEE International Conference on Robotics and Automation Orlando, May 2006, p.4167-4172
藤本敏彰、清水杜織、藤田政宏、高根英里、林聡輔、渡辺将広、多田隈建二郎、昆陽雅司、田所諭、「1次元柔剛切替メカニズムを活用したトーラスグリッパ機構-線状ジャミング転移機構を基軸とした構造例」、第36回日本ロボット学会学術講演会、2018年、RSJ2018A C3K1-01
Yong-Jae Kim and Shanbao Cheng, “A Novel Layer Jamming Mechanism With Tunable Stiffness Capability for Minimally Invasive Surgery”, IEEE TRANSACTIONS ON ROBOTICS, August 2013, Vol. 29, No. 4, p.1031-1042
藤田政宏、藤本敏彰、清水杜織、高根英里、小松洋音、多田隈建二郎、昆陽雅司、田所諭、「房状ジャミング膜グリッパ機構」、ロボティクス・メカトロニクス講演会2018、June 2018、2P1-J06
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1、非特許文献1および2に記載のような、数珠にワイヤを通した索状体は、数珠を硬い材料で構成することにより、高強度化・高耐久化が可能であるが、長尺化すると、数珠とワイヤとの接触面積が増えるため、摩擦による力の損失が大きくなり、高剛性状態にするのが困難になるという課題があった。また、数珠を使用するため、内部空間を確保するのが困難であるという課題もあった。
【0008】
非特許文献3または4に記載のような、粉体を利用した索状体は、大変形が可能であり、対象物の形状にも良くなじむが、負圧を利用するものであり、圧力を0.1MPa程度まで低下させるのが限界であるため、高剛性化に限界があるという課題があった。また、高剛性状態での保持力を高めるためには、袋体を太くする必要があるため、細径化が困難であるという課題があった。
【0009】
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、高剛性状態のときの剛性をより高めることができ、長尺化および細径化が可能で、内部空間を確保することができる剛性可変索状体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明に係る剛性可変索状体は、細長い管状で可撓性を有し、内部に伸張方向に沿って設けられた中空の圧力室を有し、前記圧力室の圧力を上げたとき、伸長方向に対して垂直方向に膨張可能に設けられた索状体本体と、2つ以上から成り、それぞれ前記索状体本体の外側面に沿って、前記索状体本体の伸張方向に伸びるよう配置された軸方向紐体と、前記索状体本体の一方の端部から他方の端部にかけて、前記索状体本体の外側面に沿って、前記索状体本体の周方向に巻くよう配置され、各軸方向紐体と交差する位置で、各軸方向紐体に1周または複数周巻き付けられた周方向紐体とを有し、各軸方向紐体は、それぞれ一端が前記索状体本体の一方の端部または他方の端部に固定され、前記索状体本体が撓んだとき、その前記索状体本体の形状に沿うよう、他端が前記索状体本体の伸張方向に沿って相対的にスライド可能に設けられ、前記圧力室の圧力を上げたとき、前記索状体本体がその伸長方向に対して垂直方向に膨張して前記周方向紐体に押し付けられ、それにより前記周方向紐体が各軸方向紐体と交差する位置で、各軸方向紐体を締め付けて固定するよう構成されていることを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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