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公開番号2025007349
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-17
出願番号2023108673
出願日2023-06-30
発明の名称シューパフ生地の製造方法、シューパフ用水系組成物、シューパフ調製用油中水型組成物
出願人月島食品工業株式会社
代理人デロイトトーマツ弁理士法人
主分類A21D 13/33 20170101AFI20250109BHJP(ベイキング;生地製造または加工の機械あるいは設備;ベイキングの生地)
要約【課題】ボリュームがあり、歯切れ、口どけに優れたシューパフが得られるシューパフ生地の製造方法及びシューパフ生地調製用水系組成物を提供する。
【解決手段】小麦由来を除く植物性蛋白質と、フィチン酸及び/又はフィチン酸塩とを原料として含有せしめることを特徴とするシューパフ生地の製造方法である。また、小麦由来を除く植物性蛋白質と、フィチン酸及び/又はフィチン酸塩とを含有することを特徴とするシューパフ生地調製用水系組成物である。また、前記シューパフ生地調製用水系組成物を含有するシューパフ生地調製用油中水型乳化組成物である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
小麦由来を除く植物性蛋白質と、フィチン酸及び/又はフィチン酸塩とを原料として含有せしめることを特徴とするシューパフ生地の製造方法。
続きを表示(約 660 文字)【請求項2】
前記小麦由来を除く植物性蛋白質として、エンドウ豆蛋白、大豆蛋白、ひよこ豆蛋白からなる群から選ばれた少なくとも1種を原料として含有せしめることを特徴とする請求項1に記載のシューパフ生地の製造方法。
【請求項3】
澱粉質原料100質量部に対して、前記フィチン酸及び/又はフィチン酸塩を、フィチン酸に換算して0.01~2質量部含有せしめることを特徴とする請求項1に記載のシューパフ生地の製造方法。
【請求項4】
澱粉質原料100質量部に対して、前記小麦由来を除く植物性蛋白質由来の蛋白質を0.5~10質量部含有せしめることを特徴とする請求項1に記載のシューパフ生地の製造方法。
【請求項5】
小麦由来を除く植物性蛋白質と、フィチン酸及び/又はフィチン酸塩とを含有することを特徴とするシューパフ生地調製用水系組成物。
【請求項6】
前記フィチン酸及び/又はフィチン酸塩をフィチン酸に換算して0.03~5.0質量%含有する請求項5に記載のシューパフ生地調製用水系組成物。
【請求項7】
pHが4.7~10である請求項5に記載のシューパフ生地調製用水系組成物。
【請求項8】
前記小麦由来を除く植物性蛋白質を1~20質量%含有する請求項5に記載のシューパフ生地用水系組成物。
【請求項9】
請求項5~8のいずれか1つに記載のシューパフ生地調製用水系組成物を含有するシューパフ生地調製用油中水型乳化組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、シュークリーム等のシュー菓子の外皮を構成するシューパフに用いられるシューパフ用組成物に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
シュークリーム等のシュー菓子の外皮を構成するシューパフは、バター、ショートニング、植物油等の油脂と水とを合わせて加熱し、これに小麦粉を加えてそのα化を促し、温度を下げた後に液卵を加えて適度な粘度に調製し、天板に絞り出してオーブンに入れ焼成することにより製造するのが一般的である。しかしながら、その製造には、各工程にわたる温度管理や配合割合等に熟練を要する側面があり、得られるシューパフの品質にバラツキも生じやすく、品質の良いシューパフを安定に大量生産することが難しいという問題があった。更に、近年では、より大型のシュー菓子や、卵の配合量が多く、膨らますことが難しい生地を用いたシュー菓子など、消費者の嗜好の多様化にも応えなければならないという問題があった。
【0003】
このような問題に対して、従来、カゼインやカゼインの塩(例えば、カゼインナトリウム)が有用であることが知られている。すなわち、カゼイン原料をシューパフ生地に配合すると、その生地は、焼成時に生じる水蒸気や膨張剤によるガスを保持する被膜作用が強くなって、大きく膨れ易くなる。また、カゼイン原料は生地の乳化状態の安定化にも寄与している。よって、シューパフに配合する原料として、カゼインやカゼインの塩が広く用いられるようになっている。その利用形態としては、マーガリン様の油脂組成物の水相にカゼイン原料を分散させたうえで、上記製造工程において小麦粉と合わせるバター、ショートニング、植物油等の油脂の代わり、あるいはその油脂の一部として用いて、シューパフ生地を調製するように用いられる形態のものが知られている。このようにカゼイン原料を油脂組成物に含有させたうえで使用すると、水や小麦粉等他の原料との混合工程を簡易化もしくは簡略化できるので、より好ましい利用形態であるといえる。
【0004】
ここで、近年の市場には動物由来の原料を避ける要望があること、カゼインには供給やコスト面の不安定性があること、更に、カゼインを配合すると、得られるシューパフの歯切れが悪くなったり、口どけが悪く、風味が悪くなったりするなどの欠点があることから、カゼインを配合せずに、ボリュームのあるシューパフを得ることができるシューパフの製造方法が求められている。
【0005】
このような問題に対して、例えば、特許文献1には、シューパフ用水系組成物に、フィチン酸、フィチン酸塩、フマル酸、及びフマル酸塩からなる群から選ばれた少なくとも1種の有機酸と、カゼイン及びカゼインの塩からなる群から選ばれた少なくとも1種を含むカゼイン原料とを含有させることにより、カゼインの配合量を減らしても、容積の大きなシューパフを得ることができることが記載されている。
【0006】
また、例えば、特許文献2には、シュー用油中水型乳化物に、ゲル強度が10~60g・cmである分離蛋白を1~10重量%、水溶性大豆多糖類を0.2~5重量%含有させることにより、カゼインを実質的に含有させずとも、十分なボリュームをもつシューパフを得ることができることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2019-187415号公報
特開2017-51186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1の技術では、シューパフのボリュームを得るためにカゼインを含有する必要があり、また、上記特許文献2の技術では、シューパフのボリュームには限度があり、大型のシュー菓子を望む消費者の嗜好に十分に対応できていなかった。
【0009】
そこで、本発明の目的は、ボリュームがあり、歯切れ、口どけに優れたシューパフが得られるシューパフ生地の製造方法及びシューパフ生地調製用水系組成物を提供することにある。また、そのシューパフ生地調製用水系組成物を利用したシューパフ生地調製用水系組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究した結果、小麦由来を除く植物性蛋白質と、フィチン酸及び/又はフィチン酸塩とを原料として用いることで、ボリュームがあり、歯切れ、口どけに優れたシューパフが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
(【0011】以降は省略されています)

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