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公開番号2025011500
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-24
出願番号2023113652
出願日2023-07-11
発明の名称選択支援装置、選択支援方法及びプログラム
出願人住友金属鉱山株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類B01D 15/00 20060101AFI20250117BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】固相抽出法における固定相の効率的な選択を支援する。
【解決手段】選択支援装置10は、固相抽出法における固定相の選択を支援する。構造エネルギー計算部113は、吸着対象分子と固定相分子との複合体の構造エネルギーを量子化学計算を用いて計算する。推定部118は、構造エネルギー計算部113により計算された複合体の構造エネルギーにおける、分子間相互作用の種類に応じた複数の成分の大きさを推定し、推定した前記複数の成分の大きさに基づいて吸着対象分子の吸着メカニズムを推定する。出力部119は、推定部118により推定された吸着メカニズムを示す出力情報を出力する。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
固相抽出法における固定相の選択を支援する選択支援装置であって、
吸着対象分子と固定相分子との複合体の構造エネルギーを量子化学計算を用いて計算する構造エネルギー計算部と、
前記構造エネルギー計算部により計算された前記複合体の構造エネルギーにおける、分子間相互作用の種類に応じた複数の成分の大きさを推定し、推定した前記複数の成分の大きさに基づいて前記吸着対象分子の吸着メカニズムを推定する推定部と、
前記推定部により推定された前記吸着メカニズムを示す出力情報を出力する出力部と、を備える、
選択支援装置。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記推定部は、
前記構造エネルギー計算部により計算された前記複合体の構造エネルギーにおける、静電相互作用に基づく第1成分の大きさと、ファンデルワールス相互作用に基づく第2成分の大きさと、を推定し、
前記第1成分の方が前記第2成分よりも大きい場合、前記吸着メカニズムとして極性相互作用の方が疎水性相互作用よりも大きいと推定し、前記第2成分の方が前記第1成分よりも大きい場合、前記吸着メカニズムとして前記疎水性相互作用の方が前記極性相互作用よりも大きいと推定する、
請求項1に記載の選択支援装置。
【請求項3】
前記構造エネルギー計算部は、前記吸着対象分子と、複数の固定相分子のうちの1つの固定相分子と、の複合体の構造エネルギーを前記量子化学計算を用いて計算する構造エネルギー計算処理を、前記複数の固定相分子のそれぞれに対して実行し、
前記構造エネルギー計算部により計算された前記複合体の構造エネルギーに基づいて前記吸着対象分子と前記1つの固定相分子との結合エネルギーを計算する結合エネルギー計算処理を、前記複数の固定相分子のそれぞれに対して実行する結合エネルギー計算部、を更に備え、
前記推定部は、前記複数の固定相分子のうちの、前記結合エネルギー計算部により計算された前記結合エネルギーに基づいて選別された少なくとも1つの固定相分子に対応する少なくとも1つの複合体の構造エネルギーに基づいて、前記吸着メカニズムを推定する、
請求項1又は2に記載の選択支援装置。
【請求項4】
前記構造エネルギー計算部は、前記吸着対象分子の立体構造モデルと前記固定相分子の立体構造モデルとを組み合わせた前記複合体の立体構造モデルに対して構造最適化計算を実施することにより、前記複合体の構造エネルギーを計算する、
請求項1又は2に記載の選択支援装置。
【請求項5】
前記吸着対象分子は、疎水性官能基と極性官能基とを有する、
請求項1又は2に記載の選択支援装置。
【請求項6】
固相抽出法における固定相の選択を支援する選択支援方法であって、
吸着対象分子と固定相分子との複合体の構造エネルギーを量子化学計算を用いて計算し、
計算された前記複合体の構造エネルギーにおける、分子間相互作用の種類に応じた複数の成分の大きさを推定し、推定した前記複数の成分の大きさに基づいて前記吸着対象分子の吸着メカニズムを推定する、
選択支援方法。
【請求項7】
コンピュータを、
吸着対象分子と固定相分子との複合体の構造エネルギーを量子化学計算を用いて計算する構造エネルギー計算部、
前記構造エネルギー計算部により計算された前記複合体の構造エネルギーにおける、分子間相互作用の種類に応じた複数の成分の大きさを推定し、推定した前記複数の成分の大きさに基づいて前記吸着対象分子の吸着メカニズムを推定する推定部、
前記推定部により推定された前記吸着メカニズムを示す出力情報を出力する出力部、として機能させる、
プログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、選択支援装置、選択支援方法及びプログラムに関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
溶液や懸濁液等の各種試料に含まれる特定の物質を分離する技術が知られている。例えば、特許文献1は、溶媒抽出法において、目的とする被抽出物を抽出するために最適な抽出剤を効率的に選択できる抽出剤の選択方法を開示している。
【0003】
溶液や懸濁液等の各種試料に含まれる特定の物質を分離する方法の1つとして、固相抽出法(SPE:Solid Phase Extraction)が知られている。固相抽出法は、化学分析の前処理として物質の分離又は濃縮に用いられる。固相抽出法では、移動相と呼ばれる溶液や懸濁液等に含まれる溶質が、固定相と呼ばれる固体の中を流れる間に、各物質間の親和性に応じた吸着の有無を利用して目的物質を抽出する。
【0004】
物質間の親和性に関連するメカニズムとして、(1)疎水性相互作用(逆相系)と、(2)極性相互作用(順相系)と、(3)イオン交換と、の3つのメカニズムが知られている。これらのうちのいずれかのメカニズムで、固相(固定相)に対する目的物質又は不純物の吸着が起こる。
【0005】
固相抽出法は、固相(固定相)に不純物を吸着させる通過型と、固相に目的物質を吸着させる保持型と、に分類される。通過型では、固相に不純物を吸着させた後、目的物質を含む流出液を以降の分析に使用する。逆に、保持型では、固相に目的物質を吸着させた後、別の移動相を流して目的物質を溶出し、これを以降の分析に用いる。よって、物質間の親和性を予測できれば、固相に対する目的物質又は不純物の吸着を促進することにつながる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第6863132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
固相抽出法において、目的物質を効率良く抽出するためには、目的物質に対する適切な固定相を選択することが必要になる。そのための指標の1つとして、吸着対象分子の吸着メカニズムを把握することが重要となる。しかしながら、吸着対象分子によっては、どのような吸着メカニズムが支配的になるかを判断することが困難な場合がある。吸着メカニズムを実験等で試行錯誤的に探索を進めるには時間とコストがかかるため、吸着対象分子の吸着メカニズムを効率的に推定できるようにすることが求められている。
【0008】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、固相抽出法における固定相の効率的な選択を支援することが可能な選択支援装置等を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る選択支援装置は、
固相抽出法における固定相の選択を支援する選択支援装置であって、
吸着対象分子と固定相分子との複合体の構造エネルギーを量子化学計算を用いて計算する構造エネルギー計算部と、
前記構造エネルギー計算部により計算された前記複合体の構造エネルギーにおける、分子間相互作用の種類に応じた複数の成分の大きさを推定し、推定した前記複数の成分の大きさに基づいて前記吸着対象分子の吸着メカニズムを推定する推定部と、
前記推定部により推定された前記吸着メカニズムを示す出力情報を出力する出力部と、を備える。
【0010】
(2)上記(1)に記載の選択支援装置において、
前記推定部は、
前記構造エネルギー計算部により計算された前記複合体の構造エネルギーにおける、静電相互作用に基づく第1成分の大きさと、ファンデルワールス相互作用に基づく第2成分の大きさと、を推定し、
前記第1成分の方が前記第2成分よりも大きい場合、前記吸着メカニズムとして極性相互作用の方が疎水性相互作用よりも大きいと推定し、前記第2成分の方が前記第1成分よりも大きい場合、前記吸着メカニズムとして前記疎水性相互作用の方が前記極性相互作用よりも大きいと推定しても良い。
(【0011】以降は省略されています)

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