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公開番号2024144292
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2024048348
出願日2024-03-25
発明の名称水中油型乳化物、食品、水中油型乳化物の製造方法及び食品の製造方法
出願人株式会社明治
代理人弁理士法人平和国際特許事務所
主分類A23D 7/00 20060101AFI20241003BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】チョコレート成分に由来する良好な風味を有し、ホイップ性に優れ、かつ保存に伴う増粘を抑制できる水中油型乳化物、食品、水中油型乳化物の製造方法及び食品の製造方法を提供する。
【解決手段】無脂カカオ固形分の含有量が2~10質量%であり、ココアバターの含有量が3~8質量%であり、前記ココアバターを含む油脂の総含有量が25~35質量%であり、前記油脂におけるSUS型トリグリセリドの割合が25質量%未満であり、かつ5℃における粘度が140cP以下である、水中油型乳化物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
無脂カカオ固形分の含有量が2~10質量%であり、
ココアバターの含有量が3~8質量%であり、
前記ココアバターを含む油脂の総含有量が25~35質量%であり、
前記油脂におけるSUS型トリグリセリドの割合が25質量%未満であり、かつ
5℃における粘度が140cP以下である、水中油型乳化物。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
無脂カカオ固形分の含有量が2~10質量%であり、
ココアバターの含有量が3~8質量%であり、
前記ココアバターを含む油脂の総含有量が25~35質量%であり、
前記油脂におけるSUS型トリグリセリドの割合が25質量%未満であり、かつ
7℃で30日間保存後の5℃における粘度が250cP以下である、水中油型乳化物。
【請求項3】
15℃で14日間保存後の5℃における粘度が250cP以下である、請求項1又は2に記載の水中油型乳化物。
【請求項4】
5℃におけるホイップ時のオーバーランが130%以上である、請求項1又は2に記載の水中油型乳化物。
【請求項5】
7℃で30日間保存後の5℃におけるホイップ時のオーバーランが130%以上である、請求項1又は2に記載の水中油型乳化物。
【請求項6】
前記水中油型乳化物に含まれる脂肪球のメディアン径が0.5~2.5μmである、請求項1又は2に記載の水中油型乳化物。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の水中油型乳化物を含む、食品。
【請求項8】
無脂カカオ固形分の含有量が2~10質量%であり、ココアバターの含有量が3~8質量%であり、前記ココアバターを含む油脂の総含有量が25~35質量%であり、かつ前記油脂におけるSUS型トリグリセリドの割合が25質量%未満である水中油型乳化物を製造する方法であって、
前駆体組成物の脂肪球のメディアン径を1.0~10.0μmとする第1均質化工程と、
前記第1均質化工程に次いで、前記脂肪球のメディアン径を1.0~6.0μmとする第2均質化工程と、
前記第2均質化工程に次いで、前記脂肪球のメディアン径を0.5~2.5μmとする第3均質化工程と、
を含み、
前記第1均質化工程後の脂肪球のメディアン径が前記第1均質化工程前の脂肪球のメディアン径より小さく、前記第2均質化工程後の脂肪球のメディアン径が前記第1均質化工程後の脂肪球のメディアン径より小さく、前記第3均質化工程後の脂肪球のメディアン径が前記第2均質化工程後の脂肪球のメディアン径より小さく、
得られる水中油型乳化物の5℃における粘度が140cP以下である、前記方法。
【請求項9】
無脂カカオ固形分の含有量が2~10質量%であり、ココアバターの含有量が3~8質量%であり、前記ココアバターを含む油脂の総含有量が25~35質量%であり、かつ前記油脂におけるSUS型トリグリセリドの割合が25質量%未満である水中油型乳化物を製造する方法であって、
前駆体組成物の脂肪球のメディアン径を1.0~10.0μmとする第1均質化工程と、
前記第1均質化工程に次いで、前記脂肪球のメディアン径を1.0~6.0μmとする第2均質化工程と、
前記第2均質化工程に次いで、前記脂肪球のメディアン径を0.5~2.5μmとする第3均質化工程と、
を含み、
前記第1均質化工程後の脂肪球のメディアン径が前記第1均質化工程前の脂肪球のメディアン径より小さく、前記第2均質化工程後の脂肪球のメディアン径が前記第1均質化工程後の脂肪球のメディアン径より小さく、前記第3均質化工程後の脂肪球のメディアン径が前記第2均質化工程後の脂肪球のメディアン径より小さく、
得られる水中油型乳化物の7℃で30日間保存後の5℃における粘度が250cP以下である、前記方法。
【請求項10】
前記第1均質化工程にローター・ステーター式乳化装置を用いる、請求項8又は9に記載の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水中油型乳化物、食品、水中油型乳化物の製造方法及び食品の製造方法に関する。
具体的には、本発明は、チョコレート成分に由来する良好な風味を有し、ホイップ性に優れ、かつ保存に伴う増粘を抑制できる水中油型乳化物、食品、水中油型乳化物の製造方法及び食品の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
ホイップして使用される洋菓子用クリームとして、チョコレート成分を含有するものが市販されている。しかしながら、チョコレート成分を含有することによって、クリームが増粘する問題があった。
【0003】
チョコレート成分を含有するクリームの粘度を低下させる技術として、チョコレート成分をα-アミラーゼで処理する技術(特許文献1)や、クリームに含有される油脂におけるSUS型トリグリセリドの割合を25~70重量%にする技術(特許文献2)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開昭60-058052号公報
特開平11-196802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術は、チョコレート成分を含有するクリームの初期粘度を低下させる上ではある程度有効であるが、保存に伴う増粘を抑制することは困難である。また、特許文献2の技術は、油脂におけるSUS型トリグリセリドに起因して、保存中の安定性の維持(低粘性の維持)や、オーバーランの維持が困難である。さらに、いずれの技術においても、ホイップ性の観点でさらなる改善の余地が見出された。
【0006】
本発明の目的の1つは、チョコレート成分に由来する良好な風味を有し、ホイップ性に優れ、かつ保存に伴う増粘を抑制できる水中油型乳化物、食品、水中油型乳化物の製造方法及び食品の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは鋭意検討の結果、特定の水中油型乳化物が、チョコレート成分に由来する良好な風味を有し、ホイップ性に優れ、かつ保存に伴う増粘を抑制できることを見出し、本発明を完成した。
本発明によれば、以下の水中油型乳化物等を提供できる。
1.無脂カカオ固形分の含有量が2~10質量%であり、
ココアバターの含有量が3~8質量%であり、
前記ココアバターを含む油脂の総含有量が25~35質量%であり、
前記油脂におけるSUS型トリグリセリドの割合が25質量%未満であり、かつ
5℃における粘度が140cP以下である、水中油型乳化物。
2.無脂カカオ固形分の含有量が2~10質量%であり、
ココアバターの含有量が3~8質量%であり、
前記ココアバターを含む油脂の総含有量が25~35質量%であり、
前記油脂におけるSUS型トリグリセリドの割合が25質量%未満であり、かつ
7℃で30日間保存後の5℃における粘度が250cP以下である、水中油型乳化物。
3.15℃で14日間保存後の5℃における粘度が250cP以下である、1又は2に記載の水中油型乳化物。
4.5℃におけるホイップ時のオーバーランが130%以上である、1~3のいずれかに記載の水中油型乳化物。
5.7℃で30日間保存後の5℃におけるホイップ時のオーバーランが130%以上である、1~4のいずれかに記載の水中油型乳化物。
6.前記水中油型乳化物に含まれる脂肪球のメディアン径が0.5~2.5μmである、1~5のいずれかに記載の水中油型乳化物。
7.1~6のいずれかに記載の水中油型乳化物を含む、食品。
8.無脂カカオ固形分の含有量が2~10質量%であり、ココアバターの含有量が3~8質量%であり、前記ココアバターを含む油脂の総含有量が25~35質量%であり、かつ前記油脂におけるSUS型トリグリセリドの割合が25質量%未満である水中油型乳化物を製造する方法であって、
前駆体組成物の脂肪球のメディアン径を1.0~10.0μmとする第1均質化工程と、
前記第1均質化工程に次いで、前記脂肪球のメディアン径を1.0~6.0μmとする第2均質化工程と、
前記第2均質化工程に次いで、前記脂肪球のメディアン径を0.5~2.5μmとする第3均質化工程と、
を含み、
前記第1均質化工程後の脂肪球のメディアン径が前記第1均質化工程前の脂肪球のメディアン径より小さく、前記第2均質化工程後の脂肪球のメディアン径が前記第1均質化工程後の脂肪球のメディアン径より小さく、前記第3均質化工程後の脂肪球のメディアン径が前記第2均質化工程後の脂肪球のメディアン径より小さく、
得られる水中油型乳化物の5℃における粘度が140cP以下である、前記方法。
9.無脂カカオ固形分の含有量が2~10質量%であり、ココアバターの含有量が3~8質量%であり、前記ココアバターを含む油脂の総含有量が25~35質量%であり、かつ前記油脂におけるSUS型トリグリセリドの割合が25質量%未満である水中油型乳化物を製造する方法であって、
前駆体組成物の脂肪球のメディアン径を1.0~10.0μmとする第1均質化工程と、
前記第1均質化工程に次いで、前記脂肪球のメディアン径を1.0~6.0μmとする第2均質化工程と、
前記第2均質化工程に次いで、前記脂肪球のメディアン径を0.5~2.5μmとする第3均質化工程と、
を含み、
前記第1均質化工程後の脂肪球のメディアン径が前記第1均質化工程前の脂肪球のメディアン径より小さく、前記第2均質化工程後の脂肪球のメディアン径が前記第1均質化工程後の脂肪球のメディアン径より小さく、前記第3均質化工程後の脂肪球のメディアン径が前記第2均質化工程後の脂肪球のメディアン径より小さく、
得られる水中油型乳化物の7℃で30日間保存後の5℃における粘度が250cP以下である、前記方法。
10.前記第1均質化工程にローター・ステーター式乳化装置を用いる、8又は9に記載の製造方法。
11.前記第2均質化工程にキャビテーターを用いる、8~10のいずれかに記載の製造方法。
12.前記第3均質化工程に高圧ホモジナイザーを用いる、8~11のいずれかに記載の製造方法。
13.8~12のいずれかに記載の製造方法により得られた水中油型乳化物を用いて食品を製造することを含む、食品の製造方法。
14.前記水中油型乳化物を冷凍すること、及び、前記水中油型乳化物を解凍することのいずれか一方又は両方を含む、13に記載の食品の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、チョコレート成分に由来する良好な風味を有し、ホイップ性に優れ、かつ保存に伴う増粘を抑制できる水中油型乳化物、食品、水中油型乳化物の製造方法及び食品の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施例1及び比較例1のサンプルを7℃で保存したときの粘度の変化を示すグラフである。
実施例1及び比較例1のサンプルを10℃で保存したときの粘度の変化を示すグラフである。
実施例1のサンプルを7℃、10℃又は15℃で保存したときの粘度の変化を示すグラフである。
実施例2及び比較例2のサンプルを7℃で保存したときの粘度の変化を示すグラフである。
実施例2及び比較例2のサンプルを10℃で保存したときの粘度の変化を示すグラフである。
実施例2のサンプルを7℃、10℃又は15℃で保存したときの粘度の変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の水中油型乳化物、食品、水中油型乳化物の製造方法及び食品の製造方法について詳述する。
尚、本明細書において、「x~y」は「x以上、y以下」の数値範囲を表すものとする。数値範囲に関して記載された上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。
また、以下において記載される本発明に係る態様の個々の実施形態のうち、互いに相反しないもの同士を2つ以上組み合わせることが可能であり、2つ以上の実施形態を組み合わせた実施形態もまた、本発明に係る態様の実施形態である。
(【0011】以降は省略されています)

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