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公開番号2024169027
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-05
出願番号2023086197
出願日2023-05-25
発明の名称ベーカリー食品用生地、ベーカリー食品用生地の製造方法、ベーカリー食品の製造方法、及びベーカリー食品
出願人株式会社ホ-ライ
代理人デロイトトーマツ弁理士法人
主分類A21D 2/18 20060101AFI20241128BHJP(ベイキング;生地製造または加工の機械あるいは設備;ベイキングの生地)
要約【課題】油脂層を備える生地を焼成した際、浮きがより大きくなるベーカリー食品用生地、その製造方法、このベーカリー食品の製造方法、及びこのベーカリー食品を提供する。
【解決手段】ベーカリー食品用生地が、この生地中に、小麦粉を含有する小麦粉生地層と、油脂層とが形成されていて、熱ゲル化性のあるセルロース誘導体がこの小麦粉生地層中に分散されて含有されている。ベーカリー食品用生地の製造方法が、この小麦粉生地層の原料中に熱ゲル化性のあるセルロース誘導体を混合して、この小麦粉生地層を形成する工程、及び、この小麦粉生地層に油脂組成物を混合又は挟み込んでこの油脂層を形成する油脂層形成工程を含む。ベーカリー食品の製造方法が、このベーカリー食品用生地を焼成する焼成工程を含む。ベーカリー食品が、ベーカリー食品の製造方法により製造され、熱ゲル化性のあるセルロース誘導体を含む。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
生地中に、小麦粉を含有する小麦粉生地層と、油脂層とが形成されているベーカリー食品用生地であって、熱ゲル化性のあるセルロース誘導体が前記小麦粉生地層中に分散されて含有されていることを特徴とするベーカリー食品用生地。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記セルロース誘導体がセルロースエーテルを含むことを特徴とする、請求項1に記載されたベーカリー食品用生地。
【請求項3】
前記セルロース誘導体が、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項2に記載されたベーカリー食品用生地。
【請求項4】
前記ベーカリー食品が、パイ、デニッシュ、クロワッサン、及びミルフィーユからなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、請求項1に記載されたベーカリー食品用生地。
【請求項5】
前記セルロース誘導体のゲル化温度が50℃以上であり、
動的粘弾性測定装置を使用し、セルロース誘導体の1.3質量%水溶液を、昇温速度3.5℃/分で20℃から90℃まで昇温し、せん断応力1%、周波数1Hz、治具として直径25mm、ギャップ1mmのパラレルプレートで、温度分散測定法により貯蔵弾性率と損失弾性率を測定し、当該貯蔵弾性率と損失弾性率の交点となる温度が当該ゲル化温度であることを特徴とする、請求項1に記載されたベーカリー食品用生地。
【請求項6】
前記セルロース誘導体の前記生地中の含有量が0.5~5質量%の範囲であることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載されたベーカリー食品用生地。
【請求項7】
生地中に、小麦粉を含有する小麦粉生地層と、油脂層とが形成されているベーカリー食品用生地の製造方法であって、
前記小麦粉生地層の原料中に熱ゲル化性のあるセルロース誘導体を混合して、前記小麦粉生地層を形成する工程、及び
前記小麦粉生地層に油脂組成物を混合又は挟み込んで前記油脂層を形成する油脂層形成工程を含むことを特徴とするベーカリー食品用生地の製造方法。
【請求項8】
前記セルロース誘導体のゲル化温度が50℃以上であり、
動的粘弾性測定装置を使用し、セルロース誘導体の1.3質量%水溶液を、昇温速度3.5℃/分で20℃から90℃まで昇温し、せん断応力1%、周波数1Hz、治具として直径25mm、ギャップ1mmのパラレルプレートで、温度分散測定法により貯蔵弾性率と損失弾性率を測定し、当該貯蔵弾性率と損失弾性率の交点となる温度が当該ゲル化温度であることを特徴とする、請求項7に記載されたベーカリー食品用生地の製造方法。
【請求項9】
請求項7又は8の方法で得られたベーカリー食品用生地を焼成する焼成工程を含むことを特徴とするベーカリー食品の製造方法。
【請求項10】
請求項9に記載されたベーカリー食品の製造方法により製造された、熱ゲル化性のあるセルロース誘導体を含むベーカリー食品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ベーカリー食品用生地、ベーカリー食品用生地の製造方法、ベーカリー食品の製造方法、及びベーカリー食品に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
油脂層を備える生地を焼成し、当該生地を層状に膨化させ調理される、パイ、デニッシュ、クロワッサン、ミルフィーユ等のベーカリー食品が知られている。
【0003】
引用文献1には、加熱ゲル化剤、分離大豆蛋白質から選ばれる1種類以上をパイ生地に塗布して折り込み、当該パイ生地を半焼成する、電子レンジ調理用パイの製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2015-177774号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、油脂層を備える生地を焼成した際、浮き(膨化度合い)がより大きくなる、ベーカリー食品用生地が希求されるようになってきた。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、油脂層を備える生地を焼成した際、浮きがより大きくなる、ベーカリー食品用生地を提供することである。本発明が解決しようとする別の課題は、前記ベーカリー食品用生地の製造方法、前記ベーカリー食品の製造方法、及び前記ベーカリー食品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは上記課題に鑑み検討を重ね、熱ゲル化性のあるセルロース誘導体が分散されている小麦粉生地層と、油脂層とが形成されているベーカリー食品用生地を焼成した際、浮きがより大きくなることを見出した。本発明はこれらの知見に基づき完成されるに至ったものである。
【0008】
本発明は、生地中に、小麦粉を含有する小麦粉生地層と、油脂層とが形成されているベーカリー食品用生地であって、熱ゲル化性のあるセルロース誘導体が前記小麦粉生地層中に分散されて含有されているベーカリー食品用生地に関する。
前記セルロース誘導体は、好ましくはセルロースエーテルを含む。
前記セルロース誘導体は、より好ましくはメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1つを含む。
前記ベーカリー食品は、好ましくはパイ、デニッシュ、クロワッサン、及びミルフィーユからなる群から選ばれる少なくとも1つである。
前記セルロース誘導体のゲル化温度は、好ましくは50℃以上であり、動的粘弾性測定装置を使用し、セルロース誘導体の1.3質量%水溶液を、昇温速度3.5℃/分で20℃から90℃まで昇温し、せん断応力1%、周波数1Hz、治具として直径25mm、ギャップ1mmのパラレルプレートで、温度分散測定法により貯蔵弾性率と損失弾性率を測定し、当該貯蔵弾性率と損失弾性率の交点となる温度が当該ゲル化温度である。
前記セルロース誘導体の前記生地中の含有量は、好ましくは0.5~5質量%の範囲である。
【0009】
本発明は、生地中に、小麦粉を含有する小麦粉生地層と、油脂層とが形成されているベーカリー食品用生地の製造方法であって、前記小麦粉生地層の原料中に熱ゲル化性のあるセルロース誘導体を混合して、前記小麦粉生地層を形成する工程、及び、前記小麦粉生地層に油脂組成物を混合又は挟み込んで前記油脂層を形成する油脂層形成工程を含むベーカリー食品用生地の製造方法に関する。
前記セルロース誘導体のゲル化温度は、好ましくは50℃以上であり、動的粘弾性測定装置を使用し、セルロース誘導体の1.3質量%水溶液を、昇温速度3.5℃/分で20℃から90℃まで昇温し、せん断応力1%、周波数1Hz、治具として直径25mm、ギャップ1mmのパラレルプレートで、温度分散測定法により貯蔵弾性率と損失弾性率を測定し、当該貯蔵弾性率と損失弾性率の交点となる温度が当該ゲル化温度である。
【0010】
本発明は、前記ベーカリー食品用生地の製造方法で得られたベーカリー食品用生地を焼成する焼成工程を含むベーカリー食品の製造方法に関する。
(【0011】以降は省略されています)

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