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公開番号2025018186
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-06
出願番号2023121684
出願日2023-07-26
発明の名称冷凍パン生地を用いたパンの製造システム
出願人株式会社福盛ドゥ
代理人弁理士法人ユニアス国際特許事務所
主分類A21D 6/00 20250101AFI20250130BHJP(ベイキング;生地製造または加工の機械あるいは設備;ベイキングの生地)
要約【課題】食事パンにおける冷凍保存を可能とし、さらに化学合成物を使用しないパン生地の組成においても有効である冷凍パン生地を用いた食事パンの製造方法と製造システムを提供する。
【解決手段】冷凍パン生地を用いる食パン系の製造方法は、発酵工程後に、パン生地を所定の重量に分割する分割工程と、分割パン生地を所定時間急速冷却する第一急速冷却工程と、分割パン生地の中心部の温度が8℃以上10℃以下の範囲の任意の温度になるように、分割パン生地を解凍する解凍工程と、解凍された分割パン生地を成型し、成型パン生地を得る成型工程と、成型パン生地を所定時間急速冷却する第二急速冷却工程と、急速冷却した成型パン生地を、冷凍温度で所定期間保存する第一保存工程と、冷凍保存した成型パン生地を所定期間保存する第二保存工程と、前記第二保存工程の後で、少なくとも3段階の温度および期間を設定してホイロ発酵を行う多段式ホイロ発酵工程と、ホイロ発酵後のパン生地を焼成する焼成工程とを含む。
【選択図】図1A
特許請求の範囲【請求項1】
冷凍パン生地を用いる食パン系の製造方法であって、
発酵が停止および進まない所定の温度以下でパン生地を混合し捏ねるパン生地捏ね工程と、
前記パン生地を所定の発酵温度で発酵する発酵工程と、
前記発酵工程後に、前記パン生地を所定の重量に分割し、所定数の分割パン生地を得る分割工程と、
前記分割工程後に、分割パン生地を、所定の温度範囲で、分割パン生地の中心部の温度が-12℃以上-5℃以下の範囲の任意の温度になるように、所定時間急速冷却する第一急速冷却工程と、
前記第一急速冷却工程後に、前記分割パン生地の中心部の温度が8℃以上10℃以下の範囲の任意の温度になるように、前記分割パン生地を解凍する解凍工程と、
前記解凍工程後に、解凍された分割パン生地を成型し、成型パン生地を得る成型工程と、
前記成型工程後に、成型パン生地を、所定の温度範囲で、成型パン生地の中心部の温度が-5℃以下の範囲の任意の温度になるように、所定時間急速冷却する第二急速冷却工程と、
前記第二急速冷却した成型パン生地を、-12℃以下の冷凍温度で所定期間保存する第一保存工程と、
を少なくとも含む、
冷凍パン生地を用いる食パン系の製造方法。
続きを表示(約 3,700 文字)【請求項2】
前記冷凍保存した成型パン生地を食パン用型に入れあるいは食パン用型に入れることなく、前記冷凍温度よりも高い-2℃から2℃の範囲の温度および相対湿度60%以下で所定期間少なくとも保存する第二保存工程と、
前記第二保存工程の後で、少なくとも3段階の温度、相対湿度60%以下および期間を設定してホイロ発酵を行う多段式ホイロ発酵工程と、
前記多段式ホイロ発酵工程の後で、ホイロ発酵後のパン生地を焼成する焼成工程と、
をさらに含む、
請求項1に記載の冷凍パン生地を用いる食パン系の製造方法。
【請求項3】
冷凍パン生地を用いるフランスパン系の製造方法であって、
発酵が停止および進まない所定の温度以下でパン生地を混合し捏ねるパン生地捏ね工程と、
前記パン生地を所定の発酵温度で発酵する発酵工程と、
前記発酵工程後に、前記パン生地を所定の重量に分割し、所定数の分割パン生地を得る分割工程と、
前記分割工程後に、分割パン生地を、所定の温度範囲で、分割パン生地の中心部の温度が-12℃以上-5℃以下の範囲の任意の温度になるように、所定時間急速冷却する第一急速冷却工程と、
前記第一急速冷却工程後に、前記分割パン生地の中心部の温度が8℃以上10℃以下の範囲の任意の温度になるように、前記分割パン生地を解凍する解凍工程と、
前記解凍工程後に、解凍された分割パン生地を成型し、成型パン生地を得る成型工程と、
前記成型工程後に、成型パン生地を、所定の温度範囲で、成型パン生地の中心部の温度が-5℃以下の範囲の任意の温度になるように、所定時間急速冷却する第二急速冷却工程と、
前記第二急速冷却した成型パン生地を、-12℃以下の冷凍温度で所定期間保存する第一保存工程と、
を少なくとも含む、
冷凍パン生地を用いるフランスパン系の製造方法。
【請求項4】
前記冷凍保存した成型パン生地を、前記冷凍温度よりも高い-2℃から2℃の範囲の温度および相対湿度60%以下で所定期間少なくとも保存する第二保存工程と、
前記第二保存工程の後で、少なくとも3段階の温度、相対湿度60%以下および期間を設定してホイロ発酵を行う多段式ホイロ発酵工程と、
前記多段式ホイロ発酵工程の後で、ホイロ発酵後のパン生地を焼成する焼成工程と、
をさらに含む、
請求項3に記載の冷凍パン生地を用いるフランスパン系の製造方法。
【請求項5】
冷凍パン生地玉を用いた食事パンの製造方法であって、
発酵が停止および進まない所定の温度以下でパン生地を混合し捏ねるパン生地捏ね工程と、
前記パン生地を所定の発酵温度で発酵する発酵工程と、
前記発酵工程後に、前記パン生地を所定の重量に分割し、所定数の分割パン生地玉を得る分割工程と、
前記分割工程後に、分割パン生地玉を、所定の温度範囲で、パン生地の中心部の温度が-5℃以下になるように急速冷却する急速冷却工程と、
前記急速冷却した分割パン生地玉を、-12℃以下の冷凍温度で所定期間保存する第一保存工程と、
を少なくとも含む、
冷凍パン生地玉を用いた食事パンの製造方法。
【請求項6】
前記冷凍保存した分割パン生地玉を、前記冷凍温度よりも高い-2℃から2℃の範囲の温度および相対湿度60%以下で所定期間少なくとも保存する第二保存工程と、
前記第二保存工程の後で、前記分割パン生地玉の中心部の温度が8℃以上10℃以下の範囲の任意の温度になるように、前記分割パン生地玉を解凍する解凍工程と、
前記解凍工程後に、解凍された分割パン生地玉を成型し、成型パン生地を得る成型工程と、
前記成型パン生地において、所定温度と相対湿度60%以下のホイロ発酵を行うホイロ発酵工程、または少なくとも3段階の温度、相対湿度60%以下および期間を設定してホイロ発酵を行う多段式ホイロ発酵工程と、
前記ホイロ発酵工程あるいは多段式ホイロ発酵工程の後で、ホイロ発酵後のパン生地を焼成する焼成工程と、
をさらに含む、
請求項5に記載の冷凍パン生地玉を用いた食事パンの製造方法。
【請求項7】
冷凍パン生地を用いる食パン系の製造システムであって、
発酵が停止および進まない所定の温度以下でパン生地を混合し捏ねる捏ね装置と、
パン生地を所定の発酵温度で発酵する発酵装置と、
前記発酵後に、前記パン生地を所定の重量に分割した分割パン生地を、所定の温度範囲で、分割パン生地の中心部の温度が-12℃以上-5℃以下の範囲の任意の温度になるように、所定時間急速冷却する第一急速冷却装置と、
前記第一急速冷却した後に、前記分割パン生地の中心部の温度が8℃以上10℃以下の範囲の任意の温度になるように、前記分割パン生地を解凍し、解凍された分割パン生地を成型した成型パン生地を、所定の温度範囲で、成型パン生地の中心部の温度が-5℃以下の範囲の任意の温度になるように、所定時間急速冷却する第二急速冷却装置と、
前記第二急速冷却した成型パン生地を、-12℃以下の冷凍温度で所定期間保存する第一保存装置と、
前記冷凍保存した成型パン生地を食パン用型に入れあるいは食パン用型に入れることなく、前記冷凍温度よりも高い-2℃から2℃の範囲の温度および相対湿度60%以下で所定期間少なくとも保存する第二保存装置と、
前記第二保存された後で、少なくとも3段階の温度、相対湿度60%以下および期間を設定してホイロ発酵を行う多段式ホイロ発酵装置と、
前記多段式ホイロ発酵の後で、ホイロ発酵後のパン生地を焼成する焼成装置と、
を備える、
冷凍パン生地を用いる食パン系の製造システム。
【請求項8】
発酵が停止および進まない所定の温度以下でパン生地を混合し捏ねる捏ね装置と、
パン生地を所定の発酵温度で発酵する発酵装置と、
前記発酵工程後に、前記パン生地を所定の重量に分割し、分割した分割パン生地を、所定の温度範囲で、分割パン生地の中心部の温度が-12℃以上-5℃以下の範囲の任意の温度になるように、所定時間急速冷却する第一急速冷却装置と、
前記第一急速冷却した後に、前記分割パン生地の中心部の温度が8℃以上10℃以下の範囲の任意の温度になるように、前記分割パン生地を解凍し、解凍された分割パン生地を成型し、成型された成型パン生地を、所定の温度範囲で、成型パン生地の中心部の温度が-5℃以下の範囲の任意の温度になるように、所定時間急速冷却する第二急速冷却装置と、
前記第二急速冷却した成型パン生地を、-12℃以下の冷凍温度で所定期間保存する第一保存装置と、
前記冷凍保存した成型パン生地を、前記冷凍温度よりも高い-2℃から2℃の範囲の温度および相対湿度60%以下で所定期間少なくとも保存する第二保存装置と、
前記第二保存された後で、少なくとも3段階の温度、相対湿度60%以下および期間を設定してホイロ発酵を行う多段式ホイロ発酵装置と、
前記多段式ホイロ発酵の後で、ホイロ発酵後のパン生地を焼成する焼成装置と、
を備える、
冷凍パン生地を用いるフランスパン系の製造システム。
【請求項9】
冷凍パン生地玉を用いた食事パンの製造システムであって、
発酵が停止および進まない所定の温度以下でパン生地を混合し捏ねる捏ね装置と、
前記パン生地を所定の発酵温度で発酵する発酵装置と、
前記発酵後に、前記パン生地を所定の重量に分割して得た所定数の分割パン生地玉を、所定の温度範囲で、パン生地の中心部の温度が-5℃以下になるように急速冷却する急速冷却装置と、
前記急速冷却した分割パン生地玉を、-12℃以下の冷凍温度で所定期間保存する第一保存装置と、
前記冷凍保存した分割パン生地玉を、前記冷凍温度よりも高い-2℃から2℃の範囲の温度および相対湿度60%以下で所定期間少なくとも保存する第二保存装置と、
前記分割パン生地玉の中心部の温度が8℃以上10℃以下の範囲の任意の温度になるように、前記分割パン生地玉を解凍した後で、解凍された分割パン生地玉を成型し、成型パン生地を得る成型装置と、
前記成型パン生地において、所定温度と相対湿度60%以下のホイロ発酵を行うホイロ発酵装置、または少なくとも3段階の温度、相対湿度60%以下および期間を設定してホイロ発酵を行う多段式ホイロ発酵装置と、
前記ホイロ発酵後のパン生地を焼成する焼成装置と、
を備える、
冷凍パン生地玉を用いた食事パンの製造システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍パン生地を用いたパンの製造システムに関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1は、長期保存に耐える製パン用冷凍生地の製造方法を開示している。この方法は、中種を作り、0℃から10℃で4-24時間発酵させた後、本捏配合物を加えて本捏する工程を有する。別の方法としては、中種を作り、0℃から10℃で4-24時間発酵させた後、本捏配合物を加えて本捏し、完全に凍結(例えば、-20℃)させた後、冷凍生地保護剤粉末(小麦粉、コーンフラワー、デンプン、グリセリン脂肪酸エステル、アスコルビン酸)をこの凍結生地に表面に付着させ、再度、冷凍保存する工程を有する。特許文献1では、イーストの冷凍耐性が弱い点、グルテン蛋白が凍結によって変性する点が課題であった。0℃より低温では発酵が十分に進まず、10℃より高温では発酵が進みすぎる点、4時間未満では発酵が十分に進まず、24時間を超えると発酵が進みすぎる点も記載されている。中種配合物をミキサーで混捏し、乾燥を防止した状態で10℃の冷蔵庫中で10時間発酵させる。中種に本ごね配合物を加え、十分グルテンがディベロップするまでミキシングし20℃の生地を作り、分割(分割重量230g)、丸めた後、生地温度が-20℃で凍結保存した。この生地を一旦室温で1時間解凍した後、30℃、80%のホイロで最後発酵後常法により焼成して白パンを製造した。12週間貯蔵後も焼成できた。
【0003】
特許文献2は、湯種生地と中種生地を別々に作成し、パン生地を本捏ね工程で作成するパン生地の製造方法である。
【0004】
特許文献3は、ストレート法でのもっちりとした弾力のある食感を有し、常温保存下あるいは冷蔵保存下における老化耐性を有する、中種法によるパン類を製造する方法である。製造方法は、小麦粉、生イースト又はインスタントドライイースト、並びに水分を含有する液体材料を含む材料を混捏し、中種生地を調製する混捏工程、及び前記中種生地を発酵させ、中種を調製する発酵工程を含む。
【0005】
特許文献4は、焼成する前のパンやドーナツなどの生地を、保管し、発酵させるためのドウコンディショナーを開示している。
【0006】
特許文献5は、食品の冷凍ムラを抑制することが可能な食品冷凍装置を開示している。
【0007】
特許文献6は、解凍時間の短縮で必要なときに必要な量を解凍し、解凍ロスを解消する冷凍及び解凍機を開示している。
【0008】
特許文献7は、クロワッサン、デニッシュ、バターロールなどの小サイズのパンの製造方法であって、小麦粉、砂糖、食塩、油脂、イースト、生地改良剤、水を含むパン原料をミキシングした生地を分割し、-20℃の冷凍庫で120分冷却(生地中心温度0℃)し、生地を3つ折り2回した後、-5℃で一夜冷却後、更に3つ折りに1回すること、その後、成型、急冷(-35℃、20分)、冷蔵(-1℃から-7℃、5日間)、室温放置(20分)、ホイロ(温度35℃、湿度70%から75%、60分)及び焼成、さらに-20℃で冷凍保存することを行うこと(実施例1、2及び比較例1)が記載されている。しかしながら生地改良剤として酒石酸モノグリセライドエステルとアスコルビン酸の化学合成物を使用しなければならない。
そして、食事パンについては開示されていない。
【0009】
特許文献8は、分割または成形後のパン生地を15~28℃の温度で10~40分間休ませてから冷蔵または冷凍することを特徴とする冷蔵または冷凍パン生地の製造方法を開示する。特許文献8の実施例3では、バターロールについて、冷蔵後に成型し、次いでホイロ発酵(35℃、50分)後に焼成することが開示されている。分割あるいは成型後にパン生地を休ませると、発酵がすすんでしまう。焼成特許文献7と同様に食事パンについての言及は一切ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開平4-59859号公報
特許第6807187号
特開2022-50138号公報
特開2022-83783号公報
特開2022-154085号公報
特開2022-80810号公報
特開平2-163031号公報
特開平6-205636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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