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公開番号2025011706
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-24
出願番号2023113968
出願日2023-07-11
発明の名称再加熱パン類用組成物および該組成物を含むパン生地とパン類
出願人昭和産業株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類A21D 2/36 20060101AFI20250117BHJP(ベイキング;生地製造または加工の機械あるいは設備;ベイキングの生地)
要約【課題】電子レンジ等で再加熱して喫食される冷蔵または冷凍パン類の、再加熱後の食感と表面状態の劣化を抑制できる再加熱パン類用改良材と、該改良材を含む再加熱パン類用生地と、該生地を加熱して得られるパン類、該パン類を冷蔵若しくは冷凍して得られる冷蔵若しくは冷凍パン類を提供する。
【解決手段】DE11以上の澱粉分解物を有効成分とする再加熱パン類用改良材を、穀粉100質量%に対して1~40質量%含有する再加熱パン類用生地を、加熱して得られるパン類、そのパン類を冷蔵若しくは冷凍した冷蔵若しくは冷凍パン類は、これをレンジアップ、リフライ、またはリベイクにより再加熱することにより、表面状態と食感の劣化が抑制され、できたてのような好ましい食感のパン類が得られる。
【選択図】なし

特許請求の範囲【請求項1】
DE11以上の澱粉分解物を有効成分とする、再加熱パン類用改良材。
続きを表示(約 450 文字)【請求項2】
前記DEが11~33である、請求項1に記載の再加熱パン類用改良材。
【請求項3】
冷蔵または冷凍パン類のレンジアップ食感改良材である、請求項1に記載の再加熱パン類用改良材。
【請求項4】
請求項1に記載の再加熱パン類用改良材を、穀粉100質量%に対して1~40質量%含有する再加熱パン類用組成物。
【請求項5】
損傷澱粉量が10質量%以上の米粉を、穀粉100質量%に対して0.1質量%以上含有する、請求項4に記載の再加熱パン類用組成物。
【請求項6】
請求項4または5に記載の組成物を含む、再加熱パン類用生地。
【請求項7】
請求項6に記載の再加熱パン類用生地を加熱してなる、パン類。
【請求項8】
冷蔵または冷凍されてなる、請求項7に記載のパン類。
【請求項9】
請求項1ないし3のいずれかに記載の再加熱パン類用改良材を用いる、パン類のレンジアップ後の食感改良方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、喫食直前に再加熱を施すパン類用の組成物、その組成物を含むパン生地、その生地を加熱したパン類、そのパン類を冷蔵若しくは冷凍した冷蔵若しくは冷凍パン類、および再加熱用パン類の食感改良方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、パン類を、喫食直前にレンジアップ、リフライ、リベイク、蒸す等により再加熱する喫食形態が増加する傾向にある。中でも、冷蔵状態、冷凍状態で販売されたハンバーガー、ホットドッグ、ピザ、ホットサンド、中華まん、カレーパン等の調理パンを、店頭や家庭において喫食直前にレンジアップ(電子レンジで再加熱)して食することが汎用されている。
【0003】
レンジアップは短時間で再加熱をすることができ、便利ではあるが、パン類を電子レンジで再加熱すると、歯切れが悪く(ひきが強い)口溶けも悪くなり、表面にしわや縮みが発生することや、特にパンの底部(ヒール)が硬くなってしまうことが課題であった。そのため、レンジアップ耐性向上の技術の研究開発が進められているが、レンジアップによるパン類の底部(ヒール)の硬化に関しては、まだ改善できていないのが現状である。
【0004】
レンジアップ耐性向上のための従来技術として、小麦粉を主体とするパン生地に対し、乳化剤を1~6重量%配合して焼成することにより、電子レンジで加熱解凍した際にひきがなく、表面の乾燥も起こらない電子レンジ加熱に適する冷凍パン(特許文献1)が提案されているが、近年は、乳化剤を使用しない条件下での食感改善が求められている。
乳化剤を用いないものとしては、小麦粉100重量部に対して分岐及び/又は非分岐サイクロデキストリンを 0.001~0.5重量部含み、ムレ臭が低減される電子レンジ加熱に適するパン(特許文献2)が報告されている。
【0005】
また、パン生地の配合中の粉類の重量の90%から140%の水を配合し、18%から30%の卵を配合して焼成したパン類を冷凍することにより、電子レンジ加熱により短時間で食感と食味が良い状態になる、レンジアップに適するパンの製造(特許文献3)や、電子レンジ再加熱に適したベーカリー製品として、(A)グルテン、(B)リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉及び/又はリン酸架橋澱粉、及び(C)大豆由来蛋白及び/又は卵由来蛋白を含有させるベーカリー製品用組成物(特許文献4)が報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平2-222639号公報
特開平9-28278公報
特開2016-49061号公報
特開2020-171234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、電子レンジ等で再加熱して喫食されるパン類の食感と表面状態を向上させる技術を提供すること、詳細には、電子レンジ等で再加熱した際の表面状態および食感の劣化、特にパン類の底部(ヒール)の硬化を抑制することができる、再加熱に適したパン類用組成物とパン生地、その生地を焼成等したパン類、または再加熱用パン類の食感改良方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、パン類用組成物において、澱粉分解度DEが11以上の澱粉分解物を穀粉に配合することにより、その組成物を含有するパン生地を焼成等して得られたパン類を冷蔵または冷凍保存した後電子レンジ等で再加熱すると、再加熱による表面状態および食感の劣化を抑制できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
本発明は、以下(1)~(3)の再加熱パン類用改良材、(4)、(5)の再加熱パン類用組成物、または(6)の再加熱パン類用生地に関する。
(1)DE11以上の澱粉分解物を有効成分とする、再加熱パン類用改良材。
(2)前記DEが11~33である、上記(1)に記載の再加熱パン類用改良材。
(3)冷蔵または冷凍パン類のレンジアップ食感改良材である、上記(1)に記載の再加熱パン類用改良材。
(4)上記(1)に記載の再加熱パン類用改良材を、穀粉100質量%に対して1~40質量%含有する再加熱パン類用組成物。
(5)損傷澱粉量が10質量%以上の米粉を、穀粉100質量%に対して0.1質量%以上含有する、上記(4)に記載の再加熱パン類用組成物。
【0010】
また、本発明は、以下(7)、(8)のパン類、または(9)のレンジアップ後の食感改良方法に関する。
(7)上記(6)に記載の再加熱パン類用生地を加熱してなる、パン類。
(8)冷蔵または冷凍されてなる、上記(7)に記載のパン類。
(9)上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の再加熱パン類用改良材を用いる、パン類のレンジアップ後の食感改良方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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