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公開番号2024132992
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-01
出願番号2024038912
出願日2024-03-13
発明の名称食品焼成用天板
出願人小野工芸株式会社
代理人弁理士法人インテクト国際特許事務所,個人,個人
主分類A21B 3/15 20060101AFI20240920BHJP(ベイキング;生地製造または加工の機械あるいは設備;ベイキングの生地)
要約【課題】簡便な構造で剛性を保ちつつも、芯材に付着、又は発生した異物の落下を抑制できる食品焼成用天板を提供すること。
【解決手段】食品焼成用天板10であって、天板本体部1と、前記天板本体部の縁に設けられた天板壁部2と、前記天板壁部2の外側に設けられた芯材5と、前記天板壁部2の上端から前記天板本体部の外側に延び、前記芯材5を囲んで保持する保持部3と、を備え、前記保持部3は、前記天板壁部2と前記芯材5との間に差し込まれた差し込み部3Aを有する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
食品焼成用天板であって、
載置面を有する天板本体部と、
前記天板本体部の縁に設けられた天板壁部と、
前記天板壁部の外側に設けられた芯材と、
前記天板壁部の上端から前記天板本体部の外側に延び、前記芯材を囲んで保持する保持部と、を備え、
前記保持部が、前記天板壁部と前記芯材との間に差し込まれた差し込み部を有する、食品焼成用天板。
続きを表示(約 310 文字)【請求項2】
前記差し込み部が、鉛直方向に対して斜めに差し込まれている、
請求項1に記載の食品焼成用天板。
【請求項3】
前記差し込み部が、前記天板壁部と接している、
請求項1に記載の食品焼成用天板。
【請求項4】
前記差し込み部が、前記芯材と接している、
請求項1に記載の食品焼成用天板。
【請求項5】
前記差し込み部が、前記保持部の他の部分と接している、
請求項1に記載の食品焼成用天板。
【請求項6】
前記天板本体部を平面視したときの形状が矩形である、
請求項1乃至5の何れか1項に記載の食品焼成用天板。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、食品焼成用天板に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
焼成工程を含む食品製造工場、例えば、パンを製造する製パン工場では、焼成前のパンを載置した複数の天板を、コンベア等でオーブン等に搬送しパンの焼成、製造を行っている。このような製パン工場では、天板を効率的に使用するために、天板の繰り返しの使用がされている。したがって、製パン工場で使用される天板には、繰り返しの使用に耐え得る、換言すれば、焼成時における変形等を抑制できる高い剛性が求められている。剛性を有する天板としては、焼成前のパンを載置できる載置面を有した天板本体部、及び天板本体部の縁に設けられた天板壁部を有し、天板壁部の外側に補強芯材(以下、芯材という)が設けられたものが知られている。芯材としては、鉄製、アルミニウム製、ステンレス製等の芯材が知られている。これらの中でも、鉄製の芯材は、剛性が高く、コストが安価な点で広く使用されている。天板壁部に設けられた芯材は、通常、その落下を抑制するために、天板壁部の上端から天板本体部の外側に延び、芯材を囲んで保持する保持部によって保持されている。
【0003】
ところで、天板を補強する芯材に、各種の異物が付着、又は発生した場合には、各種の問題を引き起こす。図8(A)は、従来の天板の壁部近傍の拡大断面図であり、保持部の先端部分が天板壁部と接していない形態となっている。この形態の天板において芯材に異物が付着、又は異物が発生した場合には、天板壁部と保持部の隙間から異物が下方に落下するといった問題が生ずる。例えば、芯材として、鉄製の芯材を使用する場合、当該芯材には錆が発生しやすく、芯材に発生した錆が異物となる。例えば、製パン工場では、天板の繰り返しの使用に際し、適宜、焼成時のパンの焼き滓を除去するための天板の水洗が行われる。この水洗時の水は、鉄製の芯材を腐食させ、この芯材に異物となる錆を発生させる要因となる。また、錆びが生じにくいような芯材を使用した場合であっても、当該芯材が帯電等しやすいものである場合、この芯材に異物となる大気中の埃や塵等を付着させる要因となる。
【0004】
このような芯材に付着、又は発生した異物の落下の問題に対して、図8(B)に示すように、保持部の先端部分と天板壁部とが密着するように、芯材を保持部で囲むといった手段もあるが、パン焼成時の熱によって保持部の一部にたわみ等が生じた場合には、図8(C)に示すように、保持部が全体として下方に垂れ下がることで天板壁部と保持部との間に隙間が生じ、結果的に、異物の落下を十分に抑制できない。製パン工場における異物の落下は、他の天板の汚染へとつながる。例えば、焼成前、又は焼成後のパンが載置された複数の天板をコンベアで搬送している際に、一の天板の芯材から発生した異物が、一の天板よりも下方に位置している他の一の天板に落下した場合には、他の天板に載置されている焼成前、又は焼成後のパンに異物が混入するおそれがある。このような状況下、特許文献1には、天板のフランジ(保持部)を、補強鉄芯を内包するように折り曲げ、その折り曲げ先端面と、天板の側板(天板壁部)とを所望数だけ点溶接したパン焼成用天板が提案されている。つまり、図8(B)に示す従来の形態において、密着部分の一部を溶接したものが提案されている。特許文献1に提案がされている天板によれば、強固で、変形のしない天板を得られるとされている。また、異物となる錆の発生や、錆の落下を抑制できるとされている。
【0005】
しかしながら、天板は使用時における激しいヒートサイクルにより、素材に変形や、歪が生じやすく、特許文献1に提案がされているような点溶接では、これら素材の変形や、歪を十分に抑えることが困難である。また、天板の素材に変形や、歪が生じた場合には、点溶接部分が剥がれやすいといった問題も内在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
実用新案登録第3110498号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、簡便な構造で剛性を保ちつつも、芯材に付着、又は芯材に発生した異物の落下を抑制できる食品焼成用天板の提供を主たる課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態の食品焼成用天板は、載置面を有する天板本体部と、前記天板本体部の縁に設けられた天板壁部と、前記天板壁部の外側に設けられた芯材と、前記天板壁部の上端から前記天板本体部の外側に延び、前記芯材を囲んで保持する保持部と、を備え、前記保持部が、前記天板壁部と前記芯材との間に差し込まれた差し込み部を有する。
【0009】
上記の食品焼成用天板において、前記差し込み部が、鉛直方向に対して斜めに差し込まれていてもよい。
上記の食品焼成用天板において、前記差し込み部を、前記天板壁部と接しさせてもよい。
上記の食品焼成用天板において、前記差し込み部を、前記芯材と接しさせてもよい。
上記の食品焼成用天板において、前記差し込み部を、前記保持部の他の部分と接しさせてもよい。
上記の食品焼成用天板において、前記天板本体部を平面視したときの形状を矩形としてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の食品焼成用天板によれば、簡便な構造で、剛性を保ちつつも、天板からの異物の落下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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