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公開番号
2025154772
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-10
出願番号
2024057958
出願日
2024-03-29
発明の名称
スカンジウム化合物の製造方法
出願人
住友金属鉱山株式会社
代理人
個人
主分類
C22B
59/00 20060101AFI20251002BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】スカンジウムと、クロムを含む不純物とを含有する酸性溶液に対するキレート樹脂を用いたイオン交換処理において、スカンジウムをより効果的に吸着させる技術を提供する。
【解決手段】スカンジウムと、クロムを含む不純物とを含有する酸性溶液を、イミノジ酢酸型キレート樹脂を充填したカラムに通液してスカンジウムをキレート樹脂に吸着させるイオン交換処理工程を含み、前記工程では、酸性溶液を40℃~70℃の範囲に調整して通液し、キレート樹脂へのスカンジウムの吸着量をq
Sc
、キレート樹脂へのスカンジウムの最大吸着量をq
max,Sc
としたとき、q
Sc
/q
max,Sc
=0.5となる通液量BVを下限値とし、酸性溶液に含まれるスカンジウムとクロムとの関係で定義される見かけの分離係数α
app,Cr(III)
Sc(III)
が1となる通液量BVの値を上限値として、酸性溶液の通液量BVを下限値から上限値までの範囲とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
少なくとも、スカンジウム(Sc)と、クロム(Cr)とを含有する酸性溶液からスカンジウム化合物を製造する方法であって、
前記酸性溶液を、イミノジ酢酸型のキレート樹脂を充填したカラムに通液することにより、該酸性溶液に含まれるスカンジウムを該キレート樹脂に吸着させるイオン交換処理工程と、
前記キレート樹脂に吸着したスカンジウムを溶離して得られるスカンジウム溶離液からスカンジウム化合物を製造する化合物製造工程と、を有し、
前記イオン交換処理工程では、
前記酸性溶液を、40℃以上70℃以下の温度範囲に調整して前記カラムに通液し、
前記キレート樹脂へのスカンジウムの吸着量をq
Sc
、該キレート樹脂へのスカンジウムの最大吸着量をq
max,Sc
としたとき、q
Sc
/q
max,Sc
=0.5となる前記酸性溶液の通液量BVの値を下限値とし、
前記酸性溶液に含まれるスカンジウムとクロムとの関係における下記のように定義される見かけの分離係数α
app,Cr(III)
Sc(III)
が1となる該酸性溶液の通液量BVの値を上限値として、
前記酸性溶液の通液量BVを、前記下限値から前記上限値までの範囲とする、
スカンジウム化合物の製造方法。
(ここで、前記見かけの分離係数α
app,Cr(III)
Sc(III)
は、スカンジウムとクロムのそれぞれの見かけの分配率D
app,i
により、α
app,Cr(III)
Sc(III)
=α
app,Sc(III)
/α
app,Cr(III)
で表され、
前記見かけの分配率D
app, i
は、前記キレート樹脂への吸着量q
i
と、前記酸性溶液を前記キレート樹脂に通液した後の通液後液中の濃度C
ef,i
とにより、D
app,i
=q
i
/C
ef,i
で表される。)
続きを表示(約 460 文字)
【請求項2】
前記酸性溶液を前記キレート樹脂に通液する前の該酸性溶液中の金属濃度に対する、前記通液後液中の金属濃度の割合で表される漏洩率に関して、
前記スカンジウムの漏洩率が、前記クロムの漏洩率より小さい、
請求項1に記載のスカンジウム化合物の製造方法。
【請求項3】
前記酸性溶液は、ニッケル酸化鉱石を硫酸溶液による浸出処理に付し、得られた浸出液に硫化剤を添加してニッケル硫化物を分離した後の溶液である、
請求項1又は2に記載のスカンジウム化合物の製造方法。
【請求項4】
前記酸性溶液に含まれるスカンジウムの濃度が10mg/L以上である、
請求項1又は2に記載のスカンジウム化合物の製造方法。
【請求項5】
前記化合物製造工程では、
前記スカンジウム溶離液からスカンジウムを含む沈殿物を生成し、該沈殿物を焙焼することによって酸化スカンジウムを製造する、
請求項1又は2に記載のスカンジウム化合物の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、スカンジウムとクロムを含む不純物とを含有する酸性溶液に対するキレート樹脂を用いたイオン交換処理を経て、スカンジウム化合物を製造する方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)
【背景技術】
【0002】
スカンジウムは、高強度アルミ合金の添加剤や燃料電池の電極材料として極めて有用であるが、生産量が少なく高価であるため、利用は限られていた。
【0003】
ラテライト鉱やリモナイト鉱等に代表されるニッケル酸化鉱石には、微量のスカンジウムが含まれていることが知られている。しかしながら、ニッケル酸化鉱石はニッケル含有品位が低いことから、ニッケルを回収するにあたってコストを要するという問題があった。そのため、炉を用いて高温で熔解する乾式製錬に付し、鉄とニッケルの合金であるフェロニッケルを得てステンレスの原料に用いること以外には利用できていなかった。
【0004】
ところが、乾式製錬を用いてニッケル酸化鉱石を処理した場合、スカンジウムはニッケルと分離されるものの、多くの不純物と共に化学的に安定した形態であるスラグに分配されてしまうため、スカンジウムを高純度で回収することは技術的に困難となる。そのため、ニッケル酸化鉱石に含まれるスカンジウムを工業的に回収する方法に関する研究はほとんどなされていなかった。
【0005】
しかしながら、近年、ニッケル酸化鉱石を硫酸溶液と共に加圧容器に装入し、240℃~260℃程度の高温に加熱してニッケルを含有する浸出液と浸出残渣とに固液分離する高圧酸浸出(HPAL)プロセスが工業的に実用化された(例えば特許文献1を参照)。
【0006】
HPALプロセスでは、浸出処理により得られる浸出液に中和剤を添加して不純物を分離し、次いで硫化剤を添加してニッケルをニッケル硫化物として回収する。そして、回収したニッケル硫化物については、既存のニッケル精錬工程で処理することで、電気ニッケルや硫酸ニッケルのようなニッケル塩化合物を得ることができる。
【0007】
このようなHPALプロセスを用いた場合、ニッケル酸化鉱石に含まれるスカンジウムは、ニッケルと共に浸出液に含まれるようになる。そして、得られた浸出液に対して中和剤を添加して不純物を分離し、次いで硫化剤を添加して硫化処理を施すことで、ニッケルはニッケル硫化物として回収される一方で、スカンジウムは硫化剤添加後の酸性溶液に残存するようになる。そのため、HPALプロセスを使用することで、ニッケルとスカンジウムとを効果的に分離することが可能となる。
【0008】
ところが、HPALプロセスで分離したスカンジウムは希薄であり、また、多種多様な不純物が共存した状態となっている。そのため、スカンジウムを不純物と分離することによって濃縮して回収するには、更なる精製処理が必要となる。この精製処理としては、例えば特許文献2に開示されている、キレート樹脂を用いた方法がある。
【0009】
具体的に、特許文献2に開示の方法は、先ず、ニッケル酸化鉱石を酸化性雰囲気の高温高圧下で酸性溶液中にニッケルとスカンジウムとを選択的に浸出させて浸出液を得た後、その浸出液のpHを2~4に調整して、硫化剤の使用によってニッケルを硫化物として選択的に沈殿回収する。次に、得られたニッケル回収後の硫化後液をキレート樹脂と接触させてスカンジウムを吸着させ、キレート樹脂を希酸で洗浄した後、洗浄後キレート樹脂と強酸とを接触させることでスカンジウムを溶離するというものである。
【0010】
ここで、ニッケル酸化鉱石に含まれる不純物は、産出する地域によって種類や量の大小にばらつきはあるものの、鉄、アルミニウム、クロム、マンガン、マグネシウム等の元素が含まれていることが知られている。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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