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公開番号2024147485
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-16
出願番号2023208356,2023059692
出願日2023-12-11,2023-04-03
発明の名称火災シミュレーションシステム
出願人能美防災株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類G08B 17/00 20060101AFI20241008BHJP(信号)
要約【課題】ユーザの防火対象施設に適合したシミュレーションモデルに基づく火災シミュレーション結果を提供する。
【解決手段】火災の拡大状況に関する時間推移を得るために必要なシミュレーション条件を設定する条件設定部と、シミュレーションモデルを構築するモデル構築部と、火災シミュレーションを実行することで複数の表示データを生成する実行部と、選択された表示データを表示部に表示させる表示制御部とを備え、実行部は、煙濃度がどのように遷移していくかを表示データとして情報提供する第1の情報提供機能、各階床での見透し距離がどのように遷移していくかを表示データとして情報提供する第2の情報提供機能、およびガス有害性がどのように遷移していくかを表示データとして情報提供する第3の情報提供機能のうちの少なくともいずれか1つを有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ユーザの防火対象施設ごとに構築されたシミュレーションモデルを用いて、種々のシミュレーション条件に基づく火災シミュレーション結果を目視で確認できる複数の表示データとして提供する火災シミュレーションシステムであって、
火災の拡大状況に関する時間推移を前記防火対象施設の火災シミュレーション結果として得るために必要なシミュレーション条件を設定する条件設定部と、
前記シミュレーション条件に基づいて前記シミュレーションモデルを構築するモデル構築部と、
前記モデル構築部で構築された前記シミュレーションモデルを用いて火災シミュレーションを実行することで、前記火災の拡大状況に関する時間推移を算出するとともに、算出結果に基づいて前記複数の表示データを生成する実行部と、
前記実行部によって生成された前記複数の表示データの中から、入力操作に対応して選択された表示データを表示部に表示させる表示制御部と
を備え、
前記実行部は、
前記防火対象施設において、前記時間推移とともに各場所の煙濃度がどのように遷移していくかを、動画像データあるいは時系列データによる前記表示データとして情報提供する第1の情報提供機能、
前記防火対象施設において、前記時間推移とともに各階床での見透し距離がどのように遷移していくかを、動画像データあるいは時系列データによる前記表示データとして情報提供する第2の情報提供機能、および
前記防火対象施設において、前記時間推移とともに避難時のガス有害性がどのように遷移していくかを、時系列データによる前記表示データとして情報提供する第3の情報提供機能
の3つの情報提供機能のうちの少なくともいずれか1つを有する
火災シミュレーションシステム。
続きを表示(約 350 文字)【請求項2】
前記条件設定部は、前記シミュレーション条件の変更を受付け可能であり、
前記モデル構築部は、変更前のシミュレーション条件に基づく第1のシミュレーションモデルと、変更後のシミュレーション条件に基づく第2のシミュレーションモデルとを構築し、
前記実行部は、前記複数の表示データとして、前記第1のシミュレーションモデルを実行することで第1の表示データ群を生成するとともに前記第2のシミュレーションモデルを実行することで第2の表示データ群を生成し、
前記表示制御部は、前記入力操作に対応して、前記第1の表示データ群および前記第2の表示データ群の中から選択されたそれぞれの表示データを前記表示部に比較表示させる
請求項1に記載の火災シミュレーションシステム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、防火対象施設の火災シミュレーション結果を提供する火災シミュレーションシステムに関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
受信機、発信機、中継器、音響装置、感知器等を備えて構成され、火災から防火対象施設である建物などの内部にいる人々を守る自動火災報知設備がある(例えば、非特許文献1参照)。自動火災報知設備では、感知器が熱や煙を感知することで、受信機に対して火災信号を送信する。火災信号を受信した受信機は、火災発生場所に応じて、警報を発し、音響装置を鳴動させ、防火対象施設内にいる人に火災の発生を知らせている。
【0003】
また、火災を研究対象としている防火安全分野においては、火災の数値シミュレーションが用いられている(例えば、非特許文献2参照)。防火安全分野において、このような数値シミュレーションを用いることで、火災に対する安全性の評価、およびその評価に基づいて適切な防災設備を設計するための支援を行うことができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
能美防災株式会社 ホームページ、自動火災報知設備(URL:https://www.nohmi.co.jp/product/materiel/fid.html)
「CFDを用いた火災の数値シミュレーション」、阿部伸之、独立行政法人消防研究所、日本流体力学会数値流体力学部門Web会誌、第12巻第2号、2004年11月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、お城、公共施設、工場、雑居ビルなどの火災事故についてのニュースが散見される。そこで、例えば、事業継続計画を立てる上で、防火対象施設の責任者、管理者等(すなわち、防災設備のユーザ)の立場としては、現状の防災設備が適切であるか、改良すべき点はないか、新規の防火対象施設においてどのような防災設備を設置すべきか、などを正確に把握することが重要となる。
【0006】
一方、自動火災報知設備に代表される防災設備の製造メーカの立場としては、既存のユーザあるいは新規のユーザに対して、それぞれのユーザにおける防火対象施設に適した防災設備を提案することが重要となる。
【0007】
どちらの立場においても、個々のユーザの防災設備に即して、種々の条件下での火災シミュレーション結果を時間経過に伴って示すことができれば、例えば、現状の消火設備で足りているか、火災がどのようなスピードで進行するか、どのような設備をどこに配置することが有効か、などの情報を得ることができる。
【0008】
火災シミュレーションを行うことができるソフトウェアは市販または無料で公開されており、必要であればだれでも購入することが可能である。非特許文献2においても、米国商務省国立標準技術研究所(NIST)が開発したFDS(Fire Dynamics Simulator)が使用されている。
【0009】
しかしながら、このような市販のソフトウェアは、火災についての知識を有する人が使うことが前提となっている。例えば、火災の知識がある人とない人が市販のソフトウェアを用いてそれぞれシミュレーションを行った場合には、まったく違う結果になることが予想できる。より具体的には、火災の数値シミュレーションの精度を上げるためには、シミュレーション条件の設定が非常に重要となる。
【0010】
また、火災の発生状況をシミュレーションするばかりでなく、各種センサ、各種スプリンクラの配置や有効性を、ユーザおよびメーカの両方の立場で、個々のユーザの防火対象施設に即して正確に分析できる火災シミュレーション技法が確立できれば、それぞれのユーザにおける防火対象施設に適した防災設備を効率的に構築することが可能となる。
(【0011】以降は省略されています)

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