TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025027581
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-28
出願番号2023132458
出願日2023-08-16
発明の名称圧延ローラの製造方法及び圧延ローラ
出願人スパーシオ株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類A21C 3/02 20060101AFI20250220BHJP(ベイキング;生地製造または加工の機械あるいは設備;ベイキングの生地)
要約【課題】一対の圧延ローラで生地魂をしっかりと挟み込んで所定厚さの麺帯を形成可能とする噛み込み性と、圧延後のローラの表面に生地が残ることのない高い剥離性と、を両立維持することができる圧延ローラを提供する。
【解決手段】両端部に支持軸を備えた全体円柱状からなる金属製のローラ心材の外周胴部の表面に対し、直径1.18mm以上1.7mm以下の鋼球を投射させて半球状の凹部を形成させるショットピーニング加工を施し、ローラ心材の外周胴部の表面を算術平均粗さ6.3以上100以下の表面粗さからなるデボス加工面とするデボス加工工程と、デボス加工工程において外周胴部の表面がデボス加工面とされたローラ心材を、所定の真空度からなるチャンバ内に配置し、デボス加工面に、凹部の凹形状に沿ったダイヤモンドライクカーボン層を形成させる工程と、を有し、ダイヤモンドライクカーボン層は1μm以上10μm以下の膜厚を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
食用粉体に加水して混錬し、形成される塊状の麺類製造用生地を圧延するための圧延ローラの製造方法であって、
両端部に支持軸を備えた全体円柱状からなる金属製のローラ心材の外周胴部の表面に対し、直径1.18mm以上1.7mm以下の鋼球を投射させて半球状の凹部を形成させるショットピーニング加工を施し、前記ローラ心材の外周胴部の表面を算術平均粗さ6.3以上100以下の表面粗さからなるデボス加工面とするデボス加工工程と、
前記デボス加工工程において前記外周胴部の表面が前記デボス加工面とされた前記ローラ心材を、所定の真空度からなるチャンバ内に配置し、前記デボス加工面に、前記凹部の凹形状に沿ったダイヤモンドライクカーボン層を形成させる工程と、
を備え、
前記ダイヤモンドライクカーボン層は0.1μm以上10μm以下の膜厚を有することを特徴とする麺類製造用生地の圧延のための圧延ローラの製造方法。
続きを表示(約 470 文字)【請求項2】
前記ローラ心材は、前記チャンバ内で周方向に回動可能に保持され、前記デボス加工面が形成された前記外周胴部の表面全体にダイヤモンドライクカーボン層を形成させる請求項1に記載の圧延ローラの製造方法。
【請求項3】
食用粉体に加水して混錬し、形成される塊状の麺類製造用生地を圧延して所定厚さのシート状の麺帯するための圧延ローラであって、
両端部に支持軸を備えた全体円柱状からなる金属製のローラ心材を備え、
前記ローラ心材の外周胴部の表面は、半球状の凹部を形成することで、算術平均粗さ6.3以上100以下の表面粗さを有するデボス加工面とされ、
前記圧延ローラは、前記デボス加工面上に、前記凹部の凹形状に沿って形成されたダイヤモンドライクカーボン層を備えることを特徴とする圧延ローラ。
【請求項4】
前記凹部は、直径1.18mm以上1.7mm以下の半球状であり、
前記ダイヤモンドライクカーボン層は0.1μm以上10μm以下の膜厚を有する請求項3に記載の圧延ローラ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、食用粉体に加水して混錬し、形成される塊状の麺類製造用生地を圧延するための圧延ローラ、及び、その製造方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
小麦粉その他の食用粉体に、水や練水を加えることで加水し、混練して形成される麺類製造用生地(ドウ)を圧延して所定厚さのシート状の麺帯を形成するために圧延ローラが用いられる。圧延ローラは、一対のローラで生地を挟みこみ、所定の方向に回動させることで所定厚さの麺帯を形成するものである。従来の圧延ローラは、鋳物・鉄・ステンレス・軽金属等で形成された圧延ローラの表面に対し、研磨・メッキ・フッ素樹脂コーティング等の表面処理が施されていた。この圧延ローラにおいては、ローラの表面に付着した、小麦粉内の澱粉その他の成分を除去するために、カスリ(カストリ)又はスクレーパーと呼ばれる、金属製又は樹脂製の板状部材の前端部をローラの表面に接触させた状態でローラを回転させている。カスリやスクレーパーを用いることによって、ローラの表面の付着物を除去しながら麺帯を剥がし、麺帯がローラに巻きつくのを防止することでき、所定厚さとした麺帯を次の圧延ローラに供給することを可能にしている。このようなスクレーパーの例としては、特許文献1に記載のスクレーパーが挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平10-225256号公報(出願人:株式会社トム)
特許第5738239号公報(出願人:株式会社ソディック)
特開2005-341831号公報(出願人:株式会社豊製作所ほか)
特開2010-279316号公報(出願人:株式会社ソディック)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上下一対の圧延ローラを用いて圧延を行う際に、それぞれの圧延ローラにおいてスクレーパー、カスリ等によって付着物を除去する場合には、下側のローラから除去された付着物は麺帯の下側に落下し、上側のローラから除去された付着物は麺帯の上に落下してしまうおそれがある。上側のローラから麺帯上に落下した付着物は、麺帯とは色が異なり、また厚みの均一性を低下させるため商品価値に影響する可能性がある。また、下側のローラから除去された付着物は、麺帯上には落下しないものの、床等に落下するため、作業終了後に清掃しなければならず、余分な作業時間を要するとともに、澱粉等のムダを発生させるものである。
【0005】
このような問題に対し、圧延ローラの表面に、生地の剥離性を高めるために、フッ素樹脂によるコーティングを施すものや、ローラ表面や上記コーティングを凹凸状に形成するものが提案されている。このようなコーティングや凹凸形状により、圧延ローラの表面に残る付着物の量を大幅に低減させて、カスリやスクレーパーを用いることのない構成を可能としている。
【0006】
例えば、特許文献2に記載の粗製ロールでは、ロールの外周面に、回転軸の中心軸線方向に対して平行に断面V形状の溝を所定ピッチで設けるとともに、一対のロール間の間隙において、一方のロールの外周面が溝であるときに他方のロールの外周面が常に溝の存在しない平坦面となるように構成されている。この構成により、麺粒が滑りにくく確実に粗製ロールの間隙に寄せ集められ、押し固めて合わされて麺生地魂が形成されて空隙のない麺生地板が生成されて送り出されるため、麺カスの発生が抑えられるというものである。
【0007】
しかし、断面V形状の溝においては、ロールによる送り出し速度や、生地魂の粘弾性が一定の範囲に調節されている場合には、溝に入り込んだ生地部位が麺生地板の送出方向に抜け出ることができる可能性はあるものの、送り出し速度によっては、又は、生地魂の粘弾性によっては、生地部位が溝内に残ってしまうおそれがある。また、このV形状の溝は、送出方向とほぼ直交するように形成されている形状を有するため、長期の使用により徐々に麺カスで埋められてしまい、剥離性が低下するとともに、ローラの平坦面への生地の付着が増加するおそれがある。溝が麺カスで埋まってしまった場合には、麺帯がローラに巻き付きやすくなり、圧延作業が困難となるため、溝部にたまった麺カスの除去作業が必要となるため、圧延工程を停止させなければならなくなる。
【0008】
このほかにも、出願人は、様々な形式からなるローレット駒を用い、様々な粗さからなる凹凸状のローレット加工を施し、生地の圧延性能を試行したが、ローレット加工によるローラ表面への凹凸形状では凹部の形状がV字状となるため、生地顔生内に残りやすい不具合が生じていた。
【0009】
特許文献3に記載の圧延ローラでは、ローラ母材の表面にフッ素樹脂層をコーティングするとともに、ローラ母材の表面とフッ素樹脂層との間に両者間を接合する材質からなる溶射層を形成している。これによってカスリやスクレーパーを使用しない構成を可能としている。しかし、フッ素樹脂層は、使用状況により、1年程度で表面の剥離性が低下し、生地の付着が発生しやすくなる。生地の付着が増加すると、麺帯がローラに巻き付きやすくなり、圧延作業が困難となるため、未使用の圧延ローラへの交換が必要となることから、作業が長期に渡って停止するとともに、新たな圧延ローラの購入によるコストの増加を招くこととなる。
【0010】
特許文献4に記載の粗製ロールでは、本体を構成する円筒帯の外周面に窪穴部位又は突起部位が均等に分散して配設されるとともに、外周面の全面にフッ素樹脂のコーティングが施されている。この構成により、麺帯原型の離面性と麺粒を一対のロールの間隙に集める収集力および麺帯原型に帯するグリップ力を両立させて、比較的長時間に渡って安定して麺帯原型を生成し送り出すことができるとしている。しかし、フッ素樹脂層は、使用状況により、1年程度で表面の剥離性が低下するため、平坦面に生地が付着しやすくなるとともに、窪穴部位に生地が付着してたまってしまうおそれがある。このような不具合が生じた場合には、窪穴部位にたまった生地の除去、又は、未使用の粗製ロールへの交換が必要となるため、作業が長期に渡って停止するとともに、新たな圧延ローラの購入によるコストの増加を招くこととなる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

株式会社日本麺機
製麺機
2か月前
株式会社飯田製作所
食品生地搬送装置
2か月前
個人
クッキーの製造方法
8日前
エムケー精工株式会社
羽根および食品調整装置
22日前
三鈴工機株式会社
トロエレベータ
1か月前
株式会社ニチレイフーズ
麺食品を製造する方法
15日前
日油株式会社
製菓用改質剤
15日前
スパーシオ株式会社
圧延ローラの製造方法及び圧延ローラ
今日
株式会社ADEKA
製パンフィリング用焼菓子生地
23日前
合同会社PlusenNa
パン酵母種に関わる酵母以外の原料の組成及び製造法
1か月前
株式会社ニップン
白いドーナツ及び製造方法
1か月前
ユーハ味覚糖株式会社
長期保存可能なパン様食品組成物
1か月前
日清製粉プレミックス株式会社
包餡ドーナツ用ミックス
1か月前
日東富士製粉株式会社
カヌレ用ミックス及びカヌレの製造方法
29日前
タマムラデリカ株式会社
麺線の製造装置及び麺線の製造方法
1か月前
株式会社福盛ドゥ
冷凍パン生地を用いたパンの製造システム
22日前
昭和産業株式会社
再加熱パン類用組成物および該組成物を含むパン生地とパン類
1か月前
日清食品ホールディングス株式会社
製麺ミキサーへの給水方法
1か月前
株式会社福盛ドゥ
冷却パン生地を用いたパンの製造システム
1か月前
月島食品工業株式会社
シューパフ生地の製造方法、シューパフ用水系組成物、シューパフ調製用油中水型組成物
1か月前
株式会社J-オイルミルズ
ベーカリー食品用組成物、ベーカリー食品用生地、ベーカリー食品の製造方法、及びベーカリー食品の食感改良方法
1か月前
天野エンザイム株式会社
冷凍パン生地用改質剤
1日前
ロッテ ウェルフード カンパニー リミテッド
焼成が可能なマーガリンがロールインされたペストリーシート生地を葉状に成形した組成物及びチョコペストリーの製造方法
1か月前
株式会社ボディワークサービス
コインタイマーの硬貨返却部構造
2か月前
スズキ株式会社
車両用スライドドア構造
29日前
グローリー株式会社
汎用制御基板
2か月前
ベイジン パーカンズ オンコロジー カンパニー リミテッド
サイトカイン融合タンパク質
2か月前
住友化学株式会社
樹脂、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
14日前
ユニヴァーシティ オブ ワシントン
顕微鏡用試料ホルダのための装置、システム及び方法
2か月前
学校法人自治医科大学
肝臓における遺伝子発現を増強する核酸エレメント及びその用途
7日前
ノバルティス アーゲー
抗ウイルス1,3-ジ-オキソ-インデン化合物
1か月前
ノバルティス アーゲー
抗ウイルス1,3-ジ-オキソ-インデン化合物
1か月前
住友化学株式会社
塩、酸発生剤、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
2か月前
住友化学株式会社
塩、酸発生剤、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
2か月前
住友化学株式会社
塩、酸発生剤、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
2か月前
住友化学株式会社
塩、酸発生剤、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
2か月前
続きを見る