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公開番号2025062626
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-15
出願番号2023171728
出願日2023-10-03
発明の名称イヌリンを発酵させて製造されたパン、パン生地およびパンの製造方法
出願人学校法人 尚絅学園
代理人個人
主分類A21D 8/04 20060101AFI20250408BHJP(ベイキング;生地製造または加工の機械あるいは設備;ベイキングの生地)
要約【課題】 本発明は、発酵用の糖質として砂糖の代わりにイヌリンを用いることで、砂糖の残存がなく、通常の便通改善効果に加えて食後の血糖値上昇の抑制効果が期待できる新たなパンを製造する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明は、イヌリン資化性酵母をイヌリンと共に前培養する工程と、前培養したイヌリン資化性酵母と共に、実質的に砂糖を含まず、かつイヌリンを含むパン生地を発酵させる工程と、パン生地を焼成する工程とを含むパンの製造方法であって、パン生地は、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)の非存在下で発酵される、パンの製造方法を提供する。
【選択図】 図1

特許請求の範囲【請求項1】
イヌリン資化性酵母をイヌリンと共に前培養する工程と、
前記前培養したクルイベロマイセス・マルキシアヌスと共に、実質的に砂糖を含まず、かつイヌリンを含むパン生地を発酵させる工程と、
前記パン生地を焼成する工程と、
を含むパンの製造方法であって、
前記パン生地は、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)の非存在下で発酵される、パンの製造方法。
続きを表示(約 330 文字)【請求項2】
前記イヌリン資化性酵母は、クルイベロマイセス・マルキシアヌス(Kluyveromyces marxianus)またはクルイベロマイセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)である、請求項1に記載のパンの製造方法。
【請求項3】
前記イヌリンは、イヌリン含有植物として提供される、請求項1に記載のパンの製造方法。
【請求項4】
イヌリンと共に前培養されたイヌリン資化性酵母およびイヌリンを含む、パン生地。
【請求項5】
前記イヌリンは、イヌリン含有植物として提供される、請求項4に記載のパン生地。
【請求項6】
請求項4または5に記載のパン生地を焼成した、パン。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、イヌリン資化性酵母およびイヌリンを使用して製造されるパンおよびその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
パンは、世界中で主食の1つとして食されている。多くの種類のパンがあるが、それらは通常、小麦粉、水、炭水化物(酵母のための炭素源)、塩、脂肪および酵母を用いて作られている。サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)は、パンを作る際に用いられる主な酵母であり、パン酵母とも呼ばれる。サッカロマイセス・セレビシエは、一般的に製パンの際にショ糖および/またはマルトースを炭素源として利用する。しかし、サッカロマイセス・セレビシエは、イヌリナーゼ(1-β-D-フルクタンフルクタノヒドロラーゼとも言われる:EC 3.2.1.7)を発現しないため、イヌリンを代謝できない。したがって、製パンの炭素源としてイヌリンを用いることはできなかった。イヌリナーゼは、イヌリンの1,2-β-フルクトシド結合を分解し、果糖やオリゴ糖を生成する酵素である。
【0003】
イヌリンを利用する酵母(イヌリン資化性酵母)であるクルイベロマイセス属(Kluyveromyces spp.;たとえばK. lactisおよびK. marxianus)は、モンゴルの馬乳を発酵させてつくる馬乳酒などの伝統的なアルコール発酵乳から見つかった酵母で乳糖資化性酵母としても知られる。これらの酵母は、ラクトースを利用するために最も重要な酵素であるβ-ガラクトシダーゼやイヌリンを代謝するイヌリナーゼを産生する。
【0004】
クルイベロマイセス属酵母を用いてパンを製造する方法がいくつか報告されている。特許文献1には、冷凍耐性酵母クルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)を用いてパン酵母を製造し、この酵母を使用してパンを製造することが記載されている(特許請求の範囲、実施例)。
【0005】
特許文献2には、クルイベロマイセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)を含有する製パン・製菓用油脂組成物が記載されている(特許請求の範囲、実施例)。
【0006】
特許文献3には、クルイベロマイセス・マルキシアヌスおよびサッカロマイセス・セレビシエの培養菌体を混合することにより、ホエーパウダーを含むパン類を製造することが記載されている(特許請求の範囲、実施例)。
【0007】
一方、イヌリンがある種の疾病を有する患者に悪影響があることから、これを除去するために小麦粉に含まれるイヌリンを分解することが研究されている。非特許文献1には、通常のパン酵母であるサッカロマイセス・セレビシエをパン生地に加えるだけでなく、乳糖資化性酵母であるクルイベロマイセス・マルキシアヌスを加えてパンを製造する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開平2-142466号公報
特開2-273137号公報
特開2011-76360号公報
【非特許文献】
【0009】
J. Agric. Food Chem. 2017, 65, 8704-8713
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
クルイベロマイセス・マルキシアヌスを添加して製造されるパンはこれまでにも存在している。しかし、従前のように一般的なパンにおいてイヌリンを除去することを目的としており、通常のパン酵母であるサッカロマイセス・セレビシエを使用せずにイヌリンを発酵用糖質としてパン生地を発酵させてパンを製造することはできなかった。
(【0011】以降は省略されています)

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