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公開番号
2024167022
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-29
出願番号
2023093550
出願日
2023-05-19
発明の名称
嘔吐物の処理剤
出願人
有限会社レイノ
,
個人
代理人
主分類
B01J
20/26 20060101AFI20241122BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】嘔吐物を簡便に収容するための、併せてウィルスや細菌に感染した感染者の嘔吐物を除菌、固化を迅速に行うための組成物を提供する。
【解決手段】高吸水性高分子粉末としてポリアクリル酸塩系重合体粉末と鉱物粉末としてカオリン粉末、除菌剤として炭酸ナトリウム粉末を組み合わせた組成物により、嘔吐物の液分を吸収、固化と除菌を同時に行うことができる。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
高吸水性高分子粉末としてポリアクリル酸塩系重合体粉末と鉱物粉末としてカオリン粉末、除菌剤として炭酸ナトリウム粉末を組み合わせ、嘔吐物の液分を吸収、固化と除菌を同時に行うことを特徴とする組成物
続きを表示(約 130 文字)
【請求項2】
前記組成物中の炭酸ナトリウムは、ポリアクリル酸塩系重合体の7~10%(重量比)を含有することを特徴とする請求項2記載の組成物
【請求項3】
前記組成物にペーハー(PH)を標示する試験紙を配置したことを特徴とする請求項2記載の組成物
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、体調不良によって起きる嘔吐物を収容、清掃する際に該嘔吐物を迅速かつ安全に処理することを目的とした嘔吐物の固化、除菌に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
嘔吐物は不潔、臭い、扱いにくい等で除去処理は難航し、紙や布で拭き取ることやおがくずに混合して処理することが多いが、清掃するのが困難であった。感染症対策の見地からは嘔吐物が乾燥粉末化し空気中に放出されることが心配され二次感染の危険もある。更に、清掃者が清掃するにあたり、安全を確保する手段がなく、不安の中で処理に当たらざるを得なかった。これらの欠点を改善し、嘔吐物を安全に短時間で収容作業が完了できる組成物の提供が望まれていた。
【先行技術文献】
【0003】
特願2022-212936
特願2021-186751
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、嘔吐物を簡便に収容する手段の提供にあるが、併せてウィルスや細菌に感染した感染者の嘔吐物を除菌。固化を迅速に行うことである。更に、清掃者が安心して作業できる環境を作ることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決すべく本発明者らは鋭意検討した結果、上記の課題は次のような組成物によって解決できることが分かった。
特許文献1で示したように、炭酸ナトリウム等のアルカリ剤のPHが12以上の下では、殆どの細菌は死滅しウィルスは不活化することが分かった。このことから、嘔吐物の処理剤中に殺菌、固化のため高分子吸収材と相応の量の炭酸ナトリウムを配合した。その際、水分量が増えてもPHが12を下回ることがないような配合にした。
更に、処理剤中にはPHインジケーターを配置してあり、処理者が目視でPH12以上であることが確認できるので安心して作業ができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明の組成物は嘔吐物の液体分を吸収することで、PH12以上の塊となる。あるいは、嘔吐物が乾燥状態の場合は適量の水を加えてから、組成物を振りかけたのち、組成物の上から水を加えることでPH12以上を確保しながら収容作業ができる。更に、組成物中にPHインジケーターを配置することで、収容者は目視で安全を確保しながら収容作業ができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の組成物を使って嘔吐物を固化する場合において固化対象の嘔吐物の容積の0.2~1倍を準備する。該組成物を固化対象の嘔吐物の上にできるだけまんべんなく散布する。散布後数十秒放置すると該組成物により、液状や泥状だった対象物が、固形化する。併せて、組成物に配置したPHインジケーターの色が変化して処理環境の安全を標示する。
【0008】
また、嘔吐物が渇いたものの場合は嘔吐物に水をかけてから、該組成物を万遍なく振りかける。注ぎ入れた水と嘔吐物が固化すると同時に、組成物に配置したPHインジケーターの色が処理環境の安全を標示する。
該組成物を用いることで、嘔吐物の収容、処理を迅速、簡便に行えることは勿論、ウィルスや細菌に感染した感染者の嘔吐物を簡単迅速に固化、封じ込めを行い併せてPHインジケーターを配置したことで、処理する人の安全と取り巻く環境の安全性が高まる。
【実施例】
【0009】
嘔吐物の液体分を吸収し固化する組成物として、ポリアクリル酸ナトリウム18gと固化成形の調節剤としてカオリン粉末1gと炭酸ナトリウム粉末1gを混合した。混合物にPHインジケーターとしてユニバーサル試験紙(東京硝子器械製)8mm×10mm片を1枚投入した。
疑似嘔吐物としてお粥約100gをコンクリートに流して10分静置した。お粥の水分がコンクリートに吸収されて表面が少し渇いてきたところに、先の組成物10gと水20mlを振りかけた。振りかけた組成物に配置したユニバーサル試験紙はPH12以上を示す紫色を呈したので、残りの組成物を全て振りかけて撹拌を行った。お粥は組成物と渾然一体で固化したので、箒と塵取りにてポリ袋に収容した。
【実施例】
【0010】
実施例1で使用した組成物を使用して以下のテストを行った。
カップラーメンにお湯を注ぎ冷ましたもの約100gを、疑似嘔吐物としてカーペット上にこぼした。疑似嘔吐物に水を20ml加え、直ちに組成物20gを振りかけた。疑似嘔吐物は組成物により固形化するとともに、組成物に配置したPHインジケーターのユニバーサル試験紙はPH12以上の紫色を呈した。固形化したものは掃除機で簡単に吸い取ることができ、カーペットにわずかに湿り気が残るだけであった。
また、塩分が多量に存在する時に生じるポリアクリル酸塩の分解が発生することもなかった。
【産業上の利用可能性】
(【0011】以降は省略されています)
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