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公開番号2025151056
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-09
出願番号2024052287
出願日2024-03-27
発明の名称解析プログラム、解析装置、および解析方法
出願人住友金属鉱山株式会社
代理人弁理士法人山内特許事務所
主分類G01N 23/2055 20180101AFI20251002BHJP(測定;試験)
要約【課題】解析者の作業負荷を軽減できる解析プログラム、解析装置、および解析方法を提供する。
【解決手段】解析プログラムは、試料をX線回折測定して得られたX線回折データを読み込むデータ読込処理S20と、X線回折データを解析して回折ピークの半価幅を特定する半価幅特定処理S30と、回折ピークの半価幅から試料の結晶子径を求める結晶子径算出処理S50とを有する一試料解析処理を自動的に繰り返し行い、複数の試料それぞれの結晶子径を求める自動解析処理をコンピュータに実行させる。複数の試料それぞれの結晶子径が自動的に求まるので、解析者の作業負荷を軽減できる。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
コンピュータを解析装置として機能させるためのプログラムであって、
試料をX線回折測定して得られたX線回折データを読み込むデータ読込処理と、
前記X線回折データを解析して回折ピークの半価幅を特定する半価幅特定処理と、
前記回折ピークの半価幅から前記試料の結晶子径を求める結晶子径算出処理と、
を有する一試料解析処理を自動的に繰り返し行い、複数の前記試料それぞれの前記結晶子径を求める自動解析処理をコンピュータに実行させる
ことを特徴とする解析プログラム。
続きを表示(約 990 文字)【請求項2】
前記一試料解析処理は回折ピーク選択処理を有し、
前記半価幅特定処理において、複数の回折ピークの回折角および半価幅を特定し、
前記回折ピーク選択処理において、特定種類の物質に対して予め定められた基準回折角に最も近い回折角を有する回折ピークを選択し、
前記結晶子径算出処理において、前記回折ピーク選択処理において選択された前記回折ピークの半価幅から前記試料の結晶子径を求める
ことを特徴とする請求項1記載の解析プログラム。
【請求項3】
前記半価幅特定処理において、回折パターンに近接ピークが存在する場合に、警告を出力する
ことを特徴とする請求項2記載の解析プログラム。
【請求項4】
前記回折ピーク選択処理において、選択された前記回折ピークの回折角が前記基準回折角から乖離している場合に、警告を出力する
ことを特徴とする請求項2記載の解析プログラム。
【請求項5】
前記自動解析処理は、標準試料のX線回折データを解析して得られた複数の回折ピークの回折角および半価幅から、回折角と装置固有の拡がり幅との関係を求める校正処理を有し、
前記結晶子径算出処理において、前記回折角と装置固有の拡がり幅との関係に基づき前記回折ピークの回折角から特定された前記装置固有の拡がり幅を前記回折ピークの半価幅から差し引いた補正値から前記試料の結晶子径を求める
ことを特徴とする請求項1記載の解析プログラム。
【請求項6】
前記一試料解析処理は、求めた前記結晶子径をファイル出力するファイル出力処理を有する
ことを特徴とする請求項1記載の解析プログラム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載の解析プログラムがインストールされたコンピュータからなる
ことを特徴とする解析装置。
【請求項8】
請求項7記載の解析装置を用いて、複数の前記試料それぞれの前記結晶子径を求める自動解析処理工程と、
前記自動解析処理工程により得られた結果が適正か否かを評価する評価工程と、
前記評価工程において不適正と評価された試料について再度結晶子径を求める再解析工程と、を備える
ことを特徴とする解析方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、解析プログラム、解析装置、および解析方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、X線回折データから結晶子径を求めるためのプログラム、装置、および方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
物質の結晶性に関する情報(以下、「結晶情報」という。)を得る方法としてX線回折法が知られている。物質の結晶情報の一つである結晶子径は、X線回折測定の結果から求めることができる(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2017-138302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
新しい素材を開発する現場では、原料の組成または処理条件を少しずつ変えながら多数の試料を作製し、各試料の結晶子径を求めることが要求される。このような場合、結晶子径解析の処理件数が多くなり、解析者の作業負荷が非常に高くなる。
【0005】
本発明は上記事情に鑑み、解析者の作業負荷を軽減できる解析プログラム、解析装置、および解析方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様の解析プログラムは、コンピュータを解析装置として機能させるためのプログラムであって、試料をX線回折測定して得られたX線回折データを読み込むデータ読込処理と、前記X線回折データを解析して回折ピークの半価幅を特定する半価幅特定処理と、前記回折ピークの半価幅から前記試料の結晶子径を求める結晶子径算出処理と、を有する一試料解析処理を自動的に繰り返し行い、複数の前記試料それぞれの前記結晶子径を求める自動解析処理をコンピュータに実行させることを特徴とする。
第2態様の解析プログラムは、第1態様において、前記一試料解析処理は回折ピーク選択処理を有し、前記半価幅特定処理において、複数の回折ピークの回折角および半価幅を特定し、前記回折ピーク選択処理において、特定種類の物質に対して予め定められた基準回折角に最も近い回折角を有する回折ピークを選択し、前記結晶子径算出処理において、前記回折ピーク選択処理において選択された前記回折ピークの半価幅から前記試料の結晶子径を求めることを特徴とする。
第3態様の解析プログラムは、第2態様において、前記半価幅特定処理において、回折パターンに近接ピークが存在する場合に、警告を出力することを特徴とする。
第4態様の解析プログラムは、第2態様において、前記回折ピーク選択処理において、選択された前記回折ピークの回折角が前記基準回折角から乖離している場合に、警告を出力することを特徴とする。
第5態様の解析プログラムは、第1~第4態様のいずれかにおいて、前記自動解析処理は、標準試料のX線回折データを解析して得られた複数の回折ピークの回折角および半価幅から、回折角と装置固有の拡がり幅との関係を求める校正処理を有し、前記結晶子径算出処理において、前記回折角と装置固有の拡がり幅との関係に基づき前記回折ピークの回折角から特定された前記装置固有の拡がり幅を前記回折ピークの半価幅から差し引いた補正値から前記試料の結晶子径を求めることを特徴とする。
第6態様の解析プログラムは、第1~第5態様のいずれかにおいて、前記一試料解析処理は、求めた前記結晶子径をファイル出力するファイル出力処理を有することを特徴とする。
第7態様の解析装置は、第1~第6態様のいずれかの解析プログラムがインストールされたコンピュータからなることを特徴とする。
第8態様の解析方法は、第7態様の解析装置を用いて、複数の前記試料それぞれの前記結晶子径を求める自動解析処理工程と、前記自動解析処理工程により得られた結果が適正か否かを評価する評価工程と、前記評価工程において不適正と評価された試料について再度結晶子径を求める再解析工程と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
第1態様によれば、複数の試料それぞれの結晶子径が自動的に求まるので、解析者の作業負荷を軽減できる。
第2態様によれば、複数の回折ピークのなかから目的とする物質の結晶子径を求めるのに適した回折ピークを選択できる。
第3態様によれば、近接ピークの存在を解析者に知らせることで、回折ピークの半価幅の特定が適正か解析者に注意を促すことができる。
第4態様によれば、選択された回折ピークの回折角が基準回折角から乖離していることを解析者に知らせることで、回折ピークの選択が適正か解析者に注意を促すことができる。
第5態様によれば、回折ピークの半価幅から装置固有の拡がり幅を差し引いて結晶子による拡がり幅を求め、結晶子による拡がり幅から結晶子径を求めるので、結晶子径を精度良く求めることができる。
第6態様によれば、解析結果が自動的にファイル出力されるので、解析者の作業負荷をさらに軽減できる。
第7態様によれば、複数の試料それぞれの結晶子径が自動的に求まるので、解析者の作業負荷を軽減できる。
第8態様によれば、解析装置により自動的に行った解析結果が不適正な場合にのみ再解析すればよいので、解析者が手動で解析する頻度が減り、作業負荷を軽減できる。しかも、解析者が評価済みの適正な結果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
一実施形態に係る解析装置の機能ブロック図である。
一実施形態に係る解析装置が行う自動解析処理を示すフローチャートである。
一実施形態に係る解析方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
(解析プログラム、解析装置)
本発明の一実施形態に係る解析装置AAは、X線回折データを解析して試料の結晶子径を求めるための装置である。X線回折データは粉末状の試料をX線回折測定して得られる。
【0010】
試料は、特に限定されないが、例えば、リチウムイオン二次電池の正極活物質である。正極活物質として、リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物(NMC)、リチウムニッケルコバルトアルミニウム複合酸化物(NCA)などのリチウム金属複合酸化物が挙げられる。リチウム金属複合酸化物は一般式:Li

Ni
1-x



α
(式中、s、x、およびαは、例えば、0.95≦s≦1.30、0<x≦0.65、1.9≦α≦4.2であり、Mは、Co、Mn、W、Mo、V、Ca、Mg、Sr、Ba、Ti、Cr、Zr、Al、Nb、Ta、Si、P、B、Sからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属元素)で表される。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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