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公開番号
2025103444
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-09
出願番号
2023220842
出願日
2023-12-27
発明の名称
多重積層パイ生地を用いた焼き菓子の製造方法
出願人
個人
代理人
個人
主分類
A21D
8/02 20060101AFI20250702BHJP(ベイキング;生地製造または加工の機械あるいは設備;ベイキングの生地)
要約
【課題】多重積層パイ生地から年輪模様の外観を有する焼き菓子を製造する方法の提供。
【解決手段】パイ生地から平均層厚み0.5mm以下に長手方向に延伸したパイ生地を作成し、この巻き取ったパイ生地を長手方向とは直交する幅方向に引っ張って2倍前後拡張した後、その表面に油脂層を塗布して50層以上200層以下、好ましくは100層以上150層とし、これを直径5cm前後の積層円柱材に輪切りにし、この円盤状材を押し込んで多重積層した層間をやや摺動させるとともに直径方向に押し広げ、これを、凹凸金属表面を有する型枠に貼り付け、型枠ともにこれを焼き上げる、ことを特徴とする多重積層型パイ生地焼き菓子の製造方法である。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
1)パイ生地から平均層厚み0.5mm以下に長手方向に延伸したパイ生地薄層材を作成し(第1延伸)、これを巻き取る第1工程と、
2)この巻き取ったパイ生地を、巻き出しては長手方向とは直交する幅方向に引っ張って2倍前後に拡張した(第2延伸)後、その表面に油脂層を塗布して50層以上200層以下、好ましくは100層以上150層以下で、巻回して直径5cm前後の積層円柱材となす第2工程と、
3)該積層円柱材を長手方向に5mm前後で輪切りにした多重積層円盤状材となす工程と、4)該多重積層円盤状材を多重積層に平行して押し込んで層間をやや摺動させるとともに直径方向に押し広げ、前記輪切り素材に最初の2倍前後の面積を持たせる第4延伸工程と、
5)これを、凹凸金属表面を有する型枠に貼り付け、型枠ともにこれを焼き上げる工程とからなる、ことを特徴とする多重積層型パイ生地焼き菓子の製造方法。
続きを表示(約 450 文字)
【請求項2】
前記巻き回して形成した積層円柱材をその軸長手方向に引き伸ばす第3延伸工程を含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
焼き菓子の表裏の少なくとも1面に、常温固化するチョコレート等の凝固剤を塗布して崩壊防止を行う請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記第3延伸工程において、積層円柱材を長手方向に間隔を置いて掌で握って直径を縮小し、次いで全体を長手方向に延伸して握り間隔間に形成させる凸条環を消去させるように延伸する請求項2記載の方法。
【請求項5】
前記型枠が蛎殻からなり、パイ生地を載せ置く表面にアルミ箔を巻いて金属層を形成してなる請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記第1延伸工程にかける前、練り上げ押し広げたパイ生地を長手方向に二重層以上に折り畳んで折り畳み方向とは直交する方向に麺ローラで延伸し、この延伸作業を数十回繰り返して0.3mm前後のパイ生地に破断を生じさせない粘弾性を持たせる請求項1記載の方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は多重積層パイ生地を用いた焼き菓子の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)
【背景技術】
【0002】
パイ生地を使って貝殻をかたどった襞が何層もある焼き菓子の中に、リコッタチーズ、カスタードクリームやアーモンドクリーム等を入れ、オーブンで焼き上げるところの、パリパリとした非常に硬い焼き上がりとなる美味な、イタリアを代表する焼き菓子に、スフォリアテッラがある(非特許文献1)。この菓子は厚さ1mm程度の薄く引き伸ばしたパイ生地を数十回巻回して円柱形とした素材をおよそ10mm幅で輪切りにし、この円盤状輪切り素材を掌にのせ、親指の腹で押し込んで円錐形の貝殻様にしたもので、図8(a)(b)の形状をなし、これに内容物を詰め込んで焼き上げ、または焼き上げ後に内容物を詰め込んで作成される。その他、多層積層パイ生地を、層を横切るように輪切りスライスし、スライスした生地で、シュー生地を覆い、焼成することを特徴とするパイの製造法が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第3648888号
【非特許文献】
【0004】
cotta column「スフォリアテッラのレシピ」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のパイ生地を用いると、1mm前後と厚みが大きく、型枠を使って多重積層焼き菓子を製造するには型枠模写性能が不十分である。そこで、鋭意研究の結果、カキ殻等の型枠を模した多重積層焼き菓子を作成するためには、まず1)最終生パイ生地の厚みを0.5mm以下、好ましくは0.3mm前後、即ち0.2mmから0.4mmとするのが望ましい。2)そして、単に薄くするのではなく、それを押し広げたパイ生地が年輪のような積層した襞を形成させ、その外形強度を保持する必要があり、多数の襞を形成する隣接するパイ生地層の重なりを制御して最終パイ生地を積層する必要があることを見出した。さらに3)この積層した襞を形成する生地を提供するためには、通常1.0mm厚で供給されるパイ生地を第1延伸でほぼ0.5mm厚程度に薄層化するだけでなく、さらに、縦横への延伸を繰り返して最終的に0.3mm前後まで延伸して薄層化する必要があることを知った。他方、かかる繰り返しの延伸によりパイ生地を極力薄く調整して積層すると、積層した層のズレが年輪模様を表出するとともにパリパリの食感を持って焼き上げることができるという知見を得た。しかし、型枠に載せ置いて焼き上げると、型枠に密着しない表側に対し、型枠に密着する裏側に焼きむらが発生しやすく、また、生パイ生地厚みが、0.3mm前後となると、襞をなす巻回層間に油脂分が介在しているため、部分的に層間分離が起こって崩れやすくなることを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記繰り返し実験の結果に基づき、表面側に創出される襞が年輪模様をなし、パリパリとなる食感を維持しつつ、層間剥離離により崩壊するのを防止できるように鋭意研究してなされたもので、1)パイ生地から平均層厚み0.5mm以下に長手方向に延伸したパイ生地薄層材を作成し(第1延伸)、これを巻き取る第1工程と、2)この巻き取った拡張したパイ生地材を一部巻き出し、この先端を丸めて芯材とし、長手方向とは直交する幅方向に引っ張って2倍前後、好ましくは1.5倍以上2.5倍以下に拡張した(第2延伸)後、その表面に油脂層を塗布して50層以上200層以下、好ましくは100層以上150層以下で、巻回して直径5cm前後、好ましくは直径4cm以上8cm以下の積層円柱材となす第2工程と、3)該巻き回して形成した積層円柱材をその軸長手方向に引き伸ばす第3延伸工程と、4)該積層円柱材を長手方向に5mm前後以上、好ましくは10mm以下厚で輪切りにした多重積層円盤状材となす工程と、5)該多重積層円盤状材をその表裏から掌又は指腹部あるいはそれに代わる押圧部材で押し込んで多重積層した層間をやや摺動させるとともに直径方向に押し広げ、前記輪切り素材に最初の2倍前後、即ち1.5倍以上2.5倍以下の面積を持たせる第4延伸工程と、6)これを、凹凸金属表面を有する型枠に貼り付け、型枠ともにこれを焼き上げる工程とからなる、ことを特徴とする多重積層型パイ生地焼き菓子の製造方法にある。この焼き菓子は、積層したパイ生地がズレ、襞を形成して年輪模様として目視できるとともに、パリパリした食感を体有させることができる。本発明においては、かかる焼き菓子は、層間分離が起こる傾向があるので、焼き菓子の表裏の少なくとも1面に、常温固化するチョコレート等の凝固剤を塗布して崩壊防止を行うのがよい
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、通常市中で入手できる平均1mm前後のパイ生地を使用しても、生地の長手方向及び幅方向に複数回の延伸工程でその厚みを0.3mm前後と従来の2分の1以下、好ましくは3分の1以下の厚みとなし、積層した多数のパイ生地のズレによる多層積層襞で年輪模様を現出できるだけでなく、パリパリ感を創出した新感覚の多重積層型パイ生地焼き菓子を提供することができる。焼き上げた多重積層型パイ生地焼き菓子は幾分層間剥離がおきるが、表面又は裏面内面にチョコレート等の常温で固化する凝固層を形成することにより、層間剥離による崩れを防止することができる。
【0008】
本発明において、型枠はカキ殻など熱伝導性の良くない素材を使用する場合は、パイ生地を載せ置く表面にアルミ箔包装、金属粒の噴霧にて金属層を形成すると、表側に対し、型枠に密着した焼きの入りにくい裏側に焼きむらの生じないようにすることができる。
【0009】
本発明においては、通常のパイ生地をもちいることができるが、練り上げたパイ生地を二重層以上に、好ましくは三層に折り畳んで折り畳み方向とは直交する方向に麺ローラ等で延伸し、この延伸作業を反転して数十回繰り返して所望の粘弾性(第1延伸から第4延伸に付して0.3mm前後、0,2から0.4mm厚の生地としても破断傷を与えない程度)を持たせて形成されるのが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
練り上げたパイ生地(1)を左右から折り畳んで((2)、(3))三重ね折し(4)、これを三重ね延伸し(5)、この延伸した材料(6)を左右から折り畳んで((7)、(8))三重ね折し、これを反転して延伸する(9)。この動作を数十回繰り返して0.5mm前後に延伸して引き伸ばす(10)第1工程を示す。
第1工程で延伸されたパイ生地(11)を棒材に巻き取り、ロールの外周に100以上150回以下巻き取った状態(12)を示す。
ロール巻きしたパイ生地(12)を巻き出し(13)、先端を丸め、芯材(14)とする一方、巻き出したパイ生地を幅方向に引っ張って2倍前後拡張し(15)、(16)(第2延伸工程)、ラード等の油脂を塗布して(17)、これを巻き取る工程を示す。
巻き取った円柱材(18)は直径7cm前後で油脂層を含んで0.35mm厚で130回巻き前後であり、円錐状端部切り落とし(19)、長手方向に所定間隔でグリップしてグリップ後の凸条の環状部(20)をなぞって長手方向に引き伸ばし(21)(第3延伸工程)、直径4.5cmとし、軸線に対しおよそ5mm幅に輪切りして1個あたり20gとし(23)、これを掌にのせ、親指圧迫し(24)、2倍以上の面積の楕円形生材を得る(第4延伸工程)を示す。
カキ殻表面周囲を三枚重ねのアルミ箔で包み、カキ殻の型枠(26)を得る工程を示す。
カキ殻型枠の実写写真である。
型枠表面に剥離剤をスプレー塗布し(27)、その型枠上に生材を載せ置き、押圧し(28)、その後オーブンで焼成する(29)工程を示す。
生材の型枠への載せ置きの写真である。
焼成工程の写真である。
焼上げ材(30)から焼き菓子を剥離し(31)、表面側には照り付けに卵白を、裏面側には溶融したチョコレート等の凝固剤を塗布し(32)、層間剥離を防止するために年輪模様を塗りつぶし、冷却後表には粉糖を振りかける工程(33)を示す。あわせて焼菓子の表側の多数の積層ひだが年輪模様を表す模式図である。
内側への凝固剤塗布の実写写真である。
フフォリアテッラを実物写真で、(a)は全体、(b)は二つ折り状態を示す。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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