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公開番号2024141145
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023052633
出願日2023-03-29
発明の名称オイルリング
出願人TPR株式会社
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類F16J 9/06 20060101AFI20241003BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】内燃機関の停止状態においてオイルリングのランド部間にオイルが滞留することを抑制可能な技術を提供する。
【解決手段】オイルリングの本体リングの外周部には、一対のランド部とウェブ部とによって囲まれた溝状の空間であるランド空間が形成されており、本体リングの外周面は、軸方向においてランド空間の底面の両側に設けられ、底面に接続されると共に軸方向において底面から離れるに従って拡径するように形成された一対の第1溝壁面を含み、窓孔を含み周長方向に直交する断面において、一対の第1溝壁面のうち内燃機関の燃焼室側に設けられた上側第1溝壁面が本体リングの径方向に対してなす角度をθ1としたとき、θ1≦60°である。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
内燃機関のピストンに装着されるオイルリングであって、
軸方向に並んで設けられた一対のランド部と、前記一対のランド部を連結するウェブ部と、を有して環状に形成された本体リングと、
前記本体リングの内周側に配置され、前記本体リングを径方向外側に付勢するコイルエキスパンダと、を備え、
前記本体リングの外周部には、前記一対のランド部と前記ウェブ部とによって囲まれた溝状の空間であるランド空間が、前記本体リングの周長方向に沿って延在して形成されており、
前記ランド空間の底面には、前記本体リングを径方向に貫通する窓孔が形成されており、
前記本体リングの外周面は、軸方向において前記ランド空間の前記底面の両側に設けられ、前記底面に接続されると共に前記軸方向において前記底面から離れるに従って拡径するように形成された一対の第1溝壁面を含み、
前記窓孔を含み前記周長方向に直交する断面において、前記一対の第1溝壁面のうち前記内燃機関の燃焼室側に設けられた上側第1溝壁面が前記本体リングの径方向に対してなす角度をθ1としたとき、
θ1≦60°である、
オイルリング。
続きを表示(約 670 文字)【請求項2】
前記一対の第1溝壁面のうち前記内燃機関のクランク室側に設けられた下側第1溝壁面が前記本体リングの径方向に対してなす角度をθ2としたとき、
θ2≦60°である、
請求項1に記載のオイルリング。
【請求項3】
40°≦θ1≦60°であって、且つ、40°≦θ2≦60°である、
請求項2に記載のオイルリング。
【請求項4】
前記本体リングの前記外周面は、前記軸方向において前記上側第1溝壁面よりも前記燃焼室側に設けられ、前記上側第1溝壁面に接続されると共に前記燃焼室側に向かうに従って拡径するように形成された上側第2溝壁面と、前記軸方向において前記下側第1溝壁面よりも前記クランク室側に設けられ、前記下側第1溝壁面に接続されると共に前記クランク室側に向かうに従って拡径するように形成された下側第2溝壁面と、を有し、
前記窓孔を含み前記周長方向に直交する断面において、前記上側第2溝壁面が前記径方向に対してなす角度をθ3とし、前記下側第2溝壁面が前記径方向に対してなす角度をθ4としたとき、
θ3<θ1であって、且つ、θ4<θ2である、
請求項2又は3に記載のオイルリング。
【請求項5】
前記窓孔を含み前記周長方向に直交する断面において、前記底面と前記一対の第1溝壁面のそれぞれは、1以上の曲線、複数の連続する直線、又は1以上の曲線と1以上の直線との組合せを介して接続されている、
請求項1又は2に記載のオイルリング。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、本体リングとコイルエキスパンダとが組み合わされたオイルリングに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
一般的な自動車に搭載される内燃機関は、コンプレッションリング(圧力リング)とオイルリングとを含むピストンリングの組み合わせをピストンに装着した構成を採用している。ピストンの軸方向において、コンプレッションリングが燃焼室側に設けられ、オイルリングがクランク室側に設けられ、これらがシリンダ内壁面を摺動することで機能を発揮する。オイルリングは、シリンダ内壁面に付着した余分なエンジンオイル(潤滑油)をクランク側に掻き落とすことでオイルの燃焼室側への流出(オイル上がり)を抑制するオイルシール機能や、潤滑油膜がシリンダ内壁面に適切に保持されるようにオイル量を調整することで内燃機関の運転に伴うピストンの焼き付きを防止する機能を有する。コンプレッションリングは、気密を保持することで燃焼室側からクランク室側への燃焼ガスの流出(ブローバイ)を抑制するガスシール機能や、オイルリングが掻き落とし切れなかった余分なオイルを掻き落とすことでオイル上がりを抑制するオイルシール機能を有する。
【0003】
ここで、オイルリングとしては、シリンダ内壁面を摺動する一対のランド部がウェブ部で連結された本体リングと、螺旋状に巻回された線材により形成されて本体リングをシリンダ内壁面へ付勢するコイルエキスパンダと、を組み合わせた、2ピースの組合せオイルリングが広く用いられている。このような組合せオイルリングには、ランド部により掻き落とされてランド部同士の間に滞留したオイルを本体リングの内周面側に排出するための窓孔がウェブ部に形成されているものがある。この窓孔からオイルが排出されることで、シリンダ内壁の摺動時に発生するランド部間の油圧が低下し、ランド部が油膜に乗ることが抑制される。その結果、ランド部のオイル掻き能力が維持される。
【0004】
2ピースの組合せオイルリングに関連して、オイルを流通させる貫通油孔の相対する側壁の少なくとも一方をオイルの流通方向に対して傾斜させることでオイルの流通性の改善を図る技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2006-194272号公報
特開2011-220519号公報
特許第7148667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
オイルリングによってオイル消費を低減するためには、シリンダ内壁面のオイルをより掻き落とせるように、ランド部の摺動面がシリンダ内壁面に接触する面圧を大きくすることが一般的である。一方で、面圧を大きくするためのリング張力の増大は、フリクションの増加の一因となり、面圧を大きくするためのランド部の摺動面積の縮小は、耐摩耗性の低下の一因となる。そのため、窓孔の形状、窓孔の位置、一対のランド部の内側面(互いに対向する面)の形状の最適化によって一対のランド部間に滞留したオイルを窓孔からオイルリングの内周面側に排出し易くすることが求められている。しかしながら、それらの対策を講じても、長時間の運転ではオイルの劣化によりカーボンスラッジ等の不溶解物質が一対のランド部間にデポジットとして堆積することがあり、その原因は十分に解明され
ていない。
【0007】
また、例えば植物系エンジンオイルは、石油系エンジンオイルに比べてカーボンスラッジ等の発生量が多く、さらにそのカーボンスラッジ等は強固に付着するため、ランド部間にデポジットとして堆積し窓孔を塞ぐことが懸念される。
【0008】
さらに、例えば植物油をディーゼル代替燃料として使用した場合には、軽油を使用した場合と比べ、長時間運転した際のカーボンデポジットが増大するため、オイルリングを含むピストンリングがステックする可能性も高くなる。
【0009】
そこで、本発明者は、デポジットが堆積する要因として、内燃機関の運転中におけるオイルの滞留以外に、内燃機関の運転停止状態におけるオイルの滞留にも着目した。本発明は、内燃機関の停止状態においてオイルリングのランド部間にオイルが滞留することを抑制可能なオイルリングを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は、以下の構成を採用した。即ち、本発明は、内燃機関のピストンに装着されるオイルリングであって、軸方向に並んで設けられた一対のランド部と、前記一対のランド部を連結するウェブ部と、を有して環状に形成された本体リングと、前記本体リングの内周側に配置され、前記本体リングを径方向外側に付勢するコイルエキスパンダと、を備え、前記本体リングの外周部には、前記一対のランド部と前記ウェブ部とによって囲まれた溝状の空間であるランド空間が、前記本体リングの周長方向に沿って延在して形成されており、前記ランド空間の底面には、前記本体リングを径方向に貫通する窓孔が形成されており、前記本体リングの外周面は、軸方向において前記ランド空間の前記底面の両側に設けられ、前記底面に接続されると共に前記軸方向において前記底面から離れるに従って拡径するように形成された一対の第1溝壁面を含み、前記窓孔を含み前記周長方向に直交する断面において、前記一対の第1溝壁面のうち前記内燃機関の燃焼室側に設けられた上側第1溝壁面が前記本体リングの径方向に対してなす角度をθ1としたとき、θ1≦60°である。
(【0011】以降は省略されています)

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